中小企業の 魅力の 伝え方 - Minister of Economy, Trade and...

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平成 20 年度 「若者と中小企業との ネットワーク構築事業」 事例報告書 これで成功 !! 中小企業の魅力の伝え方

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平成 20 年度 「若者と中小企業とのネットワーク構築事業」事例報告書

これで成功!!中小企業の魅力の伝え方

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 「若者と中小企業とのネットワーク構築事業」とは、若者とのコミュニケーションの少ない中小企業と、地域の若者との架け橋を創出するため、平成18年度から中小企業庁が実施している事業です。地域のコーディネート機関が中心となって中小企業や教育機関などと連携し、地元の中小企業の優れた技術やサービスといった魅力を若者に発信する取組を支援してきました。(本事業は平成20年度で終了)

 本冊子は、各地のモデル事業の概要と、その中の5つのプロジェクトについて、参加いただいた中小企業や若者の声などをご紹介することにより、多くの皆様にこうした取組を知ってもらい、全国で同様の取組が普及していくことを期待し作成したものです。 本冊子が、今後、各地の中小企業の魅力発信と人材確保の取組の参考となることを願っております。

「若者と中小企業とのネットワーク構築事業」とは

目次

アンケート調査結果 26

ご当地企業知名度向上プロジェクト〜地域に根付く中小企業若年者雇用創出事業〜◆特定非営利活動法人コミュニティ事業支援ネット

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夢プロジェクト2008〜中部の情報産業事業者と若者のマッチングプロジェクト〜◆中部アイティ協同組合

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〝新ものづくり〟発見ツアー◆早稲田ビジネスパートナーズ株式会社

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「3日間社長のカバン持ち体験」を組み込んだ 中小企業魅力体感支援事業 ◆特定非営利活動法人OCP総合研究所

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大田区モノづくり企業の魅力発信プロジェクト◆財団法人大田区産業振興協会

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コーディネート機関連絡先 30

全国25のコーディネート機関とプロジェクトの紹介 03

プロジェクトピックアップ

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コーディネート機関・テーマ プロジェクトの概要

株式会社明天 ●若者・仕事チャレンジ!  フォーステップ・プロジェクト  ~「出会い→学び→体験→貢献」  が生み出す上昇スパイラル~

5回にわたるトークライブでは、老舗企業からベンチャー企業までの幅広い経営者からの話により、参加した若者(毎回10名程度)の就業意欲が向上した。ビジネス・ステップアップ研修では、17名の若者が参加し、仕事をする上での本質的なビジネスマナーから行動科学までを学習した。さらに、長期実践型インターンシップでは、企業見学レベルでなく、会社の課題解決に寄与する業務を体験した。19年に続き2年目の学生の参加もあり、中でも会津の伝統工芸の桐下駄のウェブサイトを作成した会津大学の学生が、オーダーメイドで鼻緒と下駄を選べるシステムの企画・運営により売上を10倍に伸ばし、全国的にも注目を浴びた。なお、参加者15名中地元企業に3名、地元以外の企業に3名が就職を内定、1名が学生起業家として21年度ベンチャー企業を立ち上げる予定である。

株式会社きらり ●川崎臨海エリアものづくり  人材サポート事業

川崎臨海エリアのものづくり中小企業の魅力の向上と、効率的な就業マッチングシステムの構築による地域全体の実効性ある人材サイクルの確立を図る。企業側に対しては、若者の自己実現を可能とするような魅力ある企業となっていくため、採用・人事のコンサルティングや“兄貴”(メンター)育成支援等の取組を実施した。若者に対しては、セミナーや講演を実施し、中小企業の魅力を伝えるとともに、ミスマッチを防止するための中小企業の選び方を教え、さらには企業が必要とする人材に育成するため、ものづくり体験教室、ステップアップ式ものづくり研修等の取組を実施した。こうした取組により、ニーズに応じた就業マッチングを行うとともに、若者の定着サポート活動を併せて実施し、成果の確度を高め、事業の普及を図る。

財団法人デジタルコンテンツ協会 ●コンテンツ制作中小企業の  若手人材確保支援

新規学卒者を主とした若手人材を、ゲーム、アニメーション、CG、映像、広告、Web等のコンテンツ制作関連業種の中小企業へと供給すべく活動を行っている。各業種の業界ガイダンスを継続的に実施し、学生の業界に対する理解を深めてもらうとともに、企業と学生のリアルなマッチングの場として、就職イベント「クリ博就職フェスタ」を21年1月27日と28日の2日間にわたり実施した。20年度の「クリ博就職フェスタ」では、過去最高の4,887名を動員し、中小企業24社を含めた計48社の出展という、コンテンツ業界では異例の規模の就職イベントとなった。企業、学生、学校関係者からは、「このようなイベントがあり非常に満足。」「今後も継続して欲しい。」といった熱い要望が多数寄せられた。

財団法人上田繊維科学振興会 ●若者の視点で捉える  地元中小企業の魅力発信事業

地域の自治体、大学、関係機関の協力の賛同が増え、学生・若者向けの地域の中小企業見学会、中小企業技術発表会、中小企業の人事担当役員・責任者ネットワーク会議、中小企業経営者との座談会等の有意義な事業を数々と積極的に展開した。さらに、20年度は、地域の中小企業と学生と大手広告代理店との共同実施による環境プロジェクト等も新たに展開した。参加した学生・若者からは、地域の中小企業に対する見方が良い方に変わったと聞く。さらには、長野県内の地方銀行のシンクタンクからもARECのU・Iターンの取組は、県内でも先駆模範的事例と紹介される等、これまでのARECの産学コーディネート機能に若者人材確保支援の新たな機能が加わり、地域の中小企業や学生・若者からの期待が増してきている。

財団法人大田区産業振興協会 ●大田区モノづくり企業の  魅力発信プロジェクト

大田区モノづくり中小企業の若者人材確保に向けた取組を実施。若者と企業との出会いの場である「マッチングフェア」、転職・就職希望者、製造業未経験者・製造業に関心を持つ女性向けの「プレ就職面談会」、「啓発セミナー・工場見学会」で若者の就業意欲を喚起させる。また、親と先生向け「啓発セミナー・工場見学」でモノづくり中小企業への理解促進と意識変革を図るほか、企業向け「魅力向上セミナー」を開催し、若者を受け入れる企業側の態勢を改善・向上させる。こららの取組のトータルな相乗効果で若者獲得の実効性をさらに高めていく。

社団法人首都圏産業活性化協会 ●若者とのコラボレーションによる  TAMA地域企業の人材確保支援

企業と若者のコラボレーションを通じて、企業と若者の相互理解を促進し、企業の人材確保支援に繋げることを目指して活動を行う。20年度は、大学との研究をベースとしたコラボレーション(東京工科大学、東京家政学院大学)、ゼミ活動をベースにしたコラボレーション(明星大学)、体験型授業を通じたコラボレーション(首都大学東京、法政大学、東京家政学院大学)、課題制作を通じたコラボレーション(東京工芸大学)等20件以上のコラボレーションを実施した。また、若者たちが地域の企業に関心を持てるよう、また、企業が若者たちに対する理解を深めるための契機となるよう、地域の企業と若者たちとの交流会を開催。この交流会では、活発な意見交換がなされ、今後のTAMA地域でのコラボレーション事業の発展が期待された。

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット ●若者を「中小企業が求める人材」に育て、  中小企業が「人材となった若者」と  出会う仕組みづくり

当法人が本来事業として実施している、若年者就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」等を経て、ニートからフリーターになって数年が経つ若者や、第二新卒の若者を対象に、社会人基礎力を育成するプログラムを提供した上で、職場見学や体験等を通じて、中小企業との接点を構築する「育成プログラム」を実施。若者が職場見学や体験等を通じて持った「会社イメージ」をコーディネーターがフィードバックし、中小企業にとって自社の魅力向上やPRの改善の参考となる材料とした。各種の個別プログラムの上で、年2回ほど「若者と企業の交流会“ジョブ・コンパ”」を開催し、相互理解を深める場とした。

特定非営利活動法人OCP総合研究所 ●「3日間社長のカバン持ち体験」を  組み込んだ中小企業魅力体感支援事業

八王子市は、約2千社のハイテク関連企業に代表される約2万の事業所と、22大学(短大、高専含む)約11万人の学生数を抱える等、全国でも有数なポテンシャルを有している地域。特に事業所は中小企業が大多数ながら、意欲あふれる魅力的な経営者や高い技術力で業界を席巻している企業が多い。地元の若者が地元の中小企業へ就職する仕組みづくりとして、中小企業の事業者に若者を採用することの魅力に気付かせるとともに、地元の若者に、中小企業の魅力と面白さを体験させることを目的とし、「3日間社長のカバン持ち体験」を核とした地元企業の情報発信事業、及びセミナーによる若者と企業のマッチング事業を実施する。

全国25のコーディネート機関とプロジェクトの紹介

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コーディネート機関・テーマ プロジェクトの概要

特定非営利活動法人キッズデザイン協議会 ●「キッズデザイン」を旗印とした若者と  中小企業との将来のマッチングを目的とした  コラボレーションによる相互理解促進事業

コンテスト「キッズデザイン・プロスペクティブ・コンペティション2008」への応募を目指すため、 「キッズデザイン」をテーマにしたものづくりや製品設計(デザイン)に関心を持つ若者と、優秀な若手人材確保を望む中小企業とが「デザインサマーキャンプ」「アイデアオーディション」「デザインコラボレーション」といったコラボレーションを行う機会を、企業側専門家及び若者側専門家のアドバイスを得ながら提供・支援した。コラボレーションの実施により、若者は自らの職能を発揮することのできる場を見い出すとともに、中小企業を就職先の選択肢の一つとして認識した。一方で中小企業にとっては、自社の課題の解決、自社技術の活用、新製品開発が期待され、さらに分野に関心を持つ若手人材の確保の重要性に気づいた。

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早稲田ビジネスパートナーズ株式会社 ●地域別ものづくりツアーと  コンテンツ活用による  地域企業再発見プログラムの実施 

本事業は、「ものづくりツアー」というものづくりに興味を持つ大学生に対する現場訪問(学習)等の取組を通じて、ものづくり分野の優秀な技術を持つ地域の中小企業と主に首都圏大学の学生及び教職員の間のネットワークを構築するものである。19年度は東北・北海道地域にてものづくりツアーを実施し、20年度は三重県庁及び新潟県庁と連携を取り同地域にて実施した。このツアーを通じて、学生は企業経営に関わる広い視野を養い、現場訪問(学習)の体験を冊子及び動画として作成し、大学や工業高校等への冊子の配布及びウェブサイトに掲載する形で広く発信した。

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特定非営利活動法人NPO愛知ネット ●若者・中小企業間のポジティブ・フィード  バック効果を創出する魅力創出エンジン・  ネットワークの構築

19年度までに「長期実践型インターンシップ」、「企業探検隊」、「強いジンザイ育成サロン」を実施してきた。20年度は、学長懇話会から認定を受け「強いジンザイ育成サロン」を県内4年生大学の共通単位授業として開講し、中小企業の社長を対象とした「自社の魅力発信ワークショップ」や「若者との交流会」を開催した。さらに、地域の中小企業が抱えている人材の確保・育成に関する課題を解決することを目的に「愛知のチカラコブ」プロジェクト・コア会議を開催している。若者と、中小企業の社長、関連支援団体が参加し、現状把握、課題の抽出、「成り行き」未来像と「あるべき」未来像について議論している。来期以降は、このコア会議とサロンとを核にして、本事業を継続・展開していく。

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三重県商工会議所連合会 ●桑名方式インターンシップの拡大による  地域ぐるみの人材確保支援事業

商工会議所がコーディネータとなって高校と企業を橋渡しし、きめ細かいフォローを行う「桑名方式インターンシップ」を三重県下各地域の産業構造に応じて取り入れることで、高等学校新卒者等地域の優秀な若者の人材確保を推進している。桑名・四日市(北勢地域)、津地域、松阪地域、鈴鹿・亀山(鈴亀地域)、上野・名張(伊賀地域)、伊勢・鳥羽(伊勢志摩地域)、尾鷲・熊野(東紀州地域)の各商工会議所に設置した地域協議会を中心に、地域の中小企業、高校、PTA、行政(市・教育委員会・ハローワーク)等がそれぞれの立場から意見交換することで、インターンシップの必要性、中小企業の現状や魅力を共有し、若者の地域中小企業への就職を促進している。

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中部アイティ協同組合 ●中部の組込みソフトウエア事業者と  若者のマッチングプロジェクト

本事業は、「夢プロジェクト」「インターンシップ」等を通して、地域IT企業経営者の考えやIT業界の魅力を若者に伝えることで、地域におけるIT中小企業の人材確保と、若者が活躍できる体制を構築するものである。春と秋に開催した「夢プロジェクト」では若者(学生・未就職者等)と中小企業で大討論会を実施し、中小企業はITの魅力を訴え、若者はIT企業の魅力に触れることができた。また同イベントにおいてIT企業各社が開発したインターンシップカリキュラムを披露し、夏と冬のインターンシップへの参加を促した。さらに大学教授にイベントへ参加いただくことで教育機関と組合のつながりが強まった。実施したインターンシップには、組合企業15社で計100名以上の若者が参加し、参加企業への就職にもつながった。

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特定非営利活動法人コミュニティ事業支援ネット ●阪神間のご当地企業知名度  向上プロジェクト

兵庫県内でも中小企業が多い阪神間。また、10を超える大学を有する若者溢れる街。にもかかわらず今までお互いが出会う機会がなかった。地元の中小企業で働きたいという学生が多い反面、中小企業は大企業と比べて情報発信量が少ないために選択されないこととなる。そこで取り組んだ「ご当地企業知名度向上プロジェクト」では、大学などの教育機関や商工会議所などの商工関係者と協働しながら、中小企業の知名度を向上させ、若年者の就業を促す取組として、企業のプロモーションビデオの作成および配信、プロモーションビデオを活用した「活きろ阪神間~中小企業就職見本市」の開催、体験型インターンプログラムである「かばん持ちインターン」の実施、若年者の就業相談、企業の人材確保に関する相談などを行い、「つなぐ」役割を果たした。

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協同組合関西ファッション連合 ●ファッション関係の学生の育成、  就業機会、ビジネス機会の提供と  繊維産業の活性化

