国土交通省直轄の事業促進PPP に関するガイドライン ·...

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国土交通省直轄の事業促進PPP に関するガイドライン 平成 31 年 3 月 大臣官房技術調査課 大臣官房官庁営繕部整備課

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国土交通省直轄の事業促進PPP

に関するガイドライン

平成 31 年 3 月

国 土 交 通 省

大 臣 官 房 地 方 課

大 臣 官 房 技 術 調 査 課

大臣官房官庁営繕部整備課

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目次

1. 本ガイドラインの位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1.1 背景及び目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1.2 本ガイドラインの位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1.3 国土交通省直轄の事業促進PPPの特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

1.4 用語の定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

1.4.1 事業促進PPP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

1.4.2 発注者支援業務との関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

1.4.3 用語の定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

2. 大規模災害復旧・復興事業に適用する事業促進PPP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

2.1 復旧・復興計画の立案 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

2.2 導入時期及び期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

2.2.1 導入時期 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

2.2.2 導入期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

2.3 工区の設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

2.4 業務内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

2.4.1 業務構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

2.4.2 業務内容設定の基礎的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

2.4.3 業務内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

2.5 実施体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

2.5.1 受注者の体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

2.5.2 受発注者の関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

2.6 受注者の選定方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

2.6.1 災害協定に基づく随意契約 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

2.6.2 プロポーザル方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

2.7 公平中立性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

2.8 事業促進PPPの実績の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

2.9 業務・工事の設計図書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

2.9.1 業務の設計図書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

2.9.2 工事の設計図書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

2.10 その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38

2.10.1 業務件名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38

2.10.2 執務環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38

2.10.3 名刺 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38

3. 平常時の大規模事業等に導入する事業促進PPP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

3.1 一般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

3.2 事業促進PPPを導入する事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

3.3 事業計画の立案 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

3.4 導入時期 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

3.5 受注者の選定方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

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4. 事業促進PPPの導入にあたっての課題・留意事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 4.1 一般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

4.2 課題・留意事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

4.2.1 担い手の確保・育成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

4.2.2 受注インセンティブの向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

4.2.3 技術提案・交渉方式の活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

4.2.4 過去の業務実績等の適切な評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

4.2.5 地方公共団体が行う事業への適用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

4.2.6 準委任契約への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

4.2.7 積算方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

5. 業務説明書・仕様書の記載例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 5.1 業務仕様書の記載例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44

5.2 共通仕様書(案)の記載例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55

5.3 特記仕様書の記載例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67

6. 事業促進PPP等の導入事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78

6.1 三陸沿岸道路等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78

6.2 熊本災害復旧・復興事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78

6.3 平常時の大規模事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80

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1. 本ガイドラインの位置付け

1.1 背景及び目的

我が国では、少子高齢化の進展等を背景に、官民を問わず、社会資本の整備、管理における担い手

の不足が課題となっている。しかしながら、頻発する大規模災害からの復旧・復興事業、国家的な大

規模事業等に対しても、将来にわたり、持続的に対応していくことが求められる。

こうした中、近年、国土交通省直轄の大規模災害復旧・復興事業、大規模事業等において、調査・

設計等の事業の上流段階から、官民双方の技術者の多様な知識・豊富な経験を融合させることにより、

効率的な事業マネジメントを行う「事業促進PPP」の導入が進んでいる。事業促進PPPは、平成

23 年 3 月に発生した東北地方太平洋沖地震の後、総延長が約 380km にも及ぶ三陸沿岸道路等の復興道

路事業を円滑かつスピーディに実施するため、東北地方整備局が平成 24 年度から導入したのが最初で、

その後、各地の高規格幹線道路等の大規模事業等においても導入されている。また、平成 28 年 4 月に

発生した熊本地震からの復旧・復興事業においては、大規模な斜面崩壊、橋梁等の被災により通行止

めとなった複数の幹線ルートの復旧・復興において、事業促進PPPと同様に、官民の技術者が一体

となって効率的な事業マネジメントを行う事業管理支援業務(PM)、技術支援業務(CM)が実施

されている。

このように、官民の技術者が一体となって効率的な事業マネジメント行う事業促進PPP等の適用

事例が増加する一方で、事業促進PPPの標準的な実施方法、業務内容、仕様書の記載方法等が十分

に確立しておらず、大規模災害時等に速やかに導入するためには、標準的な実施手法、業務内容、仕

様書の記載例等を示したガイドラインが必要であるといった課題が指摘されていた。

本ガイドラインは、国土交通省の直轄事業において、事業促進PPPを導入する際に参考となる実

施方法、業務内容、仕様書の記載例等を示したものであり、大規模災害発生後の復旧・復興事業、大

規模事業等において、事業促進PPPを必要なときに速やかに導入するために作成したものである。

事業促進PPPを導入する場合は、本ガイドラインを参照しつつ、適切な運用に努められたい。

1.2 本ガイドラインの位置付け

本ガイドラインは、国土交通省直轄の大規模災害復旧・復興事業、大規模事業等において、事業促

進PPPを導入する場合に適用する。すなわち、本ガイドラインは、技術職員を有する国土交通省の

直轄事業のうち、大規模災害復旧・復興事業、大規模事業等の業務量が著しく増大する状況下におい

て、全体事業計画の整理、測量・調査・設計業務等の指導・調整等、地元及び関係行政機関等との協

議、事業管理等(事業工程及びコストの管理等)、施工管理等のマネジメント業務を直轄職員が柱と

なり、官民の技術者が多様な知識・経験を融合させながら行う事業促進PPPを導入する場合に適用

する。

なお、大規模災害復旧・復興事業、大規模事業等は、事業促進PPPを導入するだけで、事業の円

滑な進捗が約束されるものではない。発注者(テックフォース、リエゾンを含む)が、事業全体計画

の立案、的確な判断・指示等を行いながら、事業促進PPP、発注者支援業務(積算・監督・技術審

査等)、業務(測量・調査・設計等)、工事(維持・準備・本体)を組み合わせた体制において、各

者が有する多様な知識・経験・能力を引き出し、融合させるマネジメントを行うことにより事業は促

進される。

本ガイドラインは、地方公共団体等の発注者が体制を強化する場合にも、参考となる点はあるもの

の、技術職員を有する国土交通省の直轄事業への適用を前提に、事業のマネジメント能力を有する直

轄職員が柱となり、直轄職員と事業促進PPPの受注者が一体となってマネジメント業務を行うもの

となっている。そのため、地方公共団体の事業に適用する場合には、発注者の体制の状況に応じて、

受注者が行う業務範囲等が異なることが考えられるため、別途検討が必要である。一方で、技術職員

が一定数存在する地方公共団体等においては、発注者の体制の状況等を考慮しながら、事業促進PP

Pの受注者が行う業務範囲等を見直しつつ、本ガイドラインを準用できる場合もある。

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1.3 国土交通省直轄の事業促進PPPの特徴

国土交通省直轄事業に適用する事業促進PPPの特徴を以下に示す。

・事業促進PPPは、直轄職員が柱となり、官民がパートナーを組み、発注者の知識・経験、民間

技術者の施工技術等の知識・経験を融合させることにより、効率的な事業マネジメントを行い、

事業の促進を図ることを第一の目的として導入する。

・事業促進PPPは、「全体事業計画の整理」、「測量・調査・設計業務等の指導・調整等」、「地

元及び関係行政機関等との協議」、「事業管理等」、「施工管理等」のマネジメント業務を行う

ものであり、積算、監督、技術審査等の比較的定型的な補助業務を行う発注者支援業務、単純な

資料作成を行う資料作成補助業務とは区別される。

・事業促進PPPの受注者は、発注者と一体となったチームを編成し、事業全体の工程管理等を行

うため、将来実施予定の業務、工事に係る情報を知りうる立場になる。そのため、事業促進PP

Pの工区内の業務、工事の受注者の選定では、公平中立性に留意する。

・技術提案・交渉方式を適用すると、施工者の知見、経験を調査・設計等に反映でき、また、施工

者による調査・設計等への技術協力の段階から、地元及び関係行政機関等との協議、近隣工事と

の工程調整等において、施工者の協力を得ることが可能である。発注者、施工者、設計者それぞ

れの得意分野を活かしつつ、効率的、効果的な体制、役割分担を構築する。

・発災直後の初動対応(被災状況把握、啓開、応急対策)、応急復旧は、直轄職員(テックフォー

ス、リエゾンを含む)、維持工事等の既存体制、災害協定に基づく随意契約による業務、工事等

で対応し、事業促進PPPは、本復旧段階の業務の増大期に向けて導入することを基本とする。

・事業促進PPPは、全体事業計画の整理、測量・調査・設計業務等の指導・調整等、地元及び関

係行政機関等との協議、事業管理等(事業工程及びコストの管理等)、施工管理等を直轄職員が

柱となり、受発注者が一体となって実施する(図-1.1 領域2)。なお、予算管理、契約、最終的

な判断・指示は発注者の権限とする(図-1.1 領域1)。

・直轄職員が柱となり、受発注者が一体となった業務の進め方、役割分担の詳細は、本ガイドライ

ンの 2.4 業務内容に記載する。また、過去の事業促進PPP導入事例における有効な取り組み事

例、直轄事業で多いリスク事例を併記し、受発注者が事業促進PPPの業務内容に対して共通の

認識を持てるよう配慮している。

・発注者が、事業促進PPP、発注者支援業務(積算・監督・技術審査等)、業務(測量・調査・

設計等)、工事(維持・準備・本体)を組み合わせた体制において、各者が有する知識・経験・

能力を引き出し、融合させるマネジメントを行うことにより事業は促進される。

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図-1.1 事業促進PPPの位置づけ

1.4 用語の定義

1.4.1 事業促進PPP

(1)事業促進PPP

事業促進PPPは、事業促進を図るため、直轄職員が柱となり、官民がパートナーシップを組み、

官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら、事業全体計画の整理、測量・

調査・設計業務等の指導・調整等、地元及び関係行政機関等との協議、事業管理等、施工管理等を行

うものである。

平成 24 年度より、東北地方整備局が三陸沿岸道路等において導入した事業促進PPPでは、図-1.2

に示すように、管理技術者、主任技術者(事業管理、調査設計、用地、施工の各専門家)、担当技術

者からなる民間技術者チームと事務所チーム(監督官、係長、担当者)が一体となった体制を構築し

た。

図-1.3 に示す通り、事業促進PPPを導入し、発注者の知識・経験、民間技術者が持つ施工技術等

に関する知識・経験を融合させることにより、事業を効率的に進める工夫、施工段階での手戻りを回

避する気づきが生まれ、事業の促進を図ることができる。

事業促進PPPの定義を表-1.1 に示す。

図-1.2 事業促進PPPの体制

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図-1.3 事業促進PPPの特徴

表-1.1 事業促進PPPの定義

用語 定義

事業促進PPP 事業促進を図るため、直轄職員が柱となり、官民がパートナーシップを組み、

官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら、事業全

体計画の整理、測量・調査・設計業務等の指導・調整等、地元及び関係行政機

関等との協議、事業管理等、施工管理等を行う方式

(2)事業促進PPPとCM・PMとの関係

事業促進PPPは、直轄職員が柱となり、官民がパートナーシップを組み、官民双方の技術者が有

する多様な知識・豊富な経験を融合させながら、効率的なマネジメントを行うことにより、事業の促

進を図ることを第一の目的として導入するものである。

一方、CM・PMは、技術職員がいない又は著しく少ない発注者が導入する場合があり、国土交通

省直轄事業の事業促進PPPとは、導入する背景や目的に異なる点がある。CMは、1960 年代に米国

で始まった建設生産・管理システムであり、CMR(コンストラクション・マネージャ、CMの受注

者)が、技術職員がいない又は著しく少ない発注者の支援や代わりをする目的で導入することが多い。

熊本災害復旧・復興事業において適用された技術支援業務(CM)、事業管理支援業務(PM)の

ように、CM・PMの中には、受発注者の関係について、事業促進PPPと同様の特徴を有する事例

もあり、これらについては、本ガイドラインの第 6 章で紹介している。本ガイドラインでは、受発注

者の関係について、事業促進PPPと同様の特徴を有するCM・PMを含めて、事業促進PPP等と

呼ぶこととする。

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1.4.2 発注者支援業務との関係

発注者支援業務は、表-1.2 に示す通り、積算技術業務、工事監督支援業務、技術審査業務、用地補

償総合支援業務等がある。事業促進PPPは、「全体事業計画の整理」、「測量・調査・設計業務等

の指導・調整等」、「地元及び関係行政機関等との協議」、「事業管理等」、「施工管理等」のマネ

ジメント業務を行うものであり、比較的定型的な補助業務を行う発注者支援業務とは区別される。

表-1.2 発注者支援業務の例

分類 業務分野 業務内容

工事の発注及び監督・検査に

関わる補助業務

積算技術業務 工事発注用図面、数量総括表、積算資料、

積算データ等の作成

工事監督支援業務 請負工事の履行に必要となる資料作成や

施工状況の照合及び確認、工事検査等へ

の臨場、設計図書と工事現場の照合等

技術審査業務 入札契約手続きにおける企業の技術力評

価のための審査資料の作成

施設管理に関わる補助業務 河川巡視支援業務 河川構造物の点検、不法行為の指導

河川許認可審査支援業

河川の各種占用申請等の審査・指導等

ダム・排水機場管理支援

業務

ダム等の機器点検、洪水時、緊急時等の

ゲート操作補助等

道路巡回業務 道路構造物の点検・確認、不正使用・不

法占用点検等

道路許認可審査・適正化

指導業務

道路の不正使用・不法占用の私道取締り、

各種占用申請等の審査・指導等

用地交渉を行い、土地の提供

について理解を得る業務

用地補償総合支援業務 公共用地交渉用資料の作成、権利者に対

する公共用地交渉の実施等

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1.4.3 用語の定義

本ガイドラインの用語の定義を表-1.3 に示す。

表-1.3 用語の定義

用語 定義

1 発注者 支出負担行為担当官若しくは分任支出負担行為担当官又は契約担当官若しく

は分任契約担当官をいう。

2 受注者 業務の実施に関し、発注者と委託契約を締結した個人若しくは会社その他の

法人をいう。又は、法令の規定により認められたその一般承継人をいう。

3 事業監理業務 直轄職員を柱に、発注者と事業促進PPPの受注者が双方の知識・経験を融

合させながら、事業に関するマネジメントを行う業務をいう。

4 監理業務受注者 事業促進PPPの受注者をいう。

5 調査職員 契約図書に定められた範囲内において受注者又は管理技術者に対する指示、

承諾又は協議等の職務を行う者で、契約書第9条第1項《調査職員の条項》

に規定する者であり、総括調査員、主任調査員及び調査員を総称していう。

6 総括調査員 業務の総括業務を担当し、主に管理技術者に対する指示、承諾又は、協議の

うち重要なものの処理及び重要な業務内容の変更、一時中止の必要があると

認める場合における契約担当官等(会計法第29条の3第1項に規定する契

約担当官等をいう。)への報告を行い、 主任調査員、調査員の指揮監督を行

う者をいう。

重要なものの処理及び重要な業務内容の変更とは、契約変更に係る指示、承

諾等をいう。

7 主任調査員 業務を担当し、主に管理技術者に対する指示、承諾又は協議の処理(重要な

ものを除く。)、業務内容の変更(重要なものを除く。)及び総括調査員への

報告、調査員への指示を行う者をいう。

8 調査員 業務を担当し、主に、総括調査員又は主任調査員が指示、承諾を行うための

内容確認及び総括調査員又は主任調査員への報告を行う者をいう。

9 検査職員 業務の完了検査及び指定部分に係る検査にあたって、契約書第32条第2項

《検査等の条項》の規定に基づき、検査を行う者をいう。

10 管理技術者 契約の履行に関し、業務の管理及び統括等を行う者で、契約書第10条第1

項《管理技術者等の条項》の規定に基づき、 受注者が定めた者をいう。

11 主任技術者 管理技術者のもとで業務の執行にあたり、主に技術上の監理をつかさどる者

で、受注者が定めた者(管理技術者、担当技術者を除く。)をいう。

12 担当技術者 管理技術者のもとで業務を担当する者で、受注者が定めた者(管理技術者、

主任技術者を除く。)をいう。

13 委任 全権を与えるものではなく、判断・意志決定については調査職員の承諾を受

けて行うことをいう。

14 契約図書 契約書及び設計図書をいう。

15 契約書 事業・施工調査業務委託契約書をいう。

16 設計図書 仕様書、図面、数量総括表、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書を

いう。

17 仕様書 共通仕様書及び特記仕様書(これらにおいて明記されている適用すべき諸基

準を含む。)を総称していう。

18 共通仕様書 業務に共通する技術上の指示事項等を定める図書をいう。

19 特記仕様書 共通仕様書を補足し、業務の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書

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をいう。

20 数量総括表 業務に関する工種、設計数量及び規格を示した書類をいう。

21 現場説明書 業務の入札等に参加する者に対して、発注者が当該業務の契約条件を説明す

るための書類をいう。

22 質問回答書 現場説明書に関する入札等参加者からの質問書に対して、発注者が回答する

書面をいう。

23 図面 入札等に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図

面及び図面のもとになる計算書等をいう。

24 指示 調査職員が受注者に対し、業務の遂行上必要な事項について書面をもって示

し、 実施させることをいう。

25 請求 発注者又は受注者が契約内容の履行あるいは変更に関して相手方に書面をも

って行為、あるいは同意を求めることをいう。

26 通知 発注者若しくは調査職員が受注者に対し、又は受注者が発注者若しくは調査

職員に対し、業務に関する事項について書面をもって知らせることをいう。

27 報告 受注者が調査職員に対し、業務の遂行に係わる事項について、書面をもって

知らせることをいう。

28 申出 受注者が契約内容の履行あるいは変更に関し、発注者に対して書面をもって

同意を求めることをいう。

29 承諾 受注者が調査職員に対し、書面で申し出た業務の遂行上必要な事項について、

調査職員が書面により業務上の行為に同意することをいう。

30 質問 不明な点に関して書面をもって問うことをいう。

31 回答 質問に対して書面をもって答えることをいう。

32 協議 書面により契約図書の協議事項について、発注者又は調査職員と受注者が対

等の立場で合議することをいう。

33 提出 受注者が調査職員に対し、業務に係わる事項について書面又はその他の資料

を説明し、差し出すことをいう。

34 書面 手書き、印刷等の伝達物をいい、発行年月日を記録し、署名又は捺印したも

のを有効とする。

1)緊急を要する場合は、ファクシミリ又は電子メールにより伝達できるも

のとするが、後日書面と差し換えるものとする。

2)電子納品を行う場合は、別途調査職員と協議するものとする。

35 打合せ 業務を適正かつ円滑に実施するために管理技術者と調査職員が面談により、

業務の方針及び条件等の疑義を正すことをいう。

36 検査 契約書第32条《検査等の条項》に基づき、検査職員が業務の完了を確認す

ることをいう。

37 協力者 受注者が業務の遂行にあたって、再委託する者をいう。

38 使用人等 協力者又はその代理人若しくはその使用人その他これに準ずるものをいう。

39 了解 契約図書に基づき、調査職員が受注者に指示した処理内容・回答に対して、

理解して承認することをいう。

40 受理 契約図書に基づき、受注者、調査職員が相互に提出された書面を受け取り、

内容を把握することをいう。

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2. 大規模災害復旧・復興事業に適用する事業促進PPP 2.1 復旧・復興計画の立案

