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JICA カンボジア事務所    Aug 15, 2012 No.12

■日系企業の就職説明会に800人 1

■数字で見るカンボジア「職種別の平

均月収」 1

■ラオスの不発弾撤去にカンボジアの

スキルを/南南協力ワークショップ開

かれる 2

■地方でも安全な飲料水を/配水管改

修・拡張工事が着工        2

■<カンボジアひと模様>カンボジア日本

人材開発センター カム・ウオン所長 3

■カンボジア事務所から 3

■カンボジアの新聞から    4

■今後の活動のご案内 4

日系企業の就職説明会に800人カンボジア日本人材開発センターで開催カンボジアに進出した日系企業・団体による合同就職説明会が7月18日、プ

ノンペン市内のカンボジア日本人材開発センター(CJCC)で開かれ、約800人が詰め掛けた。CJCCは、JICAの協力により設立され、民間セクター開発を促進するための人材育成と情報交流の拠点となっている。カンボジアへの日系企業の投資額は、増加傾向にあり、日本語を話す「日本

語人材」の需要が高まっている。企業側は日系の33社が参加。工業団地(経済特別区)に進出した輸出加工型の製造業、2014年にプノンペンにショッピングモールを開業するイオン・グループなど小売業、カフェを開いてチェーン展開を目指すベンチャー企業など幅広い業種の企業やNGOが集まった。説明会は、CJCC、カンボジア日本人商工会、王立プノンペン大学外国語学

部日本語学科が共催した。昨年までは、プノンペン大学日本語学科の卒業生だけを対象としていたが、求人側、求職側ともニーズが高まったことから、他大学や他機関の若者も対象にして規模を拡大した。日本語学科のロイ・レスミー学科長は、「今年の卒業生が入学した4年前に

は、こんなに日系企業が進出するとは夢にも思わなかった」と言う。当時は日本語を学んでも就職先がほとんどなく、仕事に結びつかないため、韓国語学科の人気の方が高かったという。CJCCカム・ウオン所長は、「カンボジアでの日本製品・サービスへの信頼は高

く、日系企業の進出が増えることは待ち望んでいたこと。日本語を学ぶ人にとってもそれ以外の学生にとっても就職のチャンスが広がり、日本語教育にもはずみがつき、日本文化への関心もさらに高まる」と話した。CJCCは、民間セクターの人材育成の需要

にこたえ、ビジネス研修コース、キャリア形成のための日本語コース、個別の企業への出張日本語講座などを実施している。同時に、日本企業への就職希望者と、求人のある企業をつなぐメール配信サービス「Job Informa-tionClub」も立ち上げた。(P3に関連記事)

数字で見るカンボジア <職種別の平均月収> 

 国連の国際労働機関(ILO)の調査によると、カンボジアの主な職種別平均月収は、右グラフの通り。 2004年に最も平均月収が高かったのは事務職だったが、2009年には技術職となった。

専門職

軍人

単純作業

農林水産業

サービス・販売

事務職

技術者

2004年

2009年

$65

$40

$55$21

$82

$45

$148

$96

$173

$83

$123

$58

$108$40

■就職説明会の会場全景。一時は身動きがとれないほど込み合った

■スーツ姿の社員から会社説明を聞くカンボジア人の学生たち

ラオスの不発弾撤去にカンボジアのスキルを南南協力のワークショップ開かれる1960年代から70年代にかけて、「世界で最も多くの爆弾が落とされた」と

いわれるラオスには、今も約8000万発の不発弾(UXO)が眠っている。爆発による年間の死傷者は300人を超え、不発弾は戦争が終わっても人々の命を脅かし続けている。ラオスで不発弾撤去に取り組む政府組織「UXOLao」と、カンボジア地雷対

策センター(CMAC)が、経験や知識、スキルを共有する「不発弾/地雷セクターにおけるラオス・カンボジア南南協力」の第1回ワークショップが7月15日から約2週間、プノンペンで開かれた。「UXO Lao」を中心に、ラオスからは15人、CMACからは10人が参加した。両国の南南協力は、JICAが仲介する形で2014年まで行なわれる。カンボジアも世界最悪の地雷汚染地帯と呼ばれ、今も被害者が出ている。だ

