ユーザガイドと仕様

NI USB-6509このドキュメントには、NI-DAQmx 8.7 以降での NI USB-6509 データ集録（DAQ）デバイスの使用方法に関する情報が記載されています。NI USB-6509 は、バス電源駆動の 96 チャンネル、デジタル入力 / 出力

（I/O）デバイスです。NI USB-6509 は、96 の TTL/CMOS 互換デジタルI/O ライン、ウォッチドッグタイマ、デジタル入力フィルタ処理と変化検出、およびプログラム可能な電源投入時の出力状態を装備しています。

NI USB-6509 には、I/O 駆動電力を上げることが可能なオプションの外部DC 電源も装備されています。

目次

はじめに ............................................................................................................................ 2ソフトウェアをインストールする ................................................................... 2ハードウェアを取り付ける ................................................................................ 3USB ケーブル抜け防止機構 ................................................................................ 3NI USB-6509 を取り付ける ................................................................................ 3

デスクトップでの使用 ................................................................................ 3DIN レールマウント .................................................................................... 4パネルに取り付ける..................................................................................... 5

ハードウェア概要........................................................................................................... 6ソフトウェアでデバイスをプログラミングする ................................................. 7

関連ドキュメント .................................................................................................. 8I/O コネクタ .................................................................................................................... 8

ピンの割り当て ...................................................................................................... 8SH100-100-F ピン割り当て ....................................................................... 8R1005050 のピン割り当て......................................................................10

信号の説明 .............................................................................................................11デジタル I/O ..................................................................................................................12

NI USB-6509 デバイス上のスタティック DIO ..........................................12デジタル I/O 回路................................................................................................12I/O 保護 ..................................................................................................................12電源投入 / 電源オフ / 一時停止時の I/O 状態 ...........................................13I/O プルアップ / プルダウン抵抗 ..................................................................13

HIGH 状態の DIO.......................................................................................14LOW 状態の DIO........................................................................................15

NI USB-6509 デバイスで電流駆動レベルを高める ..................................16

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 2 ni.com/jp

DIO 信号接続 ....................................................................................................... 16誘導性負荷を保護する ...................................................................................... 17シンクおよびソースの例 .................................................................................. 17

リレー駆動 24 mA.................................................................................. 18SSR 駆動 ........................................................................................................ 19

LED 表示器 ............................................................................................................ 19電源接続.......................................................................................................................... 19

オプションの +12 VDC 電源の取り付け .................................................... 19I/O コネクタで利用可能な +5 V 電力 .......................................................... 20

工業用 DIO 機能........................................................................................................... 20デジタルフィルタ ............................................................................................... 20

デジタルフィルタの例.............................................................................. 21プログラム可能な電源投入時の状態 ............................................................ 22変化検出 ................................................................................................................. 22

変化検出の例 ............................................................................................... 23ウォッチドッグタイマ ...................................................................................... 23

ケーブル / アクセサリ................................................................................................ 24仕様................................................................................................................................... 25安全ガイドライン ........................................................................................................ 29サポート情報 ................................................................................................................. 31

はじめに

NI USB-6509 デバイスは、96 の双方向スタティック DIO ラインをポートごとに装備しています。デバイスをまだ取り付けていない場合は、

『NI-DAQmx での USB デバイスの構成スタートアップガイド』を参照してください。

DAQ デバイスを取り付ける前に、そのデバイスで使用する予定のソフトウェアをインストールする必要があります。

ソフトウェアをインストールするWindows 用 NI USB-6509 のソフトウェアサポートは、NI-DAQmx で提供されます。

NI-DAQmx CD にはサンプルプログラムが含まれており、NI USB-6509でプログラミングを手がける際に役立ちます。詳細については、デバイス

に添付され、スタート→すべてのプログラム→ National Instruments →NI-DAQ と選択することでも利用可能な『USB デバイス用 NI-DAQmx スタートアップガイド』を参照してください。

メモ Windows 以外のオペレーティングシステムのサポートについては、ni.com/jp/infoで jp5pumと入力して表示される情報を参照してください。

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ハードウェアを取り付ける『USB デバイス用 NI-DAQmx スタートアップガイド』には、ソフトウェアを特定しない USB デバイスの取り付け方が説明されています。

USB ケーブル抜け防止機構USB ケーブルには、以下の 2 つの抜け防止オプションがあります。

• ケーブル抜け防止用固定溝を使用 —USB ケーブルを、NI USB-6509の下側にある 2 つの溝のいずれかに押し込みます。図 1 のように、USB ケーブルのサイズに一致する溝を使用します。

• ケーブルタイを使用 — 図 1 のように、NI USB-6509 の下側にあるケーブルタイ取り付けバーにケーブルタイを通し、USB ケーブルを固定します。

図 1 USB ケーブル抜け防止オプション

NI USB-6509 を取り付けるNI USB-6509 をデスクトップで使用、または標準 DIN レールまたはパネルに取り付けることができます。

デスクトップでの使用NI USB-6509 はデスクトップで使用できます。NI USB-6509 の底部には、他の NI USB-6509 デバイスを積み重ねることができるように溝が付いています。

1 USB ケーブル抜け防止用固定溝（大）2 USB ケーブル抜け防止用固定溝（小）3 USB ケーブル

4 ケーブルタイ5 ケーブルタイ取り付けバー

34

1

2

3

5

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 4 ni.com/jp

デスクトップで使用する場合にデバイスを安定させるには、図 2 のように、付属の滑り止め用の脚をデバイスの下側に貼り付けます。

メモ NI USB-6509 をパネルに取り付ける場合、または複数の NI USB-6509 デバイスを積み重ねる場合は、ゴム脚を使用しないでください。

図 2 ゴム脚を NI USB-6509 に取り付ける

DIN レールマウントDIN レールマウントキット（製品番号 : 779689-01、NI USB-6509 キットには付属しません）は、NI USB-6509 を標準 DIN レールに取り付けるためのアクセサリです。

メモ 「USB ケーブル抜け防止機構」セクションの説明どおり、NI USB-6509 を DINレールに取り付ける前に、ケーブル抜け防止を取り付けます。

© National Instruments Corporation 5 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

パネルに取り付けるNI USB-6509 をボードまたはパネルに取り付けるには、図 3 を参照しながら以下の手順に従ってください。

図 3 NI USB-6509 をパネルに取り付ける

メモ デバイスをパネルに取り付ける場合は、ゴム脚を NI USB-6509 に取り付けないでください。

「USB ケーブル抜け防止機構」セクションの説明どおり、NI USB-6509 をパネルに取り付ける前に、ケーブル抜け防止を取り付けます。

1. パネル取り付け用のテンプレート PDF をダウンロードおよび印刷するには、ni.com/jp/infoで info code に jpkxseと入力します。