大規模災害復旧・復興事業は、事業促進PPPを導入するだけで、事業の円滑な進捗が約束される

ものではない。発注者(テックフォース、リエゾンを含む)が、事業全体計画の立案、的確な判断・

指示等を行いながら、事業促進PPP、発注者支援業務(積算・監督・技術審査等)、業務(測量・

調査・設計等)、工事(維持・準備・本体)を組み合わせた体制において、各者が有する多様な知識・

経験・能力を引き出し、融合させるマネジメントを行うことにより事業は促進される。

大規模災害復旧・復興事業のタイムラインは、一般的に、図-2.1 に示すように、初動対応、応急復

旧、本復旧の順となる。発注者は、図-2.1 に示すような災害復旧・復興事業のタイムラインを踏まえ、

災害復旧・復興計画を立案する。

図-2.1 災害復旧・復興事業のタイムライン

2.2 導入時期及び期間

2.2.1 導入時期

発災直後は、初動対応(被災状況の把握、啓開、段差処理・仮支持等の安全対策)、応急復旧(盛

土等の比較的簡易な工事)は、発注者による明確な指揮が重要となる。そのため、こうした段階では、

テックフォース、リエゾンを含む発注者自らによるマネジメントの下、既に契約している維持工事、

災害協定に基づく随意契約等を適用した業務、工事を中心とした体制確保を図るのがよい。

事業促進PPPは、復旧・復興計画の立案と並行しながら、本復旧段階の業務の増大期に適切に対

処できるように導入する。発注者は、立案した復旧・復興計画を踏まえ、事業促進PPPの業務内容、

配置技術者の人数・要件等をできる限り明確にすることが重要である。

2.2.2 導入期間

事業促進PPPは、災害復旧・復興事業計画を踏まえ、業務の増大期に

おいて、必要な期間にわたり実施する。なお、事業が複数年にわたる場合、継続性への配慮が重要で

あり、複数年の契約や、2年目以降の契約を随意契約とする等の検討が必要となる。また、事業段階

に応じて、求められる技術者の人数等が変化することも考えられるため、事業の進捗に応じて体制の

変更に適切に対処することが必要である。

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2.3 工区の設定

図-2.2 に事業促進PPPの工区設定の考え方、表-2.1 に工区の大小とメリット・デメリットを示す。

大規模災害復旧・復興事業においては、年度途中での急な体制確保となることも考えられる。そのた

め、常駐・専任を課す技術者数が過大となると受注者の負担となる場合があるため、適切に工区を設

定する必要がある。なお、三陸沿岸道路等復興道路の事業促進PPPでは、図-2.3 に示すように 10

~20km毎の工区が設定された。

また、大規模なトンネル工事、橋梁工事、橋梁補修工事等、高度な専門性を必要とし、調査・設計

等の事業の上流段階から施工者のノウハウを導入することで、事業の促進を図ることができる場合に

は、技術提案・交渉方式を組み合わせるのがよい。なお、熊本地震の災害復旧では、大規模な地すべ

り箇所の復旧ルート(北側復旧ルート)における二重峠トンネル工事で、技術提案・交渉方式を適用

した。また、北側復旧ルートに対して、事業管理・技術支援業務(PM・CM)が導入された。図-2.4

に熊本災害復旧・復興(北側復旧ルート)における技術提案・交渉方式の活用例を示す。

技術提案・交渉方式を適用する場合、施工者による調査・設計段階からのマネジメントが行えるた

め、監理業務受注者の常駐・専任の負担の軽減にも寄与する。

図-2.2 工区設定の考え方

表-2.1 工区の大小とメリット・デメリット

工区を大きく設定する場合 工区を小さく設定する場合

メリット ・工区内の業務、工事の件数が多くなり、

工程等の工夫の余地が広がる

・業務、工事の受注制限を受ける範囲が

縮小する

デメリット ・業務量が増え、受注者の体制確保上の

負担が大きくなる

・業務、工事の受注制限を受ける範囲が

拡大する

・業務規模が小さくなり、常駐・専任の

人数が多いと受注意欲が低下する

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図-2.3 三陸沿岸道路における工区設定の考え方

図-2.4 熊本災害復旧・復興(北側復旧ルート)における技術提案・交渉方式の活用例

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2.4 業務内容

2.4.1 業務構成

事業促進PPPは、以下の(1)~(5)の業務により構成される。また、本ガイドラインは、国

土交通省直轄の各種事業への適用を想定しているものの、東北の復興道路等の既往事例を参考に業務

内容を設定しているため、事業促進PPPを導入する事業の特性、導入する段階や目的に応じて、必

要な業務項目を取捨選択することが可能である。例えば、着工までの計画・調査・設計段階において

事業促進PPPを導入する場合は、(5)施工管理等の項目を省略できる。

(1)全体事業計画の整理

(2)測量・調査・設計業務等の指導・調整等

(3)地元及び関係行政機関等との協議

(4)事業管理等

(5)施工管理等

2.4.2 業務内容設定の基礎的な考え方

直轄職員が柱となり、「(1)全体事業計画の整理」、「(2)測量・調査・設計業務等の指導・

調整等」、「(3)地元及び関係行政機関等との協議」、「(4)事業管理等」、「(5)施工管理

等」を監理業務受注者と発注者が一体となって実施する。予算管理、契約に関する業務、最終判断・

指示は、発注者が実施する。

直轄職員が柱となり、発注者と監理業務受注者が一体となった業務の進め方、役割分担の詳細につ

いては、特記仕様書の記載例に示す。ただし、実際の事業において生じうる状況を特記仕様書であら

かじめ網羅することが困難な場合もあることから、特記仕様書に明示がない事項、不測の状況が生じ

た場合は、調査職員と監理業務受注者が協議の上、適切な対処方法を決定することを「(6)その他」

に記載した。また、事業の促進のため、不測の状況に対しても、受発注者双方が協力的に対処するこ

とが重要である。

なお、工事に対する積算、監督、技術審査等については、発注者支援業務により実施することとし、

事業促進PPPの業務内容は、これらの業務を含めていない。また、大規模なトンネル工事、橋梁工

事、橋梁補修工事等、高度な専門性を必要とし、調査・設計等の事業の上流段階から施工者のノウハ

ウを導入することで、事業の促進を図ることができる場合には、技術提案・交渉方式を適用する。

事業促進PPPの業務内容の考え方を図-2.5 に示す。

図-2.5 事業促進PPPの業務内容の考え方

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2.4.3 業務内容

(1)全体事業計画の整理

測量・調査・設計業務等の指導・調整等、地元及び関係行政機関等との協議、事業管理等、施工管

理等のマネジメント業務を的確に実施するためには、個々の業務、工事と事業全体の進捗状況が、調

査職員、監理業務受注者との間で適切に共有され、より効率的な事業展開となるように日々検討され

ることが重要である。そのため、本ガイドラインでは、監理業務受注者は、事業の工程、進捗状況等

の状況が視覚的に共有できる全体事業の工程表を作成することとした。

なお、本ガイドラインでは、事業促進PPPの導入にあたり、発注者が復旧・復興事業計画を立案

し、監理業務受注者は、調査職員より、業務着手時点における対象工区の全体事業計画案に関する説

明等を受けることとしている。しかしながら、大規模災害復旧・復興事業においては、様々な業務を

同時並行で進めており、不確定要素が多く存在する。そのため、全体事業計画の整理にあたっては、

不確定要素についても把握し、事業工程の管理において不確定要素を考慮することが重要となる。

特記仕様書の記載例、「(1)全体事業計画の整理」における有効な取り組み事例、直轄事業で多

いリスク事例を以下に示す。

<特記仕様書の記載例(全体事業計画の整理)>

(1)全体事業計画の整理

1)全体事業計画案の把握・改善

①業務の着手にあたり、調査職員より、対象工区の全体事業計画案に関する説明等を受けるとともに、

現地状況の確認等を行い、業務着手時点における対象工区内の測量・調査・設計業務、工事の実施予

定、進捗状況、地元及び行政機関の関係者、不確定要素等を把握するものとする。

②把握した全体事業計画案について、より効率的な事業展開となるよう事業計画案の改善検討を行い、

検討結果を調査職員に報告するものとする。

③調査職員の指示により、採用されることとなった検討結果を全体事業計画案に反映し、全体事業計

画案を改善するものとする。

2)工程表の作成

業務着手後、調査職員、監理業務受注者との間で、事業の工程、進捗状況等が視覚的に共有でき、

より効率的な事業展開に関する検討が円滑に実施できるよう、1)で整理した全体事業計画を踏まえ、

全体事業の工程表を作成し、調査職員に報告する。なお、工程表の作成方法(記載内容、表示方法等)

は、調査職員との協議の上決定する。

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<有効な取り組み事例(全体事業計画の整理)>

全体事業計画、進捗状況の把握が容易になるよう、事業管理担当の技術者が中心となり、調査・設

計・施工等の一連の作業を網羅した詳細な工程表を作成の上、執務室に掲示し、クリティカルパス、

計画と実際の進捗状況の乖離を視覚的に把握することにより、工程管理の効率化を実現した。

図-2.6 工程表の作成例

<直轄事業で多いリスク事例(全体事業計画の整理)>

■事例1 橋梁工事において、橋台背面側の隣接工事(別発注)の遅延により、橋台背面側からの施

工が困難となり、橋台前面側から施工する方法に変更した。

■事例2 トンネル工事において、坑口付近の小規模橋梁工事(別発注)の遅延により、小規模橋梁

のトンネル工事の搬入・搬出経路としての使用開始時期が遅延した。

《事例1,2からの教訓》

国土交通省直轄事業では、比較的大規模な橋梁、トンネル等の工事において、橋梁、トンネル等

の本体工事が発注される前に、取り付け道路等の準備工事や隣接する区間の工事に先行的に着手し、

全体工期の最適化を図る例が多い。これらの準備工事、隣接工事の進捗状況は、本体工事の施工空

間、搬入・搬出路としての使用に影響を与える例が多い。個々の工事の工程管理だけではなく、調

査・設計・施工等の一連の作業を網羅した詳細な工程、進捗状況を把握の上、工程管理を行うこと

が重要である。

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(2)測量・調査・設計業務等の指導・調整等

「測量・調査・設計業務等の指導・調整等」は、個々の業務等における1)設計方針等の調整、2)

工程の把握及び調整、3)指導・助言、4)指示・協議等、5)成果内容の確認、6)検査資料確認

の各段階や場面において、(1)で整理した全体事業計画との関係に留意しつつ、監理業務受注者が

持つ技術的知見を活かして、事業全体の工程、コスト等が最適になるよう、調査職員と一体となって、

測量・調査・設計業務等の受注者に対する指導・調整等を行う。

測量・調査・設計業務の実作業は、個々の業務の受注者が行い、監理業務受注者は、これらの業務

に対する指導・調整等を中心に行うことより、常駐・専任を課す技術者数が過大にならないよう配慮

する。一方で、業務における設計方針、工程、成果内容等が最適化されるよう、監理業務受注者が持

つ技術的知見を活かして、監理業務受注者自らが必要な検討を行うことも想定している。

特記仕様書の記載例、「(2)測量・調査・設計業務等の指導・調整等」における有効な取り組み

事例、直轄事業で多いリスク事例を以下に示す。

<特記仕様書の記載例(測量・調査・設計業務等の指導・調整等)>

(2)測量・調査・設計業務等の指導・調整等

1)設計方針等の調整

測量・調査・設計業務等受注者から提出される業務計画書等の確認を行い、確認した業務計画書及

び確認結果を調査職員に報告するものとする。また、隣接する区間との設計方針等の調整を行うもの

とする。

2)工程の把握及び調整

①測量・調査・設計業務等の工程を把握するとともに、検査時期、業務成果品の引渡し時期を確認し、

調査職員に報告するものとする。

②予定工程が著しく遅れることが予想される測量・調査・設計業務等がある場合は、当該測量・調査・

設計業務等受注者に対して、その理由とフォローアップの実施を求めるものとする。

③測量・調査・設計業務等の進捗の遅れが、全体工程に対して著しく影響があると判断される場合は、

その旨を調査職員に報告しなければならない。また、当該測量・調査・設計業務等受注者から事情を

把握し、全体業務工程の最適化を図るための是正措置を提案するものとする。また、隣接する区間と

の工程について、調整を図るものとする。

3)測量・調査・設計業務等の指導・助言

①工事施工の観点及び、事業期間の短縮が図られるよう、測量・調査・設計業務等受注者に対し、適

切かつ的確な指導・助言を行うものとする。

②測量・調査・設計業務等が効率的、効果的に実施できるよう、測量・調査・設計業務等受注者に対

し、適切かつ的確な指導・助言を行うものとし、その内容について調査職員に報告するものとする。

4)測量・調査・設計業務等の指示・協議等

測量・調査・設計業務等の契約書及び設計図書に示された指示、承諾、協議及び受理等にあたり、

不明確な事項の確認や、対応案の作成が必要となる場合には、調査職員の指示により必要に応じて現

場条件等を把握し、対応案を作成し調査職員に提出するものとする。

5)測量・調査・設計業務成果内容の確認

①測量・調査・設計業務成果について、成果の妥当性、事業期間の短縮等の観点から業務内容の確認

を行い、その結果を調査職員に報告するものとする。

②測量・調査・設計業務等において行う工法・施工計画について、効率的、効果的な施工方法及び施

工計画となるよう代替案、改善案について検討を行い、調査職員に報告するものとし、調査職員の承

諾を得て、測量・調査・設計業務等受注者に対し必要な対処案の作成を指示し、その結果について調

査職員と協議するものとする。

6)測量・調査・設計業務等の検査資料確認

測量・調査・設計業務の契約図書により義務づけられた資料及び、検査に必要な書類及び資料等に

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ついて確認を行うものとする。また、業務完了検査に立会うものとする。

<有効な取り組み事例(測量・調査・設計業務等の指導・調整等)>

・地質調査の結果を解析して、盛土構造とするには大掛かりな地盤改良が必要となる恐れがあること

に気がつき、道路構造を連続高架橋に変更することで地盤改良範囲を最小にし、工期を短縮した。

図-2.7 業務の指導・調整例

<直轄事業で多いリスク事例(測量・調査・設計業務等の指導・調整等)>

■事例3 橋梁工事において、設計時に想定していなかった地質や地下水圧の状況が確認され、基礎

の設計や施工方法の変更が必要となり、工程が遅延した。

■事例4 トンネル工事において、断層帯が設計時の想定よりも広く、対策工が追加され、工程が遅

延した。

《事例3,4からの教訓》

国土交通省直轄工事では、工事の発注にあたり、ボーリングデータ等の地質条件を示しているも

のの、実際には、想定外の地質条件等が出現し、工事の手戻りを生じる例がある。事業工程に重大

な影響を与える構造変更、工法変更のリスクを有する場合は、設計段階に地質等の追加調査、リス

クを踏まえた施工方法や施工手順の採用等の対策が必要である。

■事例5 橋梁工事において、狭隘部の施工困難な箇所があることを施工者が発見し、設計を修正し

た。

《事例5からの教訓》

工事の着手にあたり、詳細設計の内容に狭隘部等の施工困難な箇所が発見され、設計の修正を要

する事例も多い。こうした施工段階の手戻りを回避するため、施工に精通した技術者が事業促進P

PPに参画することにより、施工性に優れた設計となるよう設計業務への指導・調整等が求められ

る。なお、技術提案・交渉方式を適用する場合、施工者の知見・経験を設計に反映することができ、

設計に起因する施工段階の手戻りを回避する効果が期待できる。

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(3)地元及び関係行政機関等との協議

「地元及び関係行政機関等との協議」は、個々の測量・調査・設計業務等に伴う協議を、1)立入、

2)地元との調整・協議、3)関係行政機関との調整・協議、4)協議資料の作成の各段階、場面に

おいて、(1)で整理した全体事業計画、(2)で把握・調整した測量・調査・設計業務等の工程と

の関係に留意しつつ行うものである。なお、4)地元及び関係行政機関等との協議資料の作成につい

ては、設計業務、工事、資料作成等補助業務の受注者が行い、監理業務受注者は、調整・協議等のマ

ネジメント業務を中心に行う場面が多いと想定されるものの、事業の円滑な促進には、急な協議への

対応、相手や場面に応じた臨機の対応等のため、本ガイドラインでは、調査職員から指示があった場

合には、監理業務受注者が協議資料の作成を行うこととした。

地元及び関係行政機関等との協議は、土地立入の確認、苦情・要望への対応、設計条件・内容の確

認等、対外的な調整・協議が多く、一貫性のある説明が必要なため、協議は、調査職員の指示・指導

に基づき行う。また、協議の中には、発注者自ら行うものも多くあり、発注者が中心となり行う協議

に監理業務受注者の同席を求めるケース、監理業務受注者が中心となり協議を行うケース等、協議の

相手、段階、内容等に応じて、適切な協議の体制、役割分担にて実施すること必要である。そのため、

地元及び関係行政機関等との協議は、発注者と監理業務受注者との協議の上、適切な体制で実施する。

表-2.2 に地元及び関係行政機関等の例を示す。

表-2.2 地元及び関係行政機関等の例

区分 協議の対象

地元 地権者、住民、自治会、組合、地方公共団体(県・市町村)等

関係行政機関等 公安委員会、県教育委員会、

河川、道路、鉄道、電力、電話、ガス、水道、森林、

本省、本局、国総研※、土研※、学識経験者※等 ※特に高度な技術を必要とする場合に実施

特記仕様書の記載例、「(3)地元及び関係行政機関等のとの協議」における有効な取り組み事例、

直轄事業で多いリスク事例を以下に示す。

<特記仕様書の記載例(地元及び関係行政機関等との協議)>

(3)地元及び関係行政機関等との協議

地元及び関係行政機関等との協議は、調査職員の指示・指導に基づき行うものとする。

1)測量・調査・設計業務等の立入に関する地元説明

測量・調査・設計業務等の実施に伴い、地元関係者の土地に立入る必要がある場合は、調査職員の

指示により、当該地元関係者に対し土地立入について了解を得るものとする。

2)測量・調査・設計業務等に関する地元との調整・協議

地元関係者等から事業に関する苦情・要望等があった場合、その内容を確認し調査職員に報告する

ものとし、調査職員の指示により当該関係者との協議を行うものとする。

3)関係行政機関等との調整・協議等

①設計等を実施する前に、関係行政機関と設計条件等の基本的事項を確認(計画協議)するものとし、

その結果について調査職員に報告し、指示を受けるものとする。

②計画協議に基づき実施した設計内容を確認する他、工事を施工するうえで必要な設計の詳細内容及

び設計施工協議の状況を確認するものとし、その結果について調査職員に報告し、指示を受けるもの

とする。

③(1)で整理した全体事業計画を踏まえ、関係行政機関等との速やかな調整・協議を図るものとす

る。なお、関係行政機関等から再検討、要望、指示等を受けた場合は、遅延なくその旨を調査職員に

報告するものとし、調査職員の承諾を得て、測量・調査・設計業務等受注者に対し、必要な対処案の

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作成を指示し、その結果について調査職員と協議するものとする。

④保安林解除、埋蔵文化財調査、環境調査及びその他事業の推進に必要な調整・協議事項について、

調査職員の指示により適切に処理するものとする。なお、関係行政機関等から再検討、要望、指示等

を受けた場合は、延滞なくその旨を調査職員に報告するものとし、調査職員の承諾を得て、測量・調

査・設計業務等受注者に対し、必要な対処案の作成を指示し、その結果について調査職員と協議する

ものとする。

4)地元及び関係行政機関等との協議資料の作成

調査職員から指示があった場合には、地元及び関係行政機関等との協議資料を作成するものとする。

<有効な取り組み事例(地元及び関係行政機関等との協議)>

・施工担当の技術者が、工事発注前に現地を調査した際、電線の細さから電力不足による事業工程の

遅延を懸念した。トンネル施工に必要な電力量を算定した結果、供給量不足が判明したため、工事用

電力確保に向けて電力会社と事前協議し、工事発注前に需給仮契約を締結、スムーズな工事着手によ

り遅延リスクを回避した。

図-2.8 関係機関との協議例

・河川を跨ぐ新設橋梁の桁高制限、付替国道の線形の悪化が課題となった。合意形成に時間を要する

河川付替について、河川管理者と 1.5 ヶ月で 7 回の協議を行い、河岸の保護対策の実施を条件に橋梁

から盛土構造への変更と河川付替形状を確定することで合理的な設計を実現した。

図-2.9 関係機関との協議例

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<直轄事業で多いリスク事例(地元及び関係行政機関等との協議等)>

■事例6 橋梁工事において、交差する道路の管理者との協議の結果、架設時の交通規制が設計段階

の想定より厳格化された。

■事例7 橋梁工事において、警察協議の結果、設計段階に想定していた迂回路が不許可となり、工

法の変更が必要となった。

■事例8 函渠工事において、電力会社との架空線の移設交渉が遅延し、施工時の上空制限が設計段

階の想定よりも厳格化されたことにより、工法の変更が必要となった。

■事例9 トンネル工事において、地元住民からの要望により,設計段階に想定していた昼夜間施工

が不可能となり、工程に影響を与えた。

《事例6~9からの教訓》

詳細設計を終え、施工に着手する段階になり、地元及び関係行政機関等との協議を行った結果、

施工条件が設計段階の想定よりも、より厳しい側に変更される例が多い。工事を円滑に進めるため、

施工に精通した技術者の確認によるリスクの低減や、地元及び関係行政機関等との協議を適切なタ

イミングで実施することにより、施工段階の手戻りを回避することが重要である。

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(4)事業管理等

「事業管理等」は、(1)で作成した全体事業計画、(2)で把握・調整した測量・調査・設計業

務等の工程、(3)で実施した地元及び関係行政機関等との協議結果、監理業務受注者が持つ技術的

知見を活かして、1)全体事業計画の進捗状況管理、2)事業期間の短縮に関する検討、3)事業の

コスト縮減に関する検討、4)用地取得計画の検討及び用地進捗管理、5)工事計画の検討、6)事

業に関する情報公開、7)その他事業の推進に関することを行うものである。

特記仕様書の記載例、「(4)事業管理等」における有効な取り組み事例、直轄事業で多いリスク

事例を以下に示す。

<特記仕様書の記載例(事業管理等)>

(4)事業管理等

1)全体事業計画の進捗状況管理

①(1)の全体事業計画の整理において作成した全体事業計画の工程と、実際の事業進捗状況を常に

把握し、把握した結果を調査職員に報告するものとする。

②事業進捗状況により、事業計画の変更や作業手順の見直しを必要に応じて実施し、調査職員に報告

するものとする。また、(1)で整理した全体事業計画、工程表に変更が生じた場合は、速やかに更

新するものとする。

2)事業期間の短縮に関する検討

①供用目標が達成できるよう、事業期間を短縮するためのメニューについて提案を行い、調査職員に

報告するものとする。

②調査職員の指示により、提案に基づく事業計画等の見直しを行うものとし、その結果について調査

職員に報告するものとする。

3)事業のコスト縮減に関する検討

①対象業務の設計図書に定める工事目的物の機能、性能を低下させることのない、計画段階における

コスト縮減の提案を行い、調査職員に報告するものとする。

②調査職員の指示により、提案に基づく具体的な検討を行うものとし、その結果について調査職員に

報告するものとする。

4)用地取得計画の検討及び用地進捗管理

①用地取得の進捗状況を整理すると共に、法令等による土地利用制限のある土地を把握し、工事の早

期着工及び事業実施期間短縮のための用地取得計画の提案を行うものとする。

②支障となる公共施設の移転時期及び移転方法の調整を行う。

5)工事計画の検討

①事業計画及び事業の進捗状況等を考慮し、効率的な工事計画の検討を行い、調査職員に報告するも

のとする。

②工事計画及び調査・設計業務の成果に基づき、工事発注計画の作成に必要な概略数量計算、図面の

整理及び確認を行い、調査職員に提出するものとする。

③①の業務を行うにあたり、必要な資料の取りまとめを行う。

6)事業に関する情報公開、広報の企画及び実施

①当該事業区間に関する情報公開のために、必要な資料を準備するものとする。

②事業に関する広報計画の立案を行うものとし、調査職員との協議により広報計画に定める広報を実

施するものとする。

7)その他事業の推進に関すること

その他、事業推進に関する事項について検討を行うものとする。

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<有効な取り組み事例(事業管理等①)>

・施工担当の技術者が、長大トンネルの掘削期間の短縮案(機械増設、機械能力アップ、大型機械の

導入)を提案した。これを踏まえ、発注者は更なる掘削期間の短縮を求める施工方法提案型の総合評

価を試行し、約 55%の工期短縮となる技術提案を実現した。

図-2.10 事業管理等の実施例

・用地取得手続きと並行して試掘調査を実施し、埋蔵文化財包蔵範囲を早期に確定することにより、

早期の工事展開を可能とした。

図-2.11 事業管理等の実施例

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<有効な取り組み事例(事業管理等②)>

・事業に関する情報公開、広報の一環として、地域住民の事業への理解を深めるため、チラシなどを

作成・配布。地域住民に災害からの復興を感じていただけるイベント開催。

図-2.12 事業管理等の実施事例

<直轄事業で多いリスク事例(事業管理等)>

■事例10 トンネル工事において、用地買収の遅れにより掘削開始が遅延した。

《事例10からの教訓》

用地取得の遅れが工事の工程に影響する例があるため、用地交渉が事業全体計画に及ぼす影響に

十分注意するとともに、必要に応じて、設計・施工計画との連携を図り、用地取得の影響が少なく

なるようにすることが必要である。

■事例11 トンネル工事において、ヒ素が発生。設計段階に想定していた掘削ペースでは、処分場

での土砂の受入が不可能となり、低速での掘削を余儀なくされ、工程が遅延した。

《事例11からの教訓》

工事の工程の遅延は、測量・調査・設計業務、近隣工事、地元及び関係行政機関との協議、用地

取得に限らず、様々な要因により生じうる。この事例は、施工者の技術提案を踏まえ、トンネル掘

削の期間短縮、コスト縮減案が設計及び施工計画に反映されたものの、ヒ素が発生したことにより、

処分場での受入が停止され、代替の処分場を活用したため、工程短縮、コスト縮減が実現しなかっ

たものである。工程短縮、コスト縮減に関する提案は、様々な角度からリスクを評価することが必

要である。

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(5)施工管理等

「施工管理等」は、個々の工事における1)施工方針等の調整、2)工程の把握及び調整、3)指

導・助言、4)指示・協議等、5)成果内容の確認、6)検査資料確認の各段階や場面において、(1)

