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JAN/11 (NO.13)

海外ボランティア活動支援会 ニュース・レター

東京都杉並区本天沼2-8-15 TEL/FAX 03-3390-2620

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■ エコフォレスト・パーク林道補修工事が完成

異常な天候不順で工事が遅延していたマレーシア、キナルート森林公園の道路補修は、昨年10

月末になってやっと天気の回復が見られたため、急きょ工事を開始し、最終的に11月12日に完了し

ました。このため16日、千田理事長が現地に出張し、工事の立会検査を行い、修正作業を指示す

るとともに、受益機関SAFODA の提出書類をチェックし、22日に最終報告書を受領しました。

この事業で、公園前面の主要道路から当会の植林地域まで、総延長280メートルの林道を新しく

砂利舗装し、公園入り口(第2ゲート)に「キナルート・エコフォレスト・パーク」のサインボードを設置しま

した。

道路を検査しサインボード前に立つ理事長とSAFODA責任者(左)とサインボード表示内容(右)、 補修された道路の写真(下)

本来の契約では250メートルの舗装ですが、業者の経費負担で280メートルまで延長した他、

サインボードも業者の好意で植え込みや屋根を設置して、しっかりしたものにすることができました。

雨季には泥沼となって4輪駆動車さえ通行に苦労した道路が、見違えるように整備され、今後の

植林や保林活動を効率的に実施できることになり、SAFODA は非常に喜び、感謝しています。

OVAS News

明けましておめでとうございます。

環境異変と経済不況のなか、これからどう生き延びていくのか、世界各国が

苦悩していますが、加えて極東では安全上の問題が発生しています。

軍事力によらない地域の安全確保のために、外交は一層の重要性を増してい

ます。またそれと並行して民間交流、民間協力による近隣国との関係強化が益々

重要になっています。

当会はこういう状況のなかで、微力ながら近隣国や途上国との関係強化のため

に協力事業と活動を進めています。関係機関のご協力に感謝するとともに、会員の

皆さんの一層の熱意あるご協力を期待致します。

本年も皆さまにより良き年となるようお祈り致します。

理事長 千 田 享

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ただ、不順な天候をぬって実施した工事のため、検査時必ずしも満足できる仕上がりとは言えませ

