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人間と科学 県立広島大学保健福祉学部誌 10(1) 127 - 133 2010 - 127 - 県立広島大学保健福祉学部コミュニケーション障害学科 2009 年 9月 7 日受付 2009 年 12 月 17 日受理 細川 淳嗣 オープンソースのCourse Management System(CMS)ソフト “Moodle”を使った言語聴覚士養成課程学生への学習支援の経験 抄 録 オープンソースの CMSCourse Management System)ソフトの一つである Moodle を使い言語聴覚士養成課程 の学生のための学習支援サイトを学内 LAN で構築運用した。また,動画教材を配信するためにストリーミング サーバを設置して実習の準備学習のために利用し,学生に対してアンケート調査を実施した。これらの運用の 経験とストリーミング配信を使っての学習支援に対する学生の評価について報告すると共に,今後 e-learning して継続して運用するための課題を検討した。 キーワード:学習支援,言語聴覚士養成課程学生,ストリーミング配信,e-learning

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人間と科学 県立広島大学保健福祉学部誌 10(1) 127 - 133 2010

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県立広島大学保健福祉学部コミュニケーション障害学科

2009 年 9 月 7 日受付2009 年 12 月 17 日受理

細川 淳嗣

オープンソースのCourse Management System(CMS)ソフト

“Moodle”を使った言語聴覚士養成課程学生への学習支援の経験

抄 録

オープンソースの CMS(Course Management System)ソフトの一つであるMoodleを使い言語聴覚士養成課程の学生のための学習支援サイトを学内 LANで構築運用した。また,動画教材を配信するためにストリーミングサーバを設置して実習の準備学習のために利用し,学生に対してアンケート調査を実施した。これらの運用の経験とストリーミング配信を使っての学習支援に対する学生の評価について報告すると共に,今後 e-learningとして継続して運用するための課題を検討した。

キーワード:学習支援,言語聴覚士養成課程学生,ストリーミング配信,e-learning

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1 はじめに

学生の学習教材として ICT( Information and

Communication Technology)を用いた動画教材や音声教材を使った教育方法が取り入れられ,高等教育においてもインターネットあるいはイントラネットなどのネットワークを通じて学生への授業教材の配布や回収,講義のオンデマンド配信,試験の実施などの目的で利用されている。近年では,各家庭で利用される回線のブロードバンド化が進み,動画や音声などの大容量のデータでもストレスなく閲覧できるようになったことを利用して,対面での講義に代わり学生の自宅でインターネットを通じて大学の講義を受けるといった形態の学習方法も行われている。このような情報技術によるコミュニケーション・ネ

ットワーク等を活用した主体的な学習1)は e-learning

と呼ばれ,近年では医学教育などへの活用事例も見られるようになってきている 2)。これらの e-learningのプラットフォームとなるものが C M S(C o u r s e

Management System)あるいは,LMS(Learning

Management System)といわれるもので,学生にとってはさまざまな e-learning教材へアクセスするための入り口となり,教員にとっては,教材をアップロードする場所となる。また,学生の教材へのアクセスをコントロールすることによって,特定の教材を登録された学生だけが閲覧できるようにすることも可能であり,教員が学生のアクセス履歴を見ることにより学生の学習状況の把握もできる。このような,CMSソフトウェアには有償で商業的

に提供されているものもあるが,無償のオープンソースとして提供されるものもある。商業的に提供されているソフトウェアは,サポート体制が整っており利用する教員自身が構築や運用,トラブル対応を行う必要がないという利点があるが,導入費用や年間のサポート料が必要になる。一方,オープンソースソフトはより安価に導入でき

るというのは利点であるが,構築や運用,トラブル対応は自身で行う必要がある。しかしながら,広く使われているソフトでは運営者のコミュニティーがインターネット上に形成されており,さまざまな問題解決に対する技術面の情報だけでなく活用方法についてのノウハウなどの情報交換が行われている。また,ソースコードがオープンにされているので,プログラミングなどの知識があれば自己責任のもと運用されている環境に合わせてカスタマイズすることも可能である。本報告では,言語聴覚士養成課程の学生に対する学

習支援の方法の一つとして,オープンソースのコース管理システムソフトの一つであるMoodleのサーバを学内 LAN内で構築し,運用する経験を得たので報告する。また,運用を通じて明らかになった今後の検討

課題について述べる。

2 方法

2.1 Moodleのインストール

OSとしてMicrosoft Windows Server2003 が稼働しているサーバ機を県立広島大学三原キャンパス内に設置,学内 LANに接続し,WebサーバとしてMicrosoft