2. テンプレートを使用して、パネル上下に印を付けます。印はそれぞれから 162 mm（6.375 in.）離れています。

3. USB ケーブルを NI USB-6509 のコネクタから外します。

4. #8 または M4 ネジをパネルの下の位置にネジ止めします。

5. NI USB-6509 の底部ネジ用ノッチに合わせて、NI USB-6509 をネジの上に設置します。

6. #8 または M4 ネジを NI USB-6509 上部のネジ穴に通してパネルにネジ止めします。

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 6 ni.com/jp

ハードウェア概要

図 4 は、NI USB-6509 の主要な機能コンポーネントを示しています。

図 4 NI USB-6509 ブロック図

図 5 は、NI USB-6509 のバックパネルを示します。

図 5 NI USB-6509 バックパネル

重要な安全情報については、このドキュメントの安全ガイドラインのセク

ションを参照してください。

1 I/O ラインプルスイッチ2 LED

3 埋め込み式 USB ポート4 DC パワージャック

I/O FPGA

DIO

USB/

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

24 mA DIO

USB

12 V 5 V

VBUS

USB

VBUS

I/O

96 DIO96 DIO96 DIO96 DIO

96 DIO96 DIO 96 DIO96 DIO

I/O

+5 V

12 VDC

I/O LINE PULL

HIGH LOW

12VDC , 1A

+–

1

2 3

4

© National Instruments Corporation 7 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

ソフトウェアでデバイスをプログラミングする

ナショナルインスツルメンツの USB 用測定デバイスには、LabVIEW または LabWindows™/CVI™ など、アプリケーションソフトウェアから呼び出すことができる VI や関数の豊富なライブラリである NI-DAQ ドライバソフトウェアが同梱されており、NI の測定デバイスの機能をすべてプログラムすることができます。ドライバソフトウェアには、デバイス用の

アプリケーションを作成するための VI、関数、クラス、属性、プロパティのライブラリであるアプリケーションプログラミングインタフェース

（API）が含まれています。

NI-DAQ 8.x に含まれる NI-DAQmx は、独自の API、ハードウェア構成、ソフトウェア構成を装備しています。詳細については、『USB デバイス用NI-DAQmx スタートアップガイド』を参照してください。

NI-DAQmx にはプログラミングサンプルのコレクションが含まれており、アプリケーション開発を手がける際に役立ちます。サンプルのコードは、

変更したり、アプリケーションに保存したりすることができます。サンプ

ルを使用して、新しいアプリケーションを開発したり、サンプルのコード

を既存のアプリケーションに加えたりすることができます。

LabVIEW および LabWindows/CVI サンプルを参照するには、ナショナルインスツルメンツのサンプルファインダを開いてください。

• LabVIEW では、ヘルプ→サンプルを検索を選択します。

• LabWindows/CVI では、ヘルプ→ NI サンプルファインダを選択します。

Measurement Studio、Visual Basic、ANSI C のサンプルは、以下のディレクトリにあります。

• Measurement Studio でサポートされる言語の NI-DAQmx のサンプルは、以下のディレクトリにあります。

– MeasurementStudio¥VCNET¥Examples¥NIDaq

– MeasurementStudio¥DotNET¥Examples¥NIDaq

• ANSI C 用 NI-DAQmx サンプルは、NI-DAQ¥Examples¥DAQmx ANSI C Devディレクトリにあります。

その他のサンプルについては、ni.com/zoneを参照してください。

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 8 ni.com/jp

関連ドキュメント以下のドキュメントには、このユーザガイドを使用する上で役に立つ情報

が記載されています。

• 『USB デバイス用 NI-DAQmx スタートアップガイド』—NI-DAQmxソフトウェアのインストール方法、DAQ デバイスの取り付け方法、デバイスの動作確認の方法が説明されています。

• 『NI-DAQmx ヘルプ』—NI-DAQmx を使用してナショナルインスツルメンツのデバイスをプログラムする方法が説明されています。

NI-DAQmx は、DAQ デバイスとの通信や制御に使用するソフトウェアです。

• 『NI-DAQmx 用 Measurement & Automation Explorer ヘルプ』—NI-DAQmx 用 Measurement & Automation Explorer（MAX）を使用した DAQ デバイスの構成やテストについての情報が記載されています。

• 『DAQ アシスタントヘルプ』—DAQ アシスタントを使用したチャンネル、タスク、スケールの作成および構成に関する情報が記載されて

います。

I/O コネクタNI USB-6509 の 100 ピン高密度 SCSI コネクタは、96 のデジタル入出力に使用されます。このコネクタを使用して、ソリッドステートリレー

（SSR）や LED などの外部デバイスを接続します。このデジタル I/O コネクタの接続には、ナショナルインスツルメンツ SH100-100-F シールドデジタル I/O ケーブルと SCB-100 端子台、または R1005050 リボンケーブルと CB-50 端子台または CB-50LP 端子台を使用すると便利です。

注意 デジタル I/O デバイスには、最大入出力定格を超える接続をしないでください。仕様範囲を超える接続は NI USB-6509 デバイスとコンピュータが破損する原因となります。最大入力定格については、「信号の説明」と「仕様」のセクション

を参照してください。

ピンの割り当て

SH100-100-F ピン割り当て図 6 は、SH100-100-F ケーブルを使用する NI USB-6509 のピン割り当てを示しています。各ピンの命名規則は PX.Y（X はポート（P）番号、Y はライン番号またはライン名）です。

© National Instruments Corporation 9 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

図 6 SH100-100-F を使用する NI USB-6509 のピン割り当て

このコネクタで使用可能な信号の詳細については、「信号の説明」のセク

ションを参照してください。

+5 V

P3.0

P0.0

P3.1

P0.1

P3.2

P0.2

P3.3

P0.3

P3.4

P0.4

P3.5

P0.5

P3.6

P0.6

P3.7

P0.7

P4.0

P1.0

P4.1

P1.1

P4.2

P1.2

P4.3

P1.3

P4.4

P1.4

P4.5

P1.5

P4.6

P1.6

P4.7

P1.7

P5.0

P2.0

P5.1

P2.1

P5.2

P2.2

P5.3

P2.3

P5.4

P2.4

P5.5

P2.5

P5.6

P2.6

P5.7

+5 V

P9.0

P6.0

P9.1

P6.1

P9.2

P6.2

P9.3

P6.3

P9.4

P6.4

P9.5

P6.5

P9.6

P6.6

P9.7

P6.7

P10.0

P7.0

P10.1

P7.1

P10.2

P7.2

P10.3

P7.3

P10.4

P7.4

P10.5

P7.5

P10.6

P7.6

P10.7

P7.7

P11.0

P8.0

P11.1

P8.1

P11.2

P8.2

P11.3

P8.3

P11.4

P8.4

P11.5

P8.5

P11.6

P8.6

P11.7

GND

P2.7

25

24

23

22

21

20

19

18

17

16

15

14

13

12

11

10

9

8

7

6

5

4

3

2

1

75

74

73

72

71

70

69

68

67

66

65

64

63

62

61

60

59

58

57

56

55

54

53

52

51

50

49

48

47

46

45

44

43

42

41

40

39

38

37

36

35

34

33

32

31

30

29

28

27

26

100

99

98

97

96

95

94

93

92

91

90

89

88

87

86

85

84

83

82

81

80

79

78

77

76

GND

P8.7

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 10 ni.com/jp

R1005050 のピン割り当て図 6 は、R1005050 ケーブルを使用する NI USB-6509 のピン割り当てを示しています。各ピンの命名規則は PX.Y（X はポート（P）番号、Y はライン番号またはライン名）です。