が、JICAを含む国際的な支援のもと、政府組織であるCMACでの人材育成や技術向上が進み、カンボジア国内の地雷撤去だけでなく、他国の地雷撤去も実施するまでになった。また、CMACは2010年から11年にかけて、南米コロンビアとの間で、JICAの仲介による南南協力を実施。コロンビアの地雷対策政府機関に、撤去技術や人材育成の方法、組織運営や情報管理の方法など技術を伝え、高い成果を上げている。戦争や紛争の遺物である不発弾や地雷は、隣国

同士では歴史や政治がからむ複雑な問題となることが多い。それだけに、隣国であるラオスとカンボジアが手を携える今回の事業は、インドシナの新しい国際協力を象徴する事業ともいえる。

■準備会合でCMACの地雷探知犬の訓練を視察するUXOLaoの関係者

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地方でも安全な飲料水を配水管改修・拡張事業が着工プルサット、プレアシアヌーク、バッタンバン3州で、給水サービスを向

上するための「地方州都における配水管改修および拡張計画」が7月半ば、着工した。2013年6月まで、日本の無償資金協力として実施される。カンボジア政府は、安定した水の供給を国の発展に欠かせない課題と位置

づけており、2015年までに、都市部での安全な飲料水へのアクセス率を80%に引き上げることを目標としている。これまでもドナーの支援を受けながら給水改善を実施しているが、プノンペン以外の地方都市の給水能力は低く、プルサット、プレアシアヌーク、バッタンバンの各州都では、総人口に対する給水人口が約3割にとどまっている。これらの都市では、世界銀行やアジア開発銀行の支援で浄水場がすでに整

備されているため、給水率が低い主な原因は、配水管網の老朽化と、その長さが不十分であることだ。本事業では、配水管網を3都市合計で約34キロ改修し、約88キロ延長する。総事業費は約28億円。この事業により、3都市での給水人口は、合計で現在より5万人以上増加す

る。また、1日の最大給水量も、プルサットで約69%増、バッタンバンで約25%増、プレアシアヌークで約97%増と大幅にアップする見込みだ。

■ラオスで撤去された不発弾 (クラスター爆弾)

■起工式では配水管敷設のデモンストレーションも併せて行われた

カンボジアひと模様

「世界への窓に」 夢かなえたカエル獲りの少年 カンボジア日本人材開発センター(CJCC) カム・ウオン所長

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緑に囲まれた王立プノンペン大学のキャンパスには、いつも若いエネルギーがあふれている。その一画に、カンボジア日本人材開発センター(CJCC)の建物がある。教育青年スポーツ省傘下だがプノンペン大学の一部ではなく、JICAの支援を通じて民間セクターの振興を目的とした人材育成や情報交流など、さまざまな事業を行う拠点である。2011年にCJCC所長となったカム・ウオンさん(38)は、教育青年スポーツ省や

プノンペン大学でカンボジアの高等教育に携わってきた教育のプロ。2006年からは同大外国語学部で英語教師として教壇にも立った。英語を学び始めたのは1980年代の後半、14歳のころ。外交官にあこがれて、英語

を学びたいと思った。両親は農家で、父は時々大工もしていた。まだ内戦状態が続き、お金も食べ物も満足になかった。ウオン所長は、カエルを獲って売り、本や勉強道具を買った。隣村に英語とフランス語を教える人がいると聞き、友達の自転車に乗せてもらい通った。「毎日、遠くの井戸から家まで水を運ぶのが仕事でしたが、井戸までの行き帰りにも必死に単語を覚えました」と言う。「私はこの国が大好きで、外国の人々と一緒に働くことを通してこの国のすばら

しさを知って欲しいと思っていました」。少年時代、貧困と混乱の中にあった祖国を目の当たりにしても不思議と失望はしなかった。「英語を学び、オーストラリアに留学もして海外生活を経験しましたが、カンボ

ジアに生まれたことを不幸だと思ったことは一度もないんです。歩みは遅くても、成長する力はあると信じていましたから」。自分に力があると信じること。平和な時代に生まれたカンボジアの若い世代に対し、ウオン所長が今最も「足りない」と感じているのは、その気持ちだ。外交官ではないが、現在の仕事は、ウオン所長が少年時代に夢見た「カンボジア

と世界を結ぶ」仕事だ。CJCCは「出会う」をキーワードに、文化、教育、ビジネスなどに関する事業を通して、日本とカンボジアの人々をつなぐ役割を果たす。なかでも、急増する日系企業のニーズに合わせた研修や日本語コース、カンボジア人が日本式経営や起業について学ぶ実践的なビジネス研修、就職説明会など、「ジャパンビジネス」の情報発信事業はユニークで注目を浴びている。ウオン所長は言う。「我々は日本の企業のベストスキルを学びたい。だが、ただ

