PRESS RELEASE2010/06/15  · PRESS RELEASE 1 2010 年 6 月 15 日 報道関係者 各位...

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PRESS RELEASE 1 2010 6 15 報道関係者 各位 ティーペック株式会社 ○ メンタルヘルス対策事業【最大手】のティーペック株式会社が 分析データを初公開! ○ 面談カウンセリングの利用数が5年連続で増加。 5年間の総利用件数は約34,000件に!! ~相談しにくい「心の悩み」を外部窓口へ打ち明ける傾向強まる~ メンタルヘルス対策事業最大手のティーペック株式会社は、大手企業・官公庁・健康保険 組合等約540団体と契約し提供している「こころのサポートシステム」サービスにおけ る過去5年間・約34,000件にのぼるメンタルヘルス面談カウンセリングのデータを分 析し公開致しました。 現代の日本社会では、精神障害による労災認定の増加・自殺者が年間3万2千名超等の 影響により、団体、個人の両方において、メンタルヘルスに対する関心が飛躍的に高まっ ておりますが、その高まりとともに、「心の悩みとの付き合い方」についても、同様の大き な変化が生まれつつあります。 これまでの日本社会においては、何らかの「心の悩み」を抱えた場合には、心理カウン セリングに対する潜在的な偏見も手伝って、身近な人間にさえも相談できず、悩みを一人 で抱え込んでしまうということがほとんどでした。 しかしながら、昨今のメンタルヘルスに対する意識の変容によりカウンセリングに対する 抵抗感が緩和されたことで、『心の悩み』については『外部の専門家を利用する』という、 新しい手段を取られる方が増えてきております。「会社にも家族にも知られずに悩みを打ち 明けられるから」というのがその理由です。 今回の分析では、そのような『心の悩み』に対する意識変化を明るみにすることが出来た ほか、実際にメンタルヘルス不調になられた方々の性別、年代、勤続年数、主訴といった、 貴重なデータを公開しております。 特に『職場での人間関係』については、数々のアンケート調査でストレス原因の一位とな っているだけあって、弊社の面談カウンセリングデータ分析においても、職場内主訴の3 分の1以上を占めており、古くから指摘されてきた「職場の人間関係」の問題の根深さが、 浮き彫りとなるデータが出ております。 弊社では、今後もこのような面談カウンセリング実施数業界内最多の利点を生かしたデ ータの収集を継続し、現代のメンタルヘルス不調者の具体的な傾向を捉えた上でのサービ ス向上に努めて参ります。

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PRESS RELEASE

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2010 年 6 月 15 日

報道関係者 各位

ティーペック株式会社

○ メンタルヘルス対策事業【最大手】のティーペック株式会社が

分析データを初公開!

○ 面談カウンセリングの利用数が5年連続で増加。

5年間の総利用件数は約34,000件に!!