図 7 R1005050 を使用する NI USB-6509 のピン割り当て

このコネクタで使用可能な信号の詳細については、「信号の説明」のセク

ションを参照してください。

+5 V

P0.0

P0.1

P0.2

P0.3

P0.4

P0.5

P0.6

P0.7

P1.0

P1.1

P1.2

P1.3

P1.4

P1.5

P1.6

P1.7

P2.0

P2.1

P2.2

P2.3

P2.4

P2.5

P2.6

P2.7

GND

P3.1

P3.2

P3.4

P3.5

P3.6

P3.7

P3.0

P3.3

P4.0

P4.1

P4.2

P4.3

P4.4

P4.5

P4.6

P4.7

P5.0

P5.1

P5.2

P5.3

P5.4

P5.5

P5.6

P5.7

49 50

47 48

45 46

43 44

41 42

39 40

37 38

35 36

33 34

31 32

29 30

27 28

25 26

23 24

21 22

19 20

17 18

15 16

13 14

11 12

9 10

7 8

5 6

3 4

1 2

+5 V

P6.0

P6.1

P6.2

P6.3

P6.4

P6.5

P6.6

P6.7

P7.0

P7.1

P7.2

P7.3

P7.4

P7.5

P7.6

P7.7

P8.0

P8.1

P8.2

P8.3

P8.4

P8.5

P8.6

P8.7

GND

P9.1

P9.2

P9.4

P9.5

P9.6

P9.7

P9.0

P9.3

P10.0

P10.1

P10.2

P10.3

P10.4

P10.5

P10.6

P10.7

P11.0

P11.1

P11.2

P11.3

P11.4

P11.5

P11.6

P11.7

49 50

47 48

45 46

43 44

41 42

39 40

37 38

35 36

33 34

31 32

29 30

27 28

25 26

23 24

21 22

19 20

17 18

15 16

13 14

11 12

9 10

7 8

5 6

3 4

1 2

1 50 51 100

© National Instruments Corporation 11 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

信号の説明表 1 は、NI USB-6509 デバイスで使用可能なすべての信号とその説明を示します。

表 1 NI USB-6509 の信号の説明

ピン 信号名 説明 MSB LSB

1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15 P2. ポート 2 用双方向データライン P2.7 P2.0

2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16 P5. ポート 5 用双方向データライン P5.7 P5.0

17, 19, 21, 23, 25, 27, 29, 31

P1. ポート 1 用双方向データライン P1.7 P1.0

18, 20, 22, 24, 26, 28, 30, 32

P4. ポート 4 用双方向データライン P4.7 P4.0

33, 35, 37, 39, 41, 43, 45, 47

P0. ポート 0 用双方向データライン P0.7 P0.0

34, 36, 38, 40, 42, 44, 46, 48

P3. ポート 3 用双方向データライン P3.7 P3.0

49, 99 +5 V 電源 +5 V（+5 V 電源を供給） — —

50, 100 GND グランド（コンピュータのグランドに接続された信号）

— —

51, 53, 55, 57, 59, 61, 63, 65

P8. ポート 8 用双方向データライン P8.7 P8.0

52, 54, 56, 58, 60, 62, 64, 66

P11. ポート 11 用双方向データライン P11.7 P11.0

67, 69, 71, 73, 75, 77, 79, 81

P7. ポート 7 用双方向データライン P7.7 P7.0

68, 70, 72, 74, 76, 78, 80, 82

P10. ポート 10 用双方向データライン P10.7 P10.0

83, 85, 87, 89, 91, 93, 95, 97

P6. ポート 6 用双方向データライン P6.7 P6.0

84, 86, 88, 90, 92, 94, 96, 98

P9. ポート 9 用双方向データライン P9.7 P9.0

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 12 ni.com/jp

デジタル I/O

NI USB-6509 デバイス上のスタティック DIONI USB-6509 の各 DIO ラインは、デジタル入力（DI）またはデジタル出力（DO）ラインとして使用できます。スタティック DIO を使用してデジタル信号の監視や制御ができます。各 DIO ポートは DI または DOポートとして構成できます。

スタティック DI ラインのサンプルと DO ラインのアップデートは、すべてソフトウェアタイミングが使用されます。

デジタル I/O 回路NI USB-6509 は、双方向 DIO 信号、P. の 96 ラインを提供します。ポートごとに方向を入力または出力に構成できます。各 I/O ラインは、100 kΩ I/O プルアップ / ダウン抵抗を装備しています。I/O プルアップ / ダウン抵抗に関する詳細は、「I/O プルアップ / プルダウン抵抗」のセクションを参照してください。

図 8 は、1 つの DIO ラインの回路を示しています。

図 8 NI USB-6509 のデジタル I/O 回路

DIO ラインの電圧入力と出力レベルおよび電流駆動レベルは、「仕様」セクションに記載されています。

I/O 保護以下のガイドラインに従って、静電気放電、過電圧、低電圧、過電流など

の問題のある状態を回避する必要があります。

• DIO ラインを出力として構成する場合は、DIO ラインを外部信号ソースや、グランド、または電源に接続しないでください。

• DIO ラインを出力として構成する場合は、これらの信号に接続された負荷の電流要件を認識する必要があります。DAQ デバイスの指定された電流出力制限を超えないでください。ナショナルインスツルメ

GND

I/O PX.Y

+5 V

100 kΩ

© National Instruments Corporation 13 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

ンツは、高電流駆動を必要とするデジタルアプリケーション用にいく

つかの信号調節ソリューションを提供しています。

• DIO ラインを入力として構成する場合は、通常動作範囲外の電圧でラインを駆動しないでください。

• DAQ デバイスは、静電気放電に敏感なデバイスとして取り扱う必要があります。DAQ デバイスの操作や接続を行う際は、常に身体と装置に接地を施してください。

電源投入 / 電源オフ / 一時停止時の I/O 状態デバイスに電源を投入後、I/O ラインのデフォルト状態は入力になります。

バックパネルにある I/O ラインプルスイッチを使用して、すべての I/Oラインをプルアップまたはプルダウンに選択できます。プルアップまたは

プルダウン抵抗は、すべての I/O ラインで微弱プルアップまたはプルダウン論理レベルをそれぞれに提供します。選択した I/O ラインのプルアップ / ダウン設定は、I/O 方向に関係なく有効になります。この機能に関する詳細は、「I/O プルアップ / プルダウン抵抗」のセクションを参照してください。