のマネではいけないのです。学んだ知識やスキルをカンボジア社会にあてはめて、カンボジア独自のやり方に育て上げたい。そんな風に、CJCCを、カンボジアと日本を融合させる場にしたいと思っています」(P1に関連記事)

■援助の現場で手を携えるカンボジア側のカウンターパートをご紹介するシリーズです。

“職員たちには、最高の仕事、最高のサービスを目指せと言っています” (カム・ウオン所長)

JICAプラザカンボジアの小川紀子です。私のメイン業務であるスタディーツアーの季節が今年もやってきました。JICAでは開発教育を実践している

先生向けのプログラム「教師海外研修」を実施しており、今年は関西エリアから8名の教師がカンボジアに来られました。9日間に及ぶプログラム最終日にトゥールスレン虐殺博物館を視察、2万人が拷問処刑されたと言わ

れるこの施設で生き残った7名のうちの1人であるチュム・メイ氏(82歳)=写真左=を囲んで話を聞く機会を設けました。彼の体験はカンボジアに長い私でも戸惑う程、衝撃的で凄惨なものでした。彼はこの施設がポルポト時代終了直後に博物館となってからもずっと留まり、毎日カンボジアと自分の歴史に対峙し続けてきたのです。彼はこう言いました「教師であるあなたたちに私の経験を話す事はとても有意義だ。何故ならあなたたちはこれからたくさんの子供達に直接伝え続ける事になるからだ」。人と人が直接対話する事の大切さを、その場にいて改めて感じました。(JICAプラザ 小川紀子)

カンボジア事務所から 「一期一会」

カンボジアの新聞から(2012年7、8月)■カンボジアのNGO創設者にラモン・マグサイサイ賞 農業、農村開発に取り組むカンボジアのNGO「CEDAC」の代表、ヤン・サン・コマ氏がこのほど、アジアのノーベル賞と呼ばれる「ラモン・マグサイサイ賞」を受賞した。同賞は、アジア地域で社会の発展に寄与した個人や団体に贈られる。コマ氏は1997年にCEDACを設立。カンボジア各地で革新的な農法を広めるとともに、農産物の適正な流通を目指して企業を設立した。

■アルペンがカンボジアに生産拠点 スポーツ用品のアルペン(名古屋市)は、カンボジア・バベットに新たに生産拠点を設けたことを発表した。連結子会社の無錫ジャパーナ体育用品有限公司が100%出資する現地法人として「ジャパーナ・カンボジア」を設立。人件費高騰などいわゆる中国生産リスクを避け、安定した生産を図るため、としている。2013年4月にスポーツウエアやグローブの生産を開始する予定。

■サム・レンシー党と人権党が統合、新党結成へ カンボジアの最大野党サム・レンシー党のサム・レンシー党首と、野党・人権党のクム・ソッカー代表が7月、2013年の総選挙に向けて両党を統合した新しい党を立ち上げることで合意した。同時に、「カンボジア救国民主主義運動」を立ち上げることも決めた。

■上期の輸出増加率が鈍化  商業省によると、2012年1~6月のカンボジアの輸出額は約25億ドルで、前年同期と比べ12%増加した。輸出増の傾向は続いているが、2011年1~6月の前年同期比は45%だったことから、増加率は大きく下がった。増加率減の主な原因は、輸出額の8割を占める縫製品の輸出の伸びが欧米の経済低迷で鈍化したこと。また、国内で相次いだ縫製工場での労働争議が響いているとみられる。

活動のご案内

今後のJICAの活動や国際的な動きをご紹介します。JICAカンボジア事務所では、こうした動向をプレスリリースでもご紹介をしております。ご利用ください。

<予定>8月25日-9月1日 ASEAN経済大臣会合(シェムリアップ)10月14-17日 プチュンバン(お盆、祝日)(プノンペン)11月18-20日 ASEAN首脳会合、東アジアサミットなど(プノンペン)11月27-29日 水祭り(祝日)

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■カンボジアの新聞から、政治、経済、社会などのニュースをダイジェストでお伝えします。

発行責任者:JICAカンボジア事務所広報班6th,7th,8thFloors,Preah Norodom Blvd., PhnomPenh,Cambodia+855-23-211-673cm_oso_rep@jica.go.jp掲載記事、写真、イラストなどの無断転載を禁じます。

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