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業界BROADCASTING & TELECOMMUNICATIONS

課題• グループ内でサイロ化されたサービス基盤の見直し• 拡張性に乏しい ITインフラ環境からの脱却• インフラ構築・運用の人的リソース不足の解消• 放送・通信事業の事業継続対策の強化• グループを支える ITインフラのコスト効率の向上

ソリューショングループ会社に提供するインターネット接続サービス向けの ITインフラの再構築に際して、VMware vSANの技術を使って複数のデータセンター間をActive-ActiveでつなぐvSANストレッチクラスタを導入し、サイロ化されたサービス基盤を統合。現在はVMware NSXを用いて複数のデータセンター間をシームレスにつなぐネットワークの仮想化を進めている。さらにvRealize Network InsightとvRealize Log Insightを用いたプロアクティブなネットワーク運用にも取り組んでいる。

導入効果• グループ会社の利用を前提としたインフラの柔軟性と拡張性の確保

• ストレージの専用マシンと比べて、約40%のトータルコスト削減

• ネットワークの運用保守の工数削減、仮想ファイアウォールによるセキュリティの強化

• ネットワークの可視化によるプロアクティブな運用の実現

導入環境• VMware vCenter®• VMware vSphere® Enterprise Plus Edition™• VMware NSX®• VMware vSAN™• VMware vRealize® Suite• VMware vRealize® Network Insight™

プロフェッショナルサービス• VMware vSAN™ ストレッチクラスタ設計支援• VMware NSX® 設計支援• VMware NSX® 運用ツール活用支援

国内2位のケーブルテレビ統括運営事業者として、東海エリアに放送・通信サービスを提供する株式会社コミュニティネットワークセンター(以下、CNCI)。この数年、サイロ化されたサービス基盤の見直しが課題となっていた同社では、ハードウェアの更改を機にVMware vSANを用いて複数のデータセンターをActive-Activeでつなぐストレッチクラスタを構成し、新たな統合仮想化基盤を構築。これによりコスト効率の向上と運用負荷の軽減を両立するとともに、現在進行しているVMware NSXを用いたネットワーク仮想化のプロジェクトについても、2019年度中の順次切り替えを予定しています。

分散したサービス基盤がもたらす 運用の複雑化とコストの増大愛知、岐阜、三重の3県のケーブルテレビ会社11局を統括するCNCIは、約50万人もの顧客が利用するインターネット接続サービス向けのITインフラを一括して管理しています。しかし、プロジェクトおよび事業部単位で構築され、複数のデータセンターで運用されていた従来のサービス基盤は拡張性に欠け、コストの肥大化と運用の複雑化にも悩まされていました。また、VMware vSphereを用いて2009年に構築した一部の仮想化基盤も、高い安定性の反面、管理効率や事業継続性の面で課題がありました。

そこで同社は約40台の物理サーバが更改を迎えるのを機に、サイロ化していたサービス基盤の単一の仮想化環境への統合を決断します。その背景について、取締役 技術本部長の石倉雅巳氏は次のように語ります。

「コンテンツのリッチ化に比例して、当社が提供するネットワークのトラフィックも爆発的なペースで伸びています。そこでは当然、サーバやネットワーク設備の増強が求められますが、既存の環境では拡張性や人的リソースの確保に限界があります。一方、統括運営会社である当社には、データセンターをつなぐ超高速回線を保有している利点があることから、これを活用してSDDCアーキテクチャによる新たな統合仮想化基盤を構築することにしました」

vSANストレッチクラスタを活用した 国内初のマルチサイトデータセンターSDDC化に向けた最初のステップとして、CNCI は調達および運用コストに大きな影響を及ぼすストレージに着目し、VMware vSANストレッチクラスタの採用を決めました。vSANストレッチクラスタとは、vSANの技術

を使って複数のデータセンター間をActive-Activeにつなぐクラスタを構成する技術です。サイト間の高速低遅延ネットワークによる完全同期に加えて、HA機能によって高い可用性も確保されます。国内で初となるデータセンター間でのストレッチクラスタ構成に同社がチャレンジした理由を、技術本部 次長 技術統括グループ長の川口耕司氏は次のように話しています。

「再構成時に人的な負荷が生じる従来のDR環境と比べて、完全同期のvSANストレッチクラスタはDR時の再構成も不要で、インフラレベルでの冗長化も容易にできる利点があります。選定当時、日本での実績はなかったものの、VMwareのプロフェッショナルサービス(PSO)を通じた専門的な支援も受けられることから、最終的な決断を下しました」

同様に技術本部 サーバグループ長のニコライ ボヤジエフ氏は、vSANの採用について次のように話します。

「ストレージの拡張性、運用性、コスト効率の観点から、vSANには以前から注目していました。特にストレージ管理者が不要になり、vSphereの運用管理者が一元的に管理できる点はvSANの大きなメリットです。次のステップでNSXを導入してマルチデータセンターを構築することを考えると、VMwareで統一する

VMware vSANを用いて、国内で初となるデータセンター間のストレッチクラスタ構成を実現運用効率の向上とともに、高い事業継続性を確保

株式会社コミュニティネットワークセンター取締役技術本部長石倉 雅巳 氏

CUSTO M ER C AS E STU DY

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VMware vSANを用いて、国内で初となるデータセンター間のストレッチクラスタ構成を実現運用効率の向上とともに、高い事業継続性を確保

「 複数のデータセンターを Active-ActiveにつなぐvSANストレッチクラスタを導入したことで、当社の強みである高速ネットワークを有効活用することができました。今後もグループ会社のシステム統合を見据えて、SDDCへの投資価値を高めていきます」株式会社コミュニティネットワークセンター石倉 雅巳 氏