プログラム可能な電源投入時の状態の機能を使用して、ソフトウェアで電

源投入時の状態を構成することもできます。独立した各 I/O ラインは、電源投入後に高インピーダンス入力、HIGH 出力、または LOW 出力に個別に構成できます。詳細については、「プログラム可能な電源投入時の状

態」のセクションを参照してください。

デバイスの電源がオフまたは一時停止状態の場合、すべての I/O ラインの電源はオフになります。

I/O プルアップ / プルダウン抵抗NI USB-6509 では、プルアップまたはプルダウンのユーザ構成が可能です。各 DIO チャンネルは 100 kΩ抵抗に接続され、図 5 に示されたバックパネルスイッチを使用してプルアップまたはプルダウンが可能です。こ

のスイッチを HIGH に設定すると、96 のすべての DIO ラインがプルアップ、LOW に設定するとプルダウンします。ただし、すべてのラインをプルアップする場合は、一部のラインをプルダウンするとよい場合がありま

す。これを適切に実行するには、これらのライン上の電流駆動の性質を理

解し、TTL 論理レベルに準拠する必要があります。

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 14 ni.com/jp

HIGH 状態の DIOHIGH へのプルアップモードに設定すると、各 DIO ラインは 100 kΩ抵抗を介して Vcc（+5 V）になります。特定のラインを LOW にプルダウンするには、そのラインとグランド間にプルダウン抵抗（RL）を接続します。最大値が 0.8 V まで下がるように抵抗値を設定します。可能な限り大きな抵抗を使用して、プルダウンに必要以上の電流を使用しないようにし

ます。DIO ラインからの漏れ電流が抵抗の電圧を 0.8 V の TTL LOW レベル以上に駆動しないように、抵抗値を大きくしすぎないようにします。

図 9 外部負荷を使用して HIGH の状態に構成された DIO チャンネル

例 :電源投入時にデバイスは入力に構成され、デフォルトですべての DIO ラインは HIGH になります。1 つのチャンネルを LOW に変更するには、次の手順を実行します。

1. 負荷（RL）を取り付けます。抵抗が小さいほど多くの電流を消費し、電圧（V）も低くなります。

2. 次の式を使用して、0.8 V の論理 LOW レベルを保持しながら最大駆動電流（I）を供給できる最大負荷を算出することができます。

V = I * RL RL = V/I

ここで各記号の意味は以下のとおりです。

V= 0.8 V は RL にかかる電圧

I = 91 μA は LOW 入力でのデバイスからの漏れ電流

結果 :

RL = 8.8 kΩは 0.8 V / 91 μA

この 8.8 kΩの抵抗値では、DIO ラインの電圧が最大の 0.8 V になります。これより小さい抵抗値を使用できますが、より多くの電流が流れるため、

このラインに接続されている他の回路への駆動可能な電流量が減ります。

NI USB-6509

I/O

100 kΩ

GND

RL

+5 V

© National Instruments Corporation 15 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

LOW 状態の DIOLOW へのプルダウンモードに設定すると、各 DIO ラインは 100 kΩ抵抗を介して GND（0 V）にプルダウンされます。特定のラインを HIGH にプルアップする場合は、最低 2 V を供給するプルアップ抵抗に接続します。可能な限り大きな抵抗を使用することで、プルアップに必要以上の電

流を使用しないようにします。

DIO ラインからの漏れ電流が抵抗の電圧を 2 V の TTL HIGH レベル以下にしないように、プルアップ抵抗値を大きくしすぎないようにします。

図 10 外部負荷を使用して LOW の状態に構成された DIO チャンネル

例 :スイッチが LOW 状態の DIO に設定され、すべての DIO ラインが LOWにプルダウンされます。1 つのチャンネルを HIGH に変更するには、次の手順を実行します。

1. 負荷（RL）を取り付けます。抵抗が小さいほど多くの電流を消費し、電圧（V）も低くなります。

2. 次の式を使用して、2 V の論理 HIGH レベルを保持しながら最大シンク電流（I）を供給できる最大負荷を算出することができます。

V = I * RL RL = V/I

ここで各記号の意味は以下のとおりです。

V= 5 V – 2 V = 3 V は RL にかかる電圧

I = 91 μA は HIGH 入力でのデバイスへの漏れ電流

結果 :

RL = 33 kΩは 3 V / 91 μA

この 33 kΩの抵抗値では、DIO ラインの電圧が最小の 2 V になります。これより小さい抵抗値を使用できますが、より多くの電流が流れるため、

このラインに接続されている他の回路への駆動可能なシンク電流が減りま

す。

NI USB-6509

I/O

+5 V

GND

100 kΩ

RL

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 16 ni.com/jp

NI USB-6509 デバイスで電流駆動レベルを高めるUSB 仕様に基づき、バス電源駆動 USB デバイスが流す最大電流は500 mA に制限されています。その結果、NI USB-6509 の電源が USBポートのみからきている場合、出力チャンネルでの電流駆動容量が制限さ

れます。

NI USB-6509 は VBUS（USB 電源レール）に電流センス回路を装備しています。出力チャンネルが指定された以上のソース電流を使用する場合、電

流は制限されます。以下の 2 つの現象は過電流状態を示しています。

• 入力 / 出力が無効

• バックパネルの LED が点滅

NI USB-6509 で電流駆動容量を増やしたい場合は、オプションの+12 VDC 外部電源を使用できます。詳細については、「オプションの+12 VDC 電源の取り付け」のセクションを参照してください。

DIO 信号接続図 11 は、3 つの典型的なデジタル I/O アプリケーションの信号接続の例を示します。ポート 0 はデジタル出力用、ポート 7 はデジタル入力用に構成されています。デジタル入力アプリケーションは、図のように TTL 信号の受信や外部デバイスの状態（スイッチの状態など）の感知などを行い

ます。デジタル出力アプリケーションは、TTL 信号の送信や外部デバイスの駆動（図 11 の場合は LED）などを行います。

図 11 NI USB-6509 信号接続

41

43

45

47

67

69

71

73

50, 100

NI USB-6509

+5 V

+5 V

LED

P7.

P0.