今回の事業推進に当たり、産学のネットワークを様々な意識の段階に合わせて作り上げてきた。職場視察会においては、規模、業種等バリエーションに富んだ企業と学生の交流を行い、多数の学生が参加し、学校教育では得られない企業の実態に触れ、毎回活発な交流を図った。インターンシップは企業活動の実態に深く関与した連携を企画し、ブランドの立ち上げや実売商品の試作等の様々なテーマに基き、学生はその若い感性や発想を、企業は実業の流れを、互いに昇華させるように共同作業に取り組んだ。今後は、この取組に接点を持った学生や先生方が取組の成果を学校内において広めていき、教育カリキュラムなどの教育現場に反映する事、企業側としては今回の取組が若い優秀な才能を活用する機会になる事が期待できる。

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彦根商工会議所 ●課題解決型インターンシップを通じた企業  の魅力発信と若者とのネットワーク構築

彦根地域の中小企業が現実に抱える課題を大学生に提案し、その課題解決策の立案に向け、夏期休暇を活用して調査・研究を繰り返す、課題解決型インターンシップ事業を中心に実施した。中小企業にとっては、高額な宣伝費をかけることなく大学生に情報発信することができる。一方、大学生にとっては寝ても覚めても、一企業のことを考え続けることで、企業や産業の魅力に気づく。さらには未知であった地元中小企業の中に、パンフレットやインターネットだけでは分からない、企業の存在意義やそこで働く意義を見つけることができる。また、この成果を広く公開するプレゼン大会と採用力向上セミナーを組み合わせることで、中小企業の人材確保・育成レベルを上げていく仕組をとっている。

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立命館大学総合理工学研究機構 ●ハンズオンによる課題解決型産学協同人財  交流プロジェクト

本学の取組の中心として、中小企業の魅力を深部まで学生に知ってもらうべく「やる気学生とバリバリ社員による社長特命プロジェクト」という課題解決型インターンシップを実施した。このプログラムは、学生と企業の若手社員でチームを組み、社長からの特命課題を解決すべくブレインストーミングを行い、密着交流を図るものである。また、参加学生も学部生中心であった19年までと違い、20年は大学院生の積極的な参加を促し、企業の広い人材ニーズへの対応を可能にした。他にも、大学全体の学生と中小企業の出会いの場を提供する「企業ブース展示(立命館イノベーションフェア)」がある。これは、学生が中小企業の開発意欲、技術力、製品力といった魅力を直接肌で感じる機会であり、他のイベントとも連動した大規模な学内の恒例行事となっている。

全国25のコーディネート機関とプロジェクトの紹介

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コーディネート機関・テーマ プロジェクトの概要

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和歌山県中小企業団体中央会 ●先導的企業を核とした魅力発信型  人材確保支援

県内の優良中小企業で「和歌山ブライトカンパニーズ」という企業グループを形成した。化学、機械金属メーカー等他業種62社。中小企業は、1社のみでの求人アピール力は大企業にかなわないため、集団で企業の魅力を発信していくことで、多くの若者に求職の選択肢を提供し、今まで知らなかった地元中小企業を身近に感じてもらえるよう活動した。チラシ、パンフレット、HPといった共同広告の制作やマスコミへ活動情報の情報提供を行うとともに、20年度に4回開催した合同企業説明会では、延べ919名の若者と中業企業との接点を創出した。さらに、雇用能力開発機構、労働局、大学などの関係機関とも連携し、グループ企業へのインターンシップの受け入れ、ジョブカフェへの出前プレゼンテーション、企業見学バスツアー等を実施。

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社団法人中国地域ニュービジネス協議会 ●地域の魅力ある企業の情報発信と次世代を  担う人材サイクル構築の支援事業

中国地域には、技術・製品でNo.1を誇る実力企業や独創性ある技術やサービスを有する創造企業、大手企業を支えるパートナー企業など魅力ある中小企業が数多く存在している。そうした企業の魅力を「企業PR冊子」や「企業の魅力体験ツアー」を通じて、学生に情報発信している。また、学生が短時間で就業体験を行える「1dayインターンシップ」制度を設ける等、生きた企業情報を入手できる機会づくりに努めている。また、企業の経営者・採用担当者を対象に、人材育成や人材獲得をテーマとしたセミナーの開催、企業が大学に出向いて自社PRを行う「企業プレゼン会」の実施など、中国地域5県の産学ネットワークを活用した企業と大学、学生を繋ぐパイプの構築を図っている。

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社団法人香川経済同友会 ●実践型インターンシップを通じた地元企業  定着型就職支援ネットワークの構築事業

担当教員の指導を受けながら学生が受入企業と共に企業の抱える実課題を解決していく香川方式の「実践型インターンシップ」を事業の核とした。これは、若者の実践教育及び中小企業との出会いの場としてだけでなく、優秀な学生を地元定着につなげる事をねらいとしたものである(20年度は受入企業18社と実習学生65名の参加)。さらに、若者と中小企業との接点機会として、受入企業での報告会、学内成果発表会、産業人材育成フォーラム、中小企業の情報発信力研修会、合同企業説明会とのジョイント等も実施。これらは域内の協力機関で構成される連絡協議会の高等教育機関メンバーとして香川大学、高松大学、高松高専に加え四国学院大学、徳島文理大学香川キャンパス、詫間電波高専も参加しており、地域ぐるみの取組となっている。

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四国生産性本部 ●若者のUターン就職に対する  新たな支援体制の構築

四国外で就職している四国出身の若者の四国へのUターン再就職を支援する事業を実施。卒業生に対してUターンセンターへの求職情報登録の周知・促進のため、四国の大学・高専等の同窓会ネットワーク(同窓会HP・会報等)を活用した。一方企業に向けては案内送付・訪問等により本事業の周知を図り、Uターンセンターへの求人情報登録を促進させた。また、企業の魅力度アップ研修会、採用力向上研修会、大都市在住若者の帰郷意識を高揚させるUターンの魅力発信フォーラム[東京]を開催した。さらに本事業HPを活用した求人・求職情報、再就職支援サービス情報等も提供した。

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有限会社アジアビジネスコンサルタント ●環黄海経済圏ビジネスに携わる  若手人材の獲得支援

黄海を囲む中国沿海部と韓国・九州で構成される環黄海経済圏は、地理的優位性からも経済交流が盛んである。環黄海経済圏ビジネスをキーワードに、それに取り組む中小企業と将来の活躍フィールドにしたいと望む若者との接点づくりを、福岡・熊本・長崎・大分・鹿児島で実施。各社の環黄海経済圏ビジネス展開に有用な人材ニーズを整理し、ビジネスの第一線で活躍する講師による6~40時間の環黄海経済圏ビジネス講座を受講した若者とのマッチングを実施。企業と若者の個別面談を開催し、また企業からの要望でインターンシップも行った。 環黄海経済圏からの留学生も多い九州では、同地域に対する若者の関心は高いがビジネス情報・企業情報は少ないのが現状であるため、国際ビジネスに積極的な若者と直接コミュニケーションができる点を参加企業より評価された。

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熊本県異業種交流協議会 ●企業群・学校群  「ものづくりスクラム体制」の確立

熊本県内には、自動車、半導体や金型関連企業等といった多くの中小企業があり、その大多数は技術系の若手人材を求めている。しかし、情報発信不足なこともあり、若者に魅力を伝えきれていないのが現状である。そこで、中小企業から若者に対し情報発信等を行い、中小企業と熊本県内の工業系高校・高等専門学校・大学の若者との接点づくりを行っている。20年度は、オープンファクトリーや合同中小企業説明会を実施することで、若者に対し参加企業のPRを行うとともに、大学生を対象に「課題解決型インターンシップ」を実施。参加企業からは「県内中小企業の存在、仕事の内容を若者に知ってもらう良い機会だった。」との意見や、学生からは「商品開発に情熱をかけ、取り組んでいる姿に感動した」等の意見があった。

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鹿児島県中小企業団体中央会 ●人材発掘と育成が仕事を変える!  会社を変える

鹿児島県内の若者の多くは県内外の中堅・大手企業に就職している現状を鑑み、県内への就職を強く希望する若者に対し県内中小企業の魅力を発信するとともに、両者の出会いの場を提供した。企業の採用担当者向けセミナーや就職を希望する若者向けセミナーとともに企業と若者の出会いの場づくりとして合同面接会を開催した。また、事業に参加した企業35社で「鹿児島県若者採用力向上会議」を結成した。

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有限会社オーシャン・トェンティワン ●沖縄型「I・Uターン人材確保・育成・  マッチングシステム」開発プロジェクト

沖縄県内の中小零細企業が抱える人材確保の課題は、企業体力が乏しく採用予算が取りにくい上、沖縄県内で募集をかけても人材が集まらない事が多い点、中小企業と人材のミスマッチによる定着率の低い点が挙げられる。こうした課題を解決するために、人材の「発掘―育成―定着」をパッケージ化した新しい人材確保システムの必要性に着目し、その開発に取り組んだ。その基盤作りとなる20年度事業推進の柱は、①関東地区を中心とした幅広い発掘ルートの開拓②沖縄移住を希望する若者の確保ルートの開拓③沖縄県内中小企業の「人材採用」と「人材育成・定着」に対する意識啓発の実施であった。

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Project 大田区モノづくり企業の魅力発信プロジェクト

プロジェクトの概要

 大田区はモノづくりを手がける中小企業が密集する地域で

す。しかし、ピーク時とここ数年の現状を比較した場合、企業数

は半減。これは少子高齢化の進展を背景とした「後継者を中

心とする若手人材不足」も大きな要因となっています。

 そこで当協会では、モノづくり企業が抱えるこのような問題を

解決し、次世代を担う若手人材の積極的採用、ひいては地域

のさらなる活性化を促進していくために、平成18年度から3ヵ年

計画で『大田区モノづくり企業の魅力発信プロジェクト』を推進

してきました。

 プロジェクトの具体的な内容は、①企業と若者が直接出会う

場をつくる。②若者の就業に強い影響力を持つ父兄(保護者)

や教育機関の指導者(教員)に対して、企業への正しい理解と

支援を促す啓発活動を行う、③企業側にも「新たな気付き」と

して、自社の高度な技術力や魅力を再認識してもらい、若手人

材の確保と育成につなげていくための働きかけを行う、というも

のです。

 「大田区モノづくり企業展(若者と中小企業とのマッチング

フェア)」や「工場見学会」などさまざまな取組を通じて、求職者

側と受け入れる企業側の双方共に、確かな相乗効果が表れ

ています。

プロジェクトのしくみ

「地元にこんなすごい中小企業があったんだ!」大田区モノづくり企業の正しい実態と魅力を新発見

「大田区モノづくり企業展(マッチングフェア)」や「工場見学会」 でのPRを主体に採用活動を展開。その他、自社の魅力を伝えるために各種情報提供

大田区モノづくり企業

若手求職者

(主に高校生)

企業へ就職、または企業への理解・認知度アップ

コーディネート機関:財団法人大田区産業振興協会

さまざまな施策を計画 運営協議会

教育機関 モノづくり企業 大田区産業振興協会

※三者で各委員を選出

大田区産業振興協会がコーディネート機関としての役割を務め、教育機関、モノづくり企業、そして関係機関から各委員を選出し、三位一体のネットワーク機能を持った「運営協議会」を発足。さまざまな施策を計画・実行し、若手求職者のモノづくり企業への意識付けを実践しています。

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「大田区モノづくり企業展」や「工場見学会」を通して、工業高校生を中心に地元製造業への就職者が増加

CASE 01

コーディネート機関 財団法人大田区産業振興協会

財団法人大田区産業振興協会〒144-0035 東京都大田区南蒲田1-20-20 大田区産業プラザ(PiO)3F

TEL.03-3733-6476 FAX. 03-3733-6459URL. http://www.pio-ota.jp

E-mail. [email protected] [email protected]

プロジェクトの核ともいえる「大田区モノづくり企業展(若者と中小企業とのマッチングフェア)」は、スタートした平成 18 年度から20 年度まで過去 3 年間を振り返ると、参加者数・出展企業数共に着実に増加。モノづくり企業への積極的な参画の呼びかけ、

教育機関や就労支援機関(ハローワークなど)への協力依頼、ホームページやタウン誌など各種メディアの活用によるさまざまな広報活動が功を奏し、平成 20 年度は 1,500 名の来場者と50 社の採用意欲旺盛な企業との出会いの場が形成されました。 多くの企業ブースでは、若者と中小企業経営者・人事担当者が熱心かつ盛んなコミュニケーションを通して交流を深めました。企業側は若者に対して、自社の魅力や優れた技術力をPR する絶好の機会となり、一方多くの若者は企業と接することによってモノづくりへの関心を高め、その結果、工業高校生を中心に地元製造業への就職が実現しています。 またその他にも、未経験者・女性を対象とした「大田区モノづくり企業の魅力を知る」セミナー&工場見学会をはじめ多種多様な取組が、地元製造業の未来を担う若手人材の発掘と採用に着実な効果をもたらしています。

06 07

プロジェクトの成果、実績、今後の展望

財団法人大田区産業振興協会管理グループ 企画広報チーム産業人材育成支援コーディネーター

金 子 宏

地元製造業の魅力をさまざまな施策で発信。大田区モノづくり企業各社が次代を担う人材を待っています! このようなプロジェクトを推進していくうえで重点を置いたのが、一部で言われる3K(きつい、汚い、危険)といった誤ったイメージを払拭し、地元製造業がわが国の基幹産業を根底で支える魅力あふれる存在である実態を知ってもらいたいということでした。 そして、それをより多くの若者に知ってもらうためには、まずは企業側が改めて自社の魅力を再認識す

ることが必要であると考えたのです。そこで、平成19 年には「大田区モノづくり企業の魅力向上事例集」、平成 20 年には「大田区モノづくり企業の若手技術者『意識調査レポート』」を作成。企業・求職者双方の視点から採用の成功事例を調査分析、企業セミナーなどで広く情報提供を進めてきました。 また同時に、求職者の就業に強い影響力を持つ父兄(保護者)や教育機関の指導者(教員)に対しても地元製造業への正しい理解を促した結果、

「企業としての力強さや魅力」に新たな発見と驚きの声が次 と々寄せられました。 大田区には高度な技術を誇る優良なモノづくり企業が数多く存在し、各社が次代を担う新たな人材を求めています。やる気とチャレンジ精神、コミュニケーション能力のある人ならば、各社共に大歓迎です。求職者の方々、及び彼らを取り巻く方 に々、大田区モノづくり企業を就職先選択肢のひとつとして自信を持ってお勧めします。

