フェニックスティビアルネイルシステム
CoreLock テクノロジー
目 次
はじめに………………………………………… 1
適 応…………………………………………… 2
製品の特徴……………………………………… 3
手術手技………………………………………… 6
Ordering Information …………………… 31
1
はじめに
フェニックスティビアルネイルシステムはチタン合金製で、あらかじめプリセットされたCoreLock スクリュー(以下 CoreLock)により、すべての近位部オブリークスクリューを固定し、さまざまな脛骨骨折に対してネイル内部で機械的に 5.0mm までコンプレッションを行うことができる CoreLock テクノロジーを特徴とします。ネイル遠位部は、遠位部骨折を治療するために、遠位端から 4.5mm の位置にスクリューホール中心が位置する最遠位のスクリューホールとネイル遠位端から 10.0mm に 2 番目のスクリューホールが位置します。
ティビアルネイルは左右共通で、ネイル外径は7.5mm、9.0mm、10.5mm、 お よ び 12.0mm、長さは 240 ~ 420mm(20mm 刻み)あり、さまざまな症例に適用します。さらに、このシステムは強くて軽いX線透過性のターゲットアームが特徴で、これによって複数の平面上でイメージインテンシファイア(以下イメージ)画像確認を可能とします。革新的なインプラントデザインを有するフェニックスティビアルネイルシステムの手術器械は、専用器械とコモン器械に分けられたトレイに使いやすく収容されております。
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適 応
外傷又は疾病により引き起こされた骨折のアライメント不良の整復、安定化及び固定、変形矯正のために外科的に処置された脛骨の固定に使用される脛骨髄内釘です。
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9°ベンド
63.5mm 18.5mm24.5mm
29mm
39mm49mm
90°
45°
90°
45°
45°45°
OBL90°
OBL
OBL
M/L M/L
51mm
1.8mm *
* 7.5mm ネイルの場合のみ 2.4mm
4.5mm
10mm15.6mm
製品の特徴
10mm
近位オブリークスクリューホール
ダイナマイゼーションホール
スタティックホール
3°ベンド
注:図は実寸ではないので、参考としてのみ使用して下さい。
OBL
4
7.5mm 9mm 10.5mm 12mm
製品の特徴(続き)
CoreLock テクノロジープリセットされた CoreLock の採用により、シンプルかつ強固なスクリュー固定を実現しました。
製品バリエーション◯ネイル径:7.5mm、9.0mm、10.5mm、および
12mm
◯ネイル長さ:240 ~ 420mm(20mm 刻み)
ネイル径 ネイル近位径7.5mm、9mm、10.5mm 11mm
12mm 12mm
プリセットされた CoreLock により、ネイルに近位のオブリークスクリューを固定できます。
CoreLock にて、ネイル内部で機械的に 5.0mmコンプレッションが可能となります。
CoreLock のスクリューホールにはフェニックススクリューに対応した溝がついているので、CoreLock を緩めずにフェニックススクリューを抜去することができます。
5
0mm 5mm 10mm 15mm 20mm
5mm のフェニックススクリュー◯チタン合金製◯スムーズな挿入を実現
- ダブルリードスレッド設計- セルフタッピング機構- 専用ドライバーで把持しながらの挿入が可能です。
◯皮質骨への固定性向上- スクリューヘッド直下から先端まで幅広くネジ切りが施されています。
◯カラー- グリーン
◯長さ- 20 ~ 60mm(2mm 刻み)- 65 ~ 110mm(5mm 刻み)
4mm のフェニックススクリュー◯ 7.5mm 径ネイル遠位専用。◯カラー
- ゴールド◯長さ
- 20 ~ 58mm(2mm 刻み)
エンドキャップ3.5mm のインサーターコネクターによってエンドキャップの把持が可能です。
3.5mm のインサーターコネクター(ロングとショート:カタログ番号 14-441043、14-441046)がスクリューヘッドと連結します。
フェニックススクリュー内のめねじがスクリュードライバーと連結されることでスクリュー挿入作業がより簡便となります。
14-441043インサーターコネクターショート
14-441046インサーターショート
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手術手技
手順 1:術前計画脛骨骨折におけるネイル固定法の成功は、慎重な術前計画と患者の評価に左右されます。
骨折パターンを十分に理解するには、脛骨全体の完全なX線写真による評価を得る必要があります。脛骨遠位骨折の場合、遠位骨片固定を行うのに使用できる骨を正確に評価するために、足関節部位まで含めた正確なX線写真が必要です。テンプレートを使用した術前計画は、遠位骨片の固定が可能かどうかを評価するのに役立ちます。
粉砕骨折例では患肢の正確な長さを把握するために、健側のX線写真での検討が必要になることもあります。または、準備とドレーピングを行う前に、メジャーを用いてイメージで脛骨の長さを測定できます。これによって選択すべき適切な長さのネイルを確認することが可能になります。