GND

TTL

0

7

© National Instruments Corporation 17 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

誘導性負荷を保護する誘導性負荷が出力に接続されている場合、切り換え時に大きな逆起電力が

起こる可能性があります。これは、誘導負荷にエネルギーが蓄積されてい

るためです。このフライバック電圧は、出力または電源（もしくは両方）

を損傷する可能性があります。

誘導性負荷のフライバック電圧を制限するには、誘導性負荷を通じて、フ

ライバックダイオードを取り付けます。フライバックダイオードは、負荷

から 45 cm（18 インチ）以内に取り付けると最も効果的です。図 12 は、誘導性負荷を保護するために外部フライバックダイオードを使用した例を

示しています。

図 12 誘導性負荷のフライバック電圧を制限する

シンクおよびソースの例以下のセクションでは、24 mA 以下のリレー駆動、24 mA 以上のリレー駆動、およびソリッドステートリレー駆動の例を示します。

リレー駆動

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 18 ni.com/jp

図 14 NI USB-6509 ソース接続の例、24 mA図 15 および 16 は、NI USB-6509 を 24 mA 以上の電流を必要とするリレーに接続する例を示しています。これらの例では、追加のトランジスタ

回路を使用しています。

図 15 NI USB-6509 シンク接続の例、>24 mA

図 16 NI USB-6509 ソース接続の例、>24 mA

GND

NI USB-6509

PX.Y

GND

NI USB-6509

Vcc

PX.Y

GND

NI USB-6509

Vcc

PX.Y

© National Instruments Corporation 19 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

SSR 駆動図 17 は、NI USB-6509 をソリッドステートリレー（SSR）に接続する例を示しています。

図 17 NI USB-6509 SSR 接続の例

LED 表示器デバイスのバックパネルにある LED 表示器はデバイスの状態を示します。表 2 は、LED の動作を示します。

電源接続

オプションの +12 VDC 電源の取り付け+12 VDC 電源を NI USB-6509 に取り付けるには、以下の手順に従ってください。

1. デバイスから USB ケーブルを外して、デバイスの電源がオフになっていることを確認します。

2. デバイスの電源をオフにしてケーブルを外した後に、デバイスのバックパネルにある DC ジャックのプラスチック製のふたを取り外します。

3. +12 VDC 電源を DC ジャックに差し込みます。

注意 デバイスの電源がオンの場合は、外部 +12 VDC 電源を取り外さないでください。そうすることで NI USB-6509 が再起動し、デバイスが破損する可能性があります。

表 2 PWR/ACT LED の状態

LED の状態 デバイスの状態

点灯していない デバイスの電源が未投入または一時停止状態

オン、点滅していない 正常に動作中

点滅 デバイスエラー（USB パワーバジェット超過の可能性）

SSR

GND

NI USB-6509

+_

ACDC

PX.Y

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 20 ni.com/jp

I/O コネクタで利用可能な +5 V 電力ピン 49 および 99 は、I/O コネクタで +5 V の電力を供給します。これらの 2 つのピンから供給される電力は、消費電力をトランシーバと共有します。I/O コネクタの電力には、過電流保護のためのヒューズがあります。このヒューズはユーザが交換できません。ヒューズが溶断されている

場合は、修理の必要があるため、ナショナルインスツルメンツに返送して

ください。

注意 +5V と GND の電源ピンはコンピュータの電源に接続しており、絶縁されていません。+5V の電源ピンを GND に直接接続しないでください。また、+5V または GND のピンを他の電圧ソースに接続しないでください。このような接続を行うと、負傷または NI USB-6509 コンポーネントが破損する可能性があります。ナショナルインスツルメンツは、このような接続による損傷や負傷の責任

を負いません。

最大電力定格と過電流制限についての情報は、「仕様」のセクションを参

照してください。

工業用 DIO 機能NI USB-6509 は、デジタルフィルタ処理、プログラム可能な電源投入時の状態、変化検出、およびウォッチドッグタイマを装備しています。

デジタルフィルタNI USB-6509 の入力ラインでは、デジタルフィルタを使用して入力データのグリッチを除去することができます。さらに、フィルタを使用して変化

の検出と処理の頻度を低減することができます。

デジタル入力チャンネルがデジタルフィルタを通過するよう構成したり、

フィルタが使用するタイミング間隔を制御することができます。フィルタ

は、指定されたタイミング間隔の半分の長さより短いパルスを遮断し、タ

イミング間隔より長いパルスを通過させます。中間の長さの（指定された

間隔の半分より長く、間隔全体より短い）パルスは、場合によって通過し

たり遮断されたりします。

表 3 は、必ず通過するパルス幅と、必ず遮断されるパルス幅を示しています。

表 3 NI USB-6509 のデジタルフィルタ処理

フィルタ間隔

通過するパルス幅 遮断されるパルス幅

LOW パルス HIGH パルス LOW パルス HIGH パルス

t 間隔 t 間隔 t 間隔 t 間隔 /2 t 間隔 /2

© National Instruments Corporation 21 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

フィルタは、アプリケーションの要求に応じてどの入力ラインでも有効に

することができます。フィルタが有効なラインではすべて、200 ns ～200 ms の範囲での同一のタイミング間隔が使用されます。

フィルタは、2 つの内部クロック（サンプルクロックとフィルタクロック）を使用します。サンプルクロックの周波数は 48 MHz で、20.83 nsの周期に対応します。フィルタクロックはカウンタによって生成され、そ

の周期は指定されたタイミング間隔の 1/2 にあたります。入力信号はサンプルクロックの各立ち上がりエッジでサンプリングされます。ただし、

フィルタクロックの 2 つ以上の連続した立ち上がりエッジに渡って持続する入力信号の変化だけが認識されます。

フィルタクロックの認識可能なパルスの長さは、プログラミングによって

制御することができます。サンプルクロックは高速であるため、入力信号

がフィルタクロック間で一定である信頼性を高めます。

デジタルフィルタの例図 18 は、208 ns フィルタ間隔（104 ns フィルタクロック）のフィルタ構成を示しています。

図 18 デジタルフィルタ処理の例

周期 A と周期 B では、外部信号がフィルタクロックの 1 つの立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの間 HIGH 状態で維持されないため、フィルタによってグリッチが遮断されます。周期 C では、外部信号が HIGH 状態で維持されるため、変化が発生したとみなされます。変化は、発生するタイミングによっては、2 つのフィルタクロック（1 つの完全なフィルタ間隔）で維持されないとフィルタを通過しない場合がありま

す。図 18 は、立ち上がりエッジ（0 から 1）を示しています。同様にフィルタは立ち下がりエッジ（1 から 0）にも適用されます。

(20.83 ns)

H H H H HH L L L H

H L L L H

A

B

C

H

H H

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 22 ni.com/jp

プログラム可能な電源投入時の状態

NI USB-6509 の出力駆動は、システム電源投入時には無効になっています。すべてのラインは、高インピーダンス入力、HIGH 出力、またはLOW 出力にユーザによる構成が可能です。ユーザによる電源投入時の状態の構成を可能にすることで、NI USB-6509 を所定の状態で起動できます。

MAX を使用して（推奨）電源投入時の状態を構成するには、デバイスを選択してプロパティボタンをクリックします。LabVIEW と NI-DAQmx、その他のナショナルインスツルメンツ製アプリケーション開発環境

