2019. 6 No....

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No. 62 2019.6 1. 玄米の構造と米ぬか. 2. 酵素処理米ぬか(HBT)と同定されたペプチドLRAの血圧降下作用. A)酵素処理米ぬかを SHR4週間投与した結果(B酵素処理米ぬか(50 mg/kg)およびLRA 1mg/kg)をSHR単回投与した結果(CSHRへのLRAの投与量と、投与4時間後収縮期血圧変化量の関係.ずれの血圧も平均値±SEMで示されている. * p<0.05 vs control. AN=8, BN=9-10, CN=5. Shobako et al., Mol Nutr Food Res. 2018;(4).doi:10.1002/mnfr.201700732.240 230 220 210 200 190 13 14 15 週齢(week) (A) 収縮期血圧(mmHg) 時間 投与量(mg/kg) (B) 収縮期血圧の降下 (mmHg) (C) 収縮期血圧の降下 (mmHg) 16 17 Control 50mg/kgHBT 500mg/kgHBT * 胚芽(米ぬか) 胚乳 (白米) 果皮 (米ぬか) * * ** 10 0 -10 -20 -30 -40 0 2 4 6 8 Control HBT LRA * * * * * * 10 0 -10 -20 -30 -40 -50 0 0.1 0.25 Control LRA 【米ぬかとペプチド研究の歴史】 米は世界三大穀物の 1 つであり、世界人口の半数が主食として消費している。現 代では果皮・胚芽部分である米ぬか (図 1)を取り除いた白米を食することが多いが、 平安時代から江戸時代にかけては玄米のほうが主流だったようである 1。米ぬか研 究の歴史は長く、例えば、1940 年代、鈴木梅太郎が脚気を治療する成分として米ぬ かからオリザニンを単離し、Funk C. も同様に抽出した抗脚気成分をビタミンと命名 している。1950 年代には金子および土田らによりオリザノールが単離・同定された。 このように、1940-50 年代は米ぬかが研究対象として脚光を浴びていたのである 2-3今日では多彩な機能性を示す生理活性ペプチドが様々な食品タンパク質の酵素消 化物から発見されている。1979 年、Brantl V. らによって牛乳カゼインの酵素消化物 よりオピオイドペプチドが同定され 4、また同じく 1979 年、岡本源一郎によってアンジオテンシン -I 変換酵 ACE)阻害ペプチドがゼラチン酵素消化物より同定された 5。これ以降、食品由来の機能性ペプチド研 究が注目され始めた。これまで多くの食品由来の ACE 阻害ペプチドが実用化されているが、牛乳カゼインな ど動物性タンパク質の酵素消化によって得られたものが多く、Ile-Pro-Pro, Val-Pro-Pro 6Met-Lys-Pro 7ど、機能性表示食品や特定保健用食品として商品化もされているものもある。一方、米ぬかもタンパク質を 豊富に含んでいるものの動物性タンパク質と比べて殆ど活用されておらず、年間に 30 万トンも廃棄されてい るという報告もある。そこで、我々は米ぬかタンパクをプロテアーゼの一種である thermolysin(グラム陽性 Bacillus thermoproteolyticus)で消化し、新規の素材 “酵素処理米ぬか HBT” を開発し、その降圧作用を 検討するとともに、血圧降下作用に寄与する成分の同定を試みた。 【酵素処理米ぬかの血圧降下作用】 高血圧モデル動物 SHR/Izm HBT 4 週間継続的に経口投与した結果、用量依 存的な血圧降下作用を示すことが明らかと なった (図 2A)。さらに我々は、HBT に含まれるぺプチドを HPLC(液体クロマ ト グ ラ フ ィ ー)で 分 画 し、ACE 阻害活性 を指標に探索したところ、新規のペプチド Leu-Arg-Ala(LRA) を 同 定 し た。F-moc (ペプチド固相合成法)によって LRA を化学 合成し、これを SHR/Izm に経口投与したと ころ、HBT と同様に投与後 4 時間において、 最も強い血圧降下作用を示し、その作用は投 6 時間後まで持続することが判明した (図 2B)。また、LRA の最小有効濃度は 0.25 mg/ kg であり、米由来の降圧ペプチドの中では最も強い降圧作用を持つことが明らかとなった (図 2 C)。一方、 LRA ACE 阻害活性を in vitro 試験で測定し、IC 50 62 μM という値が得られたが、LRA の強力な血圧降下 作用を説明するのに十分なものでは無かった。 【新規降圧ペプチド LRA の降圧メカニズムの検討】 そこで、次に我々は LRA の血管弛緩作用に注目した。SHR/Izm の腸管膜動脈を螺旋状に切開した血管標 本の弛緩をマグヌス法により評価した。その結果、LRA に血管弛緩作用があることが示され、EC 50 濃度は 酵素処理米ぬかの血圧降下作用と新規ペプチド Leu-Arg-Ala(LRA) の降下メカニズムの検討 京都大学大学院 農学研究科 食品生理機能学分野 正箱尚久 大日向耕作

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Page 1: 2019. 6 No. 62plaza.umin.ac.jp/~dmcra/newsletter/img/NewsLetter_No_062.pdfNOを介した血管弛緩作用が血圧降下作用の主要な作用機序であること が明らかとなった。【米ぬかとペプチド研究の歴史】

No. 622019.6

図 1. 玄米の構造と米ぬか .