財団法人大田区産業振興協会管理グループ 企画広報チーム

リーダー

大 橋 弘

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Interview 01

次の世代を担う技術者として若い人材を採用したい

 ダイヤ精機は大手自動車メーカー及び部品メーカー向けのゲージ・金型・治工具の設計、製作を行っている多品種少量生産の一貫加工メーカーです。超精密加工を得意とする当社は、日本の自動車産業を支えている自負と誇りを持っています。そして、その中心的役割を担っているのが、優れた技術力と研ぎ澄まされた五感を

駆使してミクロの世界の仕事を手がけ、確かな製品をつくり出す技術者たちです。 しかし当社では、このような技術者を目指す、次の世代を担う若い人材がなかなか採用できないという課題を抱えていました。そこで一昨年から「大田区モノづくり企業の魅力発信プロジェクト」に参画。大田区モノづくり企業展(若者と中小企業とのマッチングフェア)や集団面接会、工場見学会などを通してやる気に満ちた若者に出会うことができ、着実に採用効果もアップしてきています。 長田さん、宮田さん、麦島さんも、そのようなプロセスで入社してきた社員で、現在では欠かせない戦力として活躍しています。また、内定者の山梨さんは、当社でインターンシップを経験し今春から新入社員となる期待の新人。ダイヤ精機は、そんな若い人たちが集う活気に満ちた会社です。

若者とのマインドの共有が人材採用・育成を実現

 当社が若者を採用・育成していくうえでもっとも重点を置いたのが、彼らとマインドを共有しモノづくりへの興味を喚起していくということでし

モノづくりの魅力と面白さを味わいながら、将来有望な若手社員が活躍しています。

ダイヤ精機 × 若手社員 × 内定者

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た。現代の若者が仕事に対してどのような意識を持ち、何を考え、何を求めているのか。その「答え」を見つけるために、私自身もさまざまな研究と工夫を重ねてきました。 たとえば、面接で手渡す会社案内の制作について多くの若者が興味を示す「クルマ」をイメージしたデザインを取り入れたり、また入社後には自分ができること・できないことをしっかりと把握して一歩一歩成長していくための「チャレンジシート(目標設定シート)」を活用したり、さらにトライアル期間(入社後の 3ヵ月間)では身近な先輩と私も加わって三者間で交換日誌を行うなど、アットホームな社風のもと血の通ったコミュニケーションを心がけました。そして、このような地道な活動が実を結んできています。 技術者としても、人間としても、一流と呼ばれるように成長してほしい。そして、楽しく仕事をしてほしい。そのために当社では、若手社員であっても積極的に意見の言える、いろいろなことにチャレンジできるボトムアップの風土を用意しています。これからも、少数精鋭でより強固な組織を形成していくために積極的に採用活動を展開していきます。モノづくりに意欲と興味を持った新たな人材と出会えることを楽しみにしています。

 転職活動を行っているときに、ハローワークで「マッチングフェア」が開催されることを聞き、興味があって参加しました。 私にとってモノづくりは未経験で多少不安はありましたが、ダイヤ精機は教育制度がしっかりしている点や、社長の若手社員を育てていきたいという熱意を強く実感。念願がかなって入社し、3ヵ月間のトライアル期間を経て正社員として採用されました。ひょっとすると、モノづくり企業に対して 3K のようなイメージを持っている人がいるかもしれません。でも実際に働いてみると、それが間違った見方であることがわかります。「やる気と好奇心」があれば、モノづくりを思う存分に楽しめます。

宮田 吉基2007 年 11月入社休日は趣味のサッカーで汗を流す。神奈川県の社会人チームに所属、ポジションはディフェンダー。

モノづくりの魅力を多くの人たちに知ってほしい

 就職活動で私がこだわったのは、「地元で働きたい、デスクワークよりも体を動かす仕事の方が性に合っている」ということでした。そこでハローワークへ行き、「マッチングフェア」のことを知って参加しました。 ダイヤ精機に惹かれたのは、モノづくり企業では異色とも言える女性社長の存在に驚いたこと、そして面接で非常に良い印象を抱いたことで、何か直感的にビビッとくるものがありました。 仕事はさまざまな図面のオーダーに基づいて製造工程を進めていきますが、いかに正確かつスピーディにできるかを考え、実行した結果うまくいったときは本当に楽しいですね。あなたもぜひ、モノづくりにチャレンジしてみませんか!

麦島 航2007 年 11月入社趣味は小学生の頃から続けているサッカーで、現在は大田区リーグに所属。また冬場は、スノーボードにも熱中。

異色とも言える女性社長と話して直感的にビビッ!

有石 貴子 ダイヤ精機株式会社 代表取締役

代表取締役として心がけているのは、社員にとっての助っ人として「女将さん的存在」であること。一方、オフタイムは趣味のクラシックバレエに熱中、スタジオコンクールでの優勝経験もあり。自分にとっても社員にとっても「オンとオフの両立が大切」が持論。

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08 09 

ダイヤ精機株式会社〒146-0083 東京都大田区千鳥2-40-15

TEL.03-3758-3351 FAX. 03-3758-4595URL. http://www.daiyaseiki.co.jp

E-mail. [email protected]

マッチングフェアで初めて見た「ゲージ」。それは運命の出会いでした

 一昨年の6月、学校の授業の一環として、「大田区モノづくり企業展(若者と中小企業とのマッチングフェア)」に参加しました。そこでダイヤ精機のブースを訪問し、「ゲージ」に触れて精巧な手づくり感に惹かれたことが私の運命を決めるきっかけでした。 とても興味が湧いて、ぜひダイヤ精機の「イ

ンターンシップに参加したい」という思いを伝えたところ快く受け入れていただき、夏休み期間中に約 2 週間お世話になりました。そして、まず初めに私がチャレンジしたのが、自分の希望した「ゲージ」の製作でした。 3日間をかけて一生懸命に取組一通りの達成感を得ましたが、残念ながらできあがったものはマッチングフェアで見たあの「ゲージ」とは違い、改めてプロの職人技のすごさに圧倒されました。と同時にこのとき、自分の気持ちはハッキリと決まりました。 インターンシップ参加から1 年後の昨年 6 月、面接を経て内定を獲得。4 月からはダイヤ精機の新入社員としての生活がスタートします。当面の目標は、機械操作を習得し、「ゲージ」の加工工程に携われるようになること。そして将来は、どんな高度なものでもつくれる職人になって、どんどん技術を極めていきたいと思っています。

山梨 俊彰 2009 年 4 月入社予定(内定者)高等専門学校卒

趣味は子供の頃から慣れ親しんでいるレゴブロックをつくること、地元近辺の街を自転車で散策すること。

山梨さんの就職活動プロセス

2007 年 6 月 大田区モノづくり企業展(若者と中小企業とのマッチングフェア)に参加し、ダイヤ精機のブースを訪問

2007 年 8 月 ダイヤ精機でインターンシップに参加

2008 年 6 月 本社で面接⇒内定

2009 年 4 月 入社(予定)

 前職では設計分野の仕事を担当していましたが、「もっと現場も経験してみたい、それも地元の企業で」という希望があって、ハローワークを通じて「大田区モノづくり企業展(若者と中小企業とのマッチングフェア)」に参加。ダイヤ精機のブースを訪問したのは、陳列された数 の々製品に目が止まったからです。

 そして、自分もこのような精密加工技術を身につけたいと思い、1 週間後の「集団面接会」に参加して一次面接に臨み、その後本社での二次面接を経て入社することになりました。自分なりの内定獲得のポイントは、精一杯「やる気」を主張したことだと思います。 入社して数ヵ月が経ちますが、現場の仕事で未知の機械や製品群に接するのは新鮮で、毎日がとても充実しています。その一方で覚えることもたくさんあり、上司や先輩からの適切な指導を受けながら、常にチャレンジ精神を忘れずに真剣に仕事と向き合っています。 ダイヤ精機は、現場も設計も一人で複数の職種をこなせる「多能工」を理想とする会社。お手本となる上司や先輩の職人さんたちを見習って、一歩ずつ技術を磨きながら、自分も早く会社の期待に応えられるようがんばっています。

現場も設計もこなせる「多能工」を目指してがんばっています長田 章光 2008 年 12 月入社

オフは運動不測解消のため、仲の良い友人たちとフットサルを楽しむ。またその他に、ゴーカートが趣味。

長田さんの転職活動プロセス

2008 年 11 月 大田区モノづくり企業展(若者と中小企業とのマッチングフェア)に参加し、ダイヤ精機のブースを訪問

同月      集団面接会に参加、一次面接

2008 年 12 月 本社で二次面接⇒内定

同月      入社

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Project 「3日間社長のカバン持ち体験」を組み込んだ中小企業魅力体感支援事業

プロジェクトの概要

 八王子市は、約2,000社のハイテク関連企業に代表される

約2万の事業所と、22大学(短大、高専を含む)で約11万人の

学生数を有する、全国でも有数の大きなポテンシャルを持った

地域。とくに事業所は中小企業が大多数でありながら、意欲あ

ふれる魅力的な経営者の存在や高度な技術力で著しい成長

を遂げている企業が多いことが特徴と言えます。

 このような背景のもと、地域産業のさらなる活性化を図るた

めには、多くの若者が地元企業に就職し、彼らが斬新な発想

や行動力を発揮していくことに期待が寄せられています。また、

地域における人材の循環は、豊富な事業所と若者を抱える八

王子市にとって大きな目標です。

 そこで、特定非営利活動法人OCP総合研究所ではサイ

バーシルクロード八王子と協働で、2006年度から若者が地元

中小企業の魅力を知り就職を考えるしくみづくりをスタート。新

スタイルのインターンシップ「3日間社長のカバン持ち体験」を核と

した中小企業の魅力体感支援事業を実施し、年々充実度を

増してきています。

 八王子の企業に一人でも多くの優秀な人材を確保すること

を目的として、「3日間社長のカバン持ち体験」をはじめ、若者の

就職活動のための冊子「八王子就活サポートマガジン100カン

パニー」の発刊、企業の経営者や人事担当者へ向けての「若

者に魅力のある企業風土作りセミナー」の開催、さらに若者の

自立化に向けての新たな取組である「八王子発『匠』育成事

業」など、さまざまな施策を展開しています。

プロジェクトのしくみ

産・学が集う八王子市のさらなる活性化へ向けて、若者と地元中小企業を結ぶさまざまな施策を展開

特定非営利活動法人OCP総合研究所■事業実施主体(全体の統括・コーディネート)

サイバーシルクロード八王子■本事業の事務局(企業・若者・大学などとの窓口、関係機関との連絡調整)

※教育機関・公的就労支援機関などとも事業連携

地元中小企業

各種情報提供・共有、企業と若者の交流、学生が中小企業の魅力やすばらしさを認知・理解

地元中小企業の情報発信事業★八王子就活サポートマガジン 100カンパニーの発刊★100カンパニーのデジタルブック (WEB用)発信★若者に魅力のある企業風土作りセミナー開催★地元企業会社案内60秒動画製作事業

若者と企業のマッチング事業

★「3日間の社長カバン持ち体験」プロジェクト (新スタイルのインターンシップ)★合同会社説明会の開催★八王子発「匠」育成事業

若者

協力

八王子商工会議所 八王子市 多摩信用金庫

■企業紹介 ■ネットワークの活用 ■事業のPR活動の協力など

コーディネート機関(運営母体)

特定非営利活動法人 OCP 総合研究所とサイバーシルクロード八王子が運営母体となって、「3 日間社長のカバン持ち体験」を核とした中小企業の魅力体感支援事業を実施。中小企業の社長に密着し濃密な時間を過ごすことで、学生にとっての新たな発見や気付きを促し、地元企業への就職意識が芽生えています。

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若者の成長と自信、企業への刺激、保護者の認知と理解…、「3日間社長のカバン持ち体験」が確かな相乗効果を発揮

CASE 02

コーディネート機関 特定非営利活動法人OCP総合研究所

特定非営利活動法人OCP総合研究所〒192-0085 東京都八王子市中町5-1 八王子中町ビル6F

TEL.042-621-0600 FAX. 042-625-3026URL. http://npo-ocp.jp

E-mail. [email protected]

 2006 年度からスタートした「3日間社長のカバン持ち体験」を組み込んだ中小企業魅力体感支援事業は、当初は就職を間近に控えた大学 3・4年生を主な参加対象としていましたが、それ以降から現在までは 1 年生が中心となって参加。2008年度は地元企業 19 社で各 1 名ずつの学生(計19 名)を受け入れて、「3日間社長のカバン持ち体験」が実施されました。 このように学生生活の早い時期から、活力みなぎる中小企業の社長に密着し「カバン持ち」体験で濃密な時間を過ごすことは、働く楽しさや厳しさを学ぶと同時に新たな発見に満ちています。そして、未知の出来事や事実を自分自身が受け止めて学ぶ努力を続けていくことが、彼らにとっての成長と自信を醸成。実際に、大学のキャリアセンターからも、「カバン持ち体験によって、ビジネスマナーひとつをとっても学生が驚くほどに変わった」という声が届くほど、好評を博しています。 一方、企業側にとっても学生を受け入れることは刺激となり、中小企業の魅力と面白さや、身近な製品を根底で支えるものづくり企業の力強さを、

若者に PRし理解してもらう絶好の機会となっています。また、これらの取組の成果を確認する「体験報告会」では、参加学生の保護者の方 も々積極的に出席されて認知と理解が深まっています。 中小企業魅力体感支援事業によって、学生が

「社会人基礎力(前に踏み出す力:アクション、考え抜く力:シンキング、チームで働く力:チームワーク)」を養い、これをきっかけに地元企業への気付き、就職意欲の喚起、そしてさらなる接点づくりにつながるよう、これからも尽力していきます。

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Column地元中小企業の情報発信事業

プロジェクトの成果、実績、今後の展望

特定非営利活動法人

OCP総合研究所

理事長

桑山

義明

① 3 日間社長のカバン持ち 体験プロジェクト対象:(学生)八王子地域の大学生(主に1、2 年生) 20 名程度

(企業)中小企業 20 社程度a. 事前学習 ビジネスマナーの講義など 3日間の事前学習を実施b. カバン持ち実習企業研修 3 日間学生が社長(または現場の工 場長など)と終日行動を共にする。c. 報告書など作成d. 体験報告会対象:企業研修参加学生、保護者、受入企業及び学校関係者など50 名程度 