（ADE）を使用して電源投入時の状態をプログラミングする方法については、各ソフトウェアのドキュメントを参照してください。

メモ プログラム可能な電源投入時の状態の機能を使用すると、I/O プルアップ / プルダウンスイッチを使用して構成された状態がオーバーライドされます。

変化検出

NI USB-6509 は、入力ラインのいずれかに変化が検出されると割り込みが送信されるようプログラムすることができます。

NI USB-6509 では、特定の入力ラインまたはすべての入力ラインでの変化を監視できます。また、立ち上がりエッジ（0 から 1）、立ち下がり（1 から 0）のいずれかまたは両方を検出できます。NI USB-6509 は、入力ラインに変化が発生すると割り込みを生成し、NI-DAQ ドライバを介してソフトウェアに通知します。

メモ 変化の検出が過度に頻繁になると、システムのパフォーマンスが低下する場合

があります。デジタルフィルタを使用することで、入力ラインでの不要な変化

による影響を回避することができます。

NI USB-6509 による変化検出が発生しても、変化が発生したラインやそれが立ち上がりエッジであるか立ち下がりエッジであるかは報告されませ

ん。変化検出後、各入力ラインの値を読み取って現在の状態を確認するこ

とができます。変化検出の最大レートは、ソフトウェアの応答時間によっ

て決定され、システムに応じて異なります。

ソフトウェアが変化を処理する前に次の立ち上がりエッジまたは立ち下が

りエッジが検出されると、オーバーフロービットが発生します。

変化検出の設定と実装の方法については、ソフトウェアのドキュメントを

参照してください。

© National Instruments Corporation 23 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

変化検出の例

表 4 は、1 つのポートの 6 ビットでの変化検出を示しています。

この例では、以下のライン接続が想定されています。

• ビット 7、6、5、4 は、4 ビット TTL 出力デバイスからデータラインに接続されています。NI USB-6509 は、入力データの変化を検出し、新しいデータ値の読み取りを可能にします。

• ビット 1 はリミットセンサに接続されています。NI USB-6509 は、センサでの立ち上がりエッジ（オーバーリミット条件に対応）を検出

します。

• ビット 0 はスイッチに接続されています。ソフトウェアは、スイッチの終了に対して反応します（立ち下がりエッジ）。スイッチの終了

にノイズが多いラインでは、デジタルフィルタを有効にする必要があ

ります。

この例では、NI USB-6509 はビット 1 では立ち上がりエッジのみを、ビット 0 では立ち下がりエッジのみを、ビット 7、6、5、4 では立ち下がりエッジと立ち下がりエッジの両方を検出します。ビット 3 と 2 での変化は検出されません。変化が検出されたら、ポートを読み取り 8 ラインすべての現在の値を確認することができます。変化検出が構成されているラ

インの状態は、変化検出の割り込みが発生するまで読み取れません。

ウォッチドッグタイマウォッチドッグは、ソフトウェアの不具合、システムのクラッシュ、アプ

リケーションと NI USB-6509 の通信切断が発生した場合に、重要な出力を安全な状態に設定するソフトウェアの機能です。

NI USB-6509 でウォッチドッグタイマを有効にすると、指定された時間内にデバイスがソフトウェアからウォッチドッグリセットコマンドを受信し

ないと、出力がユーザが定義する安全な状態になります。ウォッチドッグ

タイマがアプリケーションによってアーミング解除され新しい値が書き込

まれるか、NI USB-6509 がリセットされるか、コンピュータが再起動されるまでその状態で維持されます。ウォッチドッグタイマの制限時間切れ状

態を示す制限時間切れ信号は、ウォッチドッグタイマがアーミング解除さ

表 4 変化検出の例

ビット

7 6 5 4 3 2 1 0

検出する変化 — —

立ち上がりエッジ検出 はい はい はい はい いいえ いいえ はい いいえ

立ち下がりエッジ検出 はい はい はい はい いいえ いいえ いいえ はい

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 24 ni.com/jp

れるまでアサートされ続けます。ウォッチドッグタイマが制限時間切れに

なると、NI USB-6509 はウォッチドッグタイマがアーミング解除されるまであらゆる書き込みを無視します。

メモ ウォッチドッグタイマが有効になり、コンピュータが障害状態になると、トラ

イステートに設定されたポートはトライステートのまま維持され、ユーザが定

義する安全な状態には変更されません。

ウォッチドッグタイマがタイムアウトになるまでの制限時間は構成可能で

す。ウォッチドッグタイマのカウンタの制限時間は、(232 – 1) × 20.83 ns（約 1.5 分）にまで設定できます。

ケーブル / アクセサリ表 5 には、NI USB-6509 と使用可能な製品が記載されています。

ナショナルインスツルメンツから提供されているその他のオプションの機

器に関する詳細は、ni.com/jpを参照してください。

表 5 NI USB-6509 接続オプション

ケーブル アクセサリ

SH100-100-F シールドケーブル — 製品番号185095-01（1 m）または 185095-02（2 m）

SCB-100 端子台 — 製品番号776990-01

R1005050 リボンケーブル — 製品番号182762-0R5（0.5 m）、182762-01（1 m）、または 182762-02（2 m）

CB-50 端子台、DIN レールマウント — 製品番号 776164-90

CB-50LP 端子台、パネルマウント — 製品番号 777101-01

— CB-100 I/O キット（ケーブルがキットに付属）（シールドな

し）— 製品番号 777812-01

— +12 VDC 電源 — 製品番号780308-0x（x は異なる地域またはケーブルオプションを示

します）

© National Instruments Corporation 25 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

仕様

このセクションは、NI USB-6509 デバイスの仕様を記載します。これらの仕様は、特に注釈がない限り、25 ℃で使用した場合の値とします。

入力チャンネル数........................................... 入力 / 出力 x 96

互換性................................................................. TTL/CMOS、シングルエンドGND 基準

電源投入時状態 ............................................... 入力、プルアップ / プルダウンとして構成（バックパネルのスイッチで選択可能）

プルアップ / プルダウン抵抗 ..................... 100 kΩ ±5%

データ転送 ........................................................ プログラム I/O

デジタル入力の特性

デジタル出力の特性

レベル 最小 最大

入力電圧 0 V 5.0 V

入力 LOW 電圧

入力 HIGH 電圧

入力 LOW 電流（Vin = 0 V）

入力 HIGH 電流（Vin = 5 V）

—

2.0 V

—

—

0.8 V

—

–91.0 μA

91.0 μA

レベル 最小 標準 最大

LOW レベル出力電流（IOL） — — 24 mA

HIGH レベル出力電流（IOH） — — –24 mA

出力 LOW 電圧（VOL）、100 μA 時

2 mA 時

12 mA 時

24 mA 時

—

—

—

—

0.0 V

0.1 V

0.5 V

1.0 V

0.2 V

—

—

1.4 V

出力 HIGH 電圧（VOH）、–100 μA 時

–2 mA 時

–12 mA 時

–24 mA 時

4.3 V

—

—

2.8 V

5.0 V

4.9 V

4.5 V

4.0 V

—

—

—

—

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 26 ni.com/jp

1 つのポートからの電流シンク / ソースの合計が 100 mA を超えることはできません。

すべての DO ラインから同時に供給される電流の合計は、バス電源駆動構成で 215 mA 以下である必要があります。それ以上のソース電流が必要な場合は、オプションの外部電源を使用してください。