手順 2:患者体位と準備患者をX線透過性の手術台上で仰臥位にします。イメージでの確認を容易にするために、側面が金属でない手術台が有用です。ネイルの挿入を容易に行うために膝用三角枕の上、またはタオルを数本丸めた上で膝を 90 度程度の角度に曲げます。
患肢の準備とドレーピングを行います。大腿部で駆血帯を用いてもかまいませんが、髄内リーミングを行っている間は、それを締め付けたままにしないで下さい。あるいは、骨折の整復を行い、ネイル固定を行っている間に長さを維持するために牽引台または大腿延長器(femoral distractor)を用いることも可能です。
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M L
9°
手順 3:アプローチ膝蓋骨中央から脛骨プラトーの最上部まで、膝蓋腱上中央で正中縦切開し膝蓋腱を露出します。外側または内側傍膝蓋骨縁へアプローチを行いますが、膝関節の中に入ってはいけません。適切な挿入口確保のために膝蓋骨の前方脂肪体を除去します。
手順 4:ネイル挿入口の確認イメージ面像(右図)に示されているように、関節縁の遠位に 3.2 × 460mm のガイドワイヤー(カタログ番号 27914)を設置します。挿入は、正面像で脛骨の外側顆のすぐ内側、もしくは正中線すぐ外側になります。この位置は、半月板、関節軟骨および前十字靭帯(ACL)を損傷するリスクを低減します。イメージを使って、ガイドワイヤーの設置を確認します。
27914ガイドワイヤー
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手順 5:挿入口の作成挿入口を広げるために、ガイドワイヤー上でワーキングチャンネルソフトティッシュースリーブ
(カタログ番号 41029)と 11.5mm のフェニックスワンステップリーマー(カタログ番号 14-443003)を設置し、髄腔内に入るまでドリルで穴を開けます。
または、ダイヤモンドポイントオウル(カタログ番号 470320)を用いても挿入口を作ることができます。
手術手技(続き)
14-443003フェニックスワンステップリーマー
41029ワーキングチャンネルソフトティッシュースリーブ
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手順 6:整復とガイドワイヤーの挿入イメージ画像を利用して、徒手的に骨折整復を行います。髄内をリーミングする場合には、2.6mm× 80cm のビーズチップガイドワイヤー(カタログ番号 14-410002)を脛骨近位の開口部から挿入し、骨折部まで進めます。ガイドワイヤーが骨折部位を通過するときに画像をチェックします。必ず正面と側面の画像を用いて、ガイドワイヤーの髄腔内での位置が、正面と側面で遠位側の骨片の中央にあることを確認します。ユニバーサルキーレスチャック(カタログ番号 14-442078)を使用すると、骨折部位にガイドワイヤーを容易に通しやすくなります。リーミング中にガイドワイヤーが抜け出てくること避けるために、遠位部までガイドワイヤーを挿入することも可能です。
14-410002ビーズチップガイドワイヤー
14-442078ユニバーサルキーレスチャック
10
5mm
手術手技(続き)
骨片転位がある場合には、骨折部位をガイドワイヤーが通過しやすいように、8.5mm 径のフラクチャーリデューサー(カタログ番号 14-442068)を使用することもできます。
14-442068フラクチャーリデューサー
14-442073ストレートピン
偽関節の症例で、髄腔への経路が塞がれていて、骨折部位へのガイドワイヤーやリーマー挿入に支障がある場合、5.0mm 径のストレートピン(カタログ番号 14-442073)またはカーブピン(カタログ番号 14-442074)が使用できます。
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手順 7:ネイル長の計測2.6mm のビーズチップガイドワイヤーの上に、テレスコーピングメジャーガイド(カタログ番号14-440047)を挿入し、ネイル挿入部前方皮質骨からガイドワイヤー先端部分まで計測が可能となります。この計測に基づいて適切なネイルを選択します。テレスコーピングメジャーガイドはガイドワイヤー近位先端まで伸ばして計測します。
14-440047 テレスコーピングメジャーガイド
またネイルの長さを測定するために、2 本のガイドワイヤーの重複部で直接読み取る方法もあります。ネイルは挿入部からの突出を防ぐために十分な深さまで挿入する必要があります。そのためにネイルは計測値より 10mm 以上短いものを選択することを推奨します。同じ長さのガイドワイヤーをもう 1 本使用する場合には、ガイドワイヤー長計測器(カタログ番号14-442075)を使用することができます。
14-442075 ガイドワイヤー長計測器
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手術手技(続き)
手順 8:髄内リーミング8.0mm 径のフレキシブルリーマーを使用し皮質骨に接触するまで最初は1.0mmずつ、次第に0.5mmずつ拡大しながらリーミングを開始します。最後に使用したリーマーの径より 1.0mm 小さい径のネイル選択を推奨します。