②八王子就活サポートマガジン 100 カンパニーの発刊

「3 日間社長のカバン持ち体験」に参加した若者が編集作業に参加発行部数:約 3 万部発刊。市内及び周辺地域の大学、公的就職支援機関に配布。

③インターネットを使った地元企業の 会社案内 60 秒動画情報発信3 日間社長のカバン持ち体験に参加した若者が編集作業に参加

④若者に魅力のある 企業風土作りセミナー

若者と企業のマッチング事業⑤合同会社説明会⑥八王子発「匠」育成事業の調査調査 1:長野地区を対象に八王子企業との    「人的循環」「ビジネスマッチング」を目的としたニーズ調査調査 2:地方人材の就職ニーズ調査調査 3:外国人の雇用のニーズ調査

“キラリと光る”多くの地元企業が若手人材に期待。今、若者にとって活躍のチャンスが到来しています

コーディネート機関 サイバーシルクロード八王子

 サイバーシルクロード八王子(正式名称:「首都圏情報産業特区・八王子」構想推進協議会は、八王子市と八王子商工会議所連携のもと、地域内の豊富な資源を最大限に活用し、魅力ある産業都市“八王子”の形成に向けて設立された産業活性化組織です。 2001 年の発足以来、企業の目線に合わせて、企業間、企業と大学間の新たなネットワークづくり

(産・産・学連携)、地元企業のパワーアップ支援、創造力ある人材の育成、企業情報の発信など、現場のシーズ・ニーズに根ざしたさまざまな活動を通じて、地域産業の活性化に努めてきました。 そして、このような活動を推進していく中で、次

代を担う若手人材の採用・育成こそが最重要課題であると捉え、特定非営利活動法人 OCP 総合研究所と協働のもと「3日間社長のカバン持ち体験」の実施に力を注いできました。その結果、ビジネスの最前線を直接肌で感じた学生の成長、地元中小企業への就職を視野に入れた意識の浸透という効果が着実に表れてきています。 八王子を中心とした地域には、オンリーワンの技術や独自のビジネスモデルを持ち、大企業とまったく対等の立場でパートナーシップを構築し、すばらしい仕事を実現している中小企業が数多く存在します。そして、このような企業では今、若手の有望な人材を積極的に求めています。言い換えれば、

プロジェクトの成果、実績、今後の展望 「首都圏情報産業特区・八王子」

構想推進協議会

(サイバーシルクロード八王子)会長

甲谷

勝人

若者にとっては大きなチャンスが到来しているのです。 ものづくりや IT、流通・販売、建設など、各分野で活躍する“キラリと光る”地元企業が、若者にとっての選択肢ひいては就職先進路となることに期待しています。

サイバーシルクロード八王子〒192-0046 東京都八王子市明神町2-27-6

たましんブルームセンター4FTEL.042-639-1009 FAX. 042-639-1008

URL. http://www.cyber-silkroad.jp

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Interview 02

 株式会社ウィズテックはメカトロニクス、エレクトロニクス、ソフトウェアの設計・開発を大きな柱とし、同時にプリンタやプロッタ、計測機器の受託開発、試作、OEM 供給などを行っている会社です。とくに設計・開発分野は当社業務の要であり、技術者たちの“こだわり”が新技術・新製品の開発に活かされています。 当社では今後の事業拡大を視野に入れて、少数精鋭のもと若者の採用活動を実施してきました。しかし、大企業とは違って当社の存在がなかなか彼らの目にふれる機会が少なく、採用の難しさや課題を痛感してきたのも事実です。 そこで、まずは会社の知名度を上げていくことを目的に「3日間社長のカバン持ち体験」に賛同し、学生を受け入れました。学生には 3日間にわたって、開発製品の顧客先への納入の同行、外部企業を招いての品質監査会議への同席、福島県にある顧客先への開発製品の納入立会い検査への同行など、仕事現場の雰囲気や臨場感を体感してもらいました。

 通常、学生が感じ取る「会社」のイメージはメディアなどから受け取るものが中心で、頭の中では仮想的なものだと思います。アルバイトや会社見学を経験しても、その一面しか見えてこないものでしょう。しかし、今回の取組は、学生が実際に社長や社員と会話をしたり活動を共にすることで等身大の会社を肌で感じ、それを受けて自分で考えたり検証することによって、事前に頭の中でイメージしていた会社との違いが次第に見えてきたと思います。 しかもそれは、会社の中の歯車的なところではなく全体の活動に関わるシーンばかり。技術に集中特化する社員のやりがい、仕事の役割と責任の大きさを学生が理解することによって、これから就職活動を実践していくうえでの良い体験となったはずです。そして、私たち企業側にとっても、この機会を通じて中小企業で働くことのすばらしさに共感してくれる若者が増えていけばうれしいかぎりです。

等身大の会社を肌で感じた貴重な実体験を、これからの就職活動に活かしてほしい

株式会社ウィズテック × 株式会社シーガル × 学生

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小泉 修治株式会社ウィズテック 部長

受け入れ学生:サレジオ工業高等専門学校 電気工学科 4 年生

 株式会社シーガルは、「経営に情報技術と科学を」をテーマに、経営的な観点から企業の IT 化を推進している会社です。30 年近くにわたって、数多くのビジネスモデルを構築してきた実績を持ち、近年では中小企業向けのIT に関するコンサルティングをインターネット上で行っています。 当社では 3日間にわたって、学生に ITコン

サルティングの現場の雰囲気を体感してもらいました。中小企業を招いての IT 戦略会議への参加、顧客先企業への同行訪問を通して、社会においてなぜ IT 化が進展しているのか、またその中で当社はどのような役割を担っているのかを実際の業務を直接自分の耳で聞き、目で見てもらうことによって理解してもらいました。 顧客先での綿密なヒアリング、プレゼンテーショ

ITコンサルティングの現場体験によって、地元中小企業へのさらなる理解を

ンひとつを例に挙げても、立ち会った学生にとっては未知の出来事であり、新たな発見や驚きと共に IT の仕事の一端を見ることのできた貴重な体験だったと思います。この体験をひとつのきっかけとして、当社に限らず地元中小企業への理解をさらに深めてほしいと思います。

 株式会社シーガルで「3日間社長のカバン持ち体験」をさせていただいて、中小企業で働く社員は会社の中の小さなひとつの歯車ではなく、さまざまな役割を持った大きな歯車であり、一人ひとりが最大限に自分の能力を発揮していることが印象的でした。 また、体験するまで社長というのは雲の上の存

在だと思っていましたが、実際に 3日間一緒に行動させていただいたことで、非常に身近な存在として感じながら多くのことを学べたのも、自分にとって大きな収穫でした。 社長にはさまざまな顔があり、日本各地を訪問してビジネスを展開するアクティブさ、いつも元気を忘れない姿勢には純粋に共感。「自分ももっと

勉強し、いろいろな人と出会い、もっと行動しなければいけない」。それがこの体験を通して気付いた、これからの自分の課題だと受け止めています。そして、このカバン持ち体験で知った中小企業の良さを、自分の周りの人たちにも伝えていきたいと思っています。

Voice −体験学生からの声− 会社の中の小さなひとつの歯車ではなく、さまざまな役割を持った大きな歯車

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横井 瞳さんの 3 日間

1日目○ 100 名近い店長が集まった店長会議に参加○応募者の面接に同席○新店舗見回り、エリアリーダー会議にも参加

2日目○各店舗の見回りに同行。社長の目線を学ぶ

3日目○代官山のアートフラワーショップと六本木 のインテリアショップへ同行。 新たな驚きと感動の連続

株式会社ウィズテック〒192-0903 東京都八王子市万町1-3

TEL:042-628-7071 FAX:042-628-7824http://www.wiztec.co.jp

株式会社シーガル〒192-0085 東京都八王子市中町5-1

八王子中町ビル6FTEL:042-625-9960 FAX:042-625-3026

http://www.seagull.co.jp

 「3日間社長のカバン持ち体験」のことは大学のキャリアセンターを通じて知りました。私には国際秘書になりたいという夢があって、カバン持ち体験によって社長の考えや行動から多くのことを学ぶのが、自分の夢をかなえる近道になると思い参加しました。また、環境問題に興味のある私にとって、リユース事業を行っている株式会社ゼロエミッションは最適の企業でした。 まず 1日目は店長会議からスタート。当初は不安があったものの、社長や社員の方々の優

しい笑顔で徐々に緊張感がほぐれ、100 名近い店長が集まった会議の場で堂 と々自己紹介をすることができました。また、その日は応募者の方の面接も行われていて、私も同席させていただくという貴重な経験ができました。その他に、新店舗見回り、エリアリーダー会議にも参加しました。 2日目。朝の棚ふきや清掃を終えて、各店舗の見回りに同行。ここでは、Q=Quality(質・値段・配置)、S=Service(接客・身だしなみ・笑顔・挨拶)、C=Cleanliness(店内の清掃)という項目別の視点で評価をしていく、社長の目線を大いに学びました。そして、最終日の 3日目は、代官山のアートフラワーショップと六本木のインテリアショップへ同行。リユースショップとはまた違った雰囲気や数々の商品を目の当たりにして、新たな驚きと感動の連続だったことを鮮明に覚えています。 今回の体験を通して、社長から「たとえ困

社長からのアドバイスが大きな支えとなった、実り多い3日間でした。

横井 瞳 創価大学 文学部 人間学科 1年生

趣味は料理、風景写真を撮って詩を添えること。大学でのサークル活動は「国際連合研究会」に所属。2月に 10 日間、ニューヨークの国連本部で研修に参加。

「カバン持ちって面白そう」「ビジネスの最前線で活動している社長と共に行動すれば、自分の成長につながる」。そんな思いから、今回のインターンシップに参加しました。 緊張しつつも元気のいい挨拶から、1日目がスタート。午前中は、八王子市の商工会議所へ商品の展示に行く社長とデザイナーに同行させていただきました。そして、午後は社内で納品業務のお手伝いを体験。有限会社メダリストプランニングは、競輪競技用スポーツウェアの開発・製造・販売を手がける会社で、業務を通じてアットホームな社風やチームワークのよさを実感しました。 2日目の午前中は社内の各業務を見学、午後はインターネットでの注文を受けて発送業務をお手伝いすることに。担当する社員の方から指示を仰ぎ、サイズや袋に詰める際の向き、送付先住所を入念にチェックしながら、細心の注意を払って実行していきました。 次の日には特別に、社長に北京オリンピック競輪競技の祝賀会に連れていっていただくというサプライズがありました。社長が多くの方 と々挨拶を交わし、誠実な態度で接している姿がと

ても印象的で、信頼関係はこうして培われるのだと納得しました。 そして、最終日は立川競輪場へ同行し、次回開催される大会のコンペ商品の入札を見学。社長自身がかつて競輪選手だった経験を活かして、選手の視点で選手のために本当に役立つものを作る意気込みが伝わってきた瞬間でした。 私はカバン持ち体験を通して、「目的・目標・課題」をしっかりと考えて行動していくことの大切さを学びました。学校の授業では得られない貴重な機会を与えていただいたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

学校の授業では得られない貴重な体験に、感謝の気持ちでいっぱいです。

荒牧 利奈 創価大学 文学部 人間学科 1年生

大学ではバスケットボール部に所属し、週 5 日は練習で汗を流す。2 月には 3 週間の日程でフィリピンへ語学研修に。今後の大学生活で交換留学生を目指す。

難や壁にぶつかっても、悲観的に悩んだり立ち止まるのではなく、目標に向かってとにかく前進していくこと。そして、失敗して学習することも必要」というアドバイスをいただきました。私にとって大きな支えとなり、とても貴重で実り多い 3日間でした。

体験企業:株式会社ゼロエミッション

荒牧 利奈さんの 4 日間

1日目○八王子市の商工会議所へ商品の展示に行く  社長とデザイナーに同行○社内で納品業務のお手伝い

2日目○社内の各業務を見学○インターネットでの注文を受けて発送業務 のお手伝い

3日目☆予定にはなかったものの、社長の配慮で北京 オリンピック競輪競技の祝賀会に同行

4日目○立川競輪場へ同行し、次回開催される大会の コンペ商品の入札を見学

体験企業:有限会社メダリストプランニング

〝社長のカバン持ち体験〟3日間のスケジュール

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Project 〝新ものづくり〟発見ツアー

プロジェクトの概要

 設立以来、ものづくり企業を支援してきた早稲田ビジネス

パートナーズでは、とかく3K(きつい・汚い・危険)のような誤っ

た見られ方をされがちなこれらの業界・企業について若者層

に正しく理解してもらうことを目的に、一昨年から「新ものづくり

発見ツアー」というプロジェクトを立ち上げ実施してきました。

 2007年の北海道・東北地区へのツアーを皮切りに、2008年

は三重県の企業10社と新潟県の企業10社への2コースに分

かれて、各地区共に20名の学生が5泊6日の日程で訪問。普

段ではなかなか会うことのできない、ものづくり企業で実際に

働く社員の人たち、さらには社長とも直接コミュニケーションを

重ね、その卓越した技術力や現場の雰囲気を思う存分に体

感しました。

 このような貴重な体験は、参加した学生たちがオピニオン

リーダーとして情報を発信。ディスカッションした内容をフリー

マガジンやDVDに収録後、首都圏の大学と訪問地区(三重

県または新潟県)の大学・高等専門学校へ配布し、その他に

WEBでの情報公開、信頼関係の強い友人への口コミ情報

提供といった手段も活用して広く普及させていきます。

 その結果、「オンリーワン」の強みを発揮して活動を続ける

ものづくり企業への若者の意識の変化と認知度の向上が見

られ、実際に就職した学生や就職先企業の1社として真剣に

検討する学生が増えてきています。

プロジェクトのしくみ

オンリーワンの強みを持ったものづくり企業に感動!「新ものづくり発見ツアー」は新しい自分探しの旅

学生側の反応●若者の意識の変化、ものづくり企業への 理解・認知度アップ。●実際に就職した学生、就職先企業の1社 として検討する学生の増加。

学生がオピニオンリーダーとして情報発信●フリーマガジン●DVD⇒首都圏の大学と訪問地区の大学、 高等専門学校へ配布。●WEB公開●友達への口コミ情報提供

新たな発見、気づき!