~相談しにくい「心の悩み」を外部窓口へ打ち明ける傾向強まる~

メンタルヘルス対策事業最大手のティーペック株式会社は、大手企業・官公庁・健康保険

組合等約540団体と契約し提供している「こころのサポートシステム」サービスにおけ

る過去5年間・約34,000件にのぼるメンタルヘルス面談カウンセリングのデータを分

析し公開致しました。

現代の日本社会では、精神障害による労災認定の増加・自殺者が年間3万2千名超等の

影響により、団体、個人の両方において、メンタルヘルスに対する関心が飛躍的に高まっ

ておりますが、その高まりとともに、「心の悩みとの付き合い方」についても、同様の大き

な変化が生まれつつあります。

これまでの日本社会においては、何らかの「心の悩み」を抱えた場合には、心理カウン

セリングに対する潜在的な偏見も手伝って、身近な人間にさえも相談できず、悩みを一人

で抱え込んでしまうということがほとんどでした。

しかしながら、昨今のメンタルヘルスに対する意識の変容によりカウンセリングに対する

抵抗感が緩和されたことで、『心の悩み』については『外部の専門家を利用する』という、

新しい手段を取られる方が増えてきております。「会社にも家族にも知られずに悩みを打ち

明けられるから」というのがその理由です。

今回の分析では、そのような『心の悩み』に対する意識変化を明るみにすることが出来た

ほか、実際にメンタルヘルス不調になられた方々の性別、年代、勤続年数、主訴といった、

貴重なデータを公開しております。

特に『職場での人間関係』については、数々のアンケート調査でストレス原因の一位とな

っているだけあって、弊社の面談カウンセリングデータ分析においても、職場内主訴の3

分の1以上を占めており、古くから指摘されてきた「職場の人間関係」の問題の根深さが、

浮き彫りとなるデータが出ております。

弊社では、今後もこのような面談カウンセリング実施数業界内最多の利点を生かしたデ

ータの収集を継続し、現代のメンタルヘルス不調者の具体的な傾向を捉えた上でのサービ

ス向上に努めて参ります。

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1. 集計・分析の概要

・目的

『こころのサポートシステム』面談利用者の利用実態と推移を調査する。

・対象

2004 年 4月 1 日~2010 年 3月までの間に、全国 221 ヶ所のカウンセリングネットワー

クにて実施された臨床心理士による面談カウンセリング(1回 50 分)34,276 件を対象と

した。

2. 面談カウンセリング利用の推移

(ⅰ)発件枚数と実施件数の推移

契約団体数の増加に連動して、カウンセリングチケットの発券枚数、実施件数とも

に年々増加している。

表 1:面談カウンセリングチケットの発券枚数と実施件数の推移

2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 発券件数 1,043 1,369 1,624 2,352 2,942 3,246 実施件数 2,283 3,336 4,164 6,673 8,457 9,363 発券枚数(累計) 1,043 2,412 4,036 6,388 9,330 12,576 実施件数(累計) 2,283 5,619 9,783 16,456 24,913 34,276 契約団体数 233 326 351 424 505 539

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2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度

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発券件数

実施件数

発券枚数(累計)

実施件数(累計)

契約団体数

図 1:面談カウンセリングチケットの発券枚数と実施件数の推移

契約団体数のみ右軸

契約団体件数のみ、

右軸に表記

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(ⅱ)都道府県別の利用状況

面談カウンセリングの都道府県別利用状況を見ると、東京都での利用が最も多く、

全体の 21.9%を占めていた。 ついで神奈川県 (11.0%)、 大阪府 (7.3%)、 埼玉県 (7.1%)、

愛知県(6.9%)の順であった。

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静 岡

愛 知

三 重

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大 阪

兵 庫

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岡 山

広 島

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香 川

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高 知

福 岡

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長 崎

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宮 崎

鹿 児

島 県

沖 縄

図 2:面談カウンセリングの都道府県別利用状況

【参考】都道府県別人口比率・都道府県別自殺者数と、面談カウンセリング利用状況

わが国の都道府県別人口比率(総務省発表)と、都道府県別自殺者数(厚生労働省

発表)、当社が提供した面談カウンセリングの都道府県別利用状況を比較した結果、そ

れぞれが非常に類似した傾向にあることが判明した (図 3、 図 4参照)。 このことから、

当社が提供する面談カウンセリングは、現在の日本のメンタルヘルス問題をまさに反

映しており、その利用実態を分析することは、わが国のメンタルヘルス対策において

有意義であると考えられる。

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大 阪

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面談件数(2004年度~2009年度累計)

2008年人口比

図 3:都道府県別人口比率(2008年)と面談カウンセリング利用状況

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北 海

青 森

岩 手

宮 城

秋 田

山 形

福 島

茨 城

栃 木

群 馬

埼 玉

千 葉

東 京

神 奈

川 県

山 梨

長 野

新 潟

富 山

石 川

福 井

岐 阜

静 岡

愛 知

三 重

滋 賀

京 都

大 阪

兵 庫

奈 良

和 歌

山 県

鳥 取

島 根

岡 山

広 島

山 口

徳 島

香 川

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高 知

福 岡

佐 賀

長 崎

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宮 崎

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面談件数(2004年度~2009年度累計)