リーミング時にガイドワイヤーが抜けてくることを防止するためにワイヤープッシャー(カタログ番号 41027)を使用することができます。
注:ワイヤープッシャーは、複数の穴があるのが特徴です。この穴でガイドワイヤーを押さえることができます。
注:2.6mm のビーズチップガイドワイヤー(カタログ番号 14-410002)は、すべてのフェニックスティビアルネイルを通過するので、交換する必要はありません。
41027 ワイヤープッシャー
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手順 9:ネイルの装着ティビアルネイルの近位部にドライバーハンドル
(カタログ番号 41018)を取り付け、ネイル近位の傾斜が前方にあり、ドライバーハンドルの下側にある 3 つの凸がネイルの 3 本の凹とかみ合っていることを確認します。ドライバーハンドルの中にコネクティングスクリュー(カタログ番号41002)を挿入し、コネクティングスクリューインサーター 5mm(カタログ番号 41003)を使って固定します。
ネイルに完全に据え付けられた状態を示すドライバーハンドルのノーズ
正しくない
41003コネクティングスクリューインサーター
41002コネクティングスクリュー
41018 ドライバーハンドル
注:近位ターゲティングを確実にするために、ドライバーハンドルにフェニックスティビアターゲットアーム(カタログ番号 14-443000)を取り付けて、アライメント確認を行います。確認作業はソフトティッシュースリーブ(カタログ番号 41004)、ドリルスリーブ(カタログ番号41005)および 4.3mm ドリル(カタログ番号41010)をターゲットアームスロットに通して行います。アライメントが正確であることを確認したら、必要に応じてフェニックスティビアターゲットアームを取り外します。
14-443000フェニックスティビアターゲットアーム
410104.3mm ドリル
14
29mm20mm
15mm
10mm
5mm
手術手技(続き)
手順 10:ネイルの挿入ビーズチップガイドワイヤーに沿わせティビアルネイルを徒手的に挿入します。骨折はネイルをイメージ下に確認し整復を行いながら挿入します。ネイルが骨折部位を通過後、ビーズチップガイドワイヤーを抜去します。ドライバーハンドル上の溝で示されたレベルまで進め、ネイルを軟骨表面下まで挿入します。適切な挿入位置確認のために、正面と側面両方の画像で、最終的なネイルの位置決めをチェックして下さい。
髄腔内にネイルを挿入するためにマレットハンマー(カタログ番号 14-442053)を使用する場合、スラップハンマーアダプター(カタログ番号41001)をドライバーハンドルに取り付けます。ネイルとフェニックスティビアターゲットアームのずれを避けるために、ドライバーハンドルを直接打たないで下さい。
注:ドライバーハンドル上の溝でネイルの挿入深度が確認できます。
41001スラップハンマーアダプター
14-442053マレットハンマー
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手順 11:遠位部スクリューの挿入ネイル近位部にある CoreLock を利用して骨片にコンプレッションをかける場合には遠位部スクリューの挿入を先に行います。遠位部はフリーハンド法かラジオルーセントドリルを使用して挿入口を作成します(P.28 手順 14参照)。4.3mm 径ドリルでスクリュー挿入口を開け、スクリューデプスゲージ-エクストラショート(カタログ番号 14-442082)を使って、または 4.3× 152mm の シ ョ ー ト ド リ ル( カ タ ロ グ 番 号27984)と 4.3mm 用メジャリングスリーブ(カタログ番号 14-442076)を使用し、遠位固定に適したサイズのスクリューの長さを決定することができます。ドリルの末端で測定値を読み取ります。
注:7.5mm のネイルを用いる場合のみ、遠位スクリューホールは 4.0mm のスクリューを使用します。この場合、3.2mm 径ドリル(カタログ番号472060)を使用して下さい。
14-442082スクリューデプスゲージ-エクストラショート
14-4420764.3mm 用メジャリングスリーブ
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手術手技(続き)
スクリュー挿入遠位スクリューを挿入する際、T - ハンドル(カタログ番号 29407)、3.5mm のインサーターコネクターショート(カタログ番号 14-441045)と、3.5mm のインサーターショート(カタログ番号14-441046)を組み立てます。
近位スクリュー挿入時、T - ハンドル(カタログ番号 29407)に 3.5mm のインサーターコネクターロング(カタログ番号 14-441043)と、3.5mm のインサーターロング(カタログ番号 14-441044)を組み立てます。
ドライバーにフェニックススクリューが把持されていることを確認してから、フェニックススクリューを挿入します。必要に応じて追加のフェニックススクリューを挿入して下さい。
注:インサーターコネクターの折損防止の為、増し締めを行う際は 3.5mm ソリッドインサーター