Internet Information Services( IIS) 6 .0, PHP

(Hypertext Preprocessor),データベースとしてMySQL

とMoodleをインストールし「県立広島大学コミュニケーション障害学科 Moodle」(以下:学科 Moodle)を構築した。なお,PHPおよび,MySQL,Moodleのソフトはオープンソースソフトであるのでインターネット上の配布サイトからダウンロードして使用した。なお,一連のMoodleインストール作業,設定作業

は,文献 3)などを参考に報告者自身が行った。

2.2 配信コンテンツのサーバ

教材として配信されるコンテンツとしては,授業で配布される資料やレポートの書式などのテキストデータや静止画データなどがある。これらのデータについては,クライエント側の PCに保存して利用することが想定されるので,Webサーバ内にそれらのデータを蓄積し,配信するためのフォルダを作成した。一方,動画や音声を使った教材を配信するために,

Microsoft Windows Media Serviceを使ってストリーミング配信を行うこととした。ストリーミング配信することで,動画や音声データが情報処理演習室などのクライエント PC内にコピーされることを防ぐことができるため,この方法で患者の動画や音声を配信することが可能になった。本サーバ機も三原キャンパス内に設置され学内 LANに接続された。ネットワーク構成及びソフトウェア構成の概略について図 1に示す。

2.3 学科 Moodleおよび,コンテンツの管理

Moodleには,管理者・教師・学生・ゲストなどいくつかの「役割」があり,役割によりMoodle内での活動に制限があり,全ての活動において制限のない管理者役割を持ったユーザが,Moodleへのユーザの登録や役割の割り当てを行う。また,管理者は授業科目などに対応した「コース」を開設し,これらのコースを利用できる学生や教師を割り当てることができる。これらの,ユーザ登録及び役割の割り当て,コースの開設や開設されたコースへのユーザの割り当てなどMoodleにおける管理は,全て報告者が行った。また,コース内のコンテンツのダウンロードページ

の作成やそこで配布されるコンテンツのデータのアップロード作業や削除作業は,コンテンツ作成を行った科目担当の教員の依頼を受けて,図 1に示すようにリ

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ムーバブルディスクを用いて報告者が随時行った。

2.4 コンテンツの内容とその利用方法

学科Moodleでは,2009 年 8 月現在で 9コースが開設されている。その中のコンテンツの種類としてはストリーミングによる教材動画配信とWebコンテンツおよびストリーミングによる動画配信を組合わせた聴力検査等の手順解説,臨床実習などの各種レポート書式(Microsof t 社 Word)のダウンロードサイト,Moodleの小テスト機能を利用した国家試験対策問題が主な内容である。このうち,各種レポート書式のダウンロードサイト

以外は,該当のコースに登録された学生のみがアクセス可能であり,管理権限,教師権限を持った教員はコースにおける学生の活動状況を把握することが可能である。また,国家試験対策問題においては回答が終了すると自動採点され学生は自分の得点を参照でき,当該コースの教師権限を持った教員は学生の得点履歴を参照することが可能である。

2.5 ストリーミングによる教材動画の配信とその評価

ストリーミングにより動画の配信を利用して,2009年 2 月には臨床実習の準備学習の一環として行われている定型発達小児の言語聴覚士との自由遊び場面及び,言語訓練場面をビデオで観察学習する課題を県立広島大学三原キャンパス情報処理演習室にて実施した。この際に使用したビデオは,学生の教育目的での

み利用し,担当教員が管理し,学生などにコピーしたものを配布しないということを保護者に説明し許可を得て,これまで同様の準備学習で使用していたビデオテープをストリーミング配信可能な形式に変換して利用した。利用についての許可は,ビデオ再生装置(VHSや

DVDプレイヤなど)とテレビもしくは,再生可能なパーソナルコンピュータで再生をして閲覧をするということを前提として許可を得たものである。しかし,今回の試みでは,動画教材が学内 LANでのみアクセス可能な場所にある。また,学科Moodleの当該コンテンツへのリンクページへのアクセスを許可された学生が ID及びパスワードを使いログインするため,閲覧の制限が可能である。さらに,ストリーミング配信は,学生が利用するクライアントパソコンに容易に画像やデータをコピーできないという特徴がある。このことから,許可を得た利用内容から外れることはないと判断し配信した。また,言語訓練場面の動画については,実習開始直前にデータをアップロードし,終了直後にデータを削除して閲覧できないようにした。本報告では,上記のようにストリーミング配信を実

習準備教育に利用した後に,学生にこの方法による音質や画質についてビジュアルアナログスケールで評価させた。また,今後の学外への展開の際の参考のために,同じような教材の自宅での利用希望についても同様の方法でたずねた。また,自宅でのインターネット環境の整備状況についての調査も実施した。