2008年自殺者数

図 4:都道府県別自殺者数(2008年)と面談カウンセリング利用状況

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3. 利用者について

(ⅰ)利用者の属性(契約先所属のご本人か、そのご家族か)

表 2 は、面談カウンセリング利用者を、当社契約先団体に所属するご本人か、その

ご家族かで分類し、性別ごとの利用件数を表したものである。図 5 は、その割合を円

グラフで示したものである。これらから、面談カウンセリングの利用はご本人が 8 割

超と圧倒的に多いことがわかった。また、ご本人の利用状況に性別による違いは見ら

れなかった。一方、ご家族の利用状況には性別による違いが見られ、女性の利用が圧

倒的に多いことがわかった。この背景には、契約先所属の本人の妻の利用が影響して

いるものと推察する。

表 2:利用者の属性と利用件数

男性 女性 男性 女性

実施件数(件) 14,102 13,829 905 5,440 34,276

ご本人 ご家族 合計

男性

ご家族

3%

女性

ご家族

16%

女性

ご本人

40%

男性 ご本人

41%

図 5:利用者の属性別割合

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(ⅱ)利用者(契約先所属のご本人)の性別・年代別利用状況

次に、契約先所属のご本人の利用状況を見ると、男性、女性ともに利用が多いのは

30~40 代であることが判明した。この結果は、財団法人社会経済生産性本部による全国

の上場企業 2,368 社を対象とした「メンタルヘルスへの取り組み」に関する企業アン

ケート (2008) の 「心の病が最も多い年齢層は 30 代 (59.9%) で、 ついで 40 代 (21.9%)」

という結果と同様であった。

30 代~40 代は、 職場での職責も上がり、 業務上の負荷が増す年代である。 あわせて、

プライベートでも結婚や出産、育児や子どもの進学問題、親の介護問題など、変化が

多い時期でもある。このような職場内・外の変化がストレスとなり、面談カウンセリ

ングの利用に繋がっているものと推察する。

次に、図 6 と図 7 を比較すると、女性の利用ピークが男性より 10 歳早いことがわか

った。この背景には、出産や育児、仕事と家庭の両立の問題といった、女性特有のライ

フサイクル上のストレスが存在するものと思われる。

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本人

・男性

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本人

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・男性

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・男性

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・男性

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2004年度

2005年度

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図 6:利用者の年代別利用状況(ご本人・男性)

年齢を表す ※ 性別に続く数字は

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2004年度

2005年度

2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

図 7:利用者の年代別利用状況(ご本人・女性)

(ⅲ)利用者(ご家族)の性別・年代別利用状況

ご家族の利用状況を見ると、男性、女性ともに 20 歳以下の年代で毎年一定数の利用

があることがわかった。この年代は、契約先所属のご本人のお子様に該当するものと

推測される。

ご家族においては、 男性の利用は少なく、 女性の利用が圧倒的に多かった。 また、 「ご

家族・女性」の利用のピークは 30 代~40 代であり、近年では 40 代の利用が最多とな

っている。これは、「契約先所属のご本人・男性」の利用状況と同様の傾向であった。

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家族

・男性

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家族

・男性

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・男性

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・男性

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家族

・男性

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家族

・男性

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2004年度

2005年度

2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

図 8:利用者の年代別利用状況(ご家族・男性)

年齢を表す ※ 性別に続く数字は

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2005年度

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2008年度

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図 8:利用者の年代別利用状況(ご家族・女性)