で整理した全体事業計画との関係に留意しつつ、監理業務受注者が持つ技術的知見を活かして、事業

全体の工程、コスト等が最適になるよう、調査職員と一体となって、工事の受注者に対する指導・調

整等のマネジメント業務を実施するものである。なお、着工までの計画・調査・設計段階において事

業促進PPPを導入する場合は、(5)施工管理等の項目を省略することもある。

特記仕様書の記載例、「(5)施工管理等」における有効な取り組み事例、直轄事業で多いリスク

事例を以下に示す。

<特記仕様書の記載例(施工管理等)>

(5)施工管理等

1)施工方針等の調整

工事の受注者から提出される施工計画書等の確認を行い、確認結果を調査職員に報告するものとす

る。確認の結果、工事の受注者に対して、施工計画書の修正を指示すべき事項のうち、調査職員の承

諾を得られた事項については、工事の受注者に、施工計画書の修正を指示するものとする。修正され

た施工計画書等は、再度、確認を行い、確認結果を調査職員に報告するものとする。また、隣接する

区間との施工方針等の調整を行うものとする。

2)工程の把握及び調整

①工事の工程を把握するとともに、全体事業計画を踏まえ、検査時期、引渡し時期を確認し、調査職

員に報告するものとする。

②監理業務受注者は、予定工程が著しく遅れることが予想される工事がある場合は、当該工事受注者

に対して、その理由とフォローアップの実施を求めるものとする。

③監理業務受注者は、工事の進捗の遅れが、全体工程に対して著しく影響があると判断される場合は、

その旨を調査職員に報告しなければならない。また、当該工事受注者から事情を把握し、全体工事工

程の最適化を図るための是正措置を提案するものとする。また、隣接する区間との工程について、調

整を図るものとする。

3)施工に伴う地元及び関係行政機関等との協議

地元及び関係行政機関等との協議にあたっては、調査職員の指示、指導に基づき行うものとする。

① 工事着手時等の立入に関する地元説明

工事の実施に伴い、地元関係者の土地に立入る必要がある場合は、調査職員の指示により、当該地

元関係者に対し土地立入について了解を得るものとする。

②工事に関する地元との調整・協議

地元関係者等から事業に関する苦情・要望があった場合、その内容を確認し調査職員に報告するも

のとし、調査職員の指示により当該関係者と協議を行うものとする。

③関係行政機関等との調整・協議

ア 工事を実施する前に、関係行政機関と設計協議事項を確認するものとし、その結果を調査職員に

報告し、指示を受けるものとする。

イ 設計協議に基づき実施する工事内容を確認し、その結果について調査職員に、指示を受けるもの

とする。

ウ 早期の工事着手、完成を念頭におき、関係行政機関等との速やかな調整・協議を図るものとする。

なお、関係行政機関等から再検討、要望、指示等を受けた場合は、遅延なくその旨を調査職員に報告

するものとし、調査職員の承諾を得て、工事受注者に対し、必要な対処案の作成を指示し、その結果

について調査職員と協議する。

4)施工に伴う地元及び関係行政機関との協議資料の作成

調査査職員から指示があった場合には、施工に伴う地元及び関係行政機関との協議資料を作成する

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23

ものとする。

5)工事の指導・助言

施工が効率的、効果的に実施できるよう、工事受注者に対し、適切かつ的確な指導・助言を行うも

のとし、その内容について調査職員に報告するものとする。

6)工事の指示・協議等

工事の契約書及び設計図書に示された指示、承諾、協議及び受理等について、不明確な事項に対す

る確認や、対応案の検討が必要となった場合には、調査職員の指示により、必要に応じて現場条件等

を把握し、対応案を作成し調査職員に提出するものとする。

7)施工状況の確認

①施工状況について、施工性、安全性等の観点から施工状況の確認を行い、その結果を調査職員に報

告するものとする。

②工法・施工計画について、効率的、効果的な施工方法及び施工計画となるよう代替案、改善案につ

いて検討を行い、調査職員に報告するものとし、調査職員の承諾を得て、工事受注者に対し必要な対

処案の作成を指示し、その結果について調査職員と協議するものとする。

③監理業務受注者は、工事契約図書における発注者の責務を適切に遂行するために、工事施工状況の

確認及び把握等を行い、契約の適正な履行を確認するものとし、その結果を調査職員に報告するもの

とする。

8)土木工事施工管理基準の確認

①監理業務受注者は、工事の契約図書に定められた工事の目的物の出来形及び品質規格(工程管理、

出来形管理、品質管理、工事写真等)の確保の方針等について検証し、その内容について調査職員に

報告するものとする。

②監理業務受注者は、工事における主要な部分の品質管理及び出来形監理、不可視部分や重要構造物

等の段階確認、協議事項等について、確認、立会、把握等を行い、結果を速やかに調査職員に報告す

るものとする。

9)工事の検査資料確認

工事の契約図書により義務づけられた資料及び、検査(中間技術検査、技術検査を伴う既済部分検

査(性質上可分の工事の完済部分検査を含む)、完成検査)に必要な書類及び資料等について指導・

助言を行うものとする。また、監理業務受注者は、工事検査に立会うものとする。

10)その他

①工事契約上重大な事案が発見された場合は、遅延なく報告するものとする。災害発生時及び、その

恐れがある場合など緊急時においては調査職員の指示により、情報の収集を行うものとする。

②施工管理の業務実施内容の詳細については、調査職員と協議の上、決定するものとする。

(6)その他

大規模災害・復興事業においては、上記(1)~(5)に示した業務内容に明示がない業務が発生

することがある。その場合、調査職員との協議により対処方法を決定し、必要な場合は設計変更の対

象とする。

<特記仕様書の記載例(その他)>

(6)その他

1)調査職員より指示があった事項についてその内容を把握し、適切に処理しなければならない。

2)大規模災害発生時には、発注者及び測量・調査・設計業務等受注者と連携し災害対応業務に協力

しなければならない。

3)特記仕様書に明示がない事項ついては、調査職員との協議により対処方法を決定し、決定した事

項を文書化し、契約図書の一部とする。

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(7)業務打合せ

発注者と監理業務受注者が一体となって事業を促進するためには、業務打合せ等(工程会議等)を

頻繁に実施し、関係者間で適切に情報共有することが重要である。

<特記仕様書の記載例(業務打合せ)>

(7)業務打合せ

共通仕様書第 10 条に定める調査職員との打合せは、以下を想定している。なお、打合せ回数に変更

が生じる場合は、調査職員と協議の上、契約変更の対象とする。

1)業務着手時 1回

2)中間打合せ 〇〇回

3)成果品納入時 1回

(8)業務実施報告

監理業務受注者は、契約内容が適切に履行されていることを確認できるよう、毎日の記録を業務記

録簿として記載し、調査職員に提出する。なお、業務記録簿を効率的、効果的に作成するため、表-2.3、

表-2.4 に示す記載項目例を参考にできる。必要な場合は、調査職員と監理業務受注者との協議の上、

項目の追加・修正等を行う。

また、仕様書に基づき実施した検討事項等について、目的、経緯、結果を整理し報告する。

表-2.3 業務記録簿の記載項目例(業務内容に対応)

全体事業計画の

整理

測量・調査・設計業

務等の指導・調整等

地元及び関係行政

機関等との協議

事業管理 施工管理 その他

事業計画案把握 設計方針調整 立入地元説明 事業進捗管理 施工方針調整 事務作業

事業計画案整理 工程把握 地元調整・協議 期間短縮検討 工程把握 移動

工程表作成 工程調整 関係機関調整・協

コスト縮減検討 工程調整 ・・・

・・・ 指導・助言 協議資料作成 用地取得検討 地元・関係行政機関協議 その他

その他 指示・協議 ・・・ 用地進捗管理 協議資料作成

成果内容確認 その他 工事計画検討 指導・助言

検査資料確認 情報公開・広報 指示・協議

・・・ その他事業推進 施工状況確認

その他 ・・・ 管理基準確認

その他 検査資料確認

・・・

その他

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表-2.4 報告書の記載項目例(実施内容・場面・相手に対応)

実施内容 場面 相手

調査 会議・打合せ 全体

状況確認 現地調査・確認 調査職員

資料作成・修正(定型的な作業) 立会 事務所

資料作成・修正(技術的知見が必要) 協議・交渉・説明会(単独) 本局(整備局)

内容精査・修正(技術的知見が必要) 協議・交渉・説明会(随行) PPP チーム内

案作成・修正(技術的知見が必要・自ら検討) ・・・ 業務受注者

情報共有 その他 工事受注者

指導・助言・指示 地権者

調整 案作成・修正 住民

説明・協議・交渉 地方公共団体

成果・出来形確認 警察・消防署

・・・ インフラ企業

その他 ・・・

その他

<特記仕様書の記載例(業務実施報告書)>

(8)業務実施報告書

1.受注者は、業務の履行の報告を次のとおり調査職員に成果として提出しなければならない。

成果品 提出時期等 成果内容

業務記録簿 1回/2週

・毎日記録

・調査職員に提出

日々の監理業務の内容を書面で整理し報

告する。

・契約の履行の確保に関する実施内容

・監理業務に関する実施内容

提出書、報告書等 その都度

・実施後に記録

調査職員に提出

仕様書に基づき実施した検討事項 につい

て、目的、経緯、結果を整理し報告する。

(9)成果品

成果品には、共通仕様書第 16 条に規定する事項に加え、業務履行に必要となった各種資料・調査結

果等をあわせ報告書として提出するものとする。

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2.5 実施体制

2.5.1 受注者の体制

監理業務受注者の体制は、管理技術者、主任技術者、担当技術者により構成し、主任技術者に対し

ては、事業管理、調査設計、用地、施工等の必要な専門分野を設定する。事業の特性によっては、河

川、道路、トンネル、鋼構造、コンクリート、測量、地質、BIM/CIM 等の知識・経験を有する技術者

が配置されるよう、より詳細な専門分野を設定(調査設計・施工担当の技術者との兼務可)すること

も考えられる。表-2.5 に監理業務受注者の体制例を示す。

大規模災害復旧・復興事業においては、事業促進のため、複数の測量・調査・設計等の業務、工事、

様々な協議・調整等が同時に進行するため、主任技術者、担当技術者については、業務の履行期間中、

常駐・専任を求めることを基本とする。しかしながら、大規模災害・復旧事業においては、受注者側

の体制確保上の負担が大きくなりやすいことから、発注者自身(テックフォース、リエゾンを含む)

によるマネジメント、業務(測量・調査・設計等)、発注者支援業務(積算・監督・技術審査等)、

工事(維持・準備・本体)を組み合わせた効果的な体制を構築し、常駐・専任を求める人数が過大と

ならないように留意する。

また、大規模なトンネル工事、橋梁工事、橋梁補修工事等、高度な専門性を必要とし、調査・設計

等の事業の上流段階から施工者のノウハウを導入することで、事業の促進を図ることができる場合に

は、技術提案・交渉方式を組み合わせるのがよい。なお、技術提案・交渉方式を適用する場合、施工

者による調査・設計段階からのマネジメント(測量・調査・設計業務等への指導・調整、施工にあた

っての地元及び関係行政機関等との協議、近隣工事等との工程調整等)が行えるため、監理業務受注

者の業務量、常駐・専任の負担の軽減にも寄与する。

なお、事業の進捗に伴い、主たる業務・工事の内容、必要な業務量は変化するため、配置技術者の

人数等は、事業の進捗状況に応じて、柔軟に変更するのがよい。配置技術者の人数、常駐・専任等の

条件を変更する場合には、設計変更の対象とする。

表-2.5 監理業務受注者の体制例

常駐 専任 備考

管理技術者 必要なし 必要なし 業務の管理及び統括を行う

(事業の特性によっては、主任技術者と兼務可)

主任技術者 必要 必要 事業管理、調査設計、用地、施工等の分野を設定

担当技術者 必要 必要

2.5.2 受発注者の関係

事業促進PPPは、直轄職員が柱となり、発注者、監理業務受注者がパートナーを組み、双方の技

術・経験を活かしながら効率的なマネジメントを行うことにより、事業の促進を図ることを第一の目

的としている。

発注者と監理業務受注者が一体となった標準的な業務の進め方、役割分担は、本ガイドラインの「2.4

業務内容」の特記仕様書の記載例に示す。図-2.13 は、事業促進PPPにおける受発注者の関係を模

式的に表したものである。調査職員、総括調査員、主任調査員、調査員、管理技術者、主任技術者、

担当技術者の定義は、表-1.3 の通りであり、一般的な業務における定義と同様である。一方で、図-2.13

は、発注者と監理業務受注者の構成員が一堂に会する業務打合せ(工程会議)を頻繁に行うことによ

り、情報共有、情報伝達が円滑に行われることを意図して、発注者、監理業務受注者が一体となった

チームとして表現した。

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図-2.13 事業促進PPPにおける受発注者の関係

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2.6 受注者の選定方法

2.6.1 災害協定に基づく随意契約

発災の直後から事業促進PPPを導入する場合は、災害協定に基づき、随意契約を適用できる。た

だし、随意契約を適用する場合、発注者の側においては、技術提案、ヒアリングの結果を踏まえた事

業促進PPPの実施者としてのマネジメント能力等の評価が課題となる点、受注者の側においては、

業務の特性に応じた柔軟な共同受注体制の構築が課題となる点に留意が必要である。

2.6.2 プロポーザル方式

(1)基本的な考え方

事業促進PPPは、①全体事業計画の整理、②測量・調査・設計業務等の指導・調整等、③地元及

び関係行政機関等との協議、④事業管理等、⑤施工管理等のマネジメント業務を、直轄職員が柱とな

り、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するものであり、一般

的な調査・設計業務とは異なる能力が求められる。そのため、管理技術者や主任技術者の事業促進P

PPに対する理解度、実務経験を踏まえた提案の妥当性について、ヒアリング結果を含めて適切に評

価することが重要である。

事業促進PPPは、災害復旧・復興計画の立案と並行しながら、本復旧段階における業務の増大期

に備えて導入するのが基本であるため、受注者の選定手続の期間を確保できる場合は、配置技術者の

能力を適切に把握できる「プロポーザル方式」を適用する。

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(2)監理業務受注者の資格要件

事業促進PPPは、①全体事業計画の整理、②測量・調査・設計業務等の指導・調整等、③地元及

び関係行政機関等との協議、④事業管理等、⑤施工管理等のマネジメント業務を、直轄職員が柱とな

り、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するものであり、一般

的な調査・設計業務とは求められる能力が異なる面がある。また、年度途中からの急な導入ともなり

うる大規模災害復旧・復興事業においては、受注者側の体制確保が困難となりやすい。そのため、資

格要件の設定にあたっては、特定の専門分野に関する高度な資格要件を求めることにより、技術者の

確保が困難とならないよう留意するとともに、発注者、測量・調査・設計業務等の受注者、工事の受

注者等と適切にコミュニケーションをとりながらマネジメント業務を行う能力のある人材の参加を促

すことが重要である。

表-2.6 に管理技術者、主任技術者、担当技術者に対する資格要件の設定例を示す。管理技術者、担

当技術者には、資格要件を設定しないことを基本とし、主任技術者に対してのみ、必要な分野の資格

要件を設定する。管理技術者、担当技術者については、事業の特性上、特に必要とされる場合に資格

要件を設定する。

表-2.6 資格要件の設定例

区分 資格

管理技術者 規定しない※1

主任技術者

(事業管理)

・技術士(総合技術監理部門(建設)又は建設部門)

・RCCM(技術士部門と同様の部門に限る)

・一級土木施工管理技士

・土木学会認定技術者(特別上級、上級、1級)

・(社)全日本建設技術協会による公共工事品質確保技術者(Ⅰ)

のいずれか

主任技術者

(調査設計)

・技術士(総合技術監理部門(建設)又は建設部門)

・RCCM(技術士部門と同様の部門に限る)

・一級土木施工管理技士

・土木学会認定技術者(特別上級、上級、1級)

のいずれか

主任技術者

(用地)

・補償業務管理士(8部門のうちのいずれか)

主任技術者

(施工)

・技術士(総合技術監理部門(建設)又は建設部門)

・RCCM(技術士と同様の部門に限る)

・一級土木施工管理技士

・土木学会認定技術者(特別上級、上級、1級)

のいずれか

担当技術者 規定しない※1 ※1 必要に応じて、資格要件を設定する ※2 資格(表-2.6)又は業務実績(表-2.7 又は表-2.8)を要件として設定する

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(3)同種・類似業務の設定

事業促進PPPは、①全体事業計画の整理、②測量・調査・設計業務等の指導・調整等、③地元及

び関係行政機関等との協議、④事業管理等、⑤施工管理等のマネジメント業務を、直轄職員が柱とな

り、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するものであり、一般

的な調査・設計業務とは求められる能力が異なる面がある。そのため、一般的な調査・設計業務、工

事の経験よりも、マネジメント業務の実務経験を評価することが重要となる場合が多い。また、業務

経験の評価にあたっては、事業促進PPP、PM、CM、技術提案・交渉方式の技術協力業務等のマ

ネジメントを伴う業務経験、発注者の立場で実施した技術的実務経験(同種業務)を、一般的な調査・

設計業務、工事の経験(類似業務)よりも、優位に評価するのがよい。

同種・類似業務の設定例を表-2.7、同種・類似業務の区別をせず同種業務のみを設定する場合の設

定例を表-2.8 に示す。表-2.8 は、技術者の確保が特に困難となる場合に適用する。

表-2.7 同種・類似業務の設定例

区分 資格

同種業務 管理技術者 1)事業促進PPP、PM、CM※1の指導的立場※2での経験

2)技術協力業務(ECI)※3の指導的立場※2での経験

3)工事・業務をマネジメントした実務経験※4

主任技術者 1)事業促進PPP、PM、CM※1の経験

2)技術協力業務(ECI)※3の経験

3)調査・設計業務、工事の経験(必要に応じて範囲を設定)

4)工事・業務をマネジメントした実務経験※4

担当技術者 規定しない

類似業務 管理技術者 1)指導的立場※1での調査・設計業務、工事の経験

2)技術的実務経験※5

主任技術者 1)調査・設計業務、工事の経験(必要に応じて範囲を設定)

2)技術的実務経験※6

担当技術者 規定しない ※1 業務内容が発注者支援業務、資料作成補助業務と同様の場合は除く ※2 管理技術者(当該業務に係る契約の履行に関する管理及び統括を行うものをいう)の立場をいう ※3 技術提案・交渉方式の設計交渉・施工タイプの実施設計業務を含む ※4 〇〇分野における、例えば、地方建設局請負工事監督検査事務処理要領(S42.3.30 付)第6に該当する

総括監督員若しくは主任監督員、地方建設局委託設計業務等調査検査事務処理要領(H11.4.1 付)第6

に該当する総括調査員若しくは主任調査員に相当する程度の経験をいう ※5 〇〇分野における 20 年以上の実務経験、又は〇〇分野における論文、委員会活動等の優れた実績をい

う ※6〇〇分野における 10 年以上の実務経験、又は〇〇分野における論文、委員会活動等の優れた実績をいう

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表-2.8 同種業務の設定例

同種業務

(類似業

務を設定

しない場

合)

管理技術者 1)事業促進PPP、PM、CM※1の指導的立場※2での経験

2)技術協力業務(ECI)※3の指導的立場※2での経験

3)調査・設計業務、工事の経験

4)工事・業務をマネジメントした実務経験※4

5)技術的実務経験※5

主任技術者 1)事業促進PPP、PM、CM※1の経験

2)技術協力業務(ECI)※3の従事経験

3)調査・設計業務、工事の経験(必要に応じて範囲を設定)

4)工事・業務をマネジメントした実務経験※4

5)技術的実務経験※6

担当技術者 特になし ※1 業務内容が発注者支援業務、資料作成補助業務と同様の場合は除く ※2 管理技術者(当該業務に係る契約の履行に関する管理及び統括を行うものをいう)の立場をいう ※3 技術提案・交渉方式の設計交渉・施工タイプの実施設計業務を含む ※4 〇〇分野における、例えば、地方建設局請負工事監督検査事務処理要領(S42.3.30 付)第6に該当する

総括監督員若しくは主任監督員、地方建設局委託設計業務等調査検査事務処理要領(H11.4.1 付)第6

に該当する総括調査員若しくは主任調査員に相当する程度の経験をいう ※5 〇〇分野における 20 年以上の実務経験、又は〇〇分野における論文、委員会活動等の優れた実績をい

う ※6 〇〇分野における 10 年以上の実務経験、又は〇〇分野における論文、委員会活動等の優れた実績をい

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(4)評価テーマ及びヒアリング

事業促進PPPは、①全体事業計画の整理、②測量・調査・設計業務等の指導・調整等、③地元及

び関係行政機関等との協議、④事業管理等、⑤施工管理等のマネジメント業務を、直轄職員が柱とな

り、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するものであり、一般

的な調査・設計業務等における評価とは異なり、発注者と一体となって実施するマネジメント業務の

実施者としての適正を評価することが重要である。技術提案の評価にあたっては、技術提案書の記載

事項のみの評価ではなく、実際に配置される管理技術者、主任技術者に対するヒアリング結果を含め

て、理解度、ポイント、リスク、対処方法、留意事項等の妥当性を評価することとした。

表-2.9 に評価テーマの設定例、表-2.10 に評価基準の設定例を示す。評価テーマについては、「実

務経験を踏まえた提案」を中心に、主たる事業課題等を踏まえ、2テーマ程度を設定する。

表-2.9 評価テーマの設定例

実施方針 理解度 事業促進PPPの目的、業務内容に対する理解

現地条件、与条件、不確定要素に対する理解

実施体制 配置予定技術者の経験、資格、人数、地元精通者の確保、代替要因の確保

など、業務を遂行する上での体制が整っている

評価テーマ 実務経験を

踏まえた提

予定管理技術者の〇〇に対する実務経験を踏まえ、事業管理を適切に実施

する上でのポイント

予定管理技術者(主任技術者※)の〇〇に対する実務経験を踏まえ、事業

工程管理を適切に実施する上でのポイント

予定管理技術者(主任技術者※)の〇〇に対する実務経験を踏まえ、工程

管理上、想定されるリスクと対処方法

予定管理技術者(主任技術者※)の〇〇に対する実務経験を踏まえ、施工

段階の手戻りを回避するため、測量・調査・設計業務等の指導・調整等に

おける留意事項

予定管理技術者(主任技術者※)の〇〇に対する実務経験を踏まえ、施工

段階の手戻りを回避するため、地元及び関係行政機関との協議における留

意事項

目的達成に

有効な提案

本業務の目的達成に有効と考えられる提案

コスト コストの妥当性 ※主任技術者の実務経験を踏まえた提案を求める場合

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表-2.10 評価基準の設定例

実施方針 ① 事業促進PPPの目的、業務内容、現地条件、与条件、不確定

要素を十分に理解し、業務内容、規模、不確定要素に応じた実

施方針、実施体制が示されている場合に優位に評価する。

② 事業促進PPPの目的、業務内容を踏まえた実施方針、実施体

制が示されている場合に優位に評価する。

③ 業務の内容、規模等に応じた実施方針、実施体制が示されてい

る場合に優位に評価する。

下記のいずれかに該当する場合は特定しない。

① 業務の分担構成が、不明確又は不自然な場合

② 設計共同体による場合に、業務の分担構成が細分化され過ぎて

いる場合

予定管理技術者の〇〇事

業に対する実務経験を踏

まえ、事業管理を適切に

実施する上でのポイント

① 事業促進PPPの目的と実務経験を踏まえた提案内容である

ことが伺え、ポイントの着眼点が的確で、本業務に有効である

場合に優位に評価する。

② 事業促進PPPの目的を踏まえた提案内容になっている場合

に優位に評価する。

③ 提案内容に具体性があり説得力がある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に著しく欠ける場合は特定し