図 2. 酵素処理米ぬか(HBT)と同定されたペプチドLRAの血圧降下作用. (A)酵素処理米ぬかをSHRに4週間投与した結果(B) 酵素処理米ぬか(50 mg/kg)およびLRA(1mg/kg)をSHRに単回投与した結果(C) SHRへのLRAの投与量と、投与4時間後収縮期血圧変化量の関係.いずれの血圧も平均値±SEMで示されている. * p<0.05 vs control群. (A) N=8, (B) N=9-10, (C) N=5. (Shobako et al., Mol Nutr Food Res. 2018;(4).doi:10.1002/mnfr.201700732.)

240

230

220

210

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19013 14 15

週齢(week)

(A)

収縮期血圧(mmHg)

時間

投与量(mg/kg)

(B)

収縮期血圧の降下

(mmHg)

(C)

収縮期血圧の降下

(mmHg)

16 17

Control

50mg/kgHBT

500mg/kgHBT

*

胚芽(米ぬか)

胚乳(白米)

果皮(米ぬか)

*

*

* *

10

0

-10

-20

-30

-400 2 4 6 8

ControlHBTLRA

*

* *

*

*

*

100

-10-20-30-40-500 0.1 0.25

ControlLRA

0.1 µMと非常に強い作用であることが判明した(図3A)。この値は、穀物由来のペプチドの中では最も強い血管弛緩作用である。

LRAの血管弛緩作用はNO産生酵素 (NOS)阻害剤であるL-NG-Nitroarginine Methyl Ester (L-NAME)および血管平滑筋中に存在するグアニル酸シクラーゼの阻害剤である1H-[1,2,4]オキサジアゾロ [4,3-a]キノキサリン -1-オン(ODQ)によって阻害された (図3 B, C)。また、血管内皮を除去した血管標本でもLRAの血管弛緩作用は阻害された (図3D)。しかし、PI3Kの阻害剤であるwortmanninやブラジキンB2受容体、MAS受容体の阻害剤であるHOE140やA779ではLRAの血管弛緩作用は阻害されなかった (図3B)。また、血管内皮のモデル細胞であるHUVECにおいて、LRAはeNOSのリン酸化は促進したものの、Aktのリン酸化は促進しなかった (図4)。これらのことから、LRAは血管内皮に局在型NOS (eNOS)のリン酸化を介して血管弛緩作用を示していることが明らかとなった。また、その上流はブラジキニンやアンジオテンシン -(1-7)など既知の内因性血管弛緩ペプチドとは異なる可能性も示された。このように、食

品由来の外因性ペプチドの研究を通じて、未知の情報伝達経路の存在が明らかになったことはとても興味深い。 最後に、LRAの血圧降下作用における血管弛緩作用の寄与を検討した。LRAの血管弛緩作用はNOS阻害剤のL-NAMEで阻害されることから同じ阻害剤を用いて in vivoにおける評価を実施した。その結果、LRAの降圧作用はL-NAMEによって完全に阻害され(図5)、LRAのNOを介した血管弛緩作用が血圧降下作用の主要な作用機序であることが明らかとなった。

【米ぬかとペプチド研究の歴史】 米は世界三大穀物の1つであり、世界人口の半数が主食として消費している。現代では果皮・胚芽部分である米ぬか (図1)を取り除いた白米を食することが多いが、平安時代から江戸時代にかけては玄米のほうが主流だったようである 1)。米ぬか研究の歴史は長く、例えば、1940年代、鈴木梅太郎が脚気を治療する成分として米ぬかからオリザニンを単離し、Funk C.も同様に抽出した抗脚気成分をビタミンと命名している。1950年代には金子および土田らによりオリザノールが単離・同定された。このように、1940-50年代は米ぬかが研究対象として脚光を浴びていたのである 2)-3)。 今日では多彩な機能性を示す生理活性ペプチドが様々な食品タンパク質の酵素消化物から発見されている。1979年、Brantl V.らによって牛乳カゼインの酵素消化物よりオピオイドペプチドが同定され 4)、また同じく1979年、岡本源一郎によってアンジオテンシン -I変換酵素 (ACE)阻害ペプチドがゼラチン酵素消化物より同定された 5)。これ以降、食品由来の機能性ペプチド研究が注目され始めた。これまで多くの食品由来のACE阻害ペプチドが実用化されているが、牛乳カゼインなど動物性タンパク質の酵素消化によって得られたものが多く、Ile-Pro-Pro, Val-Pro-Pro6)やMet-Lys-Pro7)など、機能性表示食品や特定保健用食品として商品化もされているものもある。一方、米ぬかもタンパク質を豊富に含んでいるものの動物性タンパク質と比べて殆ど活用されておらず、年間に30万トンも廃棄されているという報告もある。そこで、我々は米ぬかタンパクをプロテアーゼの一種である thermolysin(グラム陽性菌Bacillus thermoproteolyticus)で消化し、新規の素材 “酵素処理米ぬか (HBT)” を開発し、その降圧作用を検討するとともに、血圧降下作用に寄与する成分の同定を試みた。