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(ⅳ)利用者の性別・勤続年数別利用状況

勤続年数別の利用状況を見ると、 男性、 女性ともに 「逆N字」 型を示していた (図 9、

図 10 参照)。入社「6 年未満」の利用が多い背景には、就職による環境の変化や、新し

い職場や業務に慣れなければならず、ストレス負荷が高い状況があるものと推察する。

また、次のピークである勤続「20 年未満」は、勤続年数が 10 年超~30 年未満の者で

あり、この群の年代を推察すると、おそらく 30 代半ば~50 代半ばくらいと思われる。

これは先述の、業務上の負荷が増し、プライベートでも変化が多い世代とほぼ一致す

る。

一方で、勤続「10 年未満」すなわち勤続年数が 6~10 年未満の者では、男女ともに

利用が少なかった。この背景には、職場や自分の業務にも慣れ、ある程度の見通しを

持って就業できており、プライベート上でも特段の変化が少ない状況にある可能性が

考えられる。反対に、業務多忙で時間的な余裕がなく、自身の心身の調子をかえりみ

る機会を持つことも難しい状況であったり、心身に不調を感じ専門家に相談したいと

思っても、そもそも相談に行く時間すら確保できない、といった状況にある可能性も

考えられる。

勤続年数「10 年未満」群のメンタルヘルスを明らかにし、効果的な介入を行うこと

は、その後面談カウンセリングの利用が増える勤続年数「20 年未満」群や、「心の病が

最も多い年齢層」と言われている 30代のメンタルヘルスケアやその予防の一助になり

うると考える。この背景を詳細に分析することは、企業のメンタルヘルス対策を考え

る上で非常に有用であろう。

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6年未

満・男

10年

未満

・男性

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・男性

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未満

・男性

30年

以上

・男性

該当

なし・そ

の他

・男性

家族

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・無職

・男性

2004年度

2005年度

2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

図 9:利用者の勤続年数別利用状況(男性)

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400

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1,000

1,200

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1,600

6年未

満・女

10年

未満

・女性

20年

未満

・女性

30年

未満

・女性

30年

以上

・女性

該当

なし・そ

の他

・女性

家族

・学生

・無職

・女性

2004年度

2005年度

2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

図 10:利用者の勤続年数別利用状況(女性)

4. 相談内容

(ⅰ)職場内・外の相談の割合

面談カウンセリングで利用者が相談した内容(主訴)を、「職場内」と「職場外」に

二分した。主訴は複数回答可となっており、以下は述べ件数で集計した。

職場内の問題と、職場外の問題の割合はほぼ同じであった。性別でみると、男性で

は職場外の問題より職場内の問題の方が多く、女性では反対に職場外の問題の方が職

場外の問題より多かった。

表 3:主訴の件数

男性 女性 男性 女性

件数 29,515 24,310 20,621 32,080 106,526

職場内 職場外 合計

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男性

職場内

28%

女性

職場内

23%

女性

職場外

30%

男性

職場外

19%

図 11:主訴の職場内・外の割合

(ⅱ)職場内の相談の詳細

面談カウンセリングで利用者が相談した内容(主訴)のうち、「職場内」のものの件

数とその割合を集計した。その結果、「職場内」の主訴 53,825 件のうち、上司(17%) 、

同僚(13%) 、部下(5%)といった職場内の人間関係での相談が、全体の 35%を占め

ることがわかった(図 12 参照) 。

業務内容の問題

11%

その他 2%

パワー

ハラスメント 3%

休職の問題 6%

セクシャル ハラスメント

1%

リストラ

1%

勤労・就業意欲 11%

職場環境の問題 8%

職場での 災害の問題

0%

転職・退職の

問題

6%

 異動・昇進・

昇格の問題

5%

給与・待遇の問題

2%

技能・能力の問題

9%

人間関係

(同僚との問題) 13%

人間関係

(部下との問題) 5%

人間関係

(上司との問題) 17%

図 12:主訴(職場内)の割合

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図 13 は、性別の主訴件数を示したグラフである。男女ともに「人間関係(上司との

問題)」が一番多いが、その他では男性で「勤労・就業意欲」 、 「業務内容の問題」 、 「技

能・能力の問題」といった自分自身の仕事への適性や能力、意欲についての相談が多

く、女性では「人間関係(同僚との問題)」が多いことがわかった。この結果から、性

別によってストレスを感じる要因に違いがあると推測される。

0 1000 2000 3000 4000 5000

その他

パワーハラスメント

休職の問題

リストラ

勤労・就業意欲

業務内容の問題

職場での災害の問題

職場環境の問題

転職・退職の問題

異動・昇進・昇格の問題

給与・待遇の問題

技能・能力の問題

人間関係(同僚との問題)