ない。また、参考見積の対象外の技術提案については加点しない。

予定管理技術者(主任技

術者)の〇〇事業に対す

る実務経験を踏まえ、事

業工程管理を適切に実施

する上でのポイント

① 事業促進PPPの目的と実務経験を踏まえた提案内容である

ことが伺え、ポイントの着眼点が的確で、本業務に有効である

場合に優位に評価する。

② 事業促進PPPの目的を踏まえた提案内容になっている場合

に優位に評価する。

③ 提案内容に具体性があり説得力がある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に著しく欠ける場合は特定し

ない。また、参考見積の対象外の技術提案については加点しない。

予定管理技術者(主任技

術者)の〇〇に対する実

務経験を踏まえ、工程管

理上、想定されるリスク

と対処方法

① 事業促進PPPの目的と実務経験を踏まえた提案内容である

ことが伺え、リスクの着眼点が的確で、対処方法が本業務に有

効である場合に優位に評価する。

② 事業促進PPPの目的を踏まえた提案内容になっている場合

に優位に評価する。

③ 提案内容に具体性があり説得力がある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に著しく欠ける場合は特定し

ない。また、参考見積の対象外の技術提案については加点しない。

予定管理技術者(主任技

術者)の〇〇に対する実

務経験を踏まえ、施工段

階の手戻りを回避するた

め、測量・調査・設計業

務等の指導・調整等にお

ける留意事項

① 事業促進PPPの目的と実務経験を踏まえた提案内容である

ことが伺え、留意事項の着眼点が的確で、本業務に有効である

場合に優位に評価する。

② 事業促進PPPの目的を踏まえた提案内容になっている場合

に優位に評価する。

③ 提案内容に具体性があり説得力がある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に著しく欠ける場合は特定し

ない。また、参考見積の対象外の技術提案については加点しない。

予定管理技術者(主任技

術者)の〇〇に対する実

① 事業促進PPPの目的と実務経験を踏まえた提案内容である

ことが伺え、留意事項の着眼点が的確で、本業務に有効である

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務経験を踏まえ、施工段

階の手戻りを回避するた

め、地元及び関係行政機

関との協議における留意

事項

場合に優位に評価する。

② 事業促進PPPの目的を踏まえた提案内容になっている場合

に優位に評価する。

③ 提案内容に具体性があり説得力がある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に著しく欠ける場合は特定し

ない。また、参考見積の対象外の技術提案については加点しない。

本業務の目的の達成に有

効と考えられる提案

① 事業促進PPPの目的を踏まえた提案内容であることが伺え、

着眼点が的確で、本業務に有効である場合に優位に評価する。

② 事業促進PPPの目的を踏まえた提案内容になっている場合

に優位に評価する。

③ 提案内容に具体性があり説得力がある場合に優位に評価する。

業務の的確性もしくは実現性に著しく欠ける場合は特定しない。

また、参考見積の対象外の技術提案については加点しない。

コストの妥当性 提示した業務規模と大きくかけ離れているか、または提案内容に

対して見積もりが不適切な場合には特定しない。

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〈業務説明書の記載例〉

(1)技術提案書を特定するための評価基準

技術提案書の評価項目、判断基準、ならびに評価のウェートは、以下のとおりである。

1)実施方針

評価項目 評価の着目点 評価のウェ

ート

判断基準 書面 ヒア

リング

実施方針

(様式-

〇)

理解度・

実施体制

①事業促進 PPP の目的、業務内容、現地条件、与条件、不確

定要素を十分に理解し、業務内容、規模、不確定要素に応じ

た実施方針、実施体制が示されている場合に優位に評価する。

②事業促進 PPP の目的、業務内容を踏まえた実施方針、実施

体制が示されている場合に優位に評価する。

③業務の内容、規模等に応じた実施方針、実施体制が示され

ている場合に優位に評価する。

下記のいずれかに該当する場合は特定しない。

①業務の分担構成が、不明確又は不自然な場合

②設計共同体による場合に、業務の分担構成が細分化され過

ぎている場合

20

小 計 20

2)評価テーマ

評価項目 評価の着目点 評価のウエート

判断基準 書面 ヒアリング

評価テーマに

関する技術提

案(様式-〇)

予定管理技術

者の〇〇事業

に関する実務

経験を踏まえ、

事業管理を的

確に実施する

上でのポイン

専門技術力

実現性

①事業促進 PPPの目的と実務経験を踏

まえた提案内容であることが伺え、ポ

イントの着眼点が的確で、本業務に有

効である場合に優位に評価する。

②事業促進PPPの目的を踏まえた

提案内容になっている場合に優位に

評価する。

③提案内容に具体性があり説得力が

ある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に

著しく欠ける場合は特定しない。ま

た、参考見積の対象外の技術提案につ

いては加点しない。

40

予定主任技術

者の〇〇事業

に関する実務

経験を踏まえ、

施工段階の手

戻りを回避す

るため、測量・

調査・設計業務

等の指導・調整

①事業促進 PPPの目的と実務経験を踏

まえた提案内容であることが伺え、ポ

イントの着眼点が的確で、本業務に有

効である場合に優位に評価する。

②事業促進PPPの目的を踏まえた

提案内容になっている場合に優位に

評価する。

③提案内容に具体性があり説得力が

ある場合に優位に評価する。

40

Page 40: 国土交通省直轄の事業促進PPP に関するガイドライン · 国土交通省直轄の事業促進PPP に関するガイドライン 平成31年3月 国 土 交 通 省

36

等における留

意事項

専門技術力

実現性

業務の専門技術力もしくは実現性に

著しく欠ける場合は特定しない。ま

た、参考見積の対象外の技術提案につ

いては加点しない。

小計 80

3)業務コストの妥当性

評価項目 評価の着目点 評価のウェート

判断基準 書面 ヒアリング

コスト 業務コスト

の妥当性

提示した業務規模と大きくかけ離れている

か、または提案内容に対して見積もりが不適

切な場合には特定しない。

4)技術提案の評価にあたっては、上記の非特定要件以外に、以下のいずれかに該当する場合も特定

しない。

・「実施方針」の評価の合計が満点の6割未満の場合。

・「評価テーマに対する技術提案」の評価の合計が満点の6割未満の場合。

5)評価値が同点の場合の特定者決定方法

評価の合計点の最高得点者が複数者いる場合、下記の 1)から 3)の順で1者を特定するものとする。

ただし、 2)以下はその上記項目が同点の場合適用する。

1)技術提案の評価テーマの得点が高いもの

2)技術提案の実施方針の得点が高いもの

3)平成〇〇・〇〇年度〇〇地方整備局有資格者名簿の上位の者。

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37

2.7 公平中立性

監理業務受注者は、発注者と一体となったチームを形成し、全体事業計画の整理、測量・調査・設

計業務等に対する指導・調整等、地元及び関係行政機関等との協議、事業管理等、施工管理等を行う

ため、業務遂行の過程において、将来実施予定の業務、工事に係る基礎的な情報を知りうる立場とな

る。そのため、事業促進PPPの工区内の業務、工事の受注者の選定では、公平中立性に留意するこ

とが必要である。

なお、技術提案・交渉方式を適用する場合、調査・設計段階から施工者によるマネジメント(測量・

調査・設計業務等への指導・調整、施工にあたっての地元及び関係行政機関等との協議、近隣工事等

との工程調整等)を導入することができる。そのため、大規模なトンネル工事、橋梁工事、橋梁補修

工事等、高度な専門性を必要とし、調査・設計等の事業の上流段階から施工者のノウハウを導入する

ことで、事業の促進を図ることができる場合には、技術提案・交渉方式を組み合わせるのがよい。

2.8 事業促進PPPの実績の評価

優秀な技術者が事業促進PPPに意欲的に参加でき、事業促進PPPの担い手の確保・育成が進む

よう、事業促進PPPで良好な成績を収めた企業、技術者の実績をテクリス登録等により適切に記録

し、将来の事業促進PPPを含む工事・業務の入札において、適切に評価することが必要である。

2.9 業務・工事の設計図書

2.9.1 業務の設計図書

事業促進PPPは、測量・調査・設計業務等のマネジメント業務を発注者と一体となって実施する

ものである。発注者、監理業務受注者、測量・調査・設計業務等の受注者との連携が適切に行われる

よう、測量・調査・設計業務等の特記仕様書には、事業促進PPPを活用する業務であることを明示

する。

<業務の特記仕様書の記載例>

(1)事業促進PPPの活用

本業務は、発注者が別途契約する事業促進PPPを活用する業務である。

2.9.2 工事の設計図書

事業促進PPPは、事業管理等、施工管理等のマネジメント業務を発注者と一体となって実施する

ものである。発注者、監理業務受注者、工事の受注者との連携が適切に行われるよう、工事の特記仕

様書には、事業促進PPPを活用する工事であることを明示する。

<工事の特記仕様書の記載例>

(1)事業促進PPPの活用

本工事は、発注者が別途契約する事業促進PPPを活用する工事である。

Page 42: 国土交通省直轄の事業促進PPP に関するガイドライン · 国土交通省直轄の事業促進PPP に関するガイドライン 平成31年3月 国 土 交 通 省

38

2.10 その他

2.10.1 業務件名

「〇〇事業監理業務」とするのを基本とする。

2.10.2 執務環境

監理業務受注者の業務執務環境は、発注者とのコミュニケーションの取りやすさに配慮するのがよ

い。

2.10.3 名刺

名刺は、協議相手の理解を得やすいよう、受注企業の名刺ではなく、国土交通省地方整備局が発注

する事業促進PPPの実施者であることを明確にするのがよい。

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39

3.平常時の大規模事業等に導入する事業促進PPP

3.1 一般

平常時の大規模事業等のタイムラインは、大規模災害復旧・復興事業の本復旧段階以降のタイムラ

インと類似する点が多く、平常時の大規模事業等に導入する事業促進PPPについても、大規模災害

復旧・復興事業に導入する事業促進PPPに準じて実施することができる。3章では、平常時の大規

模事業等に導入する事業促進PPPの実施手法のうち、2章に示した大規模災害復旧・復興事業との

相違点を中心に記載する。

3.2 事業促進PPPを導入する事業

平常時の国土交通省直轄事業における事業促進PPPは、以下のような特徴を複数有する場合に導

入することを基本とする。

・事業の規模が大きい

・多くの業務、工事が輻輳している

・調整を要する地元、行政機関等の関係者が多い

・供用までの期間が限定される等、早期の工事着手や完成が必要

・既存の事務所等から離れた箇所である

3.3 事業計画の立案

平常時の大規模事業等のタイムラインは、大規模災害復旧・復興事業の本復旧段階以降のタイムラ

インと類似する点が多く、事業評価・ルート検討等の計画系業務、準備工事、本体工事の順に進むの

が一般的である。発注者は、図-3.1 に示す一般的な事業のタイムラインを参考にしながら、事業計画

を立案し、事業計画に基づき、事業促進PPPの業務内容、配置技術者に求める要件等の明確化する

ことが重要である。

図-3.1 大規模事業のタイムラインの例

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40

3.4 導入時期

平常時の事業は、事業促進PPPを導入する前年度の早い段階から発注予定を公表できるため、災

害時と比較して、監理業務受注者にとって体制を確保しやすい環境である。しかしながら、監理業務

受注者が業務に慣れるためには、ある程度の期間を要することが多いことから、業務量の著しい増大

期に急に導入するよりも、業務の増大期にやや先行する時期から導入する方が、業務の増大期に円滑

に対応しやすいことに留意する必要がある。

また、事業促進PPPの導入にあたっては、前もって発注予定を公表することにより、受注者側で

の適切な体制確保が容易となるよう配慮することも重要である。

3.5 受注者の選定方法

事業促進PPPは、①全体事業計画の整理、②測量・調査・設計業務等の指導・調整等、③地元及

び関係行政機関等との協議、④事業管理等、⑤施工管理等のマネジメント業務を、直轄職員が柱とな

り、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するものであり、一般

的な調査・設計業務とは異なる能力が求められる。そのため、管理技術者や主任技術者の事業促進P

PPに対する理解度、実務経験を踏まえた提案の妥当性について、ヒアリング結果を含めて適切に評

価することが重要である。平常時の大規模事業等における事業促進PPPは、「プロポーザル方式」

を適用することを基本とする。

平常時の事業は、大規模災害復旧・復興事業と比較して、受注者側の体制の確保がしやすいことか

ら、同種業務、類似業務を区別することにより、事業促進PPP、PM、CM、技術提案・交渉方式

の技術協力業務等のマネジメントを伴う業務の経験を優位に評価するのがよい。

表-3.1 同種・類似業務の設定例

区分 資格

同種業務 管理技術者 1)事業促進PPP、PM、CM※1の指導的立場※2での経験

2)技術協力業務(ECI)※3の指導的立場※2での経験

3)工事・業務をマネジメントした実務経験※4

主任技術者 1)事業促進PPP、PM、CM※1の経験

2)技術協力業務(ECI)※3の経験

3)調査・設計業務、工事の経験(必要に応じて範囲を設定)

4)工事・業務をマネジメントした実務経験※4

担当技術者 規定しない

類似業務 管理技術者 1)指導的立場※2での調査・設計業務、工事の経験

2)技術的実務経験※5

主任技術者 1)調査・設計業務、工事の経験(必要に応じて範囲を設定)

2)技術的実務経験※6

担当技術者 規定しない ※1 業務内容が発注者支援業務、資料作成補助業務と同様の場合は除く。 ※2 管理技術者(当該業務に係る契約の履行に関する管理及び統括を行うものをいう)の立場をいう ※3 技術提案・交渉方式の設計交渉・施工タイプの実施設計業務を含む ※4 〇〇分野における、例えば、地方建設局請負工事監督検査事務処理要領(S42.3.30 付)第6に該当する

総括監督員若しくは主任監督員、地方建設局委託設計業務等調査検査事務処理要領(H11.4.1 付)第6

に該当する総括調査員若しくは主任調査員に相当する程度の経験をいう。 ※5 〇〇分野における 20 年以上の実務経験、又は〇〇分野における論文、委員会活動等の優れた実績をい

う ※6 〇〇分野における 10 年以上の実務経験、又は〇〇分野における論文、委員会活動等の優れた実績をい

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41

表-3.2 に大規模災害復旧・復興事業と平常時の大規模事業等の同種・類似業務の設定方法の比較を

示す。

表-3.2 災害時と平常時の同種・類似設定方法の比較

区分 資格 災害時 A 災害時 B※ 平常時

管理技術者 1)事業促進PPP、PM、CMの指導的立場での経験

2)技術協力業務(ECI)の指導的立場での経験

3)工事・業務をマネジメントした実務経験

4)指導的立場での調査・設計業務、工事の経験

5)技術的実務経験

同種

同種

同種

類似

類似

同種

同種

同種

同種

同種

同種

同種

同種

類似

類似

主任技術者 1)事業促進PPP、PM、CMの経験

2)技術協力業務(ECI)の経験

3)調査・設計業務、工事の経験

4)工事・業務をマネジメントした実務経験

5)技術的実務経験

同種

同種

同種

同種

類似

同種

同種

同種

同種

同種

同種

同種

同種

同種

類似

担当技術者 規定しない - - -

参照表 表-2.7 表-2.8 表-3.1

※ 災害時Bは、災害時で技術者の確保が特に困難となる場合に適用

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42

4.事業促進PPPの導入にあたっての課題・留意事項

4.1 一般

国土交通省直轄の事業促進PPPは、直轄職員が柱となり、官民がパートナーを組み、官民双方の

技術者が持つ技術・経験を活かしながら効率的なマネジメントを行うことにより、事業の促進を図る

ことを第一の目的として導入するものである。

一方、我が国の公共事業においては、測量・調査・設計業務等の指導・調整等、地元及び関係行政

機関等との協議、全体工程及びコスト管理等のマネジメント業務を行うのは発注者であり、設計コン

サルタントが調査・設計業務、建設会社が工事を担う体制をとるのが一般的である。また、事業促進

PPPは、平成 24 年度より、東北地方整備局が三陸沿岸道路等の復興道路事業において導入が始まっ

た新たな取り組みである。

そのため、事業促進PPPを導入するにあたり、担い手の確保・育成、関連する諸制度に関して、

4.2 に示す課題を有するのが現状であり、これらの課題に留意しつつ、本ガイドラインの適切な運用

に努めることが必要である。

4.2 課題・留意事項

4.2.1 担い手の確保・育成

我が国の公共事業においては、事業のマネジメントを行うのは発注者であり、設計コンサルタント

が調査・設計業務、建設会社が工事を担うのが一般的である。そのため、事業促進PPPは、設計コ

ンサルタント、建設会社において、ビジネスとして位置づけがなく、事業促進PPPを担う体制が十

分に整っていないのが現状である。

そのため、民間企業において、マネジメント業務を担う人材の確保、育成が進むためには、事業促

進PPPが、大規模災害時に限った一過性のものではなく、平常時の大規模事業等においても継続的

に実施され、民間企業にとっての事業性が見いだされ、民間企業の自発的な取り組みにより、マネジ

メント業務を担う人材の確保、育成が進むことが必要である。

4.2.2 受注インセンティブの向上

事業促進PPPを受注すると、工区内の業務・工事を受注できず、受注者にとって事業促進PPP

の受注意欲が向上しないという課題がある。事業上流段階で事業促進PPPに参画した者が継続的に

業務・工事に携わることは、品質確保、生産性向上等の観点からのメリットがあることから、公平中

立性、透明性の確保に留意しながら、事業促進PPPの受注者が継続的に業務・工事に携わることを

過度に制限しない発注方法や条件等について検討が必要である。

4.2.3 技術提案・交渉方式の活用

大規模なトンネル工事、橋梁工事、橋梁補修工事等、高度な専門性を必要とし、調査・設計段階か

ら、施工者のノウハウを導入することで、事業の促進を図ることができる場合には、技術提案・交渉

方式を適用するのがよい。技術提案・交渉方式を適用することにより、施工者が事業の上流段階にお

いて、効率的な施工が行えるよう、測量・調査・設計業務等への技術協力、地元及び関係行政機関等

との協議支援、近隣工事等との工程調整等、事業促進PPPと類似したマネジメント業務に携わるこ

とができ、価格等交渉が成立した場合には、事業の上流段階でマネジメント業務に携わった者が引き

続き施工まで携わることができる。ただし、技術提案・交渉方式についても、適用事例が少なく、大

規模災害復旧・復興事業において効果を発揮させるため、適用を拡大し、経験を蓄積しておくことが

重要である。

4.2.4 過去の業務実績等の適切な活用

事業促進PPPは、①全体事業計画の整理、②測量・調査・設計業務等の指導・調整等、③地元及

び関係行政機関等との協議、④事業管理等、⑤施工管理等のマネジメント業務を、直轄職員が柱とな

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43

り、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するものである。事業

促進PPPを行う者としての適正を適切に評価するため、過去の事業促進PPP、CM、PM、技術

提案・交渉方式の技術協力業務、工事・業務をマネジメントした実務経験等の実績等がテクリス登録

等により適切に記録され、マネジメント業務の実績等が、将来の事業促進PPPの入札段階において、

適切に活用されることが重要である。

なお、事業促進PPPは、積算、監督、技術審査等の比較的定型的な補助業務を行う発注者支援業

務、単純な資料作成を行う資料作成補助業務とは区別される。業務件名が、CM、PM、事業監理業

務等であっても、実質的な業務内容が、積算、監督、技術審査等の発注者支援業務、単純な資料作成

を行う資料作成補助業務と同様の場合は、事業促進PPPの実績とみなすことは適切でないので注意

が必要である。

4.2.5 地方公共団体が行う事業への適用

本ガイドラインは、地方公共団体等の発注者が体制を強化する場合にも、参考となる点はあるもの

の、技術職員を有する国土交通省の直轄事業への適用を前提に、事業のマネジメント能力を有する直

轄職員が柱となり、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するも

のとなっている。そのため、地方公共団体の事業に適用する場合には、発注者の体制の状況に応じて、

受注者が行う業務範囲等が異なることが考えられるため、別途検討が必要である。一方で、技術職員

が一定数存在する地方公共団体においては、発注者の体制の状況等を考慮しながら、監理業務受注者

が行う業務範囲等を見直しつつ、本ガイドラインを準用できる場合もある。

地方公共団体が行う災害復旧・復興事業、大規模事業等においても、発注者体制を強化するニーズ

はあると考えられるため、引き続き、地方公共団体が行う事業への適用拡大方法について検討してい

く必要がある。

4.2.6 準委任契約への対応

事業促進PPPは、①全体事業計画の整理、②測量・調査・設計業務等の指導・調整等、③地元及

び関係行政機関等との協議、④事業管理等、⑤施工管理等のマネジメント業務を、直轄職員が柱とな

り、官民双方の技術者が有する多様な知識・豊富な経験を融合させながら実施するものである。本ガ

イドラインは、受発注者が一体となった業務の進め方、役割分担の詳細は、2.4 業務内容において記

載している。また、過去の事業促進PPP導入事例における有効な取り組み事例、直轄事業で多いリ

スク事例を併記し、発注者と監理業務受注者が業務内容に対して共通の認識を持てるよう配慮してい

る。しかしながら、事業促進PPPは、事業の過程において様々な不確定要素があり、契約締結段階

から業務内容や成果物の仕様を明確にしづらい面があり、事業促進PPPは、成果物に対して報酬を

支払う請負契約ではなく、業務上の行為に対して報酬を支払う準委任契約の形態をとるのが望ましい

との指摘がある。

準委任契約への対応にあたっては、発注者支援業務を含む土木工事全般における請負契約、準委任

契約との関係の整理が必要であるとともに、事業促進PPPの担い手の確保・育成、実績・資格等を

評価する仕組みが整備途上にある現状において、成果物ではなく、業務上の行為に対して報酬を支払

う準委任契約として実施することの影響等について、十分な検証が必要となる。

4.2.7 積算方法

事業促進PPPは、標準的な歩掛が設定されていないため、業務の積算は受注者から提出される見

積を参考に実施する。現時点では、事業促進PPPの担い手の確保・育成の途上にあり、業務内容に

ついて不慣れな面があることから、今後、事業促進PPPの実施状況、普及・展開の状況等を踏まえ

ながら、標準的な歩掛の設定について検討していくことが必要となる。

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44

5.業務説明書、仕様書の記載例

5.1 業務説明書の記載例

業務説明書の記載例(プロポーザル方式の場合)を以下に示す。以下は、標準的な記載方法の一例

であるため、地方整備局毎の記載例、ひな形等がある場合は、それらとの整合が必要である。

業務説明書

〇〇地方整備局の平成〇〇年度〇〇事業監理業務に係る手続開始の公示に基づく手続き(「手続開

始の公示」という。)については、関係法令に定めるもののほか、この業務説明書によるものとする。

なお、この業務説明書と手続開始の公示に齟齬がある場合は、手続開始の公示を優先するものとす

る。

1.手続開始の公示日 平成〇〇年〇月〇日

2.契約担当官等

分任支出負担行為担当官 〇〇地方整備局〇〇河川国道事務所長 〇〇 〇〇

郵便〇-〇 〇〇県〇〇市〇〇

3.業務の概要

(1)業務名 平成〇〇年度 〇〇事業監理業務

(2)業務の目的

本業務は、〇〇地区における〇〇事業の効率的かつ確実な事業推進を図るため、全体事業計画の整

理、測量・調査・設計業務等に対する指導・調整等、地元及び関係行政機関との協議、事業管理等、

施工管理等を行う業務である。

(3)業務内容

・全体事業計画の整理

・測量・調査・設計業務等に対する指導・調整等

・地元及び関係行政機関との協議

・事業管理等

・施工管理等

本業務において、技術提案を求めるテーマは以下に示す2つの事項である。

1)・・・・・

2)・・・・・

(4)主たる部分

本業務における「主たる部分」は土木設計業務等共通仕様書第 1128 条第 1 項に示す他に次のとおり

とする。

・・・・・・・

(5)再委託の禁止

本業務について、主たる部分の再委託を認めない。

(6)その他

本業務の特記仕様書(案)は別添-1のとおりである。

4.担当部局

・・・・・・

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45

5.業務実施上の条件

・・・・・・

6.参加表明書の提出方法、提出先及び提出期限

(1)作成方法

参加表明書の様式は、様式-〇~〇に示されるとおりとするが、配布された様式を基に作成を行う

ものとし、文字サイズを10ポイント以上とする。

配置予定主任技術者(事業管理・調査・設計)〇名(施工)〇名の提案とする。

なお、提出にあたっては下記に留意すること。

記載事項 内容に関する留意事項

参加表明者の業務実績 ・参加表明者が過去に受注した業務実績について記載する。

・手続開始の公示〇.〇に規定する業務に関する実績を対象とする。

・平成〇〇年度以降公示日までに完了した工事または業務とする。

・記載する件数は1件とする。

・記載様式は様式-〇とする。

配置予定管理技術者の

経歴等

・配置予定管理技術者について手続開始の公示〇.〇に示す、資格・業

務実績について記載する。保有資格の資格証等の写しを添付すること。

・手持ち業務は平成〇〇年〇月〇日現在、国土交通省以外の発注者(国

内外を問わず)のものも含めて全て記載する。

手持ち業務とは管理技術者、主任技術者又は担当技術者となっている

契約金額500万円以上の他の業務とし、本業務以外の業務で配置予定

技術者として未契約業務(特定後未契約のもの及び落札決定通知(予定

も含む)を受けているが未契約のものを含む。)がある場合は、手持ち

業務の記載対象とし業務名の後に「未契約」と明記するものとし、参考

見積金額を契約金額として記載する。

・業務実績とは、手続開始の公示〇.〇に示す実績を記載する。

・記載様式は様式-〇,〇とする。

・参加表明書の提出者と「直接的雇用関係」に関する要件の確認(様式

-10)を添付すること。ただし、参加表明書提出日までに、「直接的雇用

関係」が提出者と予定管理技術者の両者において成立していない場合、

「契約日までに「直接的雇用関係」が成立する趣旨の証明(様式自由)