【酵素処理米ぬかの血圧降下作用】 高血圧モデル動物SHR/IzmにHBTを4週間継続的に経口投与した結果、用量依存的な血圧降下作用を示すことが明らかとな っ た (図2A)。さ ら に 我 々 は、HBT中に含まれるぺプチドをHPLC(液体クロマトグラフィー)で分画し、ACE阻害活性を指標に探索したところ、新規のペプチドLeu-Arg-Ala(LRA)を 同 定 し た。F-moc法(ペプチド固相合成法)によってLRAを化学合成し、これをSHR/Izmに経口投与したところ、HBTと同様に投与後4時間において、最も強い血圧降下作用を示し、その作用は投与6時間後まで持続することが判明した (図2B)。また、LRAの最小有効濃度は0.25 mg/ kgであり、米由来の降圧ペプチドの中では最も強い降圧作用を持つことが明らかとなった (図2 C)。一方、LRAのACE阻害活性を in vitro試験で測定し、IC50=62 µMという値が得られたが、LRAの強力な血圧降下作用を説明するのに十分なものでは無かった。

【新規降圧ペプチドLRAの降圧メカニズムの検討】 そこで、次に我々はLRAの血管弛緩作用に注目した。SHR/Izmの腸管膜動脈を螺旋状に切開した血管標本の弛緩をマグヌス法により評価した。その結果、LRAに血管弛緩作用があることが示され、EC50濃度は

酵素処理米ぬかの血圧降下作用と新規ペプチドLeu-Arg-Ala(LRA)の降下メカニズムの検討

京都大学大学院 農学研究科 食品生理機能学分野 正箱尚久 大日向耕作

Page 2: 2019. 6 No. 62plaza.umin.ac.jp/~dmcra/newsletter/img/NewsLetter_No_062.pdfNOを介した血管弛緩作用が血圧降下作用の主要な作用機序であること が明らかとなった。【米ぬかとペプチド研究の歴史】

図 3. LRAの血管弛緩作用 (A)各濃度のLRAが示した血管弛緩活性 (N=3-6). (B)血管内皮に作用する各阻害剤がLRAの血管弛緩活性に与えた影響 (N=4-8) (C) 血管平滑筋に作用する阻害剤がLRAの血管弛緩活性に与えた影響 (N=4-8) (D) 血管内皮を除去した標本 (-EC)での検討 (N=)いずれも平均値±SEMで示されている. * p<0.05 vs 水添加群(A), None群 (B, C), +EC群 (D). (Shobako et al., J. Agric. Food Chem., 2019;67:1437 より改編)

図 4. HUVEC細胞における(A) eNOSおよび(B) Aktのリン酸化. グラフは平均値±SEM で示されている (N=3). *p<0.05 vs control群. (Shobako et al., J. Agric. Food Chem., 2019;67:1437)

図 5. L-NAMEがLRAの血圧降下作用に与えた影響. 血圧は平均値±SEMで示されている. (N=8-10). *p<0.05 vs control群 (Shobako et al., J. Agric. Food Chem., 2019;67:1437)

2

1

0Control

(A) eNOSリン酸化 (B)Aktリン酸化

LRA

peNOS

total eNOS

β-actin

pAkt

tAkt

β-actin

peNOS/eNOS

*

1

0Control LRA

pAkt/Akt

40

20

0

-20

-400 14 2

時間

収縮期血圧の変化(mmHg)

16 4

ControlLRALRA+L-NAMEL-NAME

100

50

00.01 0.1

LRA(µM)

(A)

血管弛緩活性(%)

1 10

*

*

* *

+EC

-EC

50

血管弛緩度(%)

血管弛緩度(%)(D)

100

* *

*

None

ODQ

50 00血管弛緩度(%)

(C)

100

*

None

L-NAME

A779

Wortmannin

HOE140500

(B)

