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あのMY CHEMICAL ROMANCEのGerard Wayも参加した 巨大ネズミによるエレクリック・ワンダーランド! あのMY CHEMICAL ROMANCEのGerard Wayも参加した 巨大ネズミによるエレクリック・ワンダーランド! 巨大なネズミ頭のぬいぐるみを被ってパフォーマンスしている姿が有 名な、カナダはトロント出身のアーティストDEADMAU5ことJoel Thomas Zimmerman。彼は15歳というかなり早い時期からデス クトップでの音楽製作を始めてからどんどん独自の製作技術を培っ ていき、これまでにプログラミング・ソフトやアプリケーションを開発 して世に売り出しているという。更にDEADMAU5のパフォーマン スに使用するソフトも自身で手掛けているという本格ぶり。彼の知名 度はMySpaceやBeatpoat、またはラジオなどでどんどん拡がって いき、これまでに『For Lack Of A Better Name』、『4×4=12』、 『Random Album Title』とコンスタントにアルバムをリリース し、グラミー賞にもノミネートされている。第54回グラミー賞では、 至上初となるエレクトリック・ダンス・ミュージック特集のテレビ放 送枠内でパフォーマンスも行い、なんと米ロリーリング・ストーン誌 ではダンス・ミュージック・アクトとしては初となる表紙も飾ってい る。因みに激ロック・マガジンでも、ドラムンベースやダブステップ ではなく、所謂本格派の4つ打ちアーティストを取り上げるのは彼が 初めてだ。正に今、飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中を席巻している DEADMAU5。なお、激ロック的には、SKRILLEXの系譜で聴いて いただきたい本格的なダンス・ミュージック・アクトである。 彼の最新作『>album title goes here<』(邦題:>ココにタイトル を入力<)が、いよいよ9月26日にリリースとなる。その内容について レビューさせていただこう。近未来的を彷彿とさせる独特なリズムの 「Superliminal」で幕を開け、Wolfgang Gartnerが参加した JUSTICEを髣髴とさせるエレクトリック・チューン「Channel 42」、ウィスパー・ヴォイス的な歌が心地良く、ニュー・ウェーブ的 なアプローチの「The Velt feat. Chris James」、一気にキックの 音が分厚くなり序々にスペーシーな雰囲気を盛り上げていく「Fn Pig」、 そして激ロック的には特に注目して欲しい、あのMY CHEMICAL ROMANCEのGerard Wayがヴォーカルとして参加しているロッ キン・エレクトロ・ナンバー「Professional Griefers」。この曲 ではGerardの声に少しエフェクトがかかっており、歌唱法的にも Gerardの新しい側面が垣間見える。ここからはDEADMAU5仕立 ての上音使いが印象的なエレクトリック・チューン・ワンダーランド! DAFT PUNKからの影響を覗かせながら、07年以降のロッキン・エ レクトロを始め、プログレッシブ・ハウス、トランス、テクノなど様々 なダンス・ミュージックのエレメントをブレンドし、独特の世界観を貫 いている。後半ではチル・アウトしていき、CYPRESS HILLとコラボ レートした「Failbait」では完全にヒップホップなサウンドを聴かせ てくれる。ここも要チェック! 1曲1曲の尺は長いが、エレクトリック・ダンス・ミュージックにおけ る“必然の長さ”というものをよく研究して理解し、自身のサウンド へと昇華させる手腕はとても見事だ。SKRILLEXから1歩踏み出し たダンス・ミュージックに興味のある人や、所謂エレクトロコアが好 きなリスナーにも是非聴いていただきたい至極のダンス・アルバムで ある。 KAORU DEADMAU5 『>album title goes here<』 [EMI MUSIC JAPAN] 2012.9.26 ON SALE!! TOCP-71388 \1,980(税込)

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Page 1: あのMY CHEMICAL ROMANCEのGerard Wayも参加した 巨大ネズ … · DEADMAU5。なお、激ロック的には、SKRILLEXの系譜で聴いて いただきたい本格的なダンス・ミュージック・アクトである。

あのMY CHEMICAL ROMANCEのGerard Wayも参加した巨大ネズミによるエレクリック・ワンダーランド!