新たな発見、気づき!学生20名

学生20名

2008年8/24~5泊6日のツアーに参加。10社の企業を訪問

三重県のものづくり企業

新潟県のものづくり企業

ものづくり企業の実態と魅力、すばらしさへの共感を促す。

※首都圏の学生・地元の学生・地元出身でUターン就職を考える首都圏の学生で構成。

2008年8/31~ 5泊6日のツアーに参加。10社の企業を訪問

ものづくり企業の実態と魅力、すばらしさへの共感を促す。

コーディネート機関:早稲田ビジネスパートナーズ株式会社

早稲田ビジネスパートナーズがコーディネート機関として、「新ものづくり発見ツアー」を実施。学生が 5 泊 6日の日程で地域のものづくり企業を訪問し、その実態と魅力、すばらしさへの共感を促進します。さらに、学生たちによる体験談の情報発信をサポートしていきます。

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ツアーへの参加を通して学生が幅広い知見を養い、ものづくり企業の魅力とすばらしさ、将来性を実感

CASE 03

コーディネート機関 早稲田ビジネスパートナーズ株式会社

見るものすべてが新鮮だった充実した 5 泊 6 日。この経験を活かしてシューカツにチャレンジ!

 大学に来られていた多田さんと出会い、「新ものづくり発見ツアー」のことを知りました。私は新潟県出身ということで地元の企業を訪問するツアーに参加。社内の方 と々直接お会いする中で、「自分が高校時代まで過ごした地元に、こんなすごいことをやっている企業があったんだ!」と驚き、また新たに発見したことや学んだこともたくさんありました。 日本だけでなく世界に通用する数々の製品、仕事に取り組む社員の方々のイキイキとし

た姿、真剣な表情、そして社長の熱い思いと揺るぎない自信、ベンチャースピリット…、どれもこれもすべてが自分にとって新鮮でした。そう、それと訪問した 1 社で、高校時代にラグビー部で一緒だった友達が働いていたのを知ったときは、本当にサプライズでしたね。夏休みを利用して参加したツアーでしたが、かけがえのない財産となりました。 企業をただ訪問するだけでなく、夜はその日の行動を振り返って一緒に参加した学生た

ちとディスカッションをするのですが、ここでも発言力やコミュニケーション力の大切さを学びました。また、ツアーの体験談を仲の良い友達に話したところ、とても興味を示してくれました。 今年就職活動を行うので、このツアーで身につけたことを活かしながら、悔いの残らないように積極的にチャレンジしていきたいと思っています。もちろん、モノづくり企業はターゲットの 1 社にと考えています。

早稲田ビジネスパートナーズ株式会社〒131-0044 東京都墨田区文花1-20-7 すみだ産学官連携プラザ106

TEL.03-6279-3561 FAX. 03-6368-5624URL. http://www.wbps.jpE-mail. [email protected]

山 宮 祥 吾  芝浦工業大学 工学部 土木工学科 3 年生

高校時代はラガーマン。ラグビーで培ったチームワークと協調性、そして「新ものづくり発見ツアー」への参加経験を武器に、現在は内定獲得目指して就職活動真っ最中!

 「新ものづくり発見ツアー」の特徴は、単に学生が企業を訪問することだけにとどまらず、他の学生との勉強会を通して新たな発見や自らの成長を実感できるところにあります。 勉強会では、訪問した企業 1 社ずつにつき、2 名のリーダーを選出。訪問時の感想を彼らが発表した後に、今度は他のメンバーが

「こういう見方もあるのでは?」「僕は、私はこう思った」と自由に意見を述べ、各人が主観的・客観的な立場からディスカッションを行います。これによって 5 泊 6日という短期間で幅広い知見を養うことができ、就職も視野に入れた

「自分のベクトル」をどう定めていくかを真剣に考える良い機会となりました。 また、20 名の学生層は、首都圏の学生・地元の学生・地元出身で Uターン就職を考える首都圏の学生で構成。さまざまなバックグラウンドを持った学生同士の交流、ツアーでの共通体験を通じて、今までの自分にはなかった

「ものの見方や考え方、捉え方」を身につけることができるのも大きなメリットと言えます。 一方、彼らを受け入れるものづくり企業にとっては、ツアーに参加した学生たちの訪問が自社の魅力や Uターン志望の学生に対する地元企業のすばらしさをPRしていくきっかけとなり、就職志望企業として考える学生の増加と

共に、実際に採用につながるケースも出てきています。 次世代を担う若手人材の採用と育成は、ものづくり企業の未来を左右する重要な課題。今後も企業と学生のより良い出会い、深いコミュニケーションを実現する場の創造を目指して、さらに進化型のプロジェクトを実施していきます。

多 田 款早稲田ビジネスパートナーズ株式会社代表取締役・MBA・総合経営戦略アドバイザー

14 15

新潟県のツアーに参加

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Interview 03

 日本経済を支える高度なレベルを維持する「製造業=ものづくり」。これは、日本が諸外国の追随を許さない、世界に誇る存在に他なりません。そして、この日本のものづくりを支えている中小企業の実態や魅力、すばらしさを多くの若者に知ってほしいという思いで、当社では学校での講演会などを通じて訴えかけてきました。しかし、残念ながら彼らにリアリティーが伝わらない、なかなか心に響いていかないという、忸怩たる思いを抱いていたのも事実です。 当社に限らず、ものづくりを手がける日本の中小企業の力強さと安定感を、現代の若者に理解してもらうにはどうすればいいのだろうか。そのような課題に直面していたときに知ったの

が、「新ものづくり発見ツアー」でした。学生さんたちにものづくりの現場を直接肌で感じてもらう趣旨に賛同し、期待感を持って彼らを招待しました。 その結果、お互いに顔の見えるコミュニケーションが功を奏し、今までにはない若者たちの反応を得ることができました。また、彼らがオピニオンリーダーとなってツアーでの経験を他の若者たちに情報発信していくことについても、ものづくり企業への認知と理解を深めていくうえで、有効的な活動だと確信しています。

 伊藤製作所はプレス用順送り金型の設計・製造、高速・高性能なプレス加工技術を武器とするものづくり企業ですが、学生さんたちにプレス加工機が毎分700個もの製品をつくり出す工程を紹介すると、驚きの表情と共に真剣に説明を聞こうと食い入るような視線を向けてきたのが、実に印象的でした。その姿勢には、当社の一人ひとりの社員も刺激を受け、大きな励みとなりました。 また、今回のツアーに参加した地元の大学・高等専門学校の学生さんたちが、「もう一度現場を見たい」と再び当社を訪ねてきてくれたときは、本当にうれしい気持ちでいっぱいになり、彼らを大歓迎したものです。 金型の製造工程ひとつを例にとっても、つくり出されるものに同じものは二つとありません。すべてがオリジナル。だからこそものづくりは難しく、また面白いのです。日進月歩での進化が求められる環境の中で、一人ひとりが技術を磨き、確かなチームワークのもと高性能・高品質の製品を手がけていくやりがい、喜び、達成感、そして自分自身の成長の実感…。 ものづくり企業の取組、次世代への技術の継承に対する熱い思いに理解と共感を示してくれた学生さんたちとの出会いは、私たちにとってたいへん有意義な時間となり満足しています。

若者たちの共感を得るにはどうすればいいか

日本が世界に誇るものづくりのすばらしさを、一人でも多くの若者に知ってほしい。

すべてがオリジナル。だからこそ難しいし、面白い

伊藤 澄夫株式会社伊藤製作所 代表取締役社長(右)

川﨑 剛司株式会社伊藤製作所 取締役 営業 海外事業担当(左)

16 17

株式会社伊藤製作所 × 学生

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株式会社伊藤製作所〒512-8061 三重県四日市市広永町101

TEL.059-364-7111 FAX. 059-364-6410URL. http://www.itoseisakusho.co.jp

 大学のホームページや学内の掲示板を見て「新ものづくり発見ツアー」のことを知りました。もともと私は何にでも興味を示す性格で、経済を勉強するならば「モノづくりの現場」を見るのが一番いいと思い、一昨年の北海道・東北地区のツアーに続いて、昨年は三重県のツアーに参加しました。 実際に参加してみると、とにかく驚きの連続。世界にたった一つしかない製品をつくり出す技術力や愛着心はもちろんのこと、どこの会社も社長をはじめ社員の方々が「いいものをつくろう」という信念を持って同じベクトルへ向かって前進している姿から、熱い思いや元気あふれる活力が伝わってきました。 それと、とにかく個性的な社長さんが多かったのも印象に残っています。伊藤製作所を訪問したときは、社員食堂で社長さん自らが四日市名物の「とんてき」を料理してご馳走していただいたり、得意の手品を披露していただいたり…。どこの会社でも共通して、社長さんや社員の

方々が私たち学生と真剣に向き合ってくれたことはうれしかったですね。普段は会社の社長と話す機会などめったにないことなので感動しました。 私は今まで就職を考えたとき、大企業ばかりをイメージしがちでしたが、ツアーに参加して意識が変わりました。「地域に深く根ざし日本経済を支える中小のものづくり企業で、楽しくイキイキと働くことはすばらしい!」。新ものづくり発見ツアーは、そんな気持ちの変化のきっかけとなった貴重な経験でした。

「いいものをつくろう」という信念、熱い思い、活力…。自分の意識や気持ちが変化した貴重な経験でした

 伊藤製作所の第一のモットーは「社員を大切にすること」。そこには、社員の満足度が向上すれば、最終的にはお客様の満足度の向上につながるという深い意味合いが込められています。そして、社員のモチベーションをアップするためにも、努力や成果に相応しい厚待遇で応えていきます。 また、1台約100 万円のゴーカートのキットを与えられて組み立てていく特徴的な新入社員教育、社長自らが社員を銭湯に誘ってコミュニケーションを図るなど、ユニークで多彩な取組が社内の一体感の形成につながっています。

社員を大切にする風土とユニークで多彩な取組

横 田 真 弓早稲田大学 人間科学部 健康福祉科学科 2 年生

ゼミは「障害者福祉」を選択予定。どんな仕事に就くにしても、社会貢献をしていくことが目標。趣味は休日を利用してのドライブ、街の散策。

Column

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三重県のツアーに参加

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Project 夢プロジェクト2008

プロジェクトの概要

 現代の若者に対して、IT業界をリードする情報サービス産

業の全体像と、その中で重要な役割を担う中小企業への認知

と理解を促し、活力あふれる実態を伝えていくこと。さらに、これ

らの企業で働く魅力やすばらしさを若者に訴えかけ、就職への

意欲を喚起していくことを目的に、中部アイティ協同組合では組

合員企業の中から実行委員を選出し、これを運営母体として

2007年度から「夢プロジェクト」をスタートしました。

 2007年度の実行委員は11名(11社)で、そのうちの7社がカ

リキュラムを開発しインターンシップを実施、一方2008年度の

実行委員は13名(13社)で、そのうち新たに参加した3社がカリ

キュラムを開発し13社がインターンシップを行いました。 夢プロ

ジェクト2007年では、秋に「企業セミナー」と「夢のインターンシップ

説明会」を開催。これに参加した学生を母集団として、冬には

各企業で彼らを招いて「夢のインターンシップ」が実施されまし

た。その結果、インターンシップに参加した学生の内の34%が応

募、就職意欲や就職率のアップにつながるという実績を残しま

した。

 そして、このような実績を踏まえ、2008年度はさらにバージョン

アップして「夢プロジェクト2008(夢のインターンシップ説明会)」

が春(6月12日)・秋(10月11日)の2回にわたって開催。学生・企

業・学校関係者などが多数参加し盛況なイベントとなりました。

このイベントを通じて、その後各企業では多くのインターンシップ

学生を受け入れ、前年度にも増して若者と中小企業の確かな

絆が生まれています。

プロジェクトのしくみ

中部地区情報サービス産業の魅力を学生に発信。若者と中小企業の確かな絆が生まれています

夢プロジェクト2008・秋10月11日(土)開催

企業セミナー・討論会・インターンシップ展示会

各企業でインターンシップ実施

成果報告会2009 年 3月 3日(火)

夢プロジェクト2008・春6月12日(木)開催

企業セミナー・討論会・インターンシップ展示会

インターンシップカリキュラム開発

各企業でインターンシップ実施

コーディネート機関:中部アイティ協同組合組合員企業の中から募った13社(各社1名=計13名)による

若者へ中小企業の魅力を発信(地域の 11専門学校・26大学を対象に、webや学校訪問などで広報)、共感の獲得、就職意欲の喚起、就職率のアップ

学生が中小企業の魅力やすばらしさを認知・理解し、応部・就職へ

中部地区情報サービス産業の中小企業

若者(大学生・大学院生・専門学校生・未就職者)など

中部アイティ協同組合が、組合員企業の中から実行委員として 13 社(各社 1 名=計 13 名)を選出し、これが母体となってコーディネート機関としての役割を担当。イベントやインターンシップを通じて、若者と中小企業のマッチングチャンスを拡大しています。

18 19

〜中部の情報産業事業者と若者のマッチングプロジェクト〜

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「情報サービス産業に対するイメージや見方が変わった!」学生から続々と寄せられる声と共に、若者の共感を獲得

CASE 04

コーディネート機関 中部アイティ協同組合

中部アイティ協同組合〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵1-16-31 サンコート新栄8F

TEL.052-930-0070 FAX. 052-930-0071URL. http://www.e-net.gr.jp

E-mail. [email protected]

 夢プロジェクト2008 の大きな特徴は、「夢のインターンシップ説明会」を春と秋の 2 回にわたって実施したこと、さらに前年度は別日程で行われていた「企業セミナー」を同日に開催したことが挙げられます。企業セミナーには学生も参加し、パネルディスカッション方式のセミナーを実施。双方向のマッチングチャンスの拡大をねらいとしました。 また、初年度と比較して工夫や改善も行われました。たとえば 10月11日に開催された「夢プロジェクト2008・秋」では、参画企業と学生、学校関係者が全員参加でゲーム形式のQ&Aを体験。司会者からの質問に「○」か

「×」で回答していくわかりやすいスタイルで、IT 業界(情報サービス産業)の全体像と中小企業の魅力や面白さについて共通認識を深めていきました。 そして、このようなさまざまな取組が実践さ

れた結果、「IT 業界(情報サービス産業)に対するイメージや見方が変わった」「就職に対する意識が高まった」「興味を持った企業や気になる企業を見つけることができた」「インターンシップに参加して実際の職場の空気を体感できた」といった学生からの声が続 と々寄せられ、好評を博しています。 IT 化の進展とともに、情報サービス産業は社会に必要不可欠な存在として、その役割は今後ますます重要性を帯びてきます。そして、この仕事にはものづくりの達成感はもちろん、クライアントとの強固なパートナーシップのもと経営者層とともに業務を進めていくという醍醐味を味わうこともできます。「夢プロジェクト」を通じて、中部地区の情報サービス産業を支える中小企業がより多くの若者から共感を獲得し、人材確保と彼らの活躍できる体制が構築されることに大きな期待感が高まっています。