ことで IT投資の価値が高まると判断しました」

約 1年の構想期間を経て、2018年 1月からスタートしたvSANストレッチクラスタの構築プロジェクトは順調に進み、5月には新たな統合仮想化基盤が本稼働に至りました。技術本部 サーバグループ サブリーダーの清水博嗣氏は「インフラ自体の構築やデータセンター間の同期作業は、思った以上に簡単でした。苦労したのはネットワークの部分で、当社の冗長化要件を満たす安定的なネットワークを構成する作業には多くの時間を費やしました。この過程ではVMwareのPSOとのディスカッションが非常に有益でした」と語ります。

ストレージ関連の大幅なコスト削減と vSANがもたらす高度な拡張性現在の統合仮想化基盤は、SiteAとSiteBの2つのデータセンターにBackup SiteCを加えた3サイトで構成され、既存の物理サーバ上で運用していたシステムを含めて約 100の仮想マシン(VM)が稼働中です。

「vSANによって高い信頼性と可視性が確保され、ブラックボックス化していたストレージの拡張や構成変更も容易になった点は大きな成果です。なお、ハイパーバイザ(vSphere)とストレージ(vSAN)の保守ベンダーが同じなので、障害の切り分けと解決が以前より断トツに早くなりました。2018年度中には、ホスト追加によるクラスタの拡張やメジャーバージョンアップを直営で実施でき、vSANの安定性と優れた運用性を実感できました」(ボヤジエフ氏)

vSANストレッチクラスタの導入により、ストレージのメンテナンスにかかっていた作業時間は約5営業日から0.5営業日に短縮。またストレージの選定やサイジングにかかる時間も約90%削減され、専用機器の調達と比べて約40%のコスト削減を実現しています。

また、オールフラッシュの構成を採用したことでメンテナンス中にパフォーマンスが低下する恐

れもなく、深夜にシステムを停止して作業する必要もなくなっています。

NSXでネットワーク運用を改善し SDDCへの投資価値を最大化NSXを用いたネットワークの仮想化については、PSOの支援を受けながら2019年3月末までに設計と構築を終え、その後は9月にかけて仮想ネットワークに順次切り替えていく予定です。

「ネットワークの仮想化により、SiteAとSiteBのどちらに障害が起きても事業継続性が確保されます。物理的なスイッチやファイアウォールも大幅に削減でき、データセンターセンターに出向いて行う配線などの作業からも解放される見込みです。加えてNSXのマイクロセグメ ンテーション機能を利用することで、より高い セキュリティを実現できるようになります」(清水氏)

さらに同社は、vRealize Network InsightやvRealize Log Insightを用いてネットワークの可視化を進めると同時に、2019年2月にはログ情報を元に障害やセキュリティ被害の予兆が自動的に通知されるVMwareのプロアクティブなサポートツール「VMware Skyline」を日本で最初に導入するパイロットプログラムへの参加も決め、運用の高度化に向けた一歩を踏み出しました。

今後について、石倉氏は「グループ会社のビジネスを加速させ、さらにはCNCIの放送事業や通信事業部門の業務を支援するための共通基盤としてマルチデータセンターを利用していただけるよう、今後も統合仮想化基盤を継続的に整備していきます」と話しています。

国内初のデータセンター間でのストレッチクラスタ構成で新たな事業基盤を構築したCNCI。今後もVMwareとのパートナーシップを強化しながら、SDDCアーキテクチャを活用して IT投資の価値を高めていく考えです。

図:CNCIが採用したvSANストレッチクラスタ構成

ヴイエムウェア株式会社 〒105-0013 東京都港区浜松町1-30-5 浜松町スクエア13F URL:www.vmware.com/jpCopyright © 2019 VMware, Inc. All rights reserved. Protected by U.S. and international copyright and intellectual property laws. VMwareおよびVMwareロゴはVMware, Inc.の商標です。他のすべての社名および製品名はそれぞれの企業の商標です。 Item No. CS_CNCI_JPQ219 06/19  

株式会社コミュニティネットワークセンター技術本部サーバグループ長ニコライ ボヤジエフ 氏

株式会社コミュニティネットワークセンター技術本部 次長技術統括グループ長川口 耕司 氏

株式会社コミュニティネットワークセンター技術本部サーバグループ サブリーダー清水 博嗣 氏

カスタマープロフィール東海地域のケーブルテレビ事業者を統括する運営会社として、デジタル放送や専門番組の配信、データ放送配信に必要なシステムの提供、インターネット接続に必要なサービスの提供を各社に行うほか、会計システム・加入者管理システムの統合、必要機器の一括購入、各社の窓口時間外のコールセンター代行などの運営管理を行い、地域のケーブルテレビ各社をサポートしている。

Site A Site B

vCenter (C1/C2) vCenter (C3)

vCenter (C4)

Backup Appliance

(VM Backup)

Active Datacenter

vSAN Datastore (All-Flash)

Compute Cluster (C1)

vSphere HA + DRS

Standby Datacenter

vSAN Datastore (All-Flash)

vSAN DatastoreNSX Edge Cluster (C2)

vSAN Datastore (All-Flash)

Management Cluster (C3)

Witness Cluster (C4)

vSANWitness

(C1)

vSANWitness

(C2)

vSANWitness

(C3)

Metro Area Network (10Gbps, 2ms RTT)

Site C

Edge HA

vRealize Operations/Log Insight/Network Insight

ビジネスクリティカルサポート・専任サポートエンジニアチームによる支援・障害発生時のハンドリング・月次サポート定例会

VMware Skyline™・プロアクティブ問題検知・ログバンドルアップロードの自動化

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