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1。緒 ひまわりから見たカノレマン渦 The Karman Vortex street Detected by the Geostationary Meteorological Satellite “Himawari” 明* Akira Moriwaki* Abstract Karman vortex streets detected by the Geostetionary Meteorological Satellite“Hima- wari” are observed in a down-side area of an island : Che-ju island. Yaku-shima island, Ururun island, Shantong peninsula, for instance. In these areas common conditions are found geographically and meteorologically. Three numbers are defined: Reynolds number, Strouhal number, a ratio b/a (b: a distance between two vortex streets,a: a distance between neibouring vortices livingup along a street). In this paper these numbers are discussed, and the ratio b/a were mea・ sured using the data obtained near Japan. It was revealed, according to a statisticalinvestigation, that there was a frequent occurence, in the down-side of Che・juisland from December to January, and in that of Yaku-shima island on February, respectively. The case of December 23rd to 24th, 1981 has been analysed. Results showed that a shape of vortex streetsrepresented trajectoriesof air particles in the vicinty of the island. 冬期日本付近の気象衛星画像に明瞭なカルマソ渦がし ばしば見られる。特に韓国・済州島(Cheju lsland)の 風下には,大きな個々の渦を持ち,時には800 km~ 1,000 km 位の長さの渦列が出現する。 また屋久島の風 下や千島列島の風下でも時々出現し,まれに韓国・ウル ルン島(ウツリョウ島)や山東半島の風下にも見られ る。(Fig. 1-1 写真参照)カルマン渦は,日常身近の 例としては,川の中に立っている杭の下流にできる渦が 挙げられ,また実験室での流体実験でも容易に作ること ができる。衛生画像でみる雲の場合は,実験室での障害 物の代わりに500 m~2,000 m 位の高さの円錐形に近い 山があり,インクまたは煙などの代わりに比較的強い逆 転層に雲頂を押えられた層積雲か層雲が広い範囲で存在 するわけである。カルマソ渦が出現する為には,その他 *気象衛星センター解析課, Meteorological Satellite Center 色々な共通した条件がある。その一つに,その山の付近 には方向の一定した比較的強い下居職が吹いているとい うこと。そして,障害物となる山は広い海面に突き出た 半島か広い海面上の小さな島であることなど。しかし, これらの条件は絶対条件ではないので,この条件外でも カルマン渦は山の風下に出現する可能性はある。実際ひ まわりの画像では,北海道の風下や東北地方の職下にみ られる。(Fig. 1-2参照)。 2/カルマン渦に関する数式及び数 カルマン渦に関した重要な数として,レイノルズ数が ある。このレイノズル数り?e)は,慣性力が粘性力の何 倍かを示す無時限の数で, Re = U・d/ν (1) で与えられる。ここで,uは自然流体の速度,dは障害 物の直径,pは流体の動粘性係数となっている。またlノ -1-

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1。緒

ひまわりから見たカノレマン渦

The Karman Vortex street Detected by the Geostationary

       MeteorologicalSatellite“Himawari”

 森 脇   明*

Akira Moriwaki*

                        Abstract

  Karman vortex streets detected by the Geostetionary Meteorological Satellite“Hima-

wari” are observed in a down-side area of an island : Che-ju island. Yaku-shima island,

Ururun island, Shantong peninsula, for instance. In these areas common conditions are

found geographically and meteorologically.

  Three numbers are defined: Reynolds number, Strouhal number, a ratio b/a (b: a

distance between two vortex streets,a: a distance between neibouring vortices livingup

along a street). In this paper these numbers are discussed, and the ratio b/a were mea・

sured using the data obtained near Japan.

  It was revealed, according to a statisticalinvestigation, that there was a frequent

occurence, in the down-side of Che・ju island from December to January, and in that of

Yaku-shima island on February, respectively.

  The case of December 23rd to 24th, 1981 has been analysed. Results showed that a

shape of vortex streetsrepresented trajectoriesof air particles in the vicinty of the island.