(ショート:14-441052、ロング:14-441051)を御使用下さい。
注:最遠位のフェニックススクリューを固定するときには、皮質骨に確実に接触するまで挿入することで軟部組織への刺激を軽減することができます。
近位部フェニックススクリュー挿入時は、3.5mmのインサーターロング上のラインマークとスリーブ後端が重なった時点でスクリューヘッドが適切な位置まで挿入されたことが示されます。
近位部スクリュー挿入時は、3.5mm のインサーターロング上のラインマークとスリーブ後端が重なった時点でスクリューヘッドが適切な位置まで挿入されたことを示します。
14-441046インサーターショート
14-441045インサーターコネクターショート
29407 T - ハンドル
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手順 12:ターゲットアームの組み立てドライバーハンドルにフェニックスティビアターゲットアーム(カタログ番号 14-443000)を組み立て、固定用スクリュー(カタログ番号41023)で固定します。
41023固定用スクリュー
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手術手技(続き)
手順 13a:近位固定-スタティック(フェニックススクリューの挿入)ドリルスリーブにトロカー(カタログ番号 41006)を取り付けて、ターゲットアームのホール 4(スタティック)からソフトティッシュ―スリーブを挿入します。トロカーにて挿入口にマーキングを行います。トロカーを外して、皮質骨の近くまでスリーブを進めます。
スクリューホール作成のために、ドリルスリーブに 4.3mm ドリルを差し込み、ネイルを通過して、反対皮質骨に穴を開けます。ドリルスリーブは骨にしっかり接触させ、ドリルスリーブの後端で、ドリル上の目盛を確認することで適切なスクリュー長を決定します。または、スクリューデプスゲージエクストラロング(カタログ番号 14-442081)を使ってスクリューの長さを決定することも可能です。
注:ティビアネイル近位部は全てのネイル径において 5.0mm 径のフェニックススクリューを使用して下さい。 フェニックスティビアターゲットアーム上の
スリーブホール位置
41005ドリルスリーブ
41004ソフトティッシュ―スリーブ41006
トロカー
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手順 13a:近位固定-スタティック(フェニックススクリューの挿入:続き)ドリルスリーブを取り外し、ソフトティッシュースリーブに適切な 5.0mm のスクリューを挿入します(詳細については P.15 参照)。イメージを使用してフェニックススクリューの位置を確認します。フェニックススクリュー先端が皮質骨から2mm 以上突出していないことを確認して下さい。
41024 ヘックスドライバー【CoreLock でのスクリュー固定】必要に応じて、あらかじめプリセットされたCoreLock を使って、フェニックススクリューを固定します。ドライバーハンドルを通してネイルの近位に 4mm のヘックスドライバー(カタログ番号 41024)を挿入し、時計方向に回して下さい。
注:この場合は近位ホール 1、ホール 2 の使用はできません。
20
手術手技(続き)
手順 13a:近位固定-スタティック(フェニックススクリューの挿入:続き)同様に、フェニックスティビアターゲットアームのホール 5(スタティック)を通して追加フェニックススクリューを挿入することも可能です(挿入の詳細については P.16 参照)。
スタティック
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手順 13b:近位固定-オブリーク(オブリークホールへのフェニックススクリュー挿入)ドリルスリーブ(カタログ番号 41005)にトロカー(カタログ番号 41006)を取り付けて、フェニックスティビアターゲットアームのホール 2(遠位オブリーク)またはホール 1(近位オブリーク)のいずれかよりソフトティッシュースリーブ(カタログ番号 41004)を挿入します。挿入口にマーキングするためにトロカーを骨まで進め、トロカーを外して、皮質骨の近くまでソフトティッシュースリーブを進めます。
手前の皮質骨に穴を開けるために、ドリルスリーブに4.3mmドリルを差し込み、ネイルを通過して、反対皮質骨まで進めます。手前の皮質骨に対してドリルスリーブをしっかり接触させ、ドリルスリーブの後端で、4.3mm ドリル上の目盛で適切なフェニックススクリューの長さを確認して下さい。または、スクリューデプスゲージエクストラロングを使ってフェニックススクリューの長さを決定することも可能です。
注:ティビアルネイル近位部は全てのネイル径において 5.0mm 径のフェニックススクリューを使用して下さい。
ドリルスリーブを取り外し、ソフトティッシュースリーブに適切な長さの 5.0mm のフェニックススクリューを挿入します(挿入の詳細についてはP.16 参照)。イメージでフェニックススクリューの位置を確認し、フェニックススクリュー先端が皮質骨から 2mm 以上突出していないことを確認して下さい。
必要に応じてこの手順を繰り返し、2 本目のオブリークフェニックススクリューを挿入します。