中部アイティ協同組合 

事務局

都築

亜以子

18 19

1. 夢プロジェクト○企業セミナー

・企業の魅力の引き出し方、表現方法・採用ノウハウや学生とのコミュニケーションの取り方企業セミナーには学生も参加し、パネルディスカッション方式のセミナーを行う。企業側には学生の意欲を、学生側には企業の魅力を伝え、双方向のマッチングを広げる。

○討論会

若者に情報サービス産業という仕事の魅力を理解してもらう。学生や就職希望者、学校関係者などに IT 業界についてイメージを問いかけ、企業の経営者や若手社員などからはIT業界やインターンシップについての良さを伝える。同時に、インターンシップの参加者を増やすことを目的とする。

○インターンシップ展示会

各社が開発したインターンシップオリジナルカリキュラムに基づき、学生に実際に体験してもらい、企業とのマッチングを広げる。

2. インターンシップカリキュラム開発企業ごとに個性を発揮したカリキュラムの開発を行う

(2 年目参画企業はカリキュラム改修など)。インターンシップ学生には、他社との比較をしてもらうため、複数の企業を訪問・視察する。コーディネータが、学生・企業の双方から不満や要望を聞きながら、プログラムを改訂していく。

3. インターンシップ地域の 11専門学校、26 大学に対し、コーディネータが出向き、インターンシップへの参画の依頼と広報を行う。また、夢プロジェクトへの参加者にアンケートを依頼し、関心を持った学校や学生に向けてインターンシップへの勧誘を行う。 そして、カリキュラムに基づいてインターンシップを実施。

4. 成果報告会 2009 年 3 月 3 日(火)

メルパルク NAGOYA 平安

1年間の事業成果を報告する。これにより、今回参加していない企業へのマインド醸成を図るとともに、今回不参加の学校にも参加してもらい、今後への足がかりとして来年度へつなげる。

中部アイティ協同組合 

常任理事

稲葉

弘承

夢プロジェクト 2008・春(企業セミナー・夢のインターンシップ説明会) ● 6 月12 日(木) 名古屋国際会議場 白鳥ホール 参加者数:259 名   組合員:50 社 113 名 来賓・ゲスト:15 社 22 名 学校関係:124 名(学生 113 名 先生 11名)

夢のインターンシップ ● 7 〜 9 月の期間 13 社で 105 名を受け入れ

夢プロジェクト 2008・秋(企業セミナー・夢のインターンシップ説明会) ● 10 月11日(土) 栄ガスビル   参加者数:191名 組合員:13 社 89 名 来賓・ゲスト・学校関係:22 名   就職希望者:124 名(学生 49 名 未就職者 31)

Column

夢プロジェクト実績(2008 年度)

夢プロジェクト 2008 全体プログラム

※秋イベントからインターンシップに参加した学生数、受入企業数は先方にて集計中。現在もインターンシップ進行中の企業もあり

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Interview 04

――貴社のインターンシップの概要と  特徴について教えてください。鳥居 当社では夢プロジェクトをきっかけに、学生の夏休み期間を利用して 2 回にわたって、それぞれ 2 週間でのインターンシップを実施しました。カリキュラムの内容はデータベースの基礎学習、PHP 言語を使った開発演習など。課題としてお客様のニーズを提供し、自分たちでプランを練ってそれを私たちにプレゼンテーションしてもらうというものです。これらのプロセスを体験することによって仕事全体の流れを把握してもらい、IT 業界の仕事の理解、認知の向上、そして最後までやり遂げる責任感の大切さを養ってもらうことをねらいとしました。新實 当社でも同じように夢プロジェクトを通じてインターンシップを2 回、夏休みと冬休みに開催しました。特徴としては、教育現場での未経験者と経験者でそれぞれ異なるカリキュラムを用意したこと。未経験の方はプログラムのフローチャート図を日本語で書くことからはじめて全体の流れを把握してもらい、その後 C 言語を使って血液型診断ソフトを作成。一方経験者は、フローチャート図の理解度を確認した後、クワガタ形状をしたロボット(ライントレーサー)をC 言語にて作成。実際にプログラム言語をカタチにしていく楽しさや喜びを体感してもらいました。

――参加した学生たちの反応は  どうでしたか?新實 参加した学生は能動的な人、受動的な人、いろいろなタイプの人がいましたが、日々 のカリキュラムを体験していく中で次第に自分がやるべきことの目標が見えてきて、誰もが積極的な姿勢で課題に対する集中力を発揮するようになりました。また、多くの人たちが当初は IT 業界

(情報サービス産業)に対して敷居の高さを感じていたようですが、実際に会社での生活を体感したことでその意識が払拭され、興味へと変化してきていたのも印象的でした。鳥居 インターンシップに参加するということで、全体的に就職意識の高い学生が多かったのですが、彼らにとって当初は未知の部分や不透明な部分があったことも見受けられました。しかし、実際に社会人と接していく中で、人間関係のコミュニケーションの大切さやものづくりの達成感、さらにオフィスの雰囲気を肌で感じてもらい、

「オタク・ネクラ・カエレナイ(笑)」といった負のイメージが誤りであることを認識してもらえたと思います。――成果と今後の展望について  聞かせてください。鳥居 中小企業の場合、大企業と比べると知名度に欠けるため、優良企業であってもなかな

「学生、企業共に、緊張感と刺激に満ちた2週間」「敷居の高さや負のイメージは、大きな間違い」

株式会社アイガ × 株式会社スターシステム × 学生2名

20 21

かその実態を学生に認知・理解してもらえないという課題があります。インターンシップはそんな溝を埋めることが可能で、学生に職業体験をしてもらうことによってひとつの接点ができたことは大きなメリットと言えます。また、学生にとっても社長と直接会話をしたり、仕事を通して社員とコミュニケーションを重ねたことは貴重な経験だったと述べています。高齢化社会の進展に伴う介護や医療、都市や街のインフラ、さらに宇宙開発事業まで、ITは社会の幅広い分野を根幹で支えています。そして、社会の変化や進化に合わせて、IT業界(情報サービス産業)の中核を担う中小企業の果たすべき役割もますます拡大しています。このような環境で成長を目指す若者と、今後もインターンシップを通じてぜひ出会いたいですね。新實 採用活動において、面接という場面だけではどうしてもその人の本質的な部分を見極めることが難しいという現実があります。しかし、インターンシップで学生と2 週間にわたって接することによって、その人の意欲や適性、仕事や社風へのマッチングを見極めることができました。また、彼らを受け入れるうえでは、会社側も的確に指導をしていかなければならないために緊張感を持って臨んでいく姿勢と実行力が求められます。そういう意味では、学生側と会社側の双方にとってメリットがあり、相乗効果を発揮しています。スーパーのレジや銀行の ATMを例にとっても、そこには IT による技術力が活用されています。自分の考えが、身近な商品を生み出す可能性を持った IT 業界(情報サービス産業)の魅力と面白さを、インターンシップに参加してさらに多くの学生の方 に々味わってほしいですね。

夢プロジェクト2008 学生にとっては職業体験を通して仕事の実態と魅力を正しく理解できる場であり、一方で企業にとっては面接だけではなかなか判断しづらい学生の本音やマインドを理解できる場。 インターンシップは、お互いにとって深いコミュニケーションを実現する貴重な機会です。

株式会社アイガ(左)

鳥居 高志

株式会社スターシステム(右)

新實 規泰

企業×学生インターンシップ

Q&A

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Column

――インターンシップに参加した理由を  教えてください。内山 大学のゼミの先生からの紹介を通じて夢プロジェクトに参加しました。そこで株式会社アイガの鳥居さんと知り合ったことがきっかけで、インターンシップを経験することになりました。理由は、大学の研究テーマでもある「データベース」についてのカリキュラムが組まれていることに、とても好印象を持ったからです。松本 私は大学でインターンシップの講義を受講していることから、WEB での情報を通じて株式会社エスワイシステムがインターンシップに参加する学生を募集していることを知りました。就職は IT 業界を志望していることからすぐに応募し、希望がかなって参加できました。また、株式会社スターシステムのインターンシップにも、1日間参加しました。――具体的にどのような経験をしましたか?松本 他のインターンシップ生と二人一組で、C言語を使ってマウスロボットとそれを動かすリモコンをつくるという課題に取り組みました。C 言語は大学でも学んでいますが、これを使ってプログラムの制御を手がけたのは初めての経験。難しさに悩んだり、どうしてもわからない部分は社員の方にアドバイスを受けたこともありましたが、実際にプログラムが作動したときには大きな達成感がありましたね。また、このような共同作業を通じて、チームワークやコミュニケーション能力の大切さを学べたのは、一番の収穫でした。内山 私の場合は、1 週目はアクセスを使ってデータベースの基本を学習し、2 週目からは

PHP 言語を使ったプログラム開発の演習に二人一組でチャレンジしていきました。PHP 言語を使うのは初めてで、プログラムに必要な仕様書から報告書までのすべてを作成するのは難しく、昼食の時間も二人で「ああしよう、こうしよう」と悩んだり、何度か失敗も経験しました。でも、完成したときの充実感と喜びは今でもハッキリと覚えています。また、㈱スターシステムでは血液型診断ソフトをつくり、プログラミングの基本を学びました。――参加してみて、社会人にとって  必要なものは何だと感じましたか?内山 社長さんをはじめ社内のみなさんが、周囲の人たちと協力して仕事を進めていく「コミュニケーション能力」のすごさには驚きました。自分も10 年後には同じような存在になっていたいと率直に思いました。松本 私は「責任感」ですね。仕事を行っていくうえでは誰にでも担当者としての責任が伴うもので、それに対してどれだけ誠実に行動していけるか、そして真剣に向き合えるかが大切だと実感しました。――IT 業界(情報サービス産業)への  イメージは変化しましたか?松本 漠然とIT 業界を志望していたのですが、今回のインターンシップを経験したことで、それが自分の進むべき道だと確信しました。また、㈱エスワイシステムは中小の IT 企業の中では数少ない ISO9001 取得企業ですが、このような先進的な取組を実践していることにも魅力と安定感を感じました。就職先企業を選ぶうえでは、このような会社の姿勢も大切だと思います。

「志望度合いが増して、自分の進むべき道だと確信」「明るくイキイキと働く人たちの姿が印象的でした」

20 21

内山 IT 業界を志望していたものの、インターンシップに参加する前までは正直、オフィスの中はパソコンがズラッと並んでいて重苦しい雰囲気が漂った状態を予想していました(笑)。しかし実際には、快適なオフィス環境で明るくイキイキと働く人たちの姿が印象的でした。これからは地元の中小規模のIT企業にターゲットを絞って就職活動にチャレンジしていきたいと思っています。――今回の経験を踏まえて、これからの  目標について教えてください。内山 まずは内定を獲得して、入社後は一歩一歩スキルアップを実現しながら、将来は上級 SEとして組織をまとめるようなポジションにつくことが目標です。そして、世の中にまだ出ていない斬新なシステムをつくり出していきたいですね。松本 インターンシップに参加してからの私の目標はズバリ、プロジェクトマネージャーになることです。プロマネになって、誰かの役に立っていることを実感できるような社会貢献度の高い仕事を実現していければうれしいですね。

松本 浩志日本福祉大学 情報社会科学部人間福祉情報学科 3 年生

風景画・日常生活で身近な小物やオブジェ・友人をモデルにした人物画など絵を描くこと、活字中毒と言われるくらいジャンルを問わない読書、うさぎの飼育など、趣味は多彩。☆インターンシップ期間:2008 年 8 月中旬~下旬にかけての 2 週間

株式会社アイガ 2 回開催 ○ 2008 年 7 月後半~ 8 月中旬    2 週間 2 名参加 ○ 2008 年 9 月初旬~中旬      2 週間 2 名参加 ☆学生別:4 大生、専門学校生

株式会社スターシステム 2 回開催 ○ 2008 年 7 月~ 8 月にかけて     2 週間 4 名参加 ○ 2009 年 2 月初旬~中旬      2 週間 6 名参加 ☆学生別:大学院生、専門学校生

内山 翔貴中京大学 情報理工学部 情報メディア工学科 3 年生

趣味は「よさこい踊り」。地元で夏に開催される「にっぽんど真ん中祭り」に毎年参加して、得意の踊りを披露。今年の夏は、チームの幹部としてファイナルステージ進出を目指す。☆インターンシップ期間:2008 年 8 月第 1週~ 2 週

2008 年度インターンシップ概要

企業×学生インターンシップ

Q&A

※他 11 社計 105 名インターンシップ参加

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Project ご当地企業知名度向上プロジェクト

プロジェクトの概要

 特定非営利活動法人(NPO法人)コミュニティ事業支援ネッ

トは設立以来、誰かと誰かを、または何かと何かを「つなぐ」こと

を目的とする中間支援団体として、西宮市を拠点にさまざまな

事業を展開してきました。

 西宮市は10校の大学・短期大学が立地し、多くの学生が集

う文教住宅都市。このような環境のもと学生との交流を深め、

一方で法人や団体との連携を強化する地域コミュニティ活動

を推進する中で、新たな課題が垣間見えてきました。

 それは、地元の中小企業で働きたいという学生が多いもの

の、大企業と比べて発信される情報が少ないために選択基準

がないという現実。また、新卒で入社した若者の4割が3年以内

に離職している点や少子高齢化社会が進展する現代におい

ては、学生が企業を選ぶ主導権を持ち、企業が人材を確保し

ていくためにはより効果的な情報を発信していく必要があると

いうことです。

 そこでコミュニティ事業支援ネットでは、地域に根付く中小企

業の若年者雇用創出事業を推進すべく「ご当地企業知名度

向上プロジェクト」を展開。ご当地の中小・小規模企業への就

職に関する意向調査にはじまって、各社の魅力を「プロモーショ

ンビデオ」で配信、将来の右腕となる新人発掘を目的とした「合

同中小企業就職見本市」の開催、社長(キーパーソン)と行動

を共にする「かばん持ちインターン」の実施など、多彩なコミュ

ニケーション活動によって若者と地元中小企業を密接に「つな

ぐ」役割を果たしています。

プロジェクトのしくみ

若者と地元中小・小規模企業を密接に「つなぐ」、多彩で充実したコミュニケーション活動を推進

コーディネート機関:コミュニティ事業支援ネット 企業と学生を「つなぐ」コミュニケーションを構築

中小・小規模企業「若い子を雇おうと、募集をかけたら思いのほか集まった。でも、面接の時間はかかるし、面接のキャンセルも多い。やっぱり縁故採用が一番安心な・・・。うちの会社は自慢じゃないが、職員に厳しく優しい、いい会社なのにな。近くに住んでいる若い子なら、会社の負担も少なくて済むし、いいよなあ。でも地元の若い子って、うちの会社の事知ってるのかな?」

「エントリーシート。インターネットでクリック。一括送信。いっぱい書いたら、な~んか就職活動をやっている気になった。周りのみんなも同じようにやっている。でもシュウカツってそんなものなのかな。自分の将来を左右するターニングポイントに立っているんだよね。どうせなら、自分の将来なんだから、ちゃんと身の丈に合った設計をしたい。自分の生き方に素直になりたい。そんな企業って、求人票見るだけではわからないんだよね。よしっ !! まだまだこれからこれから・・・」

企業の魅力をWEB・モバイルを通じてプロモーションビデオで配信

将来の右腕となる新人を発掘!!