 冬期日本付近の気象衛星画像に明瞭なカルマソ渦がし

ばしば見られる。特に韓国・済州島(Cheju lsland)の

風下には,大きな個々の渦を持ち,時には800 km~

1,000 km 位の長さの渦列が出現する。 また屋久島の風

下や千島列島の風下でも時々出現し,まれに韓国・ウル

ルン島(ウツリョウ島)や山東半島の風下にも見られ

る。(Fig. 1-1 写真参照)カルマン渦は,日常身近の

例としては,川の中に立っている杭の下流にできる渦が

挙げられ,また実験室での流体実験でも容易に作ること

ができる。衛生画像でみる雲の場合は,実験室での障害

物の代わりに500 m~2,000 m 位の高さの円錐形に近い

山があり,インクまたは煙などの代わりに比較的強い逆

転層に雲頂を押えられた層積雲か層雲が広い範囲で存在

するわけである。カルマソ渦が出現する為には,その他

*気象衛星センター解析課, Meteorological Satellite

 Center

色々な共通した条件がある。その一つに,その山の付近

には方向の一定した比較的強い下居職が吹いているとい

うこと。そして,障害物となる山は広い海面に突き出た

半島か広い海面上の小さな島であることなど。しかし,

これらの条件は絶対条件ではないので,この条件外でも

カルマン渦は山の風下に出現する可能性はある。実際ひ

まわりの画像では,北海道の風下や東北地方の職下にみ

られる。(Fig. 1-2参照)。

2/カルマン渦に関する数式及び数

 カルマン渦に関した重要な数として,レイノルズ数が

ある。このレイノズル数り?e)は,慣性力が粘性力の何

倍かを示す無時限の数で,

         Re = U・d/ν     (1)

で与えられる。ここで,uは自然流体の速度,dは障害

物の直径,pは流体の動粘性係数となっている。またlノ

-1-

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気象衛星センター 技術報告・第9号・1984年3月

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  1983年10月12日00Z可視画像。:    尚

 ‘            lj=μ/ρ

でも表わ毎れる。ここで,μは流体の静粘性係数,ρは

流体の密度となっている。このレイ゛ノルズ数は,その流

体が乱流であるかどうかを決める値と云づてもよい。実

験室の実験による=と√このレイノルズ数がおよそ50忌

鳥忌5.000でカルマソ渦は出現している。(Niels Otto

Jensen and Ernest M. Agee,1978)。 山の風下に出来

るカルマン渦の場合には,およそ50</?e<300でカル

マン渦は出現している(Roshko.1954)。

 またレイノルズ数と関係のある数でストロウハル数

(S)という数がある(Niels Otto Jensen and Ernest

M.Agee,1978)。このS数は

          S=タ1・d/u         (2)

で与えられる。ここで,7z は渦の出現周期で,dと1りこ

ついては式(1)と同様になっている。

 式(!)上と式(2)よりレイノルズ数とス,トロウハル数

の関係を導くと

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ロウ・ヽル数の関係を求yめたグラフをFig. 2 此示す

(Roshko,1954)。‥およそRe=500以上でS=0.21‘近

くに安定していることがわかる。∧(Niels Otto Je一如

and Ernest M. Agee,1978)。 Roshko によると,。40忌

/?≪<200の範囲でカルマソ渦は出現t,ニモの範囲での

ストl=・ウハル数は0.12<S<0.19となっ・ている。ノまた

その範囲では

         S=0.212-4.5/i?-

の関係が成立し,瓦>300 ・に対してS=0.2!で安定な

値を取る。(Fig. 2) Roshko (1954)による。

 式(2)のfrequency (≪)は

         ?t=(Me/u)・・U/≪L= Ue/a

 で表わされ,渦の伝播スピードである≪eと同じ列中の

 渦の間隔(a)によって求められる。 またろトロウハル

 数とレイノルズ数の比(β)万を用いる場合も・あり,

3-

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-1

METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER TECHNICAL NOTE N0.9. MARCH 1984

2- 4 ● ●10    RsynoMs

となっていた。千島列島のウルヅプ島の風下に出現した。

も4)でeは,ゐ/a=μ)。29という理論上の値に近い値を取っ

ていたものもあった。期間は,1981年10月から1982年3

月,までのポーラステレオ画像より測定したもので,済州

島の南寄りの場合に。は5例,南東寄りの場合には12例,

屋久島では7例,。ウルップ島では1例より求めた。

3. GMS W真における出現の統計

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Fig. 2 Strouhat数とReynolds数の関係(流体

 が正円筒形の障害物を通過するとき)。Roshko

 (1954jによる。

         β=SIR,=7z・。/u*

を使用している。

 以上述べた数はカルマン渦が出来るかどうかを決める

数,またはカルマン渦が出現したときに障害物の直径と

流体に。よって,どうい'う形の渦列になるのか粂決める数

といっでも良い。'