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手術手技(続き)
手順 13b:近位固定-オブリーク(オブリークホールへのフェニックススクリュー挿入:続き)
【CoreLock でのスクリュー固定】近位オブリークスクリューの挿入が完了したら、ドライバーハンドルからネイルの近位端に 4mmのヘックスドライバーを差し込み、時計方向に回して、プリセットされた CoreLock を使ってオブリークフェニックススクリューを固定します。
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手順 13c:近位固定-コンプレッション(オプション)
ダイナミックホール術者の判断で骨片に機械的なコンプレッションが必要と判断した場合にはフェニックスティビアルネイルはプリセットされた CoreLock を用いて5mm まで骨片間にコンプレッションをかけることができます。
注:コンプレッションをかけるときは、最初に遠位スクリュー固定が完了していることを確認して下さい。またコンプレッションをかける前には骨からスリーブ類を全て取り外すことが必要です。
ソフトティッシュースリーブにドリルスリーブを取り付けて、フェニックスティビアターゲットアームのホール 3(ダイナミック)を通してトロカーを挿入します。挿入口にマーキングするためにトロカーを骨まで進め、トロカーを外して、皮質骨の近くまでスリーブを進めます。
注:機械的なコンプレッションは、ホール 3(ダイナミック)へのフェニックススクリュー挿入とプリセットされた CoreLock を介してのみ行うことができます。
ダイナミック
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手術手技(続き)
手順 13c:近位固定-コンプレッション(オプション)続き手前の皮質骨に穴を開けるために、ドリルスリーブに4.3mmのドリルを挿入し、ネイルを通過して、反対皮質骨まで穴を開けます。手前の皮質骨に対してドリルスリーブをしっかり骨に当てながらドリルスリーブ後端でドリル上に記載の数値を確認して下さい。または、スクリューデプスゲージエクストラロングを使ってスクリューの長さを決定することも可能です。
注:ティビアルネイル近位部は全てのネイル径において 5.0mm 径のフェニックススクリューを使用して下さい。
ドリルスリーブを取り外し、ソフトティッシュースリーブに適切な 5.0mm のフェニックススクリューを挿入します(挿入の詳細については P.16参照)。イメージでフェニックススクリューの位置を確認し、フェニックススクリュー先端が皮質骨から 2mm 以上突出していないことを確認して下さい。
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手順 13c:近位固定-コンプレッション(オプション)続きプリセットされた CoreLock にてコンプレッションをかける場合には、ドライバーハンドルからネイルの近位部に 4mm のヘックスドライバー(カタログ番号 41024)を差し込み、時計方向に回します。イメージにてフェニックススクリューの位置と骨折部のコンプレッションを確認します。
骨折部にコンプレッションをかける別の方法としては、イメージで確認しながら、バックストローク法を用いることができます。この場合、フェニックスティビアターゲットアームを金属のハンマーで直接たたくとネイルとの接続アライメントにずれを生じることがあるので注意して下さい。
5mm のコンプレッションが可能です。
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手術手技(続き)
手順 13c:近位固定-コンプレッション(オプション)続き適切なコンプレッションが得られたら、ホール 5
(スタティック)にスクリューを挿入・固定し、コンプレッションを維持します。
反 時 計 回 り で CoreLockの位置を戻します。
スタティック
オブリークホールにフェニックススクリューを挿入する時には、4mm のヘックスドライバーを使って、CoreLock とネイルを接続しているドライバーコネクティングスクリューにあたるまで反時計方向に回します。この操作により CoreLock が製品出荷時の位置に戻りオブリークスクリューホールと確実に重なり合います。
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手順 13c:近位固定-コンプレッション(オプション)続き近位オブリークホールにフェニックススクリューの挿入が完了したら、ドライバーハンドルからネイルの近位端に 4mm のヘックスドライバーを挿入し、時計方向に回して、CoreLock を使ってオブリークスクリューを固定します。
ネイルからドライバーハンドルを取り外すには、ドライバーコネクティングスクリューを緩めるために、ドライバーハンドルを通して 5.0mm のコネクティングスクリューインサーターを挿入し、反時計方向に回してネイルとドライバーハンドルを取り外します。
時 計 回 り で CoreLockを締めます。
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手術手技(続き)