図 1 ネットワーク構成及び,ソフトウェア構成の概略図

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3 結果

3.1 学科 Moodle稼働状況

Moodleをインストールし,http://10.31.31.15/Moodle

にて学科Moodleとして,Webサーバ上で稼働開始した 2008 年 9 月から現在まで1年が経過しているが,これまでのところ安定して稼働している。図2に2009 年 8 月現在の学科Moodleトップページのハードコピーを示す。2009 年 8 月現在でコミュニケーション障害学科の

1年生から4年生までの学生及び,学科教員合わせて約 140 名のユーザ登録がされている。

3.2 学生のアクセス状況の把握

Moodleにおいては,登録された学生だけが該当のコースにアクセスできるようにすることが可能であり,管理権限,教師権限を持った教員はコースにおける学生の活動状況を把握することができる。この機能

を利用して該当の学生全員が閲覧するよう義務付けたコンテンツについては,コンテンツを閲覧していない学生がいた場合には適宜学生へ閲覧を促した。

3.3 ストリーミングによる動画教材の配信

ストリーミングによる動画の配信により,臨床実習の準備学習の一つである小児の自由遊び場面及び,言語訓練場面をビデオで観察学習する課題を本学三原キャンパス情報処理演習室にて実施した。本課題は,各学生が自由に再生・停止・巻き戻しなどの機器操作をしてビデオによる観察学習を行うという学習形態が理想である。しかし,これまでは機材台数の都合で 5名程度の学生のグループに対して1台のテレビ・ビデオを割り当て,複数の学生が1画面を一緒に見ながら課題をしていた。今回ストリーミング配信を使い実施することで,一人 1 画面での課題実施が可能になった(図 3)。この課題を実施する際には,27 名の学生が同時に

図 2 県立広島大学コミュニケーション障害学科Moodle トップページのハードコピー

図 3 ストリーミング配信を利用した課題実施の様子

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ストリーミングサーバにアクセスして動画を閲覧したが,アクセス急増による障害は確認されず,サーバ本体の CPU使用状況のモニタでも 10%を超えることはなかった。

3.4 ストリーミングによる教材配信に対する学生の

評価

この課題実施後に,学生に対してアンケートを実施して本方法による動画配信に対する音質や画質に対する評価をビジュアルアナログスケールでたずね,その平均値と標準偏差を求めた(図 4)。それによると,画質および音質に対する評価として「非常によい」と「非常に悪い」の中間点よりも悪い方に若干寄っており今後,改善の余地があることが示された(図 4-1, 4-3)。一方,画像や音声の途切れやタイムラグについての

評価では,多くの学生がストレスを感じなかったと回答する傾向にあった(図 4-2, 4-4)。

3.5 学外での利用希望及び,自宅のネットワーク環

境について

今後の学外でのコンテンツの利用への展開を検討する際の参考として同じような教材の自宅での利用希望についてもビジュアルアナログスケールでたずねた。これによると,中間点よりも自宅でも同様の教材を利用したいと「強く思う」に寄っており多くの学生が学外でも利用したいと考えていることが分かった(図 5)。動画配信に対する自宅でのインフラ整備状況は,表

1 に示すように 75%の学生はブロードバンド環境が自宅にあると回答した一方,ナローバンドあるいは自宅にネットワーク環境がない学生も 12.5%いることが分かった。

4 考察

4.1 学科 Moodleの管理運用および,配信する教材

について

現在,140 名程度のユーザ登録,コースの作成,コースへのユーザ割り当ておよび役割の割り当て作業などMoodleにおける管理や運用は報告者自身が単独で行っている。現在のところシステムは安定的に動いているためシステムの運用管理が特に大きな業務負担にはなっていない。これは,本システムが1学科のみを対象としているためであることと,現時点では該当の学年の学生全員が履修する科目でのコース開設であるためコースへの登録業務が煩雑でないことなどが挙げられる。

割合(%)

ブロードバンド 75

ナローバンド/自宅にはない 12.5

不明 12.5

図 4 動画配信に対する学生の評価

図 5 同じような教材の自宅での利用希望

表 1 自宅のネットワーク環境

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配信する教材のアップロードは,管理者が他教員からの依頼を受けてリムーバブルメディアを介して行っているが,今後,配信する教材の登録や更新,削除などの業務が増えることも予想されるので,コース担当教員自身がこれらの操作が行えるように,FTPプロトコールなどサーバのセキュリティに関する技術的な動向にも配慮しながら検討していく必要がある。

4.2 ストリーミングによる動画教材の配信について

教材の動画をストリーミングにより学内 LANという広帯域のネットワーク上で配信して 30 名程度の学生が一斉に閲覧するという状況では,閲覧者の画像や音の途切れやタイムラグに対するストレスもそれほど高くなく可用性は高いと考えられ,今後教材の動画や音声を本方法により配信することで学習支援に有意義であると思われる。また,音声や動画をストリーミング配信するために