人間関係(部下との問題)

人間関係(上司との問題)

男性

女性

図 13:性別の主訴(職場内)件数

(ⅲ)職場外の相談の詳細

面談カウンセリングで利用者が相談した内容(主訴)のうち、「職場外」のものの件

数とその割合を集計した。その結果、「職場外」の主訴 52,701 件のうち、 「本人の性格」

に関するものが 24%と最も多かった(図 14 参照)。また、「夫婦の問題」 (15%)、 「子

どもの問題」 (13%)、 「介護・扶養の問題」 (3%)といった家庭内の問題の相談が、全

体のおよそ 30%を占めることがわかった。

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13

夫婦の問題

15%

子どもの問題

13%

介護・扶養の問題

3%

恋愛・結婚の問題

6%

経済問題

3%

死別の問題

2% その他

7% 性に関する問題

1%

人生観の問題

7%

ドメスティック

バイオレンス

1%

就職・修学の問題

3%

本人の性格

24%

近隣関係の問題

1%

法律問題

0% 健康問題

12% 住宅問題

2%

図 14:主訴(職場外)の割合

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000

その他

死別の問題

性に関する問題

ドメスティックバイオレンス

人生観の問題

就職・修学の問題

本人の性格

近隣関係の問題

法律問題

住宅問題

健康問題

経済問題

恋愛・結婚の問題

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図 15:性別の主訴(職場外)件数

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(ⅳ)症状

面談カウンセリングの利用者の状態を、 「健常」 、 「気分の落ち込み等うつ状態」 、 「不

安等不安状態」 、 「ストレス反応等身体的愁訴」 、 「薬物・ギャンブルなどへの依存」 、 「幻

覚・妄想」 、 「拒食、過食」 、 「性格・人格の障害」 、 「その他」の 9 つに分類した(図 16

参照) 。 「気分の落ち込み等うつ状態」が全体の 32%と最も多かったが、特に心身の不

調は認められない「健常」も 26%と 2番目に多く、全体の 1/4を占めていた。

不安等不安状態

14%

幻覚・妄想

0%

拒食、過食

1% その他

3%

性格・人格の

障害

3%

薬物・ギャンブル などへの依存

1%

ストレス反応等

身体的愁訴

20%

気分の落ち込み

等うつ状態

32%

健常 26%

図 16:症状の割合

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【総評】

面談カウンセリングで相談された内容(主訴)は、「職場内」と「職場外」の割合に

差はなかった。この背景には、面談カウンセリング利用者の多くが、様々な領域に及

ぶ問題を複数抱えている状況があるものと推察する。当社サービスの一つである「電

話による心理相談」においても、職場内・職場外の双方に及ぶ問題を抱え、それらが

複雑に絡み合い、問題解決が困難になっていると思われる相談が散見される。特定非

営利活動法人自殺対策支援センターライフリンクが、経済学者や弁護士、精神科医等

とまとめた「自殺実態白書 2008」によると、自殺者は平均すると 4 つの要因を抱えて

亡くなっていることが判明したという。問題の複雑化は、場合によっては人を自死に

まで追い込むこともある。複雑化した問題の解決にあたっては、面談カウンセリング

の利用や専門医療機関の受診といった専門家の援助を利用することも一つの方法であ

るが、合わせて、環境調整や身近な人からの有形・無形の支援といったソーシャルサ

ポートの充実が欠かせないものと思われる。

近年、仕事から家庭への葛藤(例:仕事が忙しくて家族との時間が取れない)、およ

び家庭から仕事への葛藤(例:家庭の問題で悩んでいるために、仕事に集中するのが難

しい) という 「ワーク・ファミリー・コンフリクト」 や 「ネガティブ・スピルオーバー」、