を添付すること。

業務実施体制 ・業務分担について記載する。1者単独により、業務を実施する場合に

は、その旨を記載する。ただし、他の建設コンサルタント等に当該業務

の一部を再委託する場合又は学識経験者の技術協力を受けて業務を実施

する場合は、備考欄にその旨を記載するとともに、再委託先又は協力先、

その理由を記載すること。また、業務の主たる部分を再委託する場合、

業務の分担構成が不明確又は不自然な場合は、選定しない。

・配置予定技術者の業務実施体制について記載すること。

・記載様式は様式-〇とする。

配置予定主任技術者の

経歴等

・配置予定主任技術者(事業管理・調査・設計)について手続開始の公

示〇.〇に示す、資格・業務実績について記載する。保有資格の資格証

等の写しを添付すること。

・業務実績とは、配置予定主任技術者(事業管理・調査・設計)につい

て手続開始の公示〇.〇に示す実績を記載する。

・記載様式は様式-〇,〇とする。

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46

(2)提出方法等

参加表明書の提出は、手続開始の公示〇.〇に掲げる一般競争(指名競争)参加資格の認定を受け

ていない者又は、手続開始の公示〇.〇に掲げる設計共同体としての資格の認定を受けていない者も

提出することができるが、その者が技術提案書の提出者として選定された場合であっても、技術提案

書を提出するためには、平成〇〇年〇月〇日において、当該資格の認定を受けていなければならない。

ただし、「建設コンサルタント業務等における共同設計方式の取り扱いについて」(平成 26 年 7

月 11 日付け国地契第 20 号、国官技第 99 号、国営整第 84 号)の7の設計共同体の構成員の一部が指

名停止措置を受けた場合の取り扱いにおける申請期限の特例については、「特定建設工事共同企業体

の構成員の一部が指名停止を受けた場合の取扱いについて」(平成 10 年 3 月 9 日付け建設省厚契発第

18 号、建設省技調発第 22 号)を準用し、別表2②に示す期日とする。

提出期限内に参加表明者が提出場所に到達しなかった場合は選定されない。

1)提出期間:別表2③に示す日時

2)提出場所:手続開始の公示〇.〇のとおり。

3)提出方法:①電子入札対応の場合

電子入札システムにより提出。ただし、容量が3MBを超える場合、または発注者

が郵送または持参での提出を求めた場合、持参又は郵送(書留郵便に限る。提出期限までに必着)す

ること。

②発注者の承諾を得て紙入札方式により提出する場合

持参又は郵送(書留郵便に限る。提出期限までに必着)すること。

4)電子入札システムで提出する場合の注意事項:

電子入札システムにより参加表明書を提出する場合は、配布された様式で作成するものとし、参加

表明書に必要な書類は、MS-WORD(拡張子:*.doc)、一太郎(拡張子:*.jaw、*.jbw、*.jfw、

*.jtd)、Excel2003、PDF 形式で作成することとし、いずれか一つのファイルで提出すること。契

約書などの印がついているものは、スキャナーで読み込み本文に貼り付けること。各種ファイルを圧

縮(LZH形式に限る。)したものを提出可能である。

なお、参加表明書は、参加表明書の画面の「添付資料追加」のボタンでファイルを添付し、送信する

こと。

また、参加表明書及び技術提案書は3MBまでのファイルを添付できるようになっているが、ファイ

ル容量が3MBを超える場合は、全ての書類を郵送(書留郵便に限る。提出期限までに必着。)もし

くは持参により提出すること。

この場合、必要書類1式を郵送または持参するものとし、電子入札システムでの提出との分割は認め

ない。

郵送する際は、表封筒に「『平成〇〇年度〇〇事業監理業務』に係る参加表明書及び技術提案書別添

資料在中」と明記する。また、電子入札システムにより、下記の内容を記載した書面(別紙〇)を参

加表明書の画面の「添付資料追加」のボタンで添付し、送信すること。

①郵送(持参)する旨の表示

②郵送(持参)する書類の目録

③郵送(持参)する書類のページ数

④発送(持参)年月日

(3)参加表明書表紙の押印は、電子認証書が実印と同等の機能を有するので、不要である。ただし、

郵送または持参による場合は押印すること。

(4)プリントアウト時に規定の枚数内となるように設定しておくこと。なお、送信された参加表明

書のプリントアウトは白黒印刷で行う。

(5)関連資料

1)手続開始の公示〇.〇及び手続開始の公示〇.〇の同種業務の実績として記載した業務に係る契

約書等の写しを提出すること。ただし、当該業務が、一般財団法人日本建設情報総合センターの「業

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47

務実績情報システム(テクリス)」に登録されている場合は、契約書等の写しを提出する必要はない。

しかし、配置予定管理技術者等が以前勤めていた会社での実績を挙げる場合は、その会社に在職して

いたことを証明する資料を提出すること。また、婚姻等により氏名が変更になっている場合について

も、前氏名が確認できる資料を提出すること。

また、発注者として同種業務に従事した経験については、業務実績に係わる経歴書等を提出すること。

2)手続開始の公示〇.〇及び手続開始の公示〇.〇の同種業務の実績として記載した業務に係わる

業務成績評定通知書の写しを提出すること。ただし、当該実績が国土交通省及び内閣府沖縄総合事務

局開発建設部以外の機関が発注したものにあっては、業務成績評定通知書の写しを提出する必要はな

い。

3)手続開始の公示〇.〇及び手続開始の公示〇.〇の保有資格については、資格証の写しを添付す

ること。

7.非選定理由に関する事項

(1)参加表明書を提出した者のうち、技術提案書の提出者として選定されなかった者に対しては、

選定されなかった旨と、その理由(非選定理由)を電子入札システムにより通知する。なお、紙入札

方式の場合は書面(非選定通知書)により通知する。

(2)上記(1)の通知を受けた者は、分任支出負担行為担当官に対して非選定理由について、次に

従い、説明を求めることができる。

1)受領期限:別表2④に示す日時

2)提出場所:手続開始の公示〇.(〇)のとおり。

3)提出方法:電子入札システムにより提出すること。ただし、書面は持参することにより提出する

こともできる。郵送又は電送によるものは受け付けない。

(3)分任支出負担行為担当官は、説明を求められたときは、別表2⑤に示す日までに説明を求めた

者に対し電子入札システムにより回答する。ただし、書面により説明を求めた者は、書面により回答

する。

(4)非選定理由の説明書請求の受付場所及び受付時間は以下の通りである。

1)受付場所:手続開始の公示〇.(〇)のとおり。

2)受付時間:9時から17時まで。

8.説明書の内容についての質問の受付及び回答

(1)業務説明書に対する質問がある場合においては、次に従い、書面(様式は自由)により提出す

ること。

1)提出期間:別表2⑥に示す日時

2)提出場所:手続開始の公示〇.(〇)のとおり。

3)提出方法:電子入札システムにより提出すること。ただし、書面を持参し、又は郵便(書留郵便

に限る)により提出することもできる。電送(ファクシミリ)によるものは受け付けない。

(2)質問に対する回答は、別表2⑦に示す日までに質問者に対して電子入札システムにより回答す

る。ただし、書面により説明を求めた者は、書面により回答する。そのほか下記のとおり閲覧に供す

る。

1)閲覧場所:手続開始の公示〇.(〇)のとおり。

2)閲覧期間:別表2⑧に示す日時。

(3)電子入札システムによる質問書の提出にあたっては、質問書に業者名(過去に受注した具体的

な業務名等の記載により、業者名が類推される場合も含む。)を記載しないこと。このような質問が

あった場合には、選定又は特定しない場合がある。

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48

9.技術提案書作成上の基本事項

プロポーザルは、調査、検討、および設計業務における具体的な取り組み方法について提案を求め

るものであり、成果の一部の提出を求めるものではない。本説明書において記載された事項以外の内

容を含む技術提案書については、提案を無効とする場合があるので注意すること。

(1)技術提案書を特定するための評価基準

技術提案書の評価項目、判断基準、ならびに評価のウェートは、以下のとおりである。

1)実施方針

評価項目 評価の着目点 評価のウェ

ート

判断基準 書面 ヒア

リング

実施方針

(様式-

〇)

理解度・

実施体制

①事業促進 PPP の目的、業務内容、現地条件、与条件、不確

定要素を十分に理解し、業務内容、規模、不確定要素に応じ

た実施方針、実施体制が示されている場合に優位に評価する。

②事業促進 PPP の目的、業務内容を踏まえた実施方針、実施

体制が示されている場合に優位に評価する。

③業務の内容、規模等に応じた実施方針、実施体制が示され

ている場合に優位に評価する。

下記のいずれかに該当する場合は特定しない。

①業務の分担構成が、不明確又は不自然な場合

②設計共同体による場合に、業務の分担構成が細分化され過

ぎている場合

20

小 計 20

2)評価テーマ

評価項目 評価の着目点 評価のウエート

判断基準 書面 ヒアリング

評価テーマに

関する技術提

案(様式-〇)

予定管理技術

者の〇〇事業

に関する実務

経験を踏まえ、

事業管理を的

確に実施する

上でのポイン

専門技術力

実現性

①事業促進 PPPの目的と実務経験を踏

まえた提案内容であることが伺え、ポ

イントの着眼点が的確で、本業務に有

効である場合に優位に評価する。

②事業促進PPPの目的を踏まえた

提案内容になっている場合に優位に

評価する。

③提案内容に具体性があり説得力が

ある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に

著しく欠ける場合は特定しない。ま

た、参考見積の対象外の技術提案につ

いては加点しない。

40

予定主任技術

者の〇〇事業

に関する実務

経験を踏まえ、

施工段階の手

戻りを回避す

①事業促進 PPPの目的と実務経験を踏

まえた提案内容であることが伺え、ポ

イントの着眼点が的確で、本業務に有

効である場合に優位に評価する。

②事業促進PPPの目的を踏まえた

提案内容になっている場合に優位に

40

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49

るため、測量・

調査・設計業務

等の指導・調整

等における留

意事項

専門技術力

実現性

評価する。

③提案内容に具体性があり説得力が

ある場合に優位に評価する。

業務の専門技術力もしくは実現性に

著しく欠ける場合は特定しない。ま

た、参考見積の対象外の技術提案につ

いては加点しない。

小計 80

3)業務コストの妥当性

評価項目 評価の着目点 評価のウェート

判断基準 書面 ヒアリング

コスト 業務コスト

の妥当性

提示した業務規模と大きくかけ離れている

か、または提案内容に対して見積もりが不適

切な場合には特定しない。

4)技術提案の評価にあたっては、上記の非特定要件以外に、以下のいずれかに該当する場合も特定

しない。

・「実施方針」の評価の合計が満点の6割未満の場合。

・「評価テーマに対する技術提案」の評価の合計が満点の6割未満の場合。

5)評価値が同点の場合の特定者決定方法

評価の合計点の最高得点者が複数者いる場合、下記の 1)から 3)の順で1者を特定するものとする。

ただし、 2)以下はその上記項目が同点の場合適用する。

1)技術提案の評価テーマの得点が高いもの

2)技術提案の実施方針の得点が高いもの

3)平成〇〇・〇〇年度〇〇地方整備局有資格者名簿の上位の者

10.技術提案書の提出等

(1)作成方法

技術提案書の様式は、様式-〇~様式-〇に示されるとおりとする。なお、文字サイズは10ポイ

ント以上とする。文字サイズが10ポイント未満の記載については、評価対象外とする。(図表は、

必ずしもこの限りではない)

業務に関する実施方針の記載にあたっては、1 枚に記載すること。

評価テーマの記載にあたっては、1テーマにつき、1 枚に記載すること。

9.(1)1)及び2)の評価の着目点を踏まえ、これに応じた様式に提案内容を記載すること。

(2)技術提案書の無効

本説明書において記載された事項以外の内容を含む技術提案書、又は書面及び別添の書式に示され

た条件に適合しない技術提案書については、提案が無効となるので注意すること。

また、手続開始の公示〇.〇の技術提案書の提出者に要求される資格要件を満たさない者の提出した

技術提案書は無効とする。

(3)実施方針

業務の実施方針について簡潔に記載すること。

なお、「業務理解度」、「その他」に応じた提案をそれぞれ指定された記載欄に記載することとし、

異なる記載欄に記載された提案については評価対象外とする。また、記載はA4版1枚以内とするこ

と。1枚を超えた記載内容については無効とする。

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(4)評価テーマ

業務説明書3.業務の概要(3)業務内容に示した、評価テーマに対する取り組み方法を具体的に

記載すること。異なる記載欄に記載された提案については評価対象外とする。

また、概念図、出典の明示できる図表、既往成果、現地写真を用いることに支障はないが、本件のた

めに作成したCG、詳細図面等を用いることは認めない。

記載にあたっては、1テーマにつきA4版1枚以内に記載すること。1枚を超えた記載内容について

は無効とする。

(5)参考見積もりの提出について

本業務を実施するための必要な経費を概算し、参考見積もりとして提出すること。(様式自由)参

考見積もりは下記で提示する業務規模と大きくかけ離れていないこと等を確認するために用いる。

・本業務の参考業務規模:〇.〇億円程度(税込み)を想定している。

(6)特定された者に対しては、特定された旨を電子入札システムにより通知する。なお、紙入札方

式の場合は書面により通知する。

(7)提出方法、提出先及び提出期限

1)提出方法

①電子入札対応の場合

電子入札システムにより提出すること。ただし、容量が3MBを超える場合、または発注者が郵送

または持参での提出を求めた場合、郵送(書留郵便に限る。提出期限までに必着。)または、持参に

よるものとする。

②発注者の承諾を得て紙入札方式により提出する場合。

郵送(書留郵便に限る。提出期限までに必着。)または、持参によるものとする。

2)電子入札システムで提出する場合の注意事項

電子入札システムにより技術提案書を提出する場合は、配布された様式で作成するものとし、技術提

案書に必要な書類は、Microsoft Word2010 形式以下、Microsoft Excel2010 形式以下、 Just System

一太郎 Pro3 形式以下及び PDF ファイル形式で作成することとし、いずれか一つのファイルで提出するこ

と。契約書などの印がついているものは、スキャナーで読み込み本文に貼り付けること。各種ファイ

ルを圧縮(LZH形式に限る。)したものを提出可能である。

参加表明書の画面にて、参加表明書及び技術提案書1つのファイルにまとめて「添付資料追加」の参

照ボタンでファイルを添付し、送信すること。

また、参加表明書及び技術提案書は3MBまでのファイルを添付できるようになっているが、ファイ

ル容量が3MBを超える場合は、全ての書類を郵送(書留郵便に限る。)もしくは持参により提出す

ること。

この場合、必要書類1式を郵送または持参するものとし、電子入札システムでの提出との分割は認め

ない。

郵送する際は、表封筒に「『平成〇〇年度 〇〇事業監理業務』に係る参加表明書及び技術提案書別添

資料在中」と明記する。また、電子入札システムにより、下記の内容を記載した書面(別紙1)を参

加表明書の画面の「添付資料追加」のボタンで添付し、送信すること。

①郵送(持参)する旨の表示

②郵送(持参)する書類の目録

③郵送(持参)する書類のページ数

④発送(持参)年月日

3)発注者の承諾を得て紙入札方式による場合

持参により提出する。紙入札方式で参加しようとする場合は、〇〇地方整備局電子入札運用基準の様

式1を発注者に提出し、承諾を得なければならない。この場合、書面を持参または郵送(書留郵便に

限る)により提出するものとし、電送(ファクシミリ)によるものは受け付けない。 なお、〇〇地方

整備局の入札運用基準は、〇〇地方整備局のホームページ

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51

(http://www.***.mlit.go.jp/)の入札・契約情報よりダウンロードできます。

4)提出先 :手続開始の公示〇.〇のとおり。

5)提出期限:別表2③に示す日時。

(8)技術提案書表紙の押印は、電子認証書が実印と同等の機能を有するので、不要である。ただし、

郵送または持参による場合は押印すること。

(9)技術提案書提出の電子入札システム操作について

1)提出方法

電子入札システムでの技術提案書の提出は、参加表明書と1つのファイルで提出するようになるた

め、選定通知書を受理後に、【別添】「技術提案書の提出について」を技術提案書の画面の「添付資

料追加」のボタンで添付し、送信すること。

2)提出期間:平成〇〇年〇月〇日(〇)~平成〇年〇月〇〇日(〇)

上記期間の土曜日、日曜日及び祝日を除く毎日9時から17時まで

11.ヒアリング

(1)以下の通りヒアリングを行う。

実施場所:〇〇地方整備局〇〇河川国道事務所内実施予定日:別表2⑨に示す日

予備日:別表2⑨に示す日

時間:20分程度

出席者:配置予定管理技術者、予定主任技術者(事業管理、関係機関調整、調査・設計・施工管理、

トンネル) 予定主任技術者 (施工担当)

(2)ヒアリングの時刻、詳細な場所、留意事項等は別途通知する。

(3)ヒアリングでは、技術提案書に記載された事項について質疑応答を行う。

(4)ヒアリング時の追加資料は受理しない。

(5)入札参加者の責によりヒアリングに出席できなかった場合は、技術提案書の内容について確認

できないため、評価しない。

12.非特定理由に関する事項

(1)技術提案書を提出した者のうち、特定されなかった者に対しては、特定されなかった旨と、そ

の理由(非特定理由)を電子入札システムにより通知する。なお、紙入札方式の場合は書面(非特定

通知書)により通知する。

(2)上記(1)の通知を受けた者は、分任支出負担行為担当官に対して非特定理由について、次に

従い、説明を求めることができる。

1)提出期限:別表2⑩に示す日。

2)提出場所:手続開始の公示〇.〇のとおり。

3)提出方法:電子入札システムにより提出すること。ただし、書面は持参することにより提出する

こともできる。郵送又は電送によるものは受け付けない。

(3)分任支出負担行為担当官は、説明を求められたときは、別表2⑪に示す日までに説明を求めた

者に対し電子入札システムにより回答する。ただし、書面により説明を求めた者は、書面により回答

する。

13.契約書作成の要否等

〇〇地方整備局ホームページ(http://www.***.mlit.go.jp)の入札・契約情報の事業・施工調査業務

委託契約書書式により、契約書を作成するものとする。

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14.支払い条件

前払金 無

部分払金 3回以内

15.火災保険付保の要否 否

16.再苦情申立

非選定理由及び非特定理由の説明に不服がある者は、7.(3)及び12.(3)の回答を受けた

日の翌日から起算して7日(土曜日、日曜日及び祝日等(行政機関の休日に関する法律(昭和 63 年

法律第 91 号)第1条に規定する行政機関の休日(以下「休日等」という。))を除く)以内に、書

面により、〇〇地方整備局長に対して、再苦情の申立を行うことができる。当該再苦情の申立につい

ては、入札監視委員会が審議を行う。

〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市〇〇〇-〇-〇(〇〇合同庁舎〇階)

国土交通省〇〇地方整備局入札監視委員会事務局

担当:主任監査官(内線〇〇〇〇)・総務部契約課(内線〇〇〇〇) 電話:〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇

〇(代)

(受付時間:休日等を除く 毎日 9時30分から17時00分まで)