合同中小企業就職見本市11月11日開催

21社参画・学生約100名参加

社長(キーパーソン)と行動を共にする

かばん持ちインターン12月~2009年2月実施

次世代リーダー育成計画3P’s Project

若者(学生)

そんな想いを持った社長の会社が、本物で勝負

そんな想いを持った学生が、本気で勝負マジ

リアル

「地元中小企業の情報をもっと知りたい」という学生と「若者に自社の魅力を伝えて将来を担う人材として迎えたい」という中小企業を、コミュニティ事業支援ネットがさまざまなコミュニケーション手段を駆使してつなぎ、より良い出会いの場を創造しています。

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〜地域に根付く中小企業若年者雇用創出事業〜

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合同中小企業就職見本市からかばん持ちインターンへ。社長やキーパーソンとの接触が、若者の就職意欲を向上

CASE 05

コーディネート機関

 ご当地企業知名度向上プロジェクトの第一歩は、中小・小規模企業の基礎情報、就職・採用に関する課題、求める若手人材像についての「アンケートとヒアリング調査」からスタートしました。 次にその内容を踏まえて、企業の知名度向上を目的とした「プロモーションビデオ」を製作。経営指針・仕事現場のリアル感・企業の強みを社長自らの声で伝えていく構成で、若者からの共感の獲得をねらいとして、WEB・モバイルなどを通じて企業のプロモーションビデオ映像を配信しています。さらに 11 月には、中小・小規模企業と就職を見据えた若者が一堂に集う「合同中小企業就職見本市」を開催。企業ごとにブースを設け、各社が製作したプロモーションビデオを流した演出で若者を迎え、自社の PRと共に就職相談会が行われました。 このイベントでは、学生本人だけでなく保護者にも中小企業への理解と安心感を促す「就活応援 おとん・おかんセミナー」、企業経営者や若手キーマンの本音対談「LIVE キーマンVS キーマン」、税理士の先生から企業の見方を学ぶ「読めなきゃ損!会社の数字」、大企業とは一味違った面接を体感する「こころいき面接!脱・みんなと一緒仲良し面接」など、多彩かつ斬新なプログラムを展開。中小企業ならではの特徴とも言える「社長と直接対話できる」機会に触れたことは、学生にとっても大きな収穫となりました。

 そして、このイベントをきっかけとして、12 月〜 2009 年 2 月にかけて希望者を対象に、「かばん持ちインターン」を実施。従来のインターンシップの枠を超えた、学生が社長のかばん持ちとして約 1 週間行動を共にするという貴重な体験のもと、中小企業への理解を深め就職意欲を向上するという傾向が顕著に表れてきています。 また、新卒入社の若者の 4 割が 3 年以内に離職している現実を背景に、来年度からの新たな取組として、「次世代リーダー育成計画」を推進。3P's Project(プロファイリング・プローモーション ・プレゼンテーション)を実施し、継続して中小企業の人材育成をバックアップしていきます。

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▶▶14:00 ~15:00

就活応援 おとん・おかんセミナーやっぱり気になる近頃の就職状況 

 「だいじょうぶなん?」って聞いてない?

実は誇れる地元企業 ■面白み・やりがい・職業観・ライフスタイル・  ワークライフバランス ■あなたが求める選ぶ基準!  中小企業ならではの働き方がある?!

▶▶15:00 ~16:00

LIVE キーマン VS キーマン「きみ、わしの右腕ならへんか〜?」ドラフト対談! 企業の経営者・若手キーマンたちから、会社への想いや これからの変革について聞く!! ■のれんを守る![飲食チェーン対談] ■ザ・変革!若手経営陣に聞く![若手キーマン対談]

▶▶16:00 ~17:00

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参画企業:21社 来場学生数:約100 名2008 年 11月11日(木)開催西宮神社会館 福・寿の間

Column合同中小企業就職見本市 

−当日に実施されたプログラム−

プロジェクトの成果、実績、今後の展望

特定非営利活動法人 (NPO 法人 ) コミュニティ事業支援ネット

理事長 知名度向上コンサルタント

東 朋 子

社会人 3 年生まで限定 !! 本気になれない若者を社会に適応する大人へ

次世代リーダー育成計画コンセプト:「誰のために仕事をするのか?」「何のために仕事をするのか?」などを考えながら、社会人としての育成を目指します。

3P's Project来年度からの新たな取組として、継続して中小企業をバックアップ!

プロファイリングProfiling

自社の強み、弱み、打ち出したいポイントを分析する。

プロモーションPromotion

プロモーション素材を作成する。ビデオ、ホームページ、チラシ、リーフレットなど

プレゼンテーションPresentation

プレゼンテーションの場の設定。作った素材で PR する。

〈ご当地企業知名度向上プロジェクト〉URL. http://www.jobjony.com/(PC版JOBJONY)

http://www.jobjony.com/m/(モバイル版JOBJONY)

特定非営利活動法人コミュニティ事業支援ネット

特定非営利活動法人 コミュニティ事業支援ネット〒662-0854 兵庫県西宮市櫨塚町2-20西宮商工会館本館3F

TEL.0798-23-3738 FAX. 0798-23-3748URL. http://comisapo.com

E-mail. [email protected]

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Interview 05

将来を担う若者と出会いたい。それぞれの出展理由東 みなさん、今日はご多忙の中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、若者と地元中小・小規模企業を“つなぐ”「ご当地企業知名度向上プロジェクト」をテーマに座談会を開催したいと思います。まず、シルバージャパンの中林さん、このプロジェクトに賛同していただいた理由や目的、感想などについてお話いただけますか。中林 当社では今までにも合同就職説明会に出展したことはありましたが、今回の合同中小企業就職見本市のように「中小企業」ということを前面に押し出したものは初めてだったんです

ね。西宮地区の学生に対して地元の中小企業が「がんばってまっせ!」というメッセージを伝える、そう、言ってみれば世間的に大企業が注目される中で、中小企業であることが弱みと見られがちなのを逆に強みに変えてアピールしていく良い機会だと共感し、出展したわけです。それと、プロモーションビデオを製作することによって改めて自社のイメージを再確認できた点や、他の中小企業の方 と々ブースを並べる中で、業種は異なるものの、若者に対する考え方や見方、採用姿勢について情報交換ができて新たな気付きがあったり、刺激を受けたことも収穫でしたね。東 川島商会さんの場合はいかがですか。川島 当社の場合、今まで人材採用についてはすべて中途採用だったんですね。というのも、職人の採用が中心で対象が経験者でしたから。しかし、管理部門など他の職種に従事する人材や、今後自社の将来を担う若者を採用することを念頭においた場合、やはり新卒採用は必須だろうということで、東さんのお勧めもあって出展に至ったわけです。でも、今だから言いますが、正直、不人気と言われる私たちの業界や当社に興味を持ってアクセスしてくれる学生がいるとは思わなかったんですよね。

「かばん持ちインターンを体験した率直な感想は?」「とにかく楽しくて、あっという間の1週間でした」

株式会社シルバージャパン × 株式会社川島商会 × 学生

24 25

東 ところが、予想に反して来たと(笑)。川島 そう、ビックリしました!本当に、良い意味で期待を裏切られましたね(笑)。きっかけは「クルマが好き」。リサイクルや環境に新しい発見と驚き東 そのご本人が藤本さんなんだけど、合同中小企業就職見本市を知ったきっかけは?それと、なぜ川島商会さんに興味を持ったんですか?藤本 私はインターネットの SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、合同中小企業就職見本市というシューカツのイベントがあることを知りました。その中でとくに、地元の中小企業が出展していることに目が止まったんです。というのも、私は就職については大企業よりも中小企業の方が、一人ひとりの役割が明確で自分の存在感を発揮できるという思いがあったからです。川島商会さんについては、もともとクルマが大好きでその関連事業と聞いてブースを訪ねたのですが、それまでクルマというとメーカーやディーラーのイメージしかなかったものの、リサイクルや環境という面でのかかわりを持って事業展開していることが新しい発見と驚きで、その点に強く惹かれました。東 その後、かばん持ちインターンも体験したのよね。具体的にはどんなことを学んだんですか?藤本 1月の後半に1 週間にわたってお世話になりましたが、1日目は業界全体のことを教わり、2日目以降は実務を中心に体験しました。「クルマの材料はどこから入ってくるんだろう?廃車ってどこで決まるんだろう?」といった素朴な疑問がありましたが、取締役にオークション会場へ同行させていただいたことで、現場を見ることによってそれがわかりました。クルマがズラーッと並んでいて、そこで私も部品を取り外したり振り分けたり、コンテナに積み込む作業を少しお手伝いしたり…。仕事の現場を肌で感じたことで、すごくリアリティが伝わってきました。また、社員の方 も々みなさんとても親切で、とにかく楽しくて充実した1週間でした。自分が成長できる仕事があることを、多くの若者に知ってほしい中林 藤本さんの場合、クルマが好きで身近な存在だったことが今回のかばん持ちインターンで

ご当地企業知名度向上プロジェクトプロジェクトに参画した地元中小企業のキーパーソン、かばん持ちインターンを体験した若者、仕掛け人のコーディネート機関コンサルタントが一堂に集結。聞きたい、知りたい本音が収録された「特別座談会」、今ここに開催!

藤本 桃子兵庫県立大学 経営学部組織経営学科経営システム学科コース

テニスサークル所属、オフは主にレストランでの接客業のアルバイト

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Column

の良い経験につながったように思いますね。学生さんにとってのこの「好き」と「身近な存在」は重要なキーワードだと思います。当社は介護や障害者福祉を柱に事業を展開していますが、残念ながら「3K・低賃金・慢性的な人材不足」というマイナスイメージを持っている学生さんもいるようです。しかし、身近に接点がある人の場合、たとえばご家庭でおじいさんやおばあさんを介護していたり、あるいは身内や親しい友人・知人に障害を持つ人がいれば、当社の仕事にきっと興味を持ってくれると確信しています。少子高齢化社会は日本という国が抱えている現実。そのような背景のもと、当社やこの業界でがんばっている若者がいることを知ってほしい。福祉の理念や社会貢献のリアリティを実際に働く社員の生の声を通して体感してほしい。今回のイベントに出展したのも、そんな大きなチャンスだと思ったからです。学校の教科書には載っていない、人と人とが触れ合うことによって自分自身も大きく成長していくことのできる仕事のやりがいを実感してもらいたいと思ったんですね。私自身も、そこに醍醐味を見出して仕事をしていますから。藤本 たしかに、介護と聞くと大変なイメージがありましたが、中林社長のお話を聞いていて、人と人とのコミュニケーションを通じて、相手の方も自分自身もプラスになるというのはすごく魅力的なお仕事だと思いました。中林 ありがとう。やっぱりWin-Win の関係、つまり顧客の満足に加えて自分自身の満足度も向上しないと仕事は長く続いてはいかないからね。そして、こういうことをもっともっと多くの学生さんたちに知ってもらいたいですし、そのために私

たちのような中小企業はさらに認知や訴求への努力をしていかなければならないことを日々 感じています。若者を受け入れたことによって、企業にとっても新たな気付きが川島 今回、藤本さんのように「かばん持ちインターン」をやりたいという人が来てくれたのは、当社にとっても大きな収穫でした。そして、中林さんが言われるように、これからは私たち企業の方から若者に対して、より熱い想いやメッセージを発信していくことが大切ですね。そうすれば、もっと多くの若者と接触ができるし、共感してくれる人たちも増えてくると思います。東 私たちコーディネート機関も、さらに力を注いでいきたいと思います。中小企業ならではの強さと活力、柔軟性をより伝えていきたいですね。中林 そう、そして個性的で、何が起きるかわからない面白さ。それを一緒に楽しめる人たちと出会いたいですね。川島 藤本さんは大学の経営学部で「改善」について学んでいるということだったので、かばん持ちインターンの最後の 2日間で、当社に対する改善した方がいいと思った項目を挙げてもらったんですね。そうしたら、47 項目も出てきたんです。たとえば、工場内でのお互いの声が小さいとか、もっと元気よくあいさつをした方がいいとか…、ごく当たり前のことかもしれないし、社内で感じていた人がいるかもしれないけれど、それができていなかったのも事実。ところが、藤本さんが来たことがきっかけで新たな気付きとなって、現在実行していることもあるんです。これも、今回のプロジェクトを通して当社が得た大きなメリットでした。藤本さんがツナギを着て顔を真っ黒にしながら真剣に

24 25

主張してくれたのが、現場の職人さんたちの心に響いたんだと思う(笑)。藤本 かばん持ちインターンの期間中、ツナギを着て、ヘルメットをかぶって、安全靴を履いて、軍手をはめて、いろいろな自動車部品を触れるということで、とにかく楽しくて楽しくて、時間がはやく経つのが惜しくて仕方がなかったくらいでした

(笑)。おそらく大企業のインターンシップでは味わうことのできない、こんな貴重な経験ができたことにとても感謝しています。中林 でも、藤本さん、ツナギ着てヘルメットかぶってるのがうれしくてって、女子学生にしてはめずらしいんちゃう?東 そうやね〜…。一同 笑。東 みなさん、今日はお疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました。

中林 弘明株式会社シルバージャパン 代表取締役

事業内容:訪問介護・介護予防訪問介護サービス、居宅介護支援事業、福祉用具貸与販売事業、障害福祉サービス事業

藤本桃子さんの「かばん持ちインターン」スケジュール

1 日目 ○業界についての知識を勉強 ・リサイクル法の改正や  時代背景の変化について ・環境問題への影響など

2 ~ 5 日目 ○取締役に同行して  オークション会場へ ○自動車部品の取り外し・  振り分け・コンテナへの  積み込みを経験 ○廃車やリサイクルの現状に  ついて実務を通して学ぶ ○社内業務のお手伝い