 渦列が出現した後,その渦列の安定度・を表わす値に

b/aという比がある。`ここで&は渦列の間隔である

(Fig. 3参照)。流体力学の方程式からロシュッコによっ

て求められた理論上の値は, COsh(itb/a)=√2‾となっ

ている。これはすなわち,1・/a=:=0.2806のときのみ渦列

が安定することを意味している。しかし,実際に観測さ

れた6/aという比は,障害物の形や流体の種類によって,

0.28<b/a<0.52の範囲になっていることをChopraと

Hubertが報告している(Chopra and Hubert,1965)。

 一シーズンに気象衛星ひまわりから観測されたゐ/aの

平均値は,次のようになっている。カルマソ渦が済州島

の南寄りの方向に出現した場合では,その値は6/a=:=

0.42,南東寄り出現した場合には,1・/a=:=0.48,屋久島

の南東方向寄りに出現したもののモの値は,ゐ/a=:=0.46

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Fig. 3 free flow 中にある円柱障害物の下流に出

 来るカルマソ渦。dは円柱の直径,aは同列の渦

 と渦の間隔,bは両列の間隔。

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 1981年9月から1982¥4JIの間の゛カルマン渦のシーズ

ン中における月別出現回数(頻度)と月別出現時間の統

計をFig. 4とFig. 5に示す。_これらは,「ひまわり」

の3時間ごとの画像より目視で測定し,きちんとした渦

状に。なっていなくても,乱塊状であれぱ出現・していると

見なした。これによると,済州島の風下に発生するカル

マン渦は10月に出現頻度と出現時間共に小さなピークが

あるぶこれは,日本付近が冬型の天気のときに非常に強

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Fig. 4 1981年9月から1982年4月までのカルマソ

 渦の月別出現度数。「ひまわり」の画像より目視

 によって数え,きれいにカルマソ渦になっていな

 い乱流状のものも含めた。(a)は済州島(Cheju

 ls.),(b)は屋久島,(c)は千島列島全島。

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Fig. 5 1981年9月から1982年4月までの月毎の出

 現時間。以下Fig. 4と同様。

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気象衛星センター 技術報告 第9号 1984年3月

Fig. 6 台風の西側の北風域に見られたカルマソ渦の例。1981年10月22日06Z 可視画像。

い北寄りの季節風が吹き込む為に発生するものではな

く,台風が日本付近に接近したとき,北寄りの強い風を

もたらす為に発生するものだと思われる(Fig. 6の写真

参照)。これが済州島の風下に出現するカルマン渦の一

つのパターンとなっている。もちろんこの場合では,季

(MB)

500

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節風によって発生する場合と,少し天気図の様子が異な

っている。

 屋久島の風下に発生するカルマン渦は,出現時間で済

州島の風下のものと同傾向になっているが,出現頻度に

おいて済州島のそれとは異なっている(Fig. 4参照)。

Fig. 7 季節風の風向に沿う径路上の気温鉛直分布。

FUKUOKA

烏山,光州,

KA6 OSHIMA NAZE

済州島,福岡,鹿児島,名瀬

の位置を直線(季節風と平行)に投写した距離間隔で記入してある。鋼線は乾燥断熱線を示し,

細線は湿潤断熱線,破線は逆転層を示す。縦軸は高度(気圧)を表わしている。

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METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER TECHNICAL NOTE No. 9. MARCH 1984

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Fig. 8 1981年12月24日00Zにおける済州島風下海域の赤外輝度温度分布。数値は摂氏温度。