17.関連情報を入手するための照会窓口

手続開始の公示4.(1)に同じ。

18.その他の留意事項

(1)契約等の手続きにおいて使用する言語及び通貨は、日本語及び日本国通貨に限る。

(2)手続開始の公示〇.〇、手続開始の公示〇.〇及び手続開始の公示〇.〇及び手続開始の公示

〇.〇の同種業務の実績については、我が国及びWTO政府調達協定締約国その他建設市場が開放的

であると認められる国等以外の国又は地域に主たる営業所を有する建設コンサルタント等にあって

は、我が国における同種業務実績をもって判断するものとする。

(3)本業務を受注したコンサルタント(設計共同体の各構成員を含む)及び、本業務を受注したコ

ンサルタント(設計共同体の各構成員を含む)と資本・人事面等において関連があると認められた製

造業者又は建設業者は、本業務(設計共同体による場合は、各構成員の分担業務)に係る工事の入札

に参加し又は当該工事を請け負うことができない。

上記の「本業務を受注した建設コンサルタントと資本・人事面において関連」があるとは、 次の①又

は②に該当することをいう。

① 本業務を受注した建設コンサルタントの発行済み株式総数の 100 分の 50 を超える株式を保有し、

又はその出資の総額の 100 分の 50 を超える出資をしていることをいう。

② 製造業者又は建設業者の代表権を有する役員が本業務を受注した建設コンサルタントの代表権を

有する役員を兼ねている場合におけることをいう。

(4)参加表明書及び技術提案書の作成、提出及びヒアリングに関する費用は、提出者の負担とする。

(5)参加表明書及び技術提案書に虚偽の記載をした場合には、参加表明書及び技術提案書を無効と

するとともに、虚偽の記載をした者に対して指名停止の措置を行うことがある。

また、提出された技術提案書が下記のいずれかに該当する場合は、原則その技術提案書を無効とす

る。

・参加表明書、技術提案書の全部又は一部が提出されていない場合

・参加表明書、技術提案書と無関係な書類である場合

・他の業務の技術提案書である場合

・白紙である場合

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・業務説明書に指示された項目を満たしていない場合

・発注者名に誤りがある場合

・発注案件名に誤りがある場合

・提出業者名に誤りがある場合

・その他未提出又は不備がある場合

(6)提出された参加表明書及び技術提案書は返却しない。また、提出された参加表明書及び技術提

案書は、選定及び特定以外に提出者に無断で使用しない。なお、採用された技術提案書を公開する場

合には、事前に提出者の同意を得るものとする。

(7)提出期限以降における参加表明書及び技術提案書及び資料の差し替え及び再提出は認めない。

また、参加表明書及び技術提案書に記載した予定技術者は、原則として変更できない。但し、病休、

死亡、退職等のやむを得ない理由により変更を行う場合には、同等以上の技術者であるとの発注者の

了解を得なければならない。

(8)特定された者は、参加表明書に記載した配置予定の技術者を当該業務に配置すること。

(9)同一の技術者を重複して複数業務の配置予定の技術者とする場合において、他の業務を落札し

たことにより(プロポーザル方式による場合は特定されたことにより)配置予定の技術者を配置でき

なくなったときは、直ちに技術提案書の取下げを行うこと。

(10)特定された技術提案書の内容については、当該業務の特記仕様書に適切に反映するものとする。

また、技術提案書の内容が受注者の責めにより実施されなかった場合は、業務成績評定を3点減ずる

等の措置を行う。

(11)技術提案書の特定後に、提案内容を適切に反映した特記仕様書の作成のために、業務の具体的

な実施方法について提案を求めることがある。

(12)再委託に関する相談窓口は下記のとおりとする。

国土交通省 〇〇地方整備局 〇〇河川国道事務所 〇〇分室道路班

電話 〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇(工務第〇課直通) 内線〇〇〇 FAX〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇

(13)電子入札システムは、休日等を除く毎日、9時00分から18時00分まで稼働している。ま

た、稼働時間内でシステムをやむを得ず停止する場合、稼働時間を延長する場合は、国土交通省電子

入札システムホームページで公開する。

国土交通省電子入札システムホームページアドレス http://www.e-bisc.go.jp

(14)システム操作上の手引き書としては、国土交通省発行の「電子入札準備手順書」及び「操作マ

ニュアル」を参考とすること。

「電子入札準備手順書」及び「操作マニュアル」は、国土交通省電子入札システムホームページでも

公開している。

(15)障害発生時及び電子入札システム操作等の問い合わせ先は下記のとおりとする。

・システム操作・接続確認等の問い合わせ先

国土交通省電子入札システムヘルプデスク ℡03-3505-0514

国土交通省電子入札システムホームページ http://www.e-bisc.go.jp

・ICカードの不具合等発生時の問い合わせ先

取得しているICカードの認証機関

・ただし、申請書類、応札等の締め切り時間が切迫しているなど緊急を要する場合は、〇〇地方整備

局〇〇河川国道事務所経理課契約係 ℡〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇 内線〇〇〇へ連絡すること。

(16)消費税率については、引渡し時点における消費税法(昭和 63 年法律第 108 号)及び地方税法

(昭和 25 年法律第 226 号)の施行内容によることとし、必要に応じて、引渡し時点における消費税率

を適用して契約を変更するなどの対応を行うこととする。

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別表2

① 選定通知の期日 平成〇〇年〇月〇〇日を予定する。

② 「建設コンサルタント業務等における共同設

計方式の取扱いについて」の7における申請

期限

平成〇〇年〇月〇日

③ 参加表明書及び技術提案書の提出期間 公示日から平成〇〇年〇月〇〇日までの休日

等を除く毎日、9時00分から17時00分

まで

④ 非選定理由の説明を求める場合の受領期限 選定しなかった旨の通知をした日の翌日から

起算して5日(休日を含まない。)以内の1

7時まで

⑤ 非選定理由の説明を求められた時の回答期日 提出期限の翌日から起算して5日以内

⑥ 説明書に対する質問提出期間 公示日から平成〇〇年〇月〇〇日までの土曜

日、日曜日及び祝日を除く毎日、9時00分

から17時00分まで

⑦ 説明書に対する質問に関する回答期限 質問を受理した日から7日(休日等を除く)

以内

⑧ 説明書に対する質問に関する回答閲覧期間 回答の翌日から見積り日の前日までの休日等

を除く毎日、9時00分から17時00分ま

⑨ ヒアリングの実施予定日及び予備日 実施予定日:平成〇〇年〇月〇日 予備日:平

成〇〇年〇月〇日

⑩ 非特定理由の説明を求める場合の提出期限 特定しなかった旨の通知をした日の翌日から

起算して7日(休日を含まない。)以内の1

7時まで

⑪ 非特定理由の説明を求められた時の回答期日 提出期限の翌日から起算して10日以内

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5.2 共通仕様書(案)の記載例

共通仕様書(案)の記載例を以下に示す。以下は、標準的な記載方法の一例であるため、地方整備

局毎の記載例、ひな形等がある場合は、それらとの整合が必要である。

第 1 条 適用

1.事業監理業務共通仕様書(以下「共通仕様書」という。)は、国土交通省〇〇地方整備局の発注

する事業監理業務(以下、「業務」という。)に係る契約書及び設計図書の内容について、統一的な

解釈及び運用を図るとともに、その他の必要な事項を定め、もって契約の適正な履行の確保を図るた

めのものである。

2.設計図書は、相互に補完しあうものとし、そのいずれかによって定められている事項は、契約の

履行を拘束するものとする。

3.特記仕様書、図面、共通仕様書又は指示や協議等に間に相違がある場合、又は図面からの読み取

りと図面に書かれた数字が相違する場合など業務の遂行に支障を生じたり、今後相違することが想定

される場合、受注者は調査職員に確認して指示を受けなければならない。

4.設計業務等、測量業務及び地質・土質調査業務等に関する業務については、各共通仕様書による

ものとする。

第 2 条 用語の定義

共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところによる。

1.「発注者」とは、支出負担行為担当官若しくは分任支出負担行為担当官又は契約担当官若しくは

分任契約担当官をいう。

2.「受注者」とは、業務の実施に関し、発注者と委託契約を締結した個人若しくは会社その他の法

人をいう。又は、法令の規定により認められたその一般承継人をいう。

3.「事業監理業務」とは、発注者と事業促進PPPの受注者が一体となり、事業に関するマネジメ

ントを行う業務をいう。事業は、複数の業務、工事より構成される。

4.「監理業務受注者」とは、事業促進PPPの受注者をいう。

5.「調査職員」とは、契約図書に定められた範囲内において受注者又は管理技術者に対する指示、

承諾又は協議等の職務を行う者で、契約書第9条第1項《調査職員の条項》に規定する者であり、総

括調査員、主任調査員及び調査員を総称していう。

6.「総括調査員」とは、業務の総括業務を担当し、主に管理技術者に対する指示、承諾又は、協議

のうち重要なものの処理及び重要な業務内容の変更、一時中止の必要があると認める場合における契

約担当官等(会計法第29条の3第1項に規定する契約担当官等をいう。)への報告を行い、 主任調

査員、調査員の指揮監督を行う者をいう。

重要なものの処理及び重要な業務内容の変更とは、契約変更に係る指示、承諾等をいう。

7.「主任調査員」とは、業務を担当し、主に管理技術者に対する指示、承諾又は協議の処理(重要

なものを除く。)、業務内容の変更(重要なものを除く。)及び総括調査員への報告、調査員への指示

を行う者をいう。

8.「調査員」とは、業務を担当し、主に、総括調査員又は主任調査員が指示、承諾を行うための内

容確認及び総括調査員又は主任調査員への報告を行う者をいう。

9.「検査職員」とは、業務の完了検査及び指定部分に係る検査にあたって、契約書第32条第2項

《検査等の条項》の規定に基づき、検査を行う者をいう。

10.「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統括等を行う者で、契約書第10条第

1項《管理技術者等の条項》の規定に基づき、 受注者が定めた者をいう。

11.「主任技術者」とは、管理技術者のもとで業務の執行にあたり、主に技術上の監理をつかさどる

者で、受注者が定めた者( 管理技術者、担当技術者を除く。)をいう。

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12.「担当技術者」とは、管理技術者のもとで業務を担当する者で、受注者が定めた者(管理技術者、

主任技術者を除く。)をいう。

13.「委任」とは、全権を与えるものではなく、判断・意志決定については調査職員の承諾を受けて

行うものとする。

14.「契約図書」とは、 契約書及び設計図書をいう。

15.「契約書」とは、事業・施工調査業務委託契約書をいう。

16.「設計図書」とは、仕様書、図面、数量総括表、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書を

いう。

17.「仕様書」とは、共通仕様書及び特記仕様書(これらにおいて明記されている適用すべき諸基準

を含む。)を総称していう。

18.「共通仕様書」とは、業務に共通する技術上の指示事項等を定める図書をいう。

19.「特記仕様書」とは、共通仕様書を補足し、業務の実施に関する明細又は特別な事項を定める図

書をいう。

20.「数量総括表」とは、業務に関する工種、設計数量及び規格を示した書類をいう。

21.「現場説明書」とは、業務の入札等に参加する者に対して、発注者が当該業務の契約条件を説明

するための書類をいう。

22.「質問回答書」とは、現場説明書に関する入札等参加者からの質問書に対して、発注者が回答す

る書面をいう。

23.「図面」とは、入札等に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図面及

び図面のもとになる計算書等をいう。

24.「指示」とは、調査職員が受注者に対し、業務の遂行上必要な事項について書面をもって示し、 実

施させることをいう。

25.「請求」とは、発注者又は受注者が契約内容の履行あるいは変更に関して相手方に書面をもって

行為、あるいは同意を求めることをいう。

26.「通知」とは、発注者若しくは調査職員が受注者に対し、又は受注者が発注者若しくは調査職員

に対し、業務に関する事項について書面をもって知らせることをいう。

27.「報告」とは、受注者が調査職員に対し、業務の遂行に係わる事項について、書面をもって知ら

せることを言う。

28.「申し出」とは、受注者が契約内容の履行あるいは変更に関し、発注者に対して書面をもって同

意を求めることをいう。

29.「承諾」とは、受注者が調査職員に対し、書面で申し出た業務の遂行上必要な事項について、調

査職員が 書面により業務上の行為に同意することをいう。

30.「質問」とは、不明な点に関して書面をもって問うことをいう。

31.「回答」とは、質問に対して書面をもって答えることをいう。

32.「協議」とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者又は調査職員と受注者が対等の

立場で合議することをいう。

33.「提出」とは受注者が調査職員に対し、業務に係わる事項について書面又はその他の資料を説明

し、差し出すことをいう。

34. 「書面」とは、手書き、印刷等の伝達物をいい、発行年月日を記録し、署名又は捺印したものを

有効とする。

1)緊急を要する場合は、ファクシミリ又は電子メールにより伝達できるものとするが、後日書面と

差し換えるものとする。

2)電子納品を行う場合は、別途調査職員と協議するものとする。

35.「打合せ」とは、業務を適正かつ円滑に実施するために管理技術者と調査職員が面談により、業

務の方針及び条件等の疑義を正すことをいう。

36.「検査」とは、契約書第32条《検査等の条項》に基づき、検査職員が業務の完了を確認するこ

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57

とをいう。

37.「協力者」とは、受注者が業務の遂行にあたって、再委託する者をいう。

38.「使用人等」とは、協力者又はその代理人若しくはその使用人その他これに準ずるものをいう。

39.「了解」とは、契約図書に基づき、調査職員が受注者に指示した処理内容・回答に対して、理解

して承認することをいう。

40.「受理」とは、契約図書に基づき、受注者、調査職員が相互に提出された書面を受け取り、内容

を把握することをいう。

第 3 条 業務の着手

受注者は、特記仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後15日以内に業務等に着手しなければ

ならない。この場合において、着手とは管理技術者が業務の実施のため調査職員との打合せを行うこ

とをいう。

第 4 条 調査職員

1.発注者は、業務における調査職員を定め、受注者に通知するものとする。

2.調査職員は、契約図書に定められた事項の範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うも

のとする。

3.契約書の規定に基づく調査職員の権限は、契約書第9条第2項《調査職員の権限の条項》に規定

した事項である。

4.調査職員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合、

調査職員が受注者に対し口頭による指示等を行った場合には、受注者はその指示等に従うものとする。

調査職員は、その指示等を行った後7日以内に書面で受注者に指示するものとする。

第 5 条 管理技術者

1.受注者は業務における管理技術者を定め、発注者に通知するものとする。

2.管理技術者に委任できる権限は契約書第10条第2項《管理技術者等の条項》に規定した事項の

ほか、業務の実施にあたって、主に測量・調査・設計業務等受注者に対する指示・承諾または協議の

調整とし、調査職員と同等な立場とする。ただし、受注者が管理技術者に委任できる権限を制限する

場合は発注者に書面をもって報告しない限り、管理技術者は受注者の一切の権限(契約書第10条第

3項《管理技術者等の条項》の規定により行使できないとされた権限を除く。)を有するものとされ

発注者及び調査職員は管理技術者に対して指示等を行えば足りるものとする。

3.管理技術者は、業務内容について主任技術者及び担当技術者が適切に行うように、指揮監督しな

ければならない。

4.受注者は、原則として競争参加資格確認申請書に記載した予定管理技術者を管理技術者に定めな

ければならない。ただし、病休、死亡、退職等のやむをえない理由により変更を行う場合には、同等

以上の技術者であるとの発注者の承諾を得なければならない。

5.管理技術者は、業務の履行にあたり、日本語に堪能(日本語通訳が確保できれば可)でなければ

ならない。

6.管理技術者は、調査職員 が指示する関連のある業務の受注者と十分に協議の上、相互に協力し、

業務を実施しなければならない。

7.管理技術者は、主任技術者との兼務は可能とする。

第 6 条 主任技術者の資格

主任技術者の資格については、特記仕様書で定める。受注者は主任技術者を定めた場合は、その氏

名、その他必要な事項を調査職員に提出するものとする。

なお、主任技術者は、各主任技術者とも兼務ができないものとする。

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第 7 条 担当技術者の資格

担当技術者については、資格を規定しない。なお、受注者は担当技術者を定めた場合は、その氏名、

その他必要な事項を調査職員に提出するものとする。

第 8 条 適正な技術者の配置

1.管理技術者、主任技術者及び技術者を定めるときは、当該業務の対象となる工事の受注者と、資

本・人事面において関係がある者を置いてはならない。

2.調査職員は、必要に応じて、下記に示す事項について報告を求めることができる。

一 技術者経歴・職歴

二 資本・人事面において関係があると認められると考えられる企業(建設業許可業者、製造業者等)

の名称及び受注者とその企業との関係に関する事項。

第 9 条 提出書類

1.受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に関係書類を調査職員を経て、発注者に遅

滞なく提出しなければならない。ただし、業務委託料(以下「委託料」という。)に係る請求書、請

求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、調査職員に関する措置請求に係る書類及びその他現場説明

の際に指定した書類を除く。

2.受注者が発注者に提出する書類で様式が定められていないものは、受注者において様式を定め、

提出するものとする。ただし、発注者がその様式を指示した場合は、これに従わなければならない。

3.受注者は、契約時又は変更時において、契約金額が 100 万円以上の業務について、業務実績情報

システム(テクリス)に基づき、受注・変更・完了時に業務実績情報として「 登録のための確認のお

願い」を作成し、調査職員に確認を受けたうえ、受注時は契約後 、土曜日、日曜日、祝日等を除き 10

日以内に、登録内容の変更時は変更があった日から、土曜日、日曜日、祝日等を除き 10 日以内に、完

了時は業務完了後 10 日以内に登録機関に登録申請しなければならない。なお、登録内容に訂正が必要

な場合、テクリスに基づき、「訂正のための確認のお願い」を作成し、訂正があった日から 10 日以

内に調査職員の確認を受けたうえ、登録機関に登録申請しなければならない。

受注者は、契約時において、予定価格が 1,000 万円を超える競争入札により調達される建設コンサル

タント業務において調査基準価格を下回る金額で落札した場合、業務実績情報システム(テクリス)

に業務実績情報を登録する際は、「低価格入札である」にチェックをした上で「登録のための確認の

お願い」を作成し、調査職員の確認を受けること。

また、登録機関に登録後、テクリスより「登録内容確認書」をダウンロードし、直ちに調査職員に提

出しなければならない。なお、変更時と完了時の間が 10 日間に満たない場合は、変更時の提出を省

略できるものとする。

第 10 条 打合せ等

1.業務を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者と調査職員は常に密接な連絡をとり、業務の方

針及び条件等の疑義を正すものとし、その内容についてはその都度受注者が書面(打合せ記録簿)に

記録し、相互に確認しなければならない。なお、連絡は積極的に電子メール等を活用し、電子メール

で確認した内容については、必要に応じて打合せ記録簿を作成するものとする。

2.業務着手時及び設計図書で定める業務の区切りにおいて、管理技術者と調査職員は打合せを行う

ものとし、その結果について書面(打合せ記録簿)に記録し相互に確認しなければならない。

3.管理技術者は、仕様書に定めのない事項について疑義が生じた場合は、速やかに調査職員と協議

するものとする。

第 11 条 業務計画書

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1.受注者は契約締結後14日(休日等を含む)以内に業務計画書を作成し、調査職員に提出しなけ

ればならない。

2.業務計画書には、契約図書に基づき下記事項を記載するものとする。

一 業務概要

二 実施方針(情報セキュリティに関する対策を含む)

三 業務工程

四 業務組織計画

五 打合せ計画

六 連絡体制(緊急時含む)

七 その他

3.受注者は、業務計画書の内容を変更する場合は、理由を明確にしたうえで、その都度調査職員に

変更業務計画書を提出しなければならない。

4.調査職員が指示した事項については、受注者はさらに詳細な業務計画に係る資料を提出しなけれ

ばならない。

第 12 条 官公庁への手続き等

1.受注者は、業務の実施にあたって発注者が行う関係官公庁等への手続きに協力しなければならな

い。また、受注者は、業務を実施するため、関係官公庁等に対する諸手続きが必要な場合は、速やか

に行うものである。

2.受注者が、関係官公庁等から再検討、要望、指示等を受けた場合は、遅延なくその旨を調査職員

へ報告するものとし、調査職員の承諾を得て、測量・調査・設計業務等受注者に対し、必要な対処案

の作成を指示し、その結果について調査職員と協議するものとする。

第 13 条 地元関係者との交渉

1. 地元関係者への説明、交渉等は調査職員の指示・指導により行うものとする。これらの交渉に当

たり、受注者は地元関係者に誠意を持って接しなければならない。

2.受注者は、業務の実施に当たり地元関係者から再検討、要望等を受けた場合は、遅滞なくその旨

を調査職員に報告するものとし、調査職員の承諾を得て、測量・調査・設計業務等受注者に対し、必

要な対処案の作成を指示し、その結果について調査職員と協議するものとする。説明等は原則として

調査職員の指示を受けてから行うものとし、地元関係者との間に紛争が生じないように努めなければ

ならない。

3.受注者は、設計図書の定め、あるいは調査職員の指示により受注者が行うべき地元関係者への説

明、交渉等を行う場合には、交渉等の内容を書面で随時、調査職員に報告し、指示があればそれに従

うものとする。

第 14 条 業務に必要な資料の取扱い

1.一般に広く流布されている各種基準及び参考図書等の業務の実施に必要な資料については、受注

者の負担において適切に整備するものとする。

2.調査職員は、必要に応じて、業務の実施に必要な資料を受注者に貸与するものとする。

3.受注者は、貸与された資料の必要がなくなった場合は、ただちに調査職員に返却するものとする。

4.受注者は、貸与された資料を丁寧に扱い、損傷してはならない。万一、損傷した場合には、受注

者の責任と費用負担において修復するものとする。

5.受注者は、貸与された資料については、業務に関する資料の作成以外の目的で使用、複写等して

はならない。

6.受注者は、貸与された資料を第三者に貸与、閲覧、複写、譲渡又は使用させてはならない。

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第 15 条 土地へ立ち入り等

1.監理業務受注者は、業務を実施するため国有地、公有地又は私有地に立入る場合は、調査職員及

び関係者と十分な協調を保ち業務が円滑に進捗するように努めなければならない。なお、第三者の土

地への立入について、当該土地所有者の許可は監理業務受注者が得るものとする。また、やむを得な

い理由により現地への立ち入りが不可能となった場合には、ただちに調査職員に報告し指示を受けな

ければならない。

2.監理業務受注者は、業務実施のため植物伐採、かき、さく等の除去又は土地若しくは工作物を一

時使用する時は、あらかじめ調査職員に報告するものとし、報告を受けた調査職員は、当該土地所有

者及び占有者の許可を得るものとする。

3.監理業務受注者は、前項の場合において生じた損失のため必要となる経費の負担については、設

計図書に示す外は調査職員と協議により定めるものとする。

4.監理業務受注者は、第三者の土地への立入にあたっては、あらかじめ身分証明書交付願を発注者

に提出し身分証明書の交付を受け、現地立入に際してはこれを常に携帯しなければならない。なお、

身分証明書が必要なくなった場合には延滞なく、もしくは業務完了時に発注者へ返却しなければなら

ない。

第 16 条 成果物の提出

1.受注者は、業務が完了したときは、業務の内容及び業務実施報告書をとりまとめた報告書を作成

し、調査職員に業務完了報告書とともに提出し検査を受けるものとする。

2.受注者は、設計図書に定めがある場合、又は調査職員の指示する場合で、同意した場合は履行期

間途中においても、成果品の部分引き渡しを行うものとする。

3.受注者は、成果品において使用する計量単位は、国際単位系(SI)とする。

第 17 条 関係法令及び条例等の遵守

受注者は、業務の実施にあたっては、関連する関係諸法令及び条例等を遵守しなければならない

第 18 条 検査

1.受注者は、契約書第32条第3項《検査及び引渡しの条項》の規定に基づき、業務完了報告書を

発注者に提出する際には、契約図書により義務付けられた資料の整備がすべて完了し、調査職員に提

出していなければならない。

2.発注者は、業務の検査に先立って受注者に対して書面をもって検査日を通知するものとする。こ

の場合において受注者は、検査に必要な書類及び資料等を整備しなければならない。この場合検査に

要する費用は受注者の負担とする。

3.検査職員は、調査職員及び管理技術者の立会の上、検査を行うものとする。

第 19 条 再委託

1.契約書第7条《一括再委託等の禁止の条項》に規定する「主たる部分」とは、次の各号に掲げる

ものをいい、受注者は、これを再委託することはできない。

一 業務遂行管理、業務の手法の決定及び技術的判断等

2.受注者は、コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理(単純な電算処理に限る)、トレース、資