あのMY CHEMICAL ROMANCEのGerard Wayも参加した巨大ネズミによるエレクリック・ワンダーランド!

巨大なネズミ頭のぬいぐるみを被ってパフォーマンスしている姿が有

名な、カナダはトロント出身のアーティストDEADMAU5ことJoel

Thomas Zimmerman。彼は15歳というかなり早い時期からデス

クトップでの音楽製作を始めてからどんどん独自の製作技術を培っ

ていき、これまでにプログラミング・ソフトやアプリケーションを開発

して世に売り出しているという。更にDEADMAU5のパフォーマン

スに使用するソフトも自身で手掛けているという本格ぶり。彼の知名

度はMySpaceやBeatpoat、またはラジオなどでどんどん拡がって

いき、これまでに『For Lack Of A Better Name』、『4×4=12』、

『Random Album Title』とコンスタントにアルバムをリリース

し、グラミー賞にもノミネートされている。第54回グラミー賞では、

至上初となるエレクトリック・ダンス・ミュージック特集のテレビ放

送枠内でパフォーマンスも行い、なんと米ロリーリング・ストーン誌

ではダンス・ミュージック・アクトとしては初となる表紙も飾ってい

る。因みに激ロック・マガジンでも、ドラムンベースやダブステップ

ではなく、所謂本格派の4つ打ちアーティストを取り上げるのは彼が

初めてだ。正に今、飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中を席巻している

DEADMAU5。なお、激ロック的には、SKRILLEXの系譜で聴いて

いただきたい本格的なダンス・ミュージック・アクトである。

彼の最新作『>album title goes here<』(邦題:>ココにタイトル

を入力<)が、いよいよ9月26日にリリースとなる。その内容について

レビューさせていただこう。近未来的を彷彿とさせる独特なリズムの

「Superliminal」で幕を開け、Wolfgang Gartnerが参加した

JUSTICEを髣髴とさせるエレクトリック・チューン「Channel

42」、ウィスパー・ヴォイス的な歌が心地良く、ニュー・ウェーブ的

なアプローチの「The Velt feat. Chris James」、一気にキックの

音が分厚くなり序々にスペーシーな雰囲気を盛り上げていく「Fn Pig」、

そして激ロック的には特に注目して欲しい、あのMY CHEMICAL

ROMANCEのGerard Wayがヴォーカルとして参加しているロッ

キン・エレクトロ・ナンバー「Professional Griefers」。この曲

ではGerardの声に少しエフェクトがかかっており、歌唱法的にも

Gerardの新しい側面が垣間見える。ここからはDEADMAU5仕立

ての上音使いが印象的なエレクトリック・チューン・ワンダーランド!

DAFT PUNKからの影響を覗かせながら、07年以降のロッキン・エ

レクトロを始め、プログレッシブ・ハウス、トランス、テクノなど様々

なダンス・ミュージックのエレメントをブレンドし、独特の世界観を貫

いている。後半ではチル・アウトしていき、CYPRESS HILLとコラボ

レートした「Failbait」では完全にヒップホップなサウンドを聴かせ

てくれる。ここも要チェック!

1曲1曲の尺は長いが、エレクトリック・ダンス・ミュージックにおけ

る“必然の長さ”というものをよく研究して理解し、自身のサウンド

へと昇華させる手腕はとても見事だ。SKRILLEXから1歩踏み出し

たダンス・ミュージックに興味のある人や、所謂エレクトロコアが好

きなリスナーにも是非聴いていただきたい至極のダンス・アルバムで

ある。 KAORU

DEADMAU5『>album title goes here<』

[EMI MUSIC JAPAN]

2012.9.26 ON SALE!!

TOCP-71388 \1,980(税込)