6 ~ 7 日目 ○引き続き、上記業務を経験 ○今回の経験を通じて「改善案

 47 項目」をまとめて、取締 役に報告書として提出

特別座談会開催!Special Talk Session 

株式会社シルバージャパン〒661-0012 兵庫県尼崎市南塚口町2-29-35 ツカプラッツビル2F

TEL.06-6422-8812 FAX. 06-6422-8813URL. http://www.silver-japan.jp/

E-mail. [email protected]

株式会社川島商会〒664-0027 兵庫県伊丹市池尻3-331

TEL.072-781-8504  FAX. 072-780-2353 URL. http://www.e-kawasima.co.jp

[email protected]

川島 準一郎株式会社川島商会 取締役営業本部長

事業内容:全国ネットによる各種自動車中古部品の販売、事故車等部品取り車両の買受、海外への各種自動車中古部品の輸出販売、自動車素材のリサイクル研究

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Data-1 アンケート調査結果

26 27

プロジェクトに参加することを決めた際に、どの程度期待されていましたか。

総合的に考えて、プロジェクトはどの程度、役立ったと思いますか。

役立った37.1%

やや役立った39.7%

どちらともいえない

あまり役立たなかった 4.2%

役立たなかった 1.5%無回答3.6%

14.0%

役立った=計:76.8%

プロジェクトは期待以上に役立った1. 全体評価●プロジェクトに参加することを決めたときに、「期待していた」と回答した関係者は3割弱。●一方、プロジェクトが「役立った」と回答した関係者は4割弱で、期待以上に役立ったことがわかる。 また、「やや役立った」も含めると関係者の8割弱がプロジェクトが役立ったと評価している。

プロジェクトは今後も継続して実施してほしいですか。

継続してほしい58.3%

やや継続してほしい20.3%

12.5%

どちらともいえない

あまり継続してほしいと思わない 1.2%

継続してほしいとは思わない 1.1%

無回答 6.7%

継続希望=計:78.6%

今後も継続して実施されることを希望2. 継続意向

●プロジェクトを今後も継続して実施してほしいと思うかの質問には、関係者の6割弱が「継続してほしい」と回答。 「やや継続してほしい」も含めると、8割弱が今後も継続を希望していることがわかる。

期待していた27.0%

やや期待していた43.2%

16.2%どちらともいえない

あまり期待していなかった 8.4%

期待していなかった0.6%

無回答 4.5%

期待=計:70.2%

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26 27

○対象 : 本事業に参加した学生 ・ 求職者、企業、協力機関、コーディネート機関(主催者)○対象者数 : 2,611名

○回答者数 : 928名(回収率:35.5%)○調査実施期間 : 平成21年1月

「若者と中小企業とのネットワーク構築事業」のプロジェクトに参加した学生・求職者、企業、協力機関、コーディネート機関(主催者)に対して本アンケートを実施いたしました。アンケート調査の結果からいくつかの項目を抜粋してご紹介いたします。

学生、求職者の満足度が全般的に高い3. 参加個別プログラム評価●参加した個別プログラムでは、「人材マッチング」「セミナー」「インターンシップ」の参加率が3割前後となっている。●個別プログラムに参加した企業では、「セミナー」「企業見学会」「座談会・交流会」「課題解決型(成果発表型)プログラム」の 満足度が7割前後であった。●一方、参加した学生、求職者では、満足度が全般的に高く、特に「企業見学会」「課題解決型(成果発表型)プログラム」 「アドバイス・カウンセリング」「インターンシップ」で満足度が9割を超える。

参加したプロジェクトの個別プログラムとして、該当するものをお選びください。

0 10 20 30 40 50 60(%)

(n=928)

人材マッチングフェア

セミナー

企業見学会

座談会・交流会

課題解決型(成果発表型)プログラム

アドバイス・カウンセリング

インターンシップ

その他

無回答

30.8%

33.0%

20.9%

22.5%

12.1%

7.4%

28.4%

9.4%

6.0%

参加された個別プログラムについて満足されましたか。

企業の満足度

■個別プログラム評価【「満足・計」の割合】:参加企業

学生・求職者の満足度

■個別プログラム評価【「満足・計」の割合】:参加者

人材マッチングフェア

セミナー

企業見学会

座談会・交流会

課題解決型(成果発表型)プログラム

アドバイス・カウンセリング

インターンシップ

その他

0 20 40 60 80 100(%)

(n=134)

(n=124)

(n=62)

(n=87)

(n=41)

(n=19)

(n=108)

(n=44)

50.0%

66.1%

72.6%

75.9%

68.3%

57.9%

59.3%

59.1%

人材マッチングフェア

セミナー

企業見学会

座談会・交流会

課題解決型(成果発表型)プログラム

アドバイス・カウンセリング

インターンシップ

その他

0 20 40 60 80 100(%)

(n=103)

(n=105)

(n=87)

(n=67)

(n=34)

(n=36)

(n=97)

(n=23)

62.1%

71.4%

92.0%

86.6%

94.1%

94.4%

92.8%

82.6%

■個別プログラム評価(複数回答)

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Data-2 アンケート調査結果

28 29

そう思う

45.7%

就職意識向上・計:76.6%

ややそう思う30.9%

12.4%

どちらともいえない

あまりそう思わない4.8%

そう思わない 1.6% 無回答 4.6%

学生・求職者は就職意欲の向上や企業への理解が促進4. 学生・求職者の声

●参加した学生、求職者の5割弱が就職意欲が向上したかについて、「そう思う」と回答。 また、就職スキルが向上したかについては、2割弱が「そう思う」と回答。●プロジェクトに参加しての成果では、「参加した企業の事業内容が理解できた」、 「参加した企業の企業風土がわかった」など、プロジェクトを通し企業を理解することができたようだ。

プロジェクトに参加して、以下のような成果はありましたか。

就職スキル向上・計:54.0%

そう思う

19.1%

ややそう思う34.9%

どちらともいえない29.8%

あまりそう思わない8.1%

そう思わない 2.4%無回答 5.6%

○回答者 : 372名 プロジェクトに参加した学生 ・ 求職者

プロジェクトに参加して、就職に対する意欲やスキルは向上しましたか。

■就職意識の向上度 ■就職スキルの向上度

■プロジェクトに参加しての成果【「はい」の割合】

0 20 40 60 80 100(%)

参加した企業の事業内容が理解できた

参加した企業の企業風土が理解できた

就職したい企業が見つかった

参加企業に応募した

参加企業に入社(内定)した

84.9%

75.3%

31.7%

3.5%

15.1%

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28 29

参加企業は学生、求職者への理解が促進5. 企業の声

●プロジェクトに参加した企業では、採用スキルが向上したと感じた企業は1割強。 「ややそう思う」も含めると、5割弱の企業が採用スキルが向上したと感じている。●参加しての成果では、「参加した学生、求職者が理解できた」について7割以上が「はい」と回答。 実際、学生、求職者からの応募があった企業は約3割。

プロジェクトに参加して、採用スキルは向上しましたか。

そう思う

13.0%

ややそう思う35.3%どちらとも

いえない31.8%

あまりそう思わない11.7%

そう思わない 6.3%無回答  1.9%

採用スキル向上・計:48.3%

プロジェクトに参加して、以下のような成果はありましたか。

0 20 40 60 80 100(%)

72.0%

24.7%

31.0%

14.1%

参加した学生、求職者が理解できた

採用したい学生、求職者が見つかった

参加した学生、求職者から応募があった

参加した学生、求職者を採用した(参加した学生、求職者に内定を出した)

○回答者 : 368名 プロジェクトに参加した企業

■採用スキルの向上度

■プロジェクトに参加しての成果【「はい」の割合】

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30 31

コーディネート機関 連絡先

株式会社明天

〒 965-0871 福島県会津若松市栄町 2-14 レオクラブガーデンスクエア 5 F 会津若松市ビジネスインキュベートセンター内TEL.0242-28-1727 FAX.0242-28-1734E-mail: [email protected] URL: http://blog.canpan.info/meiten

株式会社きらり〒 210-0823 神奈川県川崎市川崎区江川 1-9-12TEL.044-281-6651 FAX.044-281-6652E-mail: [email protected] URL: http://www.kirari-mc.jp

財団法人デジタルコンテンツ協会〒 102-0082 東京都千代田区一番町 23-3 日本生命一番町ビルLBTEL.03-3512-3901 FAX.03-3512-3908E-mail: [email protected] URL: http://www.dcaj.org

財団法人上田繊維科学振興会〒 386-8567 長野県上田市常田 3-15-1 信州大学繊維学部内ARECTEL.0268-21-4377 FAX.0268-21-4382E-mail: [email protected] URL: http://www.arecplaza.jp

財団法人大田区産業振興協会〒 144-0035 東京都大田区南蒲田 1-20-20 大田区産業プラザ(PiO)3FTEL.03-3733-6476 FAX.03-3733-6459E-mail: [email protected] URL: http://www.pio-ota.jp

社団法人首都圏産業活性化協会〒 192-0083 東京都八王子市旭町 9-1 八王子スクエアビル 11 FTEL.042-631-1140 FAX.042-631-1124E-mail: [email protected] URL: http://www.tamaweb.or.jp

特定非営利活動法人 「育て上げ」ネット〒 190-0011 東京都立川市高松町 2-9-22 生活館ビル 3 FTEL.042-527-6051 FAX.042-548-1368E-mail: [email protected]

特定非営利活動法人 OCP 総合研究所〒 190-0085 東京都八王子市中町 5-1 八王子中町ビル 6 FTEL.042-621-0600 FAX.042-625-3026E-mail: [email protected] URL: http://npo-ocp.jp

特定非営利活動法人キッズデザイン協議会〒 112-8531 東京都文京区水道 1-3-3TEL.03-5840-2434 FAX.03-3570-9536E-mail: [email protected] URL: http://www.kidsdesign.jp

早稲田ビジネスパートナーズ株式会社〒 131-0044 東京都墨田区文花 1-20-7 すみだ産学官連携プラザ 106TEL.03-6279-3561 FAX.03-6368-5624E-mail: [email protected] URL: http://www.wbps.jp

特定非営利活動法人 NPO 愛知ネット〒 466-0007 愛知県安城市栄町 1-7-22 内藤ビル 2 FTEL.0566-98-5352 FAX.0566-98-5565E-mail: [email protected] URL: http://www.oretori.com

三重県商工会議所連合会〒 514-0004 三重県津市栄町 1-89 三重県合同ビル 6 FTEL.059-227-1666 FAX.059-223-1877E-mail: [email protected] URL: http://miepfcci.pro.tok2.com/wakamono/#enquete

中部アイティ協同組合〒 461-0004 愛知県名古屋市東区葵 1-16-31 サンコート新栄 8 FTEL.052-930-0070 FAX.052-930-0071E-mail: [email protected] URL: http://yumeproject.e-net.gr.jp

特定非営利活動法人コミュニティ事業支援ネット

〒 662-0854 兵庫県西宮市櫨塚町 2-20 西宮商工会館本館 3 FTEL.0798-23-3738 FAX.0798-23-3748E-mail: [email protected] URL: http://comisapo.com

協同組合関西ファッション連合〒 541-0048 大阪府大阪市中央区瓦町 2-6-9 大織健保会館 7 FTEL.06-6228-6525 FAX.06-6228-6540E-mail: [email protected] URL: http://www.kanfa720.com

コーディネート機関連絡先

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コーディネート機関 連絡先

彦根商工会議所〒 522-0063 滋賀県彦根市中央町 3-8TEL.0749-22-4551 FAX.0749-26-2730E-mail: [email protected] URL: http://www.hikone-cci.or.jp

立命館大学総合理工学研究機構〒 525-8577 滋賀県草津市野路東 1-1-1 びわこ・くさつキャンパス内TEL.077-561-2802 FAX.077-561-2811E-mail: [email protected] URL: http://www.ritsumei.jp/b-liaison/index_j.html

和歌山県中小企業団体中央会〒 640-8227 和歌山県和歌山市西汀丁 26 和歌山県経済センター 7 FTEL.073-431-0852 FAX.073-431-4108E-mail: tanaka@chuokai -wakayama.or.jp URL: http://www.chuokai-wakayama.or.jp

社団法人中国地域ニュービジネス協議会〒 730-0017 広島県広島市中区鉄砲町 1-20 第 3 ウエノヤビル 7 FTEL.082-221-2929 FAX.082-221-6166E-mail: [email protected] URL: http://www.cnbc.or.jp

社団法人香川経済同友会〒 760-8691 香川県高松市紺屋町 1-3 香川紺屋町ビル 6 FTEL.087-821-8754 FAX.087-823-1160E-mail: [email protected] URL: http://www.kagawadoyukai.or.jp

四国生産性本部〒 760-0033 香川県高松市丸の内 2-5 ヨンデンビルTEL.087-851-4262 FAX.087-851-4270E-mail: [email protected] URL: http://www.spc21.jp

有限会社アジアビジネスコンサルタント〒 810-0001 福岡県福岡市中央区天神 2-3-36 ibb fukuokaビル 5 FTEL.092-725-3688 FAX.092-725-5431E-mail: [email protected] URL: http://www.abcjapan.com

熊本県異業種交流協議会〒 860-8001 熊本県熊本市武蔵ヶ丘 6-7-26 ミヤムラカルチャーセンター内TEL.096-338-6944 FAX.096-223-6632E-mail: [email protected] URL: http://www.kumamoto-igyoshu.jp

鹿児島県中小企業団体中央会〒 892-0821 鹿児島県鹿児島市名山町 9-1 鹿児島県産業会館 5 FTEL.099-222-9258 FAX.099-225-2904E-mail: [email protected] URL: http://www.satsuma.or.jp

有限会社 オーシャントゥエンティーワン〒 901-0152 沖縄県那覇市小禄 1831-1 沖縄産業支援センター 4 F(402-5)TEL.098-859-8742 FAX.098-859-0937E-mail: [email protected] URL: http://www.ocean-21.co.jp

発行:中小企業庁

〔問い合わせ先〕中小企業庁 経営支援部 経営支援課〒 100-8912東京都千代田区霞が関 1 丁目 3 番 1 号TEL 03-3501-1763FAX 03-3501-7099URL http://www.chusho.meti.go.jp

平成 20 年度 「若者と中小企業とのネットワーク構築事業」 事例報告書

モバイル中小企業庁

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2008- 経営支援課 - 一般 - 初 - 027 2009 年 2 月

これで成功!!中小企業の魅力の伝え方