 火線はo°Cの等温線で5°C毎に等温線を引いた。

- 6-

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気象衛星センター 技術報告第9号 1984年3月

済州島の風下では,12月~1月に出現頻度のピークがあ

るが,屋久島の風下では,2月になっている。その理由

は1月から2月になると,日本の南岸を低気圧が頻繁に

通過するために,屋久島の風下にのみ渦列が発生し易く

なるためであろう。さらにその低気圧の移動スピードは

非常に速いので,渦列の出現(持続)時間はそれほど長

くはならない(Fig. 5参照)。

 済州島の風下に出来るカルマン渦は,屋久島の風下に

出来るカルマソ渦に比べて,ほぼ出現頻度と出現時間と

もに多くなっている。これは屋久島の風下に出現するカ

(a) 23 12Z

ルマン渦が,一定方向(ほぽ南東方向)にしか出現しな

いためのようだ。一定方向にしか渦列が出現しない理由

は,山の形が円錐形でないことと,広い海がその方向に

のみ存在するということであろう。

 千島列島では,1月からカルマン渦が見られ始める。

2月に少ないのは,海氷がオホーツク海をうめ尽くす為

に,海面からの水蒸気の蒸発が少なくて,雲が出来ない

ためと解釈できる。すなわち,大気の流れにはカルマン

渦は発生するだろうが,雲がそこにないので気象衛星か

ら観測することが出来ないのであろう。実際,3月にな

(b) 23 18Z

      (c1 24 00Z                    (d) 24 06Z

Fig. 9 (a):1981年12月23日12Zに赤外画像。(b):12月23日18Z赤外画像。(c):12月24H0OZ

 可視画像。(d):12月24日06Z可視画像ふ

                      ー・。7・-

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METEOROLOGICAL SATELLITE CENTER TECHNICAL NOTE N0.9. MARCH 1984

ると,海氷はオホーツク海を北上し,一方カルマン渦の

出現頻度は急に増加する(Fig. 4 参照)。千島列島の風

下では,カルマソ渦を5月頃まで観測することができ

る。

4。 事例解析

 1981年12月23日06zから24日09zにかけて,非常には

っきりしたカルマソ渦が済州島の風下に見られたので,

時間を追ってその渦列を解析した。この期間中の12月24

Fig. 10 渦列の中の一対の渦の移動径路。 1981年12月23日12Z~12月24日06Zの間のもの。

 12月24日00Zの850 mb の風を矢羽根で記入してある。

Fig. 11 1981年12月24日00Zの地上天気図。

        -8-

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気象衛星センター 技術報告 第9号 1984年3月

日00zの鳥山(韓国),光州(韓国),福岡,鹿児島,名

瀬のそれぞれの地点でのエマグラムをFig. 7に示した。

この中で,非常に強い逆転層がおのおのの地点におい

て,表われているのがわかる。赤外データによると,カ

ルマン渦を形成していると思われる雲の雲頂温度のいち

ばん低いところ(Fig. 8 のA付近)で,0°C~-3°C

位になっている。 Fig. 7から推定した済州島付近での

逆転層は, 850~700 mb 位になっている。 このときの

850~700 mb の高度は,同時刻の高層データよりおよそ

1,500~3,100 m 位になる。 この逆転層の高さは,済州

島(1, 950 m)に対して,十分capping inversion と成

り得るものである。

 またFig. 9に23日12zと23日18z, 24日OOz, 24日06z

時の「ひまわり」からの写真を示した。この中で注目さ

れる点は,渦列の走向が(a)では南東方向,(b)では南

南東方向, (c)では南南西方向,(d)では南西方向と云

うように連続的に変化したと云うことである。その結

果,24日06zではFig. 9 (d)のように,渦列は西へ凸

ってこの渦の動きを説明することができる。 Fig. 11に

示した12月24日00zの地上天気図にあるように,朝鮮半

島の西にあった移動性の高気圧が東方へ移動して来た為

に,大きな風の揚が北西風から北北西風と変わり,そし

て北風から北東風と変化した為にこの美しい渦列が出現

した。

参考文献

1) Niels Otto Jensen and Ernest M. Aee,1978:

  Vortex cloud street during AMTEX 75,Tellus,

  30, 517-523.

2) Kiyoshi Tsuchiya, 1969 : The clouds with the

  Shape of K1・m&n Vortex Street in the Wake

  of Cheju Island, Korea, J. of Met. Soc. of Japan,

  vol. XXXXVII, No. 6, Dec.28.

3)I. Hirota and K. Miyakoda,1964 : Numerical

  Solution of Karman Vortex Street behind a

  Circular Cylinder, J. of Met. Soc. of Japan,

  vo1.43 N0. 1.

に湾曲している。このFig.9(d)の一枚の画像を見る限  4)

りにおいて,渦は渦列に沿って流れて来たように見え

る。しかし, Fig. 10では,その一対の渦は渦列と逆方

向に湾曲して流れていることを示している。しかも・ス  5)

ピードを増しながら,一対の渦は間隔を広げていること

がわかる。この動きは,正に樟跡線であり,流跡線によ

こ 二 ) 9-

R. E. Thomson, J.F. R. Gower and N.W. Bow-

ker,1977 : Vortex Streets in the Wake of the

Aleutian Islands, Monthly Weather. Review,

vol. 105, July.

T. Muramatsu, 1971 : 稚内地方における地上風の

周期的化変について,天気18. 6.