んでしたが、その後手直しも行っており、今後もSAFODAが自己の予算も工面して、続けて整備

を行うことを約束しています。

補修道路とサインボードの位置図

SAFODAは報告書の中で、気候変動で再三延期を余儀なくされた事態にも、粘り強く協力し、

計画の実現を図った当会の努力と、国土緑化推進機構の「緑の募金」支援と工事期限に関する特

別の計らいに対して深い感謝の意を表しています。

計画段階でサイトの調査と提案書作成に協力頂いた現地在住の設計の専門家、本間さんと、

初期にSAFODAとの調整に働いて頂いた柏尾さん、現地に出張し工事計画書をチェック頂いた高橋

さん、工事中に立会と指導を頂いた施工専門家の仁藤さん、夫々がボランティア・スピリッツをもって

このプロジェクトの実現に協力頂いたことを、当会として感謝の念とともに記録したいと思います。特に

仁藤さんは工事検査費用の大半を工事費のために寄付頂きました。

今回の事業は規模としては小さなものですが、一つのモデルケースとして、SAFODA をはじめ現地

関係者に、計画の立て方や仕事の進め方、自主性をもった行動、協力意欲の重要性などを、現実

の事業を通じて伝えることができたことが、本プロジェクトの最も重要な成果であると思います。

また、当会関係者や富士通グループなど日本のボランティアが現地で行っている活動や、「緑の募

金」を通じた日本市民のボランティア精神が、相手機関だけでなく、植林を含めてこの事業にかかわっ

た現地ボランティアや業者までも動かたことは特筆すべきことと思います。

なお、当会が昨年末、この公園内3.5ヘクタールに実施した果樹1,600本の植樹は、着生率が

非常によく、50~60cmのマンゴーの苗木が現在100~120cm程までに成長しています。70~8

0cm程の野生デュリアンも140~150cmに伸び、成長の速さに驚きます。

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■ 臨時理事会を開催

SVとしてペルー赴任中の海外理事、武藤さんが一時帰国され、シルバー・ボランティアとして中国に

短期赴任されていた理事の笠谷さんが帰国されたのを機会に、9月、臨時理事会を開催しました。

キナルートの事業の他、水処理、灌漑・農業開発、植林のCO2削減評価、学校生徒の国際理解

教育やキャリアー教育など、当会の取り組む事業について討議を行いました。これらを実行していく当

会の人材と体勢の問題が明らかとなっています。特に対外協力では、新しい若手会員を確保すること

に加え、種々の制度を利用して人材育成を図る必要があります。

NGOの人材育成については、NGO中堅メンバーを海外のNGO、国際機関、研修機関等に派遣し

て、事業の計画と実施、評価方法、資金調達・財政基盤の強化、広報やアドボカシー(提唱)戦略

などを学ぶ外務省の実務研修プログラムや、活動分野毎に、たとえば植林事業については国際緑化

推進センターの海外造林コースやCO2削減評価に関するCMDコースなどがあり、これらに積極的に

参加していくことが必要とされます。今後、関心のある会員の皆さんの参加を期待します。

● 武藤さんからペルーでのSV活動について報告

SVとしてペルーの職業訓練機構(SENATI)アキレッパ校で、マイクロプロセッサーとプロセス制御技

術を指導されている武藤さんから 現地の生活と活動について興味ある報告をして頂きました。海抜

2335mでの生活にも慣れ、派遣前に研修されたスペイン語による指導の難しさも克服して、実績を

上げられています。

同機構では、講師陣の技術と能力向上のために36時間の特別プログラムが組まれ、その中で武

藤さんはコンピュータ制御技術を指導。その指導を受けた講師が、他の先生へ講義することで技術の

吸収、普及を図ることになっています。英語による講師陣への指導はともかく、計画の作成や指導、

報告などで必要とする書類はスペイン語で作成し、それをカウンターパートにチェックさせているそうですが、

これに相当なエネルギーを使うようです。

写真、講師陣を指導する武藤さん

コンピュータ上にプロセス制御のダイナミックモデルを作り、

コースの講師陣にその技術説明を行う。この種制御技術の導入

は学校として初めての試み。

コンピュータ制御技術を応用するモデルとして、日本で使われなくなった工作機械やロボットを提供し

て貰い、研究用のシステムを作り上げることを検討しています。会員の中で、機器の提供にご協力頂け

る方があればぜひ当会事務局にご連絡頂きたくお願いします。

● 笠谷さんが中国市民の対日感について報告

シルバー・ボランティアとして中国で日本語教育に当たっていた笠谷さんから、活動について報告頂き、

その後、市民の対日感情について情報交換を行いました。

中国天津市の南、滄州市にある人材派遣会社「滄州外経公司」で3か月の日本語指導を行っ

たが、2年ぶり2回目の活動とのこと。この活動とともに、会員の関心は尖閣諸島に関する中国

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市民の反応でした。問題発生は同氏帰国後のことで直接の反応は分かりませんが、同公司で

は、多くの男女研修生を日本に派遣し、社長以下中国人講師、スタッフも日本との交流が深い

こともあって大変親日的で、街での買い物や散歩でも嫌な思いをしたことはないとのこと。市民

が尖閣問題などどこまで知っているかはよく分かりません。

日中関係は中国政府の事情にも左右され、改善と悪化の繰り返しの歴史。中国学生への歴

史教育による反日感情は、現実の友好的な実体験で覆され得るものだということ。残留孤児は

じめ居住する日本人も多く、事業や草の根活動で中国へ出向く人も増え、また中国からも日本

へ観光や仕事で数多くが来日、相互理解の度合いは以前と比べものにならない。これからも人

材の交流が相互理解を深め、危険な状況を避ける役割をするであろう、という趣旨のお話でし

た。

写真, 既婚者のクラスで日本語(4級レベル)を教える笠谷さん。

全クラスは130名。女子は瀬戸内(四国)の水産加工協同組合

傘下の工場で働く。既婚者は1年、独身者は3年。男子は四国、

東京その他で、足場組み立てや溶接工として働く。

● OVAS新年会を開催

1月10日(月)成人の日、マレーシア会を兼ねて当会新年会が開催されました。小石川後楽園内、

涵徳亭に参集した元気な会員の皆さん、JICA専門家で赴任中のメキシコから一時帰国された工藤

さん、大阪在住の鈴木さん、2年ぶりの中村さん、初めて参加頂いた市民会員の館野さん、を含む

12名が屠蘇で新年を祝いました。

マレーシア会から発展したOVASは今年で5年目に入ります。兎年の跳躍を目指して力強く活動し

ようという理事長からの抱負と方針の話があった後、出席の皆さんから近況と、会のこれからの活動に

結び付くいろいろな話が取り交わされ、志を新たにしました。健康その他のために出席できなかった方々

がありますが、今後の活動にご参加頂き、実りある良き年にして頂きたいと思います。

新年を祝う皆さん、 前列右から笠谷、丸山、千田、米澤、仲村、小塩、

後列左から高橋、工藤(真)、鈴木(富)、山下、吉田の各氏

―――――――――――――――――――――――――皆さんのご提案、ご意見、情報を下記にお寄せ下さい。

OVAS News 発行者: 高橋春蘭 [email protected]