またスピルオーバーが、職場内・家庭内で同僚や夫婦といった他の成員の精神的健康度

に影響する「クロスオーバー」という概念を耳にする機会が多い。今回の集計・分析結

果からも、スピルオーバーやクロスオーバーと思われる状況がうかがえた。例えば、<

利用者の属性>において、 「ご家族・女性」の利用傾向が「契約先所属のご本人・男性」

の利用状況と同様であったことから、夫婦間でクロスオーバーが生じている可能性が考

えられた点などである。

この他、 「契約先所属のご本人・女性」の面談カウンセリングの利用ピークが、「契約

先所属のご本人・男性」より 10 歳早かった背景には、性別に特有のライフサイクルが

存在するものと思われ、ストレスとなりうるものやストレスを感じるものには、性別に

よって違いがあることが示唆された。また、勤続年数別に面談カウンセリングの利用状

況を分析した結果、男女ともに「逆 N 字」型を示したことから、勤続年数に応じたメン

タルヘルスケアの必要性もうかがえた。

以上から、メンタルヘルスの問題は「職場内」か「職場外」かといった単一領域のも

のではなく、またライフサイクルや性別によってそれぞれ特徴があるため、各々の状況

にあった対応方法を検討していく必要があるといえる。職場や家庭において、ストレス

や葛藤をゼロにすることは不可能であることを考えると、個人レベルでの対処スキルの

向上を目指すのと同時に、職場や家庭といった集団において、特定の個人にのみ負担が

集中しないようなバランス作りを意識することが重要であろう。

今回の『こころのサポートシステム』※ 面談利用者の利用実態の集計・分析では、

主に利用者と相談内容(主訴)に焦点をあてた。今後は、本結果の更なる分析に加え、

面談利用者の就労形態や面談利用回数などにも焦点をあて、分析・報告を行いたい。

以上

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※《「こころのサポートシステム」について》

・ 電話カウンセリング(年中無休 9:00~22:00)

・ 面談カウンセリング(全国 47 都道府県 221 箇所、国内最大級のネットワーク)

・ WEBカウンセリング(24 時間年中無休受付)

<参考>

電話カウンセリングの相談件数推移

2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 電話カウンセリング件数 18,774 28,428 37,115 39,305 42,606 40,194

《ティーペック株式会社について》

『 「誠の幸福とは、心身ともに健康な生涯を送ることにある。」と考え、その生涯づくりに

貢献いたします。 』を経営理念に平成元年 6 月に設立された健康医療・メンタルヘルスサー

ビスの専門会社です。企業のメンタルヘルス対策「ティーペックEAP」では 791 名の専

門スタッフ(医師・臨床心理士等)により大手企業団体・官公庁を中心に約 540 団体に提

供、年間5万件(2009 年度実績、電話・面談)メンタルヘルスカウンセリングを提供して

いる国内最大のEAPプロバイダーです。近年では企業の人事労務部門のコンサルテーシ

ョンや復職支援、GLTDなど総合的にサービスを提供しております。

【会社概要】

設立年月日 : 平成元年 6月 15 日

事 業 内 容 : 電話による健康相談ほか、医療関連サービス及びEAP関連サービス

代 表 者 : 代表取締役社長 砂原 健市

資 本 金 : 2億5千万円

売 上 : 30億4,500万円(第21期)

本店所在地 : 〒101-0021 東京都千代田区外神田5丁目2番1号 Sビル

メディカルコールセンター : 4拠点 (東京・新宿・横浜・大阪)

社 員 数 : 150名(平成22年3月現在)

ティーペック内部スタッフ : 408名(平成21年4月現在)

面談カウンセリング提携スタッフ : 383名(平成 21 年 4月現在)

【リリースに関するお問合せ先】

ティーペック株式会社

マーケティング本部 営業内務部 阿部(塩崎)

〒110-0005 東京都台東区上野5丁目6番10号 台和上野ビル

電話 (03)3839-1634 メール [email protected]

ホームページ http://www.t­pec.co.jp/index.html