+5 V 電源 I/O コネクタ（ピン 49 ～ 99）............................................... +4.1 ～ +5.2 V、215 mA 最大

（バス電源駆動）、0.5 A 最大（外部電源を使用）

メモ I/O コネクタの電力には、過電流保護のためのヒューズがあります。このヒューズはユーザが交換できません。ヒューズが溶断されている場合は、修理の必要

があるため、ナショナルインスツルメンツに返送してください。

バスインタフェースUSB ......................................................................USB 2.0 High-Speed または

Full-Speed1

所要電力USB

入力電圧 .................................................... 構成した状態で 4.5 ～ 5.25 V負荷電流なし ........................................... 150 mA、最大最大負荷電流 ........................................... 500 mA、最大サスペンド電流....................................... 250 μA、標準（外部電源なし）

外部 DC 電源入力電圧レンジ....................................... +12 V ±20%最大入力電流 ........................................... 1 A電源入力コネクタ ..................................DC 入力ジャック（ねじ付きロッ

クリング 2 mm（0.08 in.）センターピン付き）

電源入力メイトコネクタ ..................... Switchcraft S760K

物理的特性外形寸法............................................................. 17.78 × 10.30 × 3.34 cm

（7.0 × 4.1 × 1.3 in.）

I/O コネクタ..................................................... 100 ピンメス 0.050 シリーズSCSI

重量...................................................................... 約 239 g（8.4 oz）

1 NI USB-6509 を Full-Speed モードで使用する場合、デバイスのパフォーマンスが低下します。

© National Instruments Corporation 27 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

安全性この製品は、計測、制御、実験に使用される電気装置に関する以下の規格

要件を満たすように設計されています。

• IEC 61010-1、EN 61010-1

• UL 61010-1、CSA 61010-1

メモ UL および準拠する安全規格については、ni.com/certification（英語）にアクセスして型番または製品ラインで検索し、保証の欄の該当するリンクを

クリックしてください。

危険箇所での設置NI USB-6509 の危険な設置箇所での使用は承認されていません。

設置環境NI USB-6509 デバイスは、屋内での使用を意図して設計されています。

動作温度（IEC 60068-2-1および IEC 60068-2-2）................................. 0 ～ 55 ℃

動作時の相対湿度（IEC 60068-2-56）..... 10 ～ 90% RH（結露なきこと）

最大使用高度.................................................... 2,000 m（周囲温度 25 ℃時）

保管温度（IEC 60068-2-1 およびIEC 60068-2-2）............................................... –40 ～ 85 ℃

保管時の相対湿度（IEC 60068-2-56）.......................................... 5 ～ 90% RH（結露なきこと）

汚染度（IEC 60664）..................................... 2

電磁両立性この製品は、計測、制御、実験に使用される電気装置に関する以下の

EMC 規格の必要条件を満たすように設計されています。

• EN 61326 EMC 必要条件、最小イミュニティ

• EN 55011 エミッション（Group 1、Class A）

• CE、C-Tick、ICES、および FCC パート 15 エミッション（Class A）

メモ EMC 要件に適合させるには、このデバイスを製品ドキュメントに従って操作してください。

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 28 ni.com/jp

CE 準拠 この製品は、以下のように、CE マーク改正に基づいて、該当する EC 理事会指令による基本的要件に適合しています。

• 2006/95/EC、低電圧指令（安全性）

• 2004/108/EC、電磁両立性指令（EMC）

メモ この製品のその他の適合規格については、適合宣言（DoC）を参照してください。この製品の適合宣言を入手するには、ni.com/certification（英語）に

アクセスして型番または製品ラインで検索し、保証の欄の該当するリンクをク

リックしてください。

環境管理ナショナルインスツルメンツは、環境に優しい製品の設計および製造に努

めています。NI は、製品から特定の有害物質を除外することが、環境のみならず NI のお客様にとって有益であると考えています。

環境に関する詳細は、ni.com/environmentからアクセス可能な

「NI and the Environment 」ページを参照してください。このページには、ナショナルインスツルメンツが準拠する環境規制および指令、および

このドキュメントに含まれていないその他の環境に関する情報が記載され

ています。

廃電気電子機器（WEEE）欧州のお客様へ 製品寿命を過ぎたすべての製品は、必ず WEEE リサイクルセンターへ送付してください。WEEE リサイクルセンターおよびナショナルインスツルメンツのWEEE への取り組みについては、ni.com/environment/ja/rohsを参照してください。

RoHSNational Instruments (RoHS)

National Instruments RoHS ni.com/environment/rohs_china(For information about China RoHS compliance, go to ni.com/environment/rohs_china.)

© National Instruments Corporation 29 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

安全ガイドライン

注意 必ずこの操作手順に従ってハードウェアを操作してください。

以下のセクションには、NI USB-6509 の取り付けと使用に際して遵守することが必要な、重要な安全情報が説明されています。

NI USB-6509 をこのドキュメントに記載されている以外の方法で操作しないでください。 デバイスを誤用することで危険な状態を引き起こすことがあります。デバイスが損傷している場合は、デバイスに組み込まれた安全