手順 14:遠位固定正面像と側面像で遠位部でのネイルの深度を確認します。フェニックスティビアルネイルの遠位部は、正面と側面の両方で、スクリューの固定が可能です。遠位部前後方向への固定は、ネイルと垂直にスクリューを設置することにより、遠位骨片をより確実に固定することができます。
3 パーツの骨折では、遠位骨片に少なくとも 2 本のフェニックススクリューを使用することを推奨します。
フリーハンド法またはラジオルーセントターゲティングデバイス(カタログ番号 471830)と 4.3mm ツ イ ス ト ド リ ル を( カ タ ロ グ 番 号471843)使って、遠位スクリュー固定を行うことができます。ネイルの最遠位のスクリューホールがイメージ画像で完全な円に見えるようにC -アームを合わせ、イメージ画像で確認したポイントで、皮膚の上にメスの刃を置き、ネイルのスクリューホール上を約 1cm 切開します。ドリルの先端はスクリューホールの上で黒い円に見えます。両方の皮質骨にドリルで穴を開け、正面と側面の2 つの平面上のイメージを確認してドリルを引き抜いて下さい。同様に追加のスクリューホールも開けて下さい。
注:7.5mm のネイルの場合のみ 4mm のフェニックススクリューに 3.2mm ツイストドリル(カタログ番号 471835)で下穴を開けます。9.0mm径以上のネイルでは、5.0mm のフェニックススクリューに 4.3mm のツイストドリルを使用して下さい。
ネイル径・ドリル径・遠位スクリュー径組み合わせネイル径 7.5mm 9.0mm 以上
ドリル径 3.2mm 4.3mm
スクリュー径 4.0mm 5.0mm
前後方向(A/P)図 内側/外側(M/L)図
正:完全な円
誤:正しくない円
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0mm 5mm 15mm 20mmエンドキャップの挿入必要に応じて、ネイル近位部への骨侵入を防ぐために、0 ~ 20mm まで(5mm 刻み)5 種類のエンドキャップより 1 つを、フェニックスティビアルネイルの近位端に挿入することができます。スクリュー挿入と同様な方法で、エンドキャップを挿入して下さい(P.16 参照)。
注:インサーターコネクターの折損防止の為、増し締めを行う際は 3.5mm ソリッドインサーター
(ショート:14-441052、ロング:14-441051)を御使用下さい。
10mm
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手術手技(続き)
ネイルの抜去エンドキャップが挿入されている場合には取り除き、フェニックススクリューは 1 本を除いてすべて抜去することでネイルにネイルエクストラクタータップ(カタログ番号 14-441048、滅菌済み単回使用品)を接続するときにネイルが回転するのを防ぐことができます。または、すべてのスクリューを取り外した場合、取り外したスクリューホールのいずれかに 4.3mm のドリル等を挿入しておくことでネイルの回旋を防ぐことも可能です。通常の方法でスクリューが抜けない場合には3.5mm のヘックススクリューエクストラクター
(カタログ番号 14-442084、滅菌済み単回使用品)を使用して下さい。
ネイルの遠位部分までスムーズに抜去するために、ネイルに 2.6mm x 80cm のガイドワイヤーを挿入します。ネイルエクストラクタータップ(カタログ番号 14-441048、滅菌済み単回使用品)にヘックスドライバー(カタログ番号 14-442066)を取り付け、ネイルを通すことでネイルと正しく強固に固定されます。スラップハンマーシャフト
(カタログ番号 14-429448)をネイルに取り付けて残っているフェニックススクリューまたはドリルを取り外します。マレットハンマー(カタログ番号 14-442053)を使ってネイルを抜去します。
注:CoreLock のスクリューホールにはフェニックススクリューに対応した溝がついているので、CoreLock を緩めずにフェニックススクリューを抜去することができます。
14-442084ヘックススクリューエクストラクター滅菌済み単回使用品
14-441048ネイルエクストラクタータップ滅菌済み単回使用品
14-429448スラップハンマーシャフト
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Ordering Information
Phoenix Tibial Nailsカタログ No. サイズ※40024 7.5mm × 240mm
40026 7.5mm × 260mm40028 7.5mm × 280mm40030 7.5mm × 300mm40032 7.5mm × 320mm40034 7.5mm × 340mm
※40036 7.5mm × 360mm※40038 7.5mm × 380mm※40040 7.5mm × 400mm※40042 7.5mm × 420mm
※40324 9.0mm × 240mm40326 9.0mm × 260mm40328 9.0mm × 280mm40330 9.0mm × 300mm40332 9.0mm × 320mm40334 9.0mm × 340mm
※40336 9.0mm × 360mm※40338 9.0mm × 380mm※40340 9.0mm × 400mm※40342 9.0mm × 420mm