料整理などの簡易な業務の再委託にあたっては、発注者の承諾を必要としない。

3.受注者は、第1項及び第2項に規定する業務以外の再委託にあたっては、発注者の承諾を得なけ

ればならない。

4.受注者は、業務を再委託に付する場合、書面により協力者との契約関係を明確にしておくととも

に、協力者に対して適切な指導、管理の下に業務を実施しなければならない。

なお、再委託の相手方は、国土交通省〇〇地方整備局の測量・建設コンサルタント等業務に係る一

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般競争(指名競争)参加資格の認定を受けている者である場合は、国土交通省〇〇地方整備局長から

測量・ 建設コンサルタント等業務に関し指名停止を受けている期間中であってはならない。

第 20 条 守秘義務

1.受注者は、契約書第1条第5項《秘密の保持等の条項》の規定により、業務の実施過程で知り得

た秘密を第三者に漏らしてはならない。

2.受注者は、当該業務の結果(業務処理の過程において得られた記録等を含む。)を他人に閲覧さ

せ、複写させ、又は譲渡してはならない。ただし、あらかじめ発注者の書面による承諾を得たときは

この限りではない。

3.受注者は、本業務に関して発注者から貸与された情報その他知り得た情報を第11条に示す業務

計画書の業務組織計画に記載される者以外には秘密とし、また、当該業務の遂行以外の目的に使用し

てはならない。

4.受注者は、当該業務に関して発注者から貸与された情報、その他知り得た情報を当該業務の終了

後においても他者に漏らしてはならない。

5.取り扱う情報は、アクセス制限、パスワード管理等により適切に管理するとともに、当該業務の

みに使用し、他の目的には使用しないこと。また、発注者の許可なく複製・転送等をしないこと。

6.受注者は、当該業務完了時に、業務の実施に必要な貸与資料(書面、電子媒体)について、発注

者への返却若しくは消去又は破棄を確実に行うこと。

7.受注者は、当該業務の遂行において貸与された発注者の情報の外部への漏洩若しくは目的外利用

が認められ又はそのおそれがある場合には、これを速やかに発注者に報告するものとする。

第 21 条 情報セキュリティにかかる事項

受注者は、発注者と同等以上の情報セキュリティを確保しなければならない。

第 22 条 安全等の確保

1.受注者は、屋外で行う業務の実施に際しては、当該業務関係者だけでなく、付近住民、通行者、

通行車両等の第三者の安全確保に努めなければならない。

2.受注者は、特記仕様書に定めがある場合には所轄警察署、道路管理者、鉄道事業者、河川管理者、

労働基準監督署等の関係者及び関係機関と緊密な連絡を取り、業務実施中の安全を確保しなければな

らない。

3.受注者は、業務の実施にあたり、事故が発生しないよう使用人等に安全教育の徹底を図り、指導、

監督に努めなければならない。

4.受注者は、業務の実施にあたっては安全の確保に努めるとともに、労働安全衛生法等関係法令に

基づく措置を講じておくものとする。

5.受注者は、業務の実施にあたり、災害予防のため、次の各号に掲げる事項を厳守しなければなら

ない。

1)業務に伴い伐採した立木等を焼却する場合には、関係法令を遵守するとともに、関係官公署の指

導に従い必要な措置を講じなければならない。

2)受注者は、喫煙等の場所を指定し、指定場所以外での火気の使用を禁止しなければならない。

3)受注者は、ガソリン、塗料等の可燃物を使用する必要がある場合には、周辺に火気の使用を禁止

する旨の標示を行い、周辺の整理に努めなければならない。

6.受注者は、爆発物等の危険物を使用する必要がある場合には、関係法令を遵守するとともに、関

係官公署の指導に従い、爆発等の防止の措置を講じなければならない。

7.受注者は、業務の実施にあたっては豪雨、豪雪、出水、地震、落雷等の自然災害に対して、常に

被害を最小限にくい止めるための防災体制を確立しておかなければならない。災害発生時においては

第三者及び使用人等の安全確保に努めなければならない。

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8.受注者は、業務実施中に事故等が発生した場合は、直ちに調査職員に報告するとともに、調査職

員が指示する様式により事故報告書を速やかに調査職員に提出し、調査職員から指示がある場合には

その指示に従わなければならない。

第 23 条 条件変更等

1.契約書第18条第1項第5号《条件変更等の条項》に規定する「予期することのできない特別な

状態」とは、契約書第29条《不可抗力による損害の条項》に規定する天災その他の不可抗力による

場合のほか、発注者と受注者が協議し当該規程に適合すると判断した場合とする。

2.調査職員が、受注者に対して契約書第18条《条件変更等の条項》、19条《設計図書等の変更

等の条項》及び21条《業務にかかる乙の提案の条項》の規定に基づく設計図書の変更又は訂正の指

示を行う場合は、指示書によるものとする。

第 24 条 修補

1.受注者は、修補は速やかに行わなければならない。

2.検査職員は、修補の必要があると認めた場合には、受注者に対して期限を定めて修補を指示する

ことができるものとする。

3.検査職員が修補の指示をした場合において、修補の完了の確認は検査職員の指示に従うものとす

る。

4.検査職員が指示した期間内に修補が完了しなかった場合には、発注者は、契約書第31条第5項

《検査及び引渡し》の規定に基づき検査の結果を受注者に通知するものとする。

第 25 条 契約変更

1.発注者は、次の各号に掲げる場合において、業務委託契約の変更を行うものとする。

1)業務内容の変更により委託料に変更を生じる場合

2)履行期間の変更を行う場合

3)調査職員と受注者が協議し、業務施行上必要があると認められる場合

4)契約書第30条《業務委託料の変更に代える設計図書の変更の条項》の規定に基づき委託料の変

更に代える設計図書の変更を行った場合

2.発注者は、前項の場合において、変更する契約図書を次の各号に基づき作成するものとする。

1)第23条の規定に基づき調査職員が受注者に指示した事項

2)業務の一時中止に伴う増加費用及び履行期間の変更等決定済の事項

3)その他発注者又は調査職員と受注者との協議で決定された事項

第 26 条 履行期間の変更

1.発注者は、受注者に対して業務の変更の指示を行う場合において履行期間変更協議の対象である

か否かを合わせて事前に通知しなければならない。

2.発注者は、履行期間変更協議の対象であると確認された事項及び業務の一時中止を指示した事項

であっても残履行期間及び残業務量等から履行期間の変更が必要でないと判断した場合は、履行期間

の変更を行わない旨の協議に代えることができるものとする。

3.受注者は、契約書第22条《受注者の請求による履行期間の延長の条項》の規定に基づき、履行

期間の延長が必要と判断した場合には、履行期間の延長理由、必要とする延長日数の算定根拠、変更

工程表その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。

4.契約書第23条《発注者の請求による履行期間の短縮等の条項》に基づき、発注者の請求により

履行期限を短縮した場合には、受注者は、速やかに業務工程表を修正し提出しなければならない。

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第 27 条 一時中止

1.契約書第20条《業務の中止の条項》の規定により、次の各号に該当する場合において、発注者

は、受注者に書面をもって通知し、必要と認める期間、業務の全部又は一部を一時中止させるものと

する。

なお、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他自然的又は人為 的

な事象(以下「天災等」という。)による業務の中断については、第31条臨機の措置により、受注

者は、適切に対応しなければならない。

1)第三者の土地への立入り許可が得られない場合

2)関連する他の業務等の進捗が遅れたため、業務の続行を不適当と認めた場合

3)環境問題等の発生により業務の続行が不適当又は不可能となった場合

4)天災等により業務の対象箇所の状態が変動した場合

5)第三者及びその財産、受注者、使用人等並びに調査職員の安全確保のため必要があると認めた場

6)前各号に掲げるものの他、発注者が必要と認めた場合

2.発注者は、受注者が契約図書に違反し、又は調査職員の指示に従わない場合等、調査職員が必要

と認めた場合には、業務の全部又は一部の一時中止をさせることができるものとする。

3.前2項の場合において、受注者は業務の現場の保全については、調査職員の指示に従わなければ

ならない。

第 28 条 発注者の賠償責任

発注者は、以下の各号に該当する場合、損害の賠償を行わなければならない。

1)契約書第27条《一般的損害の条項》に規定する一般的損害、契約書第28条《第三者に及ぼし

た損害の条項》に 規定する第三者に及ぼした損害について、発注者の責に帰すべき損害とされた場合

2)発注者が契約に違反し、その違反により契約の履行が不可能となった場合

第 29 条 受注者の賠償責任

受注者は、以下の各号に該当する場合、損害の賠償を行わなければならない。

1)契約書第27条《一般的損害の条項》に規定する一般的損害、契約書第28条《第三者に及ぼし

た損害の条項》に規定する第三者に及ぼした損害について、受注者の責に帰すべき損害とされた場合

2)契約書第40条《瑕疵担保の条項》に規定する瑕疵責任に係る損害

3)受注者の責により損害が生じた場合

第 30 条 部分使用

1.発注者は、次の各号に掲げる場合において、契約書第33条《引渡前における成果物の使用》の

規定に基づき、受注者に対して部分使用を請求することができるものとする。

1)別途業務の使用に供する必要がある場合

2)その他特に必要と認められた場合

2.受注者は、部分使用に同意した場合は、部分使用同意書を発注者に提出するものとする。

第 31 条 臨機の措置

1.受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。

また、受注者は、措置をとった場合には、その内容をすみやかに調査職員に報告しなければならない。

2.調査職員は、天災等に伴い成果物の品質及び履行期間の遵守に重大な影響があると認められると

きは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができるものとする。

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第 32 条 個人情報の取り扱い

1.基本的事項

受注者は、個人情報の保護の重要性を認識し、この契約による事務を処理するための個人情報の取

扱いにあたっては、個人の権利利益を侵害することのないよう、行政機関の保有する個人情報の保護

に関する法律(平成 15 年 5 月 30 日法律第 58 号)及び同施行令に 基づき、個人情報の漏えい、

滅失、改ざん又はき損の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければなら

ない。

2.秘密の保持

受注者は、この契約による事務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不

当な目的に使用してはならない。この契約が終了し、又は解除された後においても同様とする。

3 .取得の制限

受注者は、この契約による事務を処理するために個人情報を取得するときは、あらかじめ、本人に

対し、その利用目的を明示しなければならない。また、当該利用目的の達成に必要な範囲内で、適正

かつ公正な手段で個人情報を取得しなければならない。

4.利用及び提供の制限

受注者は、発注者の指示又は承諾があるときを除き、この契約による事務を処理するための利用目

的以外の目的のために個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。

5 .複写等の禁止

受注者は、発注者の指示又は承諾があるときを除き、この契約による事務を処理するために発注者

から提供を受けた個人情報が記録された資料等を複写し、又は複製してはならない。

6.再委託の禁止

受注者は、発注者の指示又は承諾があるときを除き、この契約による事務を処理するための個人情

報については自ら取り扱うものとし、第三者にその取り扱いを伴う事務を再委託してはならない。

7 .事案発生時における報告

受注者は、個人情報の漏えい等の事案が発生し、又は発生するおそれがあることを知ったときは、

速やかに発注者に報告し、適切な措置を講じなければならない。なお、発注者の指示があった場合は

これに従うものとする。また、契約が終了し、又は解除された後においても同様とする。

8,資料等の返却等

受注者は、この契約による事務を処理するために発注者から貸与され、又は受注者が収集し、若し

くは作成した個人情報が記録された資料等を、この契約の終了後又は解除後速やかに発注者に返却し、

又は引き渡さなければならない。ただし、発注者が、廃棄又は消去など別の方法を指示したときは、

当該指示に従うものとする。

9.管理の確認等

発注者は、受注者における個人情報の管理の状況について適時確認することができる。また、発注

者は必要と認めるときは、受注者に対し個人情報の取り扱い状況について報告を求め、又は検査する

ことができる。

10.管理体制の整備

受注者は、この契約による事務に係る個人情報の管理に関する責任者を特定するなど管理体制を定

めなければならない。

11.従事者への周知

受注者は、従事者に対し、在職中及び退職後においてもこの契約による事務に関して知り得た個人

情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならないことなど、個人情報の保

護に関して必要な事項を周知しなければならない。

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65

第 33 条 行政情報流出防止対策の強化

1.受注者は、本業務の履行に関する全ての行政情報について適切な流出防止対策をとらなければな

らない。

2.受注者は、以下の業務における行政情報流出防止対策の基本的事項を遵守しなければならない。

(関係法令等の遵守)

行政情報の取り扱いについては、関係法令を遵守するほか、本規定及び発注者の指示する事項を遵守

するものとする。

(行政情報の目的外使用の禁止)

受注者は、発注者の許可無く本業務の履行に関して取り扱う行政情報を本業務の目的以外に使用し

てはならない。

(社員等に対する指導)

1)受注者は、受注者の社員、短時間特別社員、特別臨時作業員、臨時雇い、嘱託及び派遣労働者並

びに取締役、相談役及び顧問、その他全ての従業員(以下「社員等」という。)に対し行政情報の流

出防止対策について、周知徹底を図るものとする。

2)受注者は、社員等の退職後においても行政情報の流出防止対策を徹底させるものとする。

3)受注者は、発注者が再委託を認めた業務について再委託をする場合には、再委託先業者に対し本

規定に準じた行政情報の流出防止対策に関する確認を行うこと。

(契約終了時等における行政情報の返却)

受注者は、本業務の履行に関し発注者から提供を受けた行政情報(発注者の許可を得て複製した行

政情報を含む。以下同じ。)については、本業務の実施完了後又は本業務の実施途中において発注者

から返還を求められた場合、速やかに直接発注者に返却するものとする。本業務の実施において付加、

変更、作成した行政情報についても同様とする。

(電子情報の管理体制の確保)

1)受注者は、電子情報を適正に管理し、かつ、責務を負う者(以下「情報管理責任者 」という。)

を選任及び配置するものとする。

2)受注者は次の事項に関する電子情報の管理体制を確保しなければならない。

イ本業務で使用するパソコン等のハード及びソフトに関するセキュリティ対策

ロ電子情報の保存等に関するセキュリティ対策

ハ電子情報を移送する際のセキュリティ対策

(電子情報の取り扱いに関するセキュリティの確保)

受注者は、本業務の実施に際し、情報流出の原因につながる以下の行為をしてはならない。

イ情報管理責任者が使用することを認めたパソコン以外の使用

ロセキュリティ対策の施されていないパソコンの使用

ハセキュリティ対策を施さない形式での重要情報の保存

ニセキュリティ機能のない電磁的記録媒体を使用した重要情報の移送

ホ情報管理責任者の許可を得ない重要情報の移送

(事故の発生時の措置)

1)受注者は、本業務の履行に関して取り扱う行政情報について何らかの事由により情報流出事故に

あった場合には、 速やかに発注者に届け出るものとする。

2)この場合において、速やかに、事故の原因を明確にし、セキュリティ上の補完措置をとり、事故

の再発防止の措置を講ずるものとする。

3)発注者は、受注者の行政情報の管理体制等について、必要に応じ、報告を求め、検査確認を行う

場合がある。

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第 34 条 暴力団員等による不当介入を受けた場合の措置

1.受注者は、暴力団員等による不当介入を受けた場合は、断固としてこれを拒否すること。また、

不当介入を受けた時点で速やかに警察に通報を行うとともに、捜査上必要な協力を行うこと。下請負

人等が不当介入を受けたことを認知した場合も同様とする。 2.1.により警察に通報又は捜査上必

要な協力を行った場合には、速やかにその内容を記載した書面により発注者に報告すること。

3.1.及び2.の行為を怠ったことが確認された場合は、指名停止等の措置を講じることがある。

4.暴力団員等による不当介入を受けたことにより工程に遅れが生じる等の被害が生じた場合は、発

注者と協議しなければならない。

第 35 条 保険加入の義務

1.受注者は、雇用保険法、労働者災害補償保険法、健康保険法及び厚生年金保険法の規定により、

雇用者等の雇用形態に応じ、雇用者等を被保険者とするこれらの保険に加入しなければならない

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5.3 特記仕様書の記載例

特記仕様書の記載例を以下に示す。以下は、標準的な記載方法の一例であるため、地方整備局毎の

記載例、ひな形等がある場合は、それらとの整合が必要である。

第 1 条 適用範囲

(1)本特記仕様書は、〇〇事業監理業務(以下、「本業務」という。)に適用する。

(2)本業務は、契約書及び共通仕様書(案)(以下、「共通仕様書」という。)による他、本特記

仕様書及び以下の1)から5)に基づき実施するものとする。

1)設計業務等共通仕様書(平成28年3月)

2)測量業務共通仕様書(平成28年3月)

3)地質・土質調査業務共通仕様書(平成28年3月)

4)土木工事共通仕様書(平成27年4月)

5)その他調査職員が指示するもの

第 2 条 業務目的

本業務は、〇〇道路等の効率的かつ確実な事業推進を図るため、測量・調査・設計業務委託等に対

する指導・調整等、地元調整及び関係行政機関等に関する調整等、事業管理等を行う業務である。

第 3 条 業務期間

本業務は、平成〇〇年〇月〇日~平成〇〇年〇月〇日までとする。

第 4 条 管理技術者及び主任技術者の資格・実績

1.管理技術者に必要とされる資格及び業務実績は次のとおりとする。

【資格】

規定しない

【同種業務実績】

下記のいずれかに該当すること

① 〇〇に関する事業促進PPP(※2)又はPM(※3)又はCM(※4)に指導的立場(※1)

で従事した経験を有するもの

② 〇〇に関する技術提案・交渉方式の技術協力・施工タイプにおける技術協力業務又は設計交渉・

施工タイプにおける設計業務に指導的立場で従事した経験を有するもの

③ 〇〇分野において工事・業務をマネジメントした経験(※5)を有するもの

※1「指導的立場」とは以下の立場をいう

1)事業促進PPP又はPM又はCMの場合には、管理技術者(当該業務の履行に関する管理及び統括

を行うものをいう)の立場をいう

2)技術提案・交渉方式の技術協力業務(技術協力・施工タイプ)・設計業務(設計交渉・施工タイプ)

の場合には、管理技術者(当該業務に係る契約の履行に関する管理及び統括を行うものという)の立

場をいう

※2「事業促進PPP」とは、国土交通省直轄の事業促進PPP等に関するガイドラインの 1.4「用

語の定義」に基づくものをいう

※3「PM(プロジェクト・マネジメント)」とは、事業を効率的に進めるために、事業工程管理、

懸案事項管理、事業費管理、用地取得管理などを行うマネジメント業務の総称

※4「CM(コンストラクション・マネジメント)」とは、工事の円滑な履行のため、施工段階にお

いて、工程管理、施工管理、品質管理、コスト管理、工事間施工調整などを行うマネジメント業務の

総称

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※5「工事・業務をマネジメントした経験」とは、例えば、地方建設局請負工事監督検査事務処理要

領(S42.3.30 付)第6に該当する総括監督員若しくは主任監督員、地方建設局委託設計業務等調査検

査事務処理要領(H11.4.1 付)第6に該当する総括調査員若しくは主任調査員に相当する程度の経験

をいう

【類似業務実績】

下記のいずれかに該当すること

①〇〇に関する技術者としての実務経験を10年以上有し、その実務経験の中で、以下に示すいずれ

かの経験を有すること

1)〇〇の調査・設計業務に関し、指導的立場(※1)で従事した経験(1業務以上)を有するもの

2)〇〇の工事に関し、指導的立場(※1)で従事した経験(1工事以上)を有するもの

②〇〇分野において十分な技術的実務経験(※6)を有するもの

※6「十分な技術的実務経験」とは、論文、委員会活動等の優れた実績をいう

2.主任技術者(事業管理担当)に必要とされる資格及び業務経験は次のとおりとする。

【資格】

下記のいずれかの資格を有すること

①技術士(総合技術監理部門(建設)または建設部門(土質及び基礎、鋼構造及びコンクリート、都

市及び地方計画、道路、トンネル、施工計画、施工設備及び積算、建設環境のいずれか))

②土木学会認定技術者(特別上級、上級、1級)

③RCCM(技術士部門と同様の部門に限る)

④1級土木施工管理技士

⑤公共工事品質確保技術者(Ⅰ)

【同種業務実績】

下記のいずれかに該当すること

① 〇〇に関する技術者としての実務経験を10年以上有し、その実務経験の中で、以下に示すいず

れかの経験を有すること

1)〇〇に関する調査・設計業務に従事した経験(1業務以上)を有すること

2)〇〇に関する工事に従事した経験(1工事以上)を有すること

② 〇〇に関する事業促進PPP(※2)又はPM(※3)又はCM(※4)に従事した経験を有す

るもの

③ 〇〇に関する技術提案・交渉方式の技術協力・施工タイプにおける技術協力業務又は設計交渉・

施工タイプにおける設計業務に従事した経験を有するもの

④ 〇〇分野において工事・業務をマネジメントした経験(※5)を有するもの

【類似業務実績】

下記のいずれかに該当すること

①〇〇に関する技術者としての実務経験を10年以上有し、その実務経験の中で、以下に示すいずれ

かの経験を有すること

1)〇〇の調査・設計業務に従事した経験(1業務以上)を有するもの

2)〇〇の工事に従事した経験(1工事以上)を有するもの

②〇〇において十分な技術的実務経験(※4)を有するもの

3.主任技術者(調査設計担当)に必要とされる資格及び業務経験は次のとおりとする。

【資格】

下記のいずれかの資格を有すること

①技術士(総合技術監理部門(建設)または建設部門(土質及び基礎、鋼構造及びコンクリート、都

市及び地方計画、道路、トンネル、施工計画、施工設備及び積算、建設環境のいずれか))

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②土木学会認定技術者(特別上級、上級、1級)

③RCCM(技術士部門と同様の部門に限る)

④1級土木施工管理技士

【同種業務実績】

①〇〇に関する技術者としての実務経験を10年以上有し、かつ〇〇に関する調査・設計業務に従事

した経験(1業務以上)を有すること

②〇〇に関する事業促進PPP(※2)又はPM(※3)又はCM(※4)に調査設計担当として従

事した経験を有するもの

③〇〇に関する技術提案・交渉方式の技術協力・施工タイプにおける技術協力業務又は設計交渉・施

工タイプにおける設計業務に従事した経験を有するもの

4.主任技術者(用地担当)に必要とされる資格及び業務経験は次のとおりとする。

【資格及び同種業務実績】

下記のいずれかを有すること

用地業務管理士(8部門のうちのいずれかの部門)

用地業務(※7)に関する実務経験を10年以上有するもの

※7「用地業務」とは、保証コンサルタント登録規定(昭和59年9月21日建設省公告示第134

1号)第2条に定める別表に掲げる登録部門に関する業務をいう

5.主任技術者(施工担当)に必要とされる資格及び業務経験は次のとおりとする。

【資格】

下記のいずれかの資格を有すること

①技術士(総合技術監理部門(建設)または建設部門(土質及び基礎、鋼構造及びコンクリート、都

市及び地方計画、道路、トンネル、施工計画、施工設備及び積算、建設環境のいずれか))