は,現在オーディオテープや VHS形式のビデオで保管されている音声や画像をデジタル化してストリーミング配信可能な形式へ変換する必要があり,それに対する技術的,あるいは機材のサポートが必要である。また,今回の教材の画質や音質については今後改善

の余地がある。すなわち,今回使用したビデオの撮影には,撮影を行った部屋備え付けのあるいは,家庭用ビデオカメラに備え付けの集音マイクを使って録音をしているが背景ノイズが大きかったり,部屋の中を動いて遊んでいる幼児の声が十分拾えていなかったりする場面がある。また,照明の問題などで画面が暗いなどで,視認しにくい場面があることなどが画質と音質についての評価に影響を与えていると思われる。今後,同様の教材を作成するための撮影や編集を行う際には,このような音声や撮影の技術面についても配慮が必要であることが示唆された。

4.3 教材配信における著作権への配慮について

今回の配信に利用した動画は,学生の教育用に担当教員がオリジナルで撮影して編集をしたものであるため教材の利用という点では著作権上の問題は発生しない。しかし,市販教材の動画や音声の一部を配信したい場合や配布資料をアップロードする場合において,参考資料からの引用に著作権上の問題が生ずると考えられるため,これについて検討する必要がある。ただ,この問題は1学科だけで検討できる問題でもないと思われるため大学として検討し,ガイドラインやポリシーを作成することが望まれる。

4.4 学外への配信について

現在はMoodleおよび教材の閲覧,利用は学内 LAN

内限定であるが,自宅での利用を希望する学生も多くいるため,今後インターネット上への公開も検討した

い。ただ,教材によっては,個人情報に関わるものもあるため,パスワードによる認証はもちろんのこと,教材の内容によっては学内 LANでの閲覧に限定するということも必要であると思われ,先行事例も参考にしながらガイドラインの作成も必要である。また,学生への自宅でのインターネット環境に関す

る調査では,ストリーミングによる動画配信をストレスなく見られる光回線,ケーブルテレビのインターネットサービス,ADSLなどのブロードバンド環境がある学生は 75%にのぼるものの,ナローバンドあるいは自宅にはネットワーク環境がないという回答も12.5%あった。そのため,学習機会の保障という観点では,ブロードバンド環境が整備されていない学生に対しての配慮が必要になる。具体的には,ネットワーク配信するものと同じ内容のものを CD-ROMなどで貸し出すなどの対応が考えられる。

5 まとめ

本報告では,CMSである Moodleおよび,Webサーバ,ストリーミングサーバを利用して学内 LANで教材の配信を実施した経験を報告し,動画教材のストリーミング配信は,可用性,学生の評価共に高く,今後コンテンツを増やす必要性や学外へ向けての配信も検討されるべきと示唆された。一方,自宅で動画の配信を受けるためには十分でないネットワーク環境にいる学生もいるためこのような学生への配慮が必要になる。また,今後このような方法による学習支援を広げるためには,コンテンツの内容によるガイドラインの作成や著作権に関する配慮についての検討が必要である。

本研究は,平成 20 年度県立広島大学学内重点研究高等教育推進研究「聴力検査手技を習得するための,動画を中心としたインタラクティブなWebブラウザで閲覧できる教材作成とその評価」の一部として実施された。

文献

1)経済産業省商務情報政策局情報処理振興課編: e

ラーニング白書 2007/2008 年版. 東京, 東京電機大学出版局, 11, 2007

2)経済産業省商務情報政策局情報処理振興課編: e

ラーニング白書 2007/2008 年版. 東京, 東京電機大学出版局, 88, 2007

3)井上博樹, 奥村晴彦, 中田平: Moodle入門 オープンソースで構築する eラーニングシステム. 東京,

海文堂, 2008

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Humanity and Science Journal of the Faculty of Health and Welfare, Prefectural University of Hiroshima 10(1) 127 - 133 2010

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Department of Communication Sciences and Disorders,

Faculty of Health and Welfare, Prefectural University of Hiroshima

Received 7 September 2009

Accepted 17 December 2009

Atsushi HOSOKAWA

An open-source course management system (CMS)

software "Moodle" applying experiences to help students

in a speech therapist training course

Abstract

We had the experiences of building and managing a learning support site by a kind of open-source course management

system software "Moodle" in a local area network (LAN) to help students in a speech therapist training course. In addition,

we prepared training by setting up a streaming server to deliver video materials, then conducted a survey to students. We

report on the experience of management and evaluation of this learning support for our students. And we examined the

issues to be considered to continue to operate these systems in the future.

Key words : Moodle, learning support, students in a speech therapist training course, streaming, e-learning