※40624 10.5mm × 240mm40626 10.5mm × 260mm40628 10.5mm × 280mm40630 10.5mm × 300mm40632 10.5mm × 320mm40634 10.5mm × 340mm
※40636 10.5mm × 360mm※40638 10.5mm × 380mm※40640 10.5mm × 400mm※40642 10.5mm × 420mm
※40924 12.0mm × 240mm40926 12.0mm × 260mm40928 12.0mm × 280mm40930 12.0mm × 300mm40932 12.0mm × 320mm40934 12.0mm × 340mm
※40936 12.0mm × 360mm※40938 12.0mm × 380mm※40940 12.0mm × 400mm※40942 12.0mm × 420mm
色調:ライトグリーン 材質:チタン合金(Ti-6Al-4V)販売名:フェニックス ティビアル ネイル システム承認番号:22200BZX00613000
Phoenix Tibial Nail End Capsカタログ No. サイズ14-441280 0mm14-441281 5mm14-441282 10mm14-441283 15mm
※14-441284 20mm色調:シルバー 材質:チタン合金(Ti-6Al-4V)販売名:フェニックス ティビアル ネイル システム承認番号:22200BZX00613000
(※はオプションサイズです。詳しくは弊社営業担当者にお尋ね下さい。)
4mm Phoenix Screwsカタログ No. サイズ14-400420 4mm × 20mm14-400422 4mm × 22mm14-400424 4mm × 24mm14-400426 4mm × 26mm14-400428 4mm × 28mm14-400430 4mm × 30mm14-400432 4mm × 32mm14-400434 4mm × 34mm14-400436 4mm × 36mm14-400438 4mm × 38mm14-400440 4mm × 40mm14-400442 4mm × 42mm14-400444 4mm × 44mm14-400446 4mm × 46mm14-400448 4mm × 48mm
※14-400450 4mm × 50mm※14-400452 4mm × 52mm※14-400454 4mm × 54mm※14-400456 4mm × 56mm※14-400458 4mm × 58mm
色調:ゴールド 材質:チタン合金(Ti-6Al-4V)4mm スクリューは Tibial 7.5mm 遠位にのみ使用します。販売名:フェニックス ティビアル ネイル システム承認番号:22200BZX00613000
5mm Phoenix Screwsカタログ No. サイズ14-405020 5mm × 20mm14-405022 5mm × 22mm14-405024 5mm × 24mm14-405026 5mm × 26mm14-405028 5mm × 28mm14-405030 5mm × 30mm14-405032 5mm × 32mm14-405034 5mm × 34mm14-405036 5mm × 36mm14-405038 5mm × 38mm14-405040 5mm × 40mm14-405042 5mm × 42mm14-405044 5mm × 44mm14-405046 5mm × 46mm14-405048 5mm × 48mm14-405050 5mm × 50mm14-405052 5mm × 52mm14-405054 5mm × 54mm14-405056 5mm × 56mm14-405058 5mm × 58mm14-405060 5mm × 60mm14-405065 5mm × 65mm14-405070 5mm × 70mm14-405075 5mm × 75mm
※14-405080 5mm × 80mm※14-405085 5mm × 85mm※14-405090 5mm × 90mm※14-405095 5mm × 95mm※14-405100 5mm × 100mm※14-405105 5mm × 105mm※14-405110 5mm × 110mm
色調:ライトグリーン 材質:チタン合金(Ti-6Al-4V)販売名:フェニックス フェモラル ネイル システム承認番号:22200BZX00526000
32
フェニックスティビア SPA 器械組立簡易取扱説明書
この取扱説明書はフェニックスティビア SPA についての取扱方法について記載しておりますが、フェニックスティビアルネイルシステム手技書及び添付文書に記載されている注意・禁忌事項、操作方法、滅菌及び洗浄方法を併せてご確認下さい。
構成品と名称フェニックスティビア SPA は次のインスツルメントにより構成されています。SPA 専用に設計された① SPAドライバーハンドル、② SPA コネクティングスクリュー及び③ SPA 固定用スクリューはティビアルネイルとフェニックスティビアターゲットアームを接続するために使用します。⑦ SPA パテラプロテクター、⑧ SPA ワイヤースリーブ 3.2mm 及び⑨ SPA トロカーは髄内釘のエントリーポイント作成に用い、④ SPA キャニュレイテッドカッター 11mm と⑤ SPA キャニュレイテッドカッター 12mm は挿入口の作成に使用します。⑧SPA ヘックスドライバー 4mm はフェニックスティビアネイルの CoreLock の操作に用います。