②土木学会認定技術者(特別上級、上級、1級)

③RCCM(技術士部門と同様の部門に限る)

④1級土木施工管理技士

【同種業務実績】

①道路に関する技術者としての実務経験を10年以上有し、かつ〇〇の工事経験(1工事以上)を有

するもの

6.担当技術者の資格及び業務実績は規定しない。

第 5 条 業務計画書

(1)受注者は共通仕様書第11条に基づき業務計画書を作成し、調査職員に提出しなければならな

い。

(2)本業務の実施体制として、主任技術者の配置計画等を掲載するものとする。

(3)コンプライアンス対策について

1)管理技術者は、業務計画書に記載した「コンプライアンス対策」について、主任技術者、担当技

術者に対して指導すること。

2)指導は四半期毎1回以上とし、管理技術者は調査職員へ実施日及び実施内容等を記載し報告する

ものとする。

第 6 条 業務場所

〇〇河川国道事務所(〇〇市〇〇〇―〇―〇)

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第 7 条 現地作業の基地

本業務に伴う現地作業の基地については本特記仕様書〇条とし、交通手段はライトバン 1500cc と設

定している。

第 8 条 打合せ協議の基地

本業務に伴う打合せ協議の基地については〇市役所と設定して、交通手段は公共交通機関と設定し

ている。

第 9 条 契約変更

本業務の数量は、別紙「数量総括表」のとおりとするが、数量に変更が生じた場合は、発注者、受

注者協議の上、契約変更の対象とする。

第 10 条 業務内容

1.事業管理業務の体系は次の通りとする。

(1)体系図

(2)受注者は、事項の業務内容について発注者と一体となって業務を遂行するものとする。

(3)業務の実施にあたっては、発注者の全体的な管理の下、密接に連携して以下の業務を分担・協力し

て実施するものとする。分担内容、協力内容については、発注者と調整のうえ決定し実施する。

2.主な業務は次の通りとする。

(1)全体事業計画の整理

①全体事業計画案の把握・改善

②工程表の作成

(2)測量・調査・設計業務等の指導・調整等

①設計方針等の調整

②工程の把握及び調整

③測量・調査・設計業務等の指導・助言

④測量・調査・設計業務等の指示・協議等

⑤測量・調査・設計業務成果内容の確認

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⑥測量・調査・設計業務等の検査資料確認

(3)地元及び関係行政機関等との協議等

①測量・調査・設計業務等の立入に関する地元説明

②測量・調査・設計業務等に関する地元との調整・協議

③関係行政機関等との調整・協議等

④地元及び関係行政機関等との協議資料作成

(4)事業管理等

①全体事業計画の進捗状況管理

②事業期間の短縮に関する検討

③事業のコスト縮減に関する検討

④用地取得計画の検討及び用地進捗管理

⑤工事計画の検討

⑥事業に関する情報公開、広報の企画及び実施

⑦その他事業の推進に関すること

(5)施工管理等

①施工方針等の調整

②工程の把握及び調整

③施工に伴う地元及び関係行政機関等との協議

④施工に伴う地元及び関係行政機関との協議資料の作成

⑤工事の指導・助言

⑥工事の指示・協議等

⑦施工状況の確認

⑧土木工事施工管理基準の確認

⑨工事の検査資料確認

⑩その他

(6)その他

3.監理業務の業務内容は、次に示すとおりとする。

(1)全体事業計画の整理

1)全体事業計画案の把握・改善

①業務の着手にあたり、調査職員より、対象工区の全体事業計画案に関する説明等を受けるとともに、

現地状況の確認等を行い、業務着手時点における対象工区内の測量・調査・設計業務、工事の実施予

定、進捗状況、地元及び行政機関の関係者、不確定要素等を把握するものとする。

②把握した全体事業計画案について、より効率的な事業展開となるよう事業計画案の改善検討を行い、

検討結果を調査職員に報告するものとする。

③調査職員の指示により、採用されることとなった検討結果を全体事業計画案に反映し、全体事業計

画案を改善するものとする。

2)工程表の作成

業務着手後、調査職員、監理業務受注者との間で、事業の工程、進捗状況等が視覚的に共有でき、よ

り効率的な事業展開に関する検討が円滑に実施できるよう、1)で整理した全体事業計画を踏まえ、

全体事業の工程表を作成し、調査職員に報告する。なお、工程表の作成方法(記載内容、表示方法等)

は、調査職員との協議の上決定する。

(2)測量・調査・設計業務等の指導・調整等

1)設計方針等の調整

測量・調査・設計業務等受注者から提出される業務計画書等の確認を行い、確認した業務計画書及

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72

び確認結果を調査職員に報告するものとする。また、隣接する区間との設計方針等の調整を行うもの

とする。

2)工程の把握及び調整

①測量・調査・設計業務等の工程を把握するとともに、検査時期、業務成果品の引渡し時期を確認し、

調査職員に報告するものとする。

②予定工程が著しく遅れることが予想される測量・調査・設計業務等がある場合は、当該測量・調査・

設計業務等受注者に対して、その理由とフォローアップの実施を求めるものとする。

③測量・調査・設計業務等の進捗の遅れが、全体工程に対して著しく影響があると判断される場合は、

その旨を調査職員に報告しなければならない。また、当該測量・調査・設計業務等受注者から事情を

把握し、全体業務工程の最適化を図るための是正措置を提案するものとする。また、隣接する区間と

の工程について、調整を図るものとする。

3)測量・調査・設計業務等の指導・助言

①工事施工の観点及び、事業期間の短縮が図られるよう、測量・調査・設計業務等受注者に対し、適

切かつ的確な指導・助言を行うものとする。

②測量・調査・設計業務等が効率的、効果的に実施できるよう、測量・調査・設計業務等受注者に対

し、適切かつ的確な指導・助言を行うものとし、その内容について調査職員に報告するものとする。

4)測量・調査・設計業務等の指示・協議等

測量・調査・設計業務等の契約書及び設計図書に示された指示、承諾、協議及び受理等にあたり、

不明確な事項の確認や、対応案の作成が必要となる場合には、調査職員の指示により必要に応じて現

場条件等を把握し、対応案を作成し調査職員に提出するものとする。

5)測量・調査・設計業務成果内容の確認

①測量・調査・設計業務成果について、成果の妥当性、事業期間の短縮等の観点から業務内容の確認

を行い、その結果を調査職員に報告するものとする。

②測量・調査・設計業務等において行う工法・施工計画について、効率的、効果的な施工方法及び施

工計画となるよう代替案、改善案について検討を行い、調査職員に報告するものとし、調査職員の承

諾を得て、測量・調査・設計業務等受注者に対し必要な対処案の作成を指示し、その結果について調

査職員と協議するものとする。

6)測量・調査・設計業務等の検査資料確認

測量・調査・設計業務の契約図書により義務づけられた資料及び、検査に必要な書類及び資料等に

ついて確認を行うものとする。また、業務完了検査に立会うものとする。

(3)地元及び関係行政機関等との協議

地元及び関係行政機関等との協議は、調査職員の指示・指導に基づき行うものとする。

1)測量・調査・設計業務等の立入に関する地元説明

測量・調査・設計業務等の実施に伴い、地元関係者の土地に立入る必要がある場合は、調査職員の

指示により、当該地元関係者に対し土地立入について了解を得るものとする。

2)測量・調査・設計業務等に関する地元との調整・協議

地元関係者等から事業に関する苦情・要望等があった場合、その内容を確認し調査職員に報告する

ものとし、調査職員の指示により当該関係者との協議を行うものとする。

3)関係行政機関等との調整・協議等

①設計等を実施する前に、関係行政機関と設計条件等の基本的事項を確認(計画協議)するものとし、

その結果について調査職員に報告し、指示を受けるものとする。

②計画協議に基づき実施した設計内容を確認する他、工事を施工するうえで必要な設計の詳細内容及

び設計施工協議の状況を確認するものとし、その結果について調査職員に報告し、指示を受けるもの

とする。

③(1)で整理した全体事業計画を踏まえ、関係行政機関等との速やかな調整・協議を図るものとす

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る。なお、関係行政機関等から再検討、要望、指示等を受けた場合は、遅延なくその旨を調査職員に

報告するものとし、調査職員の承諾を得て、測量・調査・設計業務等受注者に対し、必要な対処案の

作成を指示し、その結果について調査職員と協議するものとする。

④保安林解除、埋蔵分解材調査、環境調査及びその他事業の推進に必要な調整・協議事項について、

調査職員の指示により適切に処理するものとする。なお、関係行政機関等から再検討、要望、指示等

を受けた場合は、延滞なくその旨を調査職員に報告するものとし、調査職員の承諾を得て、測量・調

査・設計業務等受注者に対し、必要な対処案の作成を指示し、その結果について調査職員と協議する

ものとする。

4)地元及び関係行政機関との協議資料の作成

調査職員から指示があった場合には、地元及び関係行政機関との協議資料を作成するものとする。

(4)事業管理等

1)全体事業計画の進捗状況管理

①(1)の全体事業計画の整理において作成した全体事業計画の工程と、実際の事業進捗状況を常に

把握し、把握した結果を調査職員に報告するものとする。

②事業進捗状況により、事業計画の変更や作業手順の見直しを必要に応じて実施し、調査職員に報告

するものとする。

2)事業期間の短縮に関する検討

①供用目標が達成できるよう、事業期間を短縮するためのメニューについて提案を行い、調査職員に

報告するものとする。

②調査職員の指示により、提案に基づく事業計画等の見直しを行うものとし、その結果について調査

職員に報告するものとする。

3)事業のコスト縮減に関する検討

①対象業務の設計図書に定める工事目的物の機能、性能を低下させることのない、計画段階における

コスト縮減の提案を行い、調査職員に報告するものとする。

②調査職員の指示により、提案に基づく具体的な検討を行うものとし、その結果について調査職員に

報告するものとする。

4)用地取得計画の検討及び用地進捗管理

①用地取得の進捗状況を整理すると共に、法令等による土地利用制限のある土地を把握し、工事の早

期着工及び事業実施期間短縮のための用地取得計画の提案を行うものとする。

②支障となる公共施設の移転時期及び移転方法の調整を行う。

5)工事計画の検討

①事業計画及び事業の進捗状況等を考慮し、効率的な工事計画の検討を行い、調査職員に報告するも

のとする。

②工事計画及び調査・設計業務の成果に基づき、工事発注計画の作成に必要な概略数量計算、図面の

整理及び確認を行い、調査職員に提出するものとする。

③①の業務を行うにあたり、必要な資料の取りまとめを行う。

6)事業に関する情報公開、広報の企画及び実施

①当該事業区間に関する情報公開のために、必要な資料を準備するものとする。

②事業に関する広報計画の立案を行うものとし、調査職員との協議により広報計画に定める広報を実

施するものとする。

7)その他事業の推進に関すること

その他、事業推進に関する事項について検討を行うものとする。

(5)施工管理等

1)施工方針等の調整

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工事の受注者から提出される施工計画書等の確認を行い、確認結果を調査職員に報告するものとす

る。確認の結果、工事の受注者に対して、施工計画書の修正を指示すべき事項のうち、調査職員の承

諾を得られた事項については、工事の受注者に、施工計画書の修正を指示するものとする。修正され

た施工計画書等は、再度、確認を行い、確認結果を調査職員に報告するものとする。また、隣接する

区間との施工方針等の調整を行うものとする。

2)工程の把握及び調整

①工事の工程を把握するとともに、全体事業計画を踏まえ、検査時期、引渡し時期を確認し、調査職

員に報告するものとする。

②監理業務受注者は、予定工程が著しく遅れることが予想される工事がある場合は、当該工事受注者

に対して、その理由とフォローアップの実施を求めるものとする。

③監理業務受注者は、工事の進捗の遅れが、全体工程に対して著しく影響があると判断される場合は、

その旨を調査職員に報告しなければならない。また、当該工事受注者から事情を把握し、全体工事工

程の最適化を図るための是正措置を提案するものとする。また、隣接する区間との工程について、調

整を図るものとする。

3)施工に伴う地元及び関係行政機関等との協議

地元及び関係行政機関等との協議にあたっては、調査職員の指示、指導に基づき行うものとする。

①工事着手時等の立入に関する地元説明

工事の実施に伴い、地元関係者の土地に立入る必要がある場合は、調査職員の指示により、当該地元

関係者に対し土地立入について了解を得るものとする。

②工事に関する地元との調整・協議

地元関係者等から事業に関する苦情・要望があった場合、その内容を確認し調査職員に報告するもの

とし、調査職員の指示により当該関係者と協議を行うものとする。

③関係行政機関等との調整・協議

ア 工事を実施する前に、関係行政機関と設計協議事項を確認するものとし、その結果を調査職員に

報告し、指示を受けるものとする。

イ 設計協議に基づき実施する工事内容を確認し、その結果について調査職員に、指示を受けるもの

とする。

ウ 早期の工事着手、完成を念頭におき、関係行政機関等との速やかな調整・協議を図るものとする。

なお、関係行政機関等から再検討、要望、指示等を受けた場合は、遅延なくその旨を調査職員に報告

するものとし、調査職員の承諾を得て、工事受注者に対し、必要な対処案の作成を指示し、その結果

について調査職員と協議する。

4)施工に伴う地元及び関係行政機関との協議資料の作成

調査査職員から指示があった場合には、施工に伴う地元及び関係行政機関との協議資料を作成する

ものとする。

5)工事の指導・助言

施工が効率的、効果的に実施できるよう、工事受注者に対し、適切かつ的確な指導・助言を行うも

のとし、その内容について調査職員に報告するものとする。

6)工事の指示・協議等

工事の契約書及び設計図書に示された指示、承諾、協議及び受理等について、不明確な事項に対す

る確認や、対応案の検討が必要となった場合には、調査職員の指示により、必要に応じて現場条件等

を把握し、対応案を作成し調査職員に提出するものとする。

7)施工状況の確認

①施工状況について、施工性、安全性等の観点から施工状況の確認を行い、その結果を調査職員に報

告するものとする。

②工法・施工計画について、効率的、効果的な施工方法及び施工計画となるよう代替案、改善案につ

いて検討を行い、調査職員に報告するものとし、調査職員の承諾を得て、工事受注者に対し必要な対

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処案の作成を指示し、その結果について調査職員と協議するものとする。

③監理業務受注者は、工事契約図書における発注者の責務を適切に遂行するために、工事施工状況の

確認及び把握等を行い、契約の適正な履行を確認するものとし、その結果を調査職員に報告するもの

とする。

8)土木工事施工管理基準の確認

①監理業務受注者は、工事の契約図書に定められた工事の目的物の出来形及び品質規格(工程管理、

出来形管理、品質管理、工事写真等)の確保の方針等について検証し、その内容について調査職員に

報告するものとする。

②監理業務受注者は、工事における主要な部分の品質管理及び出来形監理、不可視部分や重要構造物

等の段階確認、協議事項等について、確認、立会、把握等を行い、結果を速やかに調査職員に報告す

るものとする。

9)工事の検査資料確認

工事の契約図書により義務づけられた資料及び、検査(中間技術検査、技術検査を伴う既済部分検

査(性質上可分の工事の完済部分検査を含む)、完成検査)に必要な書類及び資料等について指導・

助言を行うものとする。また、監理業務受注者は、工事検査に立会うものとする。

10)その他

①工事契約上重大な事案が発見された場合は、遅延なく報告するものとする。災害発生時及び、その

恐れがある場合など緊急時においては調査職員の指示により、情報の収集を行うものとする。

②施工管理の業務実施内容の詳細については、調査職員と協議の上、決定するものとする。

(6)その他

1)調査職員より指示があった事項についてその内容を把握し、適切に処理しなければならない。

2)大規模災害発生時には、発注者及び測量・調査・設計業務等受注者と連携し災害対応業務に協力

しなければならない。

3)特記仕様書に明示がない事項ついては、調査職員との協議により対処方法を決定し、決定した事

項を文書化し、契約図書の一部とする。

第 11 条 再委託

契約書第7条に規定する「主たる部分」とは、共通仕様書19条第1項に示すほか、本特記仕様書

第10条に示す業務とする。

第 12 条 業務打合せ等

共通仕様書第10条に定める調査職員との打合せは、以下を想定している。なお、打合せ回数に変

更が生じる場合は、調査職員と協議のうえ契約変更の対象とする。

1)業務着手時 1回

2)中間打合せ 〇〇回

3)成果品納入時 1回

第 13 条 業務委託証明書

受注者は、発注者に業務を行う主任技術者の業務委託証明書発行申請書を提出し、業務委託証明書

の発行を受けなければならない。

なお、主任技術者は業務委託証明書を携帯し、業務に当たらなければならない。

第 14 条 受注者の責任

受注者が、善良な管理者の注意を怠り、本業務の本旨に従った履行をしなかったことで、物的被害、

人的被害、業務遅延等が発生した場合は、受注者は責任を負う。

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1.債務不履行の内容

(1)受注者又は調査職員の指示・承諾に基づかない測量・調査・設計業務等受注者への権限行使に

より損害が生じた場合

(2)受注者の故意又は過失により、測量・調査・設計業務等に損害が生じた場合

(3)受注者の責による履行遅延により測量・調査・設計業務等の履行に支障が生じた場合

2.責任における措置

(1)債務不履行による損害賠償が生じた場合は、監理業務受注者に請求する。

(2)地方支分部局所掌の業務委託契約に関わる指名停止等の処置要領に準じる。

第 15 条 業務の体制

1.本業務は、「事業管理・調査・設計に関する業務」、「施工に関する業務」に同時に対応できる

体制を整え、実施するものとする。

2.体制の変更が生じた場合には、発注者と受注者の協議により行うものとする。

第 16 条 業務実施報告書

1.受注者は、業務の履行の報告を次のとおり調査職員に成果として提出しなければならない。

成果品 提出時期等 成果内容

業務記録簿 1回/2週

・毎日記録

・監理業務者毎調査職員に提出

日々の監理業務の内容を書面で整理し報

告する。

・契約の履行の確保に関する実施内容

・監理業務に関する実施内容

提出書、報告書等 その都度

・実施後に記録

調査職員に提出

仕様書に基づき実施した検討事項等につ

いて、目的、経緯、結果を整理し報告す

る。

第 17 条 成果品

成果品には、共通仕様書第16条に規定する事項に加え、業務履行に必要となった各種資料・調査

結果等をあわせ報告書として提出するものとする。

第 18 条 施設等の使用

(1)発注者所有施設等の使用、及び光熱水料について

本業務の履行にあたり、第6条で想定する業務場所において使用する発注者所有施設の使用料、同場

所で使用する光熱水料及び通信費用は原則発注者の負担とする。

(2)事務用品等について

上記業務場所において、業務を実施する上で必要となる発注者所有の備品(机・椅子等の反復使用

に耐えうる事務用品をいう)については、原則、発注者との賃借契約に基づき借り受けるものとし、

その他事務用品については、原則、受注者の負担とする。

なお、本業務において、受注者が準備する事務用品等は次のものとする。

1)土木工事共通仕様書、その他業務に必要な図書

2)パソコン(CADソフト含む):1台/人

3)プリンター:1台/人

4)業務に必要となるソフトウェア

5)業務に必要な自動車

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第 19 条 疑義

本業務履行中に疑義を生じた場合又は記載なき事項については、調査職員と受注者の協議によるも

のとする。

第 20 条 行政情報流出防止対策の強化

(1)受注者は、業務計画書の実施方針に情報セキュリティに関する対策について記載すること。

(2)受注者は、業務計画書及び共通仕様書第33条に記載された内容を確実に実施するとともに、

実施したことを確認できる資料を作成し、調査職員に報告しなければならない。

第 21 条 その他

(1)受注者、採用された「技術提案」に基づき適切に業務を遂行するものとする。

なお、採用された技術提案については、業務契約書及び契約書に記載するものとする。

(2)本業務受注者及び本業務受注者と資本面・人事面で関係がある者は、本業務の担当工区の範囲

内の業務(発注者支援業務等(※7)を除く)または工事等(本契約以降以降に発注されるものに限

る)の入札に参加してはならない。(業務の設計共同体又は工事の共同企業体の場合はその構成員と

なることもできない。)

また、業務の技術者の出向・派遣元及び出向・派遣元と資本面・人事面で関係があるもの(※6)

は、本業務の履行場所の範囲内の業務(発注者支援業務等(※7)を除く)及び工事等(本契約以降

以降に発注されるものに限る)の入札に参加してはならない。(業務の設計共同体又は工事の共同企

業体の場合はその構成員となることもできない。)

なお、「参加」とは、別の業務又は工事の入札に参加すること、又は別の業務又は工事の下請とし

て参加することをいう。

※6 「資本面・人事面で関係がある者」とは、次の1)又は2)に該当するものをいう。

1)一方の会社が、他方の会社の発行済数式総数の 100 分の 50 を超える株式を保有又はその出資額の

総数が 100 分の 50 を超える出資をしている者。

2)一方の会社の代表権を有する役員が、他方の会社の代表権を有する役員を兼ねている場合。

※7 「発注者支援業務等」とは、積算技術業務、工事監督支援業務、技術審査業務、河川巡視支援

業務、河川許認可審査支援業務、ダム管理支援業務、堰・排水機場管理支援業務、道路巡回業務、道

路許認可審査・適正化指導業務、用地補償総合支援業務等をいう。(以下、同じ)

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6. 事業促進PPP等の導入事例

6.1 三陸沿岸道路等

平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震後、約 223km の三陸沿岸道路等が新規事業化

され、概ね 10 年間で既に事業化されていた区間とあわせ約 380km の事業の整備推進が必要となった。

膨大な事業を円滑かつスピーディに実施するため、平成 24 年度から、事業促進PPPを導入した。

図-6.1 事業促進PPP(三陸沿岸道路等)

6.2 熊本災害復旧・復興事業

平成 28 年 4 月 16 日に発生した熊本地震により、大規模な斜面崩壊、橋梁・トンネルの被害等が発

生し、複数の幹線ルートが通行止めとなった。復旧・復興に係る事業を円滑、スピーディに進めるた

め、平成 28 年度から、「事業管理支援業務(PM)」、「技術支援業務(CM)」が実施された。

なお、大規模な地すべり箇所の復旧ルート(北側復旧ルート)における二重峠トンネル工事で、技

術提案・交渉方式を適用した。

図-6.2 熊本災害復旧の箇所図

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表-6.1 事業管理支援・技術支援業務の実施状況(北側復旧ルート・阿蘇大橋)

表-6.2 事業管理支援・技術支援業務の実施状況(県道熊本高森線)

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6.3 大規模事業(平常時)

国土交通省直轄の事業促進PPPは、関東地方整備局の東関東自動車道水戸線(潮来~鉾田)、首

都圏中央連絡自動車道(大栄~横芝)等、災害復旧・復興事業に限らず、平常時の大規模事業で、業

務量が著しく増大する状況下で適用されている事例がある。

平常時の大規模事業における事業促進PPPの代表的な実施事例を図-6.3、図-6.4 に示す。

図-6.3 東関道水戸線(潮来~鉾田)における実施例

図-6.4 圏央道(大栄~横芝)における実施例