保護に障害を来す可能性があります。デバイスが損傷している場合は、ナ

ショナルインスツルメンツまでご連絡ください。

このドキュメントで説明されていない限り、デバイスの部品を置換したり

変更を加えないでください。このデバイスは、操作手順で指定された

シャーシ、モジュール、アクセサリ、およびケーブルとのみ併用してくだ

さい。デバイスの操作中は、すべてのカバーおよびカバーパネルが設置済

みである必要があります。

爆発性大気または引火性のガスなどがある環境でデバイスを使用しないで

ください。このような環境でデバイスを使用する必要がある場合は、必ず

適切な定格の筐体内にデバイスを設置してください。

デバイスを手入れするときは、乾いた布で拭いてください。再び使用する

前に、デバイスが完全に乾き汚染物質がないことを確認します。

デバイスは汚染度 2 以下で操作してください。汚染とは、絶縁耐力または表面抵抗率を減少する固体や液体およびガス状の異物のことです。各汚

染度の説明は以下のとおりです。

• 汚染度 1 とは、汚染の発生がないこと、または乾いた非伝導汚染のみが発生したことを表します。この汚染による影響はありません。

• 汚染度 2 とは、通常非伝導汚染のみが発生したことを表します。ただし、結露による一時的な伝導が生じる可能性があります。

• 汚染度 3 は、導電性汚染の発生、または乾いた非導電性汚染の発生による結露で導電性になることを表します。

デバイスが定格された最大電圧用に信号接続を絶縁する必要があります。

デバイスの最大定格を超えないでください。デバイスが電気信号で活電状

態のときは配線を施さないようにします。システムが電源に接続されてい

る場合は、コネクタブロックの取り外しまたは追加はしないでください。

モジュールのホットスワップ中には、人体と端子台が接触しないように注

意する必要があります。信号線をデバイスに接続したり接続解除する前

に、信号線への電力を解除してください。

NI USB-6509 ユーザガイドと仕様 30 ni.com/jp

デバイスは Measurement Category I1 以下で操作してください。測定回路は、測定またはテスト中に接続された回路からの動作電圧2 や過渡応

力（過電圧）にさらされます。Measurement Category は、配電システムで通常起こる標準のインパルス耐電圧レベルを設定します。以下は測

定カテゴリ（Measurement Category）についての説明です。

• Measurement Category I は、MAINS3 電圧と呼ばれる配電システムに直接接続されていない回路上で実行される測定用です。また、特

別に保護された 2 次回路からの電圧測定に使用します。そのような電圧測定には、信号レベル、特別装置、エネルギー制限された装置部

分、安定化低電圧ソースから電力供給される回路、および電子装置が

含まれます。

• Measurement Category II は、配電システムに直接接続された回路上で実行される測定用です。このカテゴリは、標準の壁コンセント

（たとえば、アメリカでは 115 V、ヨーロッパでは 230 V）から供給されるローカルレベルの配電に適用されます。Measurement Category II の例としては、家電機器や携帯用工具および同様の E シリーズデバイス上で実行される測定があります。

• Measurement Category III は、建物に取り付けられた配電レベルで実行される測定です。このカテゴリは、固定装置や、配電盤、ブ

レーカー上の機器などのワイヤで接続された機器の測定に適用されま

す。その他の例としては、固定設備のケーブル、バスダクト、配電

盤、スイッチ、コネクタなどの配線や、固定設備に接続されたモー

ターなどがあります。

Measurement Category IV は、主要電源供給装置（

© National Instruments Corporation 31 NI USB-6509 ユーザガイドと仕様

サポート情報

技術サポートリソースの一覧は、ナショナルインスツルメンツのウェブサ

イトでご覧いただけます。ni.com/jp/supportでは、トラブルシュー

ティングやアプリケーション開発のセルフヘルプリソースから、ナショナ

ルインスツルメンツのアプリケーションエンジニアの E メール / 電話の連絡先まで、あらゆるリソースを参照することができます。

適合宣言（DOC）とは、その会社の自己適合宣言を用いた、さまざまな欧州閣僚理事会指令への適合の宣言のことです。この制度により、電磁両

立性（EMC) に対するユーザ保護や製品の安全性に関する情報が提供されます。ご使用の製品の適合宣言は、ni.com/certification（英語）か

ら入手できます。ご使用の製品でキャリブレーションがサポートされてい

る場合、ni.com/calibrationからその製品の Calibration Certificate（英語）を入手してご利用になることもできます。

ナショナルインスツルメンツでは、米国本社（11500 North Mopac Expressway, Austin, Texas, 78759-3504）および各国の現地オフィスにてお客様にサポート対応しています。日本国内でのサポートについては、

ni.com/jp/supportでサポートリクエストを作成するか、0120-527196（フリーダイヤル）または 03-5472-2970（大代表）までお電話ください。日本国外でのサポートについては、各国の営業所にご連絡ください。

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CVI, LabVIEW、National Instruments、NI、ni.com、National Instruments のコーポレートロゴ及びイーグルロゴは、National Instruments Corporation の商標です。 その他の National Instruments の商標については、ni.com/trademarksに掲載されている「Trademark Information」 をご覧下さい。The mark LabWindows is used under a license from Microsoft Corporation. Windows is a registered trademark of Microsoft Corporation in the United States and other countries. 本文書中に記載されたその他の 製品名および企業名は、それぞれの企業の商標または商号です。 National Instruments の製品 /技術を保護する特許については、ソフトウェアで参照できる特許情報 ( ヘルプ→特許情報 )、メディアに含まれている patents.txtファイル、または「National Instruments Patent Notice」（ni.com/patents）のうち、該当するリソースから参照してください。

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NI USB-6509 ユーザガイドと仕様目次はじめにソフトウェアをインストールするハードウェアを取り付けるUSB ケーブル抜け防止機構図 1 USB ケーブル抜け防止オプション

NI USB-6509 を取り付けるデスクトップでの使用図 2 ゴム脚を NI USB-6509 に取り付けるDIN レールマウントパネルに取り付ける図 3 NI USB-6509 をパネルに取り付ける

ハードウェア概要図 4 NI USB-6509 ブロック図図 5 NI USB-6509 バックパネル

ソフトウェアでデバイスをプログラミングする関連ドキュメント

I/O コネクタピンの割り当てSH100-100-F ピン割り当て図 6 SH100-100-F を使用する NI USB-6509 のピン割り当てR1005050 のピン割り当て図 7 R1005050 を使用する NI USB-6509 のピン割り当て

信号の説明表 1 NI USB-6509 の信号の説明

デジタル I/ONI USB-6509 デバイス上のスタティック DIOデジタル I/O 回路図 8 NI USB-6509 のデジタル I/O 回路

I/O 保護電源投入/電源オフ/一時停止時の I/O 状態I/O プルアップ/プルダウン抵抗HIGH 状態の DIO図 9 外部負荷を使用して HIGH の状態に構成された DIO チャンネルLOW 状態の DIO図 10 外部負荷を使用して LOW の状態に構成された DIO チャンネル

NI USB-6509 デバイスで電流駆動レベルを高めるDIO 信号接続図 11 NI USB-6509 信号接続

誘導性負荷を保護する図 12 誘導性負荷のフライバック電圧を制限する

シンクおよびソースの例リレー駆動 24 mASSR 駆動図 17 NI USB-6509 SSR 接続の例

LED 表示器表 2 PWR/ACT LED の状態

電源接続オプションの +12 VDC 電源の取り付けI/O コネクタで利用可能な +5 V 電力

工業用 DIO 機能デジタルフィルタ表 3 NI USB-6509 のデジタルフィルタ処理デジタルフィルタの例図 18 デジタルフィルタ処理の例

プログラム可能な電源投入時の状態変化検出変化検出の例表 4 変化検出の例

ウォッチドッグタイマ

ケーブル/アクセサリ表 5 NI USB-6509 接続オプション

仕様安全ガイドラインサポート情報