上膝蓋からのアプローチ⑦ SPA パテラプロテクターに⑧ SPA ワイヤースリーブ 3.2mm を差し込んでから締め付けて固定します。同様の手順で⑨ SPA トロカーを⑧ SPA ワイヤースリーブ 3.2mm に固定します。膝蓋骨中枢中央から近位方向へ約 3cm の皮切を加え挿入し大腿四頭筋の筋膜を皮切と同方向に切開し、関節包も同様に切開する。
組み合わせた 3 点のインスツルメントを皮切部より挿入し、脛骨の髄内釘のエントリーポイントまで到達したら⑨ SPA トロカーを緩めて抜き取ります。次に、⑧ SPAワイヤースリーブ 3.2mm に PHOENIX ガイドワイヤー3.2mm × 460mm(#27914)を挿入して脛骨遠位までガイドワイヤーを設置します。
手順 4:ネイル挿入口の確認フェニックスティビアルネイル手技書の「手順 4:ネイル挿入口」の手順を行います。
手順 5:挿入口の作成ガイドワイヤーを設置したら、⑦ SPA パテラプロテクターから⑧ SPA ワイヤースリーブ 3.2mm を取外します。次に④⑤ SPA キャニュレイテッドカッター 11m及び 12mm を用いて、髄腔まで達する挿入口を作成します。挿入口を作成したら、ガイドワイヤーを抜き取ります。
①
④ ⑧
⑨
⑤
⑥
② ⑦
③
No 品番 名称1 JC-300204 SPA ドライバーハンドル2 JC-300205 SPA コネクティングスクリュー3 JC-300206 SPA 固定用スクリュー4 JC-300207 SPA キャニュレイテッドカッター 11mm5 JC-300208 SPA キャニュレイテッドカッター 12mm6 JC-300209 SPA ヘックスドライバー 4mm7 JC-300210 SPA パテラプロテクター8 JC-300211 SPA ワイヤースリーブ 3.2mm9 JC-300212 SPA トロカー
⑨
⑧
⑦
⑧
#27914
④⑤
⑦
33
手順 6:整復とガイドワイヤーの挿入フェニックスティビアルネイル手技書の「手順 6:整復とガイドワイヤーの挿入」を行いますが、皮切部からガイドワイヤーを挿入する操作は、SPA パテラプロテクターを経由して行う必要があります。
手順 7:ネイル長の計測フェニックスティビアルネイル手技書の「手順 7:ネイル長の計測」を行いますが、皮切部からインスツメントを挿入する操作は、SPA パテラプロテクターを経由して行うことで PF 関節等の保護が可能となります。
手順 8:髄内リーミングフェニックスティビアルネイル手技書の「手順 8:髄内リーミング」を行いますが、皮切部からインスツメントを挿入する操作は、SPA パテラプロテクターを経由して行うことで PF 関節等の保護が可能となります。
フェニックスティビア SPA インスツルメントを用いる手技の場合、フレキシブルリーマーはパテラプロテクトスリーブの長さ分(約 15cm)通常の手技と比較して近位側まで皮切内に挿入されます。
髄内のリーミングが完了したら、⑦ SPA パテラプロテクターを皮切部から抜き取ります。
ネイルの装着ティビアルネイルの近位部に① SPA ドライバーハンドルを組み付けます。この時、ネイル近位部の傾斜が右図の向きになっていると共に、① SPA ドライバーハンドル先端部の 3 つの凸がネイル近位部の 3 つの凹と一致していることを確認します。ネイルが正しく組み付けられたら、① SPA ドライバーハンドルに② SPA コネクティングスクリューを挿入し、コネクティングスクリューインサーター(#41003)を用いて、ネイルを固定します。
注:近位ターゲティングを確実にするために、① SPA
ドライバーハンドルにフェニックスティビアターゲッ
トアーム(#14-443000)を取り付けてから③ SPA
固定用スクリューを用いて固定し、アライメントの確
認を行います。確認作業はソフトティッシュースリー
ブ(#41004)、ドリルスリーブ(#41005)および
4.3mm ドリル (#41010) をターゲットアームスロッ
トに通して行います。アライメントが正確であること
を確認したら、必要に応じてフェニックスティビアター
ゲットアームを取り外します。
ネイルの挿入フェニックスティビアルネイル手技書の「手順 10:ネイル挿入」~「手順 11:遠位部スクリューの挿入」の手順を行いますが、CoreLock の操作は SPA ヘックスドライバー 4mm を使用します。
ターゲットアームの組立① SPA ドライバーハンドルにフェニックスティビアターゲットアーム(#14-443000)を組み立て、③SPA 固定用スクリューで固定します。
これ以降の手順はフェニックスティビアルネイル手技書の「手順 13a:近位固定 - スタティック」をご参照ください。但し、CoreLock の操作は SPA ヘックスドライバー 4mm を使用します。
①
③
#14-443000
①
②
D3029-8(E) 7/2020 フェニックスティビアルネイル手術手技書© 2016 Zimmer Biomet G.K.
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