100

*

0.1 µMと非常に強い作用であることが判明した (図3A)。この値は、穀物由来のペプチドの中では最も強い血管弛緩作用である。 LRAの血管弛緩作用はNO産生酵素 (NOS)阻害剤であるL-NG-Nitroarginine Methyl Ester (L-NAME)および血管平滑筋中に存在するグアニル酸シクラーゼの阻害剤である1H-[1,2,4]オキサジアゾロ [4,3-a]キノキサリン -1-オン(ODQ)によって阻害された (図3 B, C)。また、血管内皮を除去した血管標本でもLRAの血管弛緩作用は阻害された (図3D)。しかし、PI3Kの阻害剤であるwortmanninやブラジキンB2受容体、MAS受容体の阻害剤であるHOE140やA779ではLRAの血管弛緩作用は阻害されなかった (図3B)。また、血管内皮のモデル細胞であるHUVECにおいて、LRAはeNOSのリン酸化は促進したものの、Aktのリン酸化は促進しなかった (図4)。これらのことから、LRAは血管内皮に局在型NOS (eNOS)のリン酸化を介して血管弛緩作用を示していることが明らかとなった。また、その上流はブラジキニンやアンジオテンシン -(1-7)など既知の内因性血管弛緩ペプチドとは異なる可能性も示された。このように、食

品由来の外因性ペプチドの研究を通じて、未知の情報伝達経路の存在が明らかになったことはとても興味深い。 最後に、LRAの血圧降下作用における血管弛緩作用の寄与を検討した。LRAの血管弛緩作用はNOS阻害剤のL-NAMEで阻害されることから同じ阻害剤を用いて in vivoにおける評価を実施した。その結果、LRAの降圧作用はL-NAMEによって完全に阻害され(図5)、LRAのNOを介した血管弛緩作用が血圧降下作用の主要な作用機序であることが明らかとなった。

【米ぬかとペプチド研究の歴史】 米は世界三大穀物の1つであり、世界人口の半数が主食として消費している。現代では果皮・胚芽部分である米ぬか (図1)を取り除いた白米を食することが多いが、平安時代から江戸時代にかけては玄米のほうが主流だったようである 1)。米ぬか研究の歴史は長く、例えば、1940年代、鈴木梅太郎が脚気を治療する成分として米ぬかからオリザニンを単離し、Funk C.も同様に抽出した抗脚気成分をビタミンと命名している。1950年代には金子および土田らによりオリザノールが単離・同定された。このように、1940-50年代は米ぬかが研究対象として脚光を浴びていたのである 2)-3)。 今日では多彩な機能性を示す生理活性ペプチドが様々な食品タンパク質の酵素消化物から発見されている。1979年、Brantl V.らによって牛乳カゼインの酵素消化物よりオピオイドペプチドが同定され 4)、また同じく1979年、岡本源一郎によってアンジオテンシン -I変換酵素 (ACE)阻害ペプチドがゼラチン酵素消化物より同定された 5)。これ以降、食品由来の機能性ペプチド研究が注目され始めた。これまで多くの食品由来のACE阻害ペプチドが実用化されているが、牛乳カゼインなど動物性タンパク質の酵素消化によって得られたものが多く、Ile-Pro-Pro, Val-Pro-Pro6)やMet-Lys-Pro7)など、機能性表示食品や特定保健用食品として商品化もされているものもある。一方、米ぬかもタンパク質を豊富に含んでいるものの動物性タンパク質と比べて殆ど活用されておらず、年間に30万トンも廃棄されているという報告もある。そこで、我々は米ぬかタンパクをプロテアーゼの一種である thermolysin(グラム陽性菌Bacillus thermoproteolyticus)で消化し、新規の素材 “酵素処理米ぬか (HBT)” を開発し、その降圧作用を検討するとともに、血圧降下作用に寄与する成分の同定を試みた。

【酵素処理米ぬかの血圧降下作用】 高血圧モデル動物SHR/IzmにHBTを4週間継続的に経口投与した結果、用量依存的な血圧降下作用を示すことが明らかとな っ た (図2A)。さ ら に 我 々 は、HBT中に含まれるぺプチドをHPLC(液体クロマトグラフィー)で分画し、ACE阻害活性を指標に探索したところ、新規のペプチドLeu-Arg-Ala(LRA)を 同 定 し た。F-moc法(ペプチド固相合成法)によってLRAを化学合成し、これをSHR/Izmに経口投与したところ、HBTと同様に投与後4時間において、最も強い血圧降下作用を示し、その作用は投与6時間後まで持続することが判明した (図2B)。また、LRAの最小有効濃度は0.25 mg/ kgであり、米由来の降圧ペプチドの中では最も強い降圧作用を持つことが明らかとなった (図2 C)。一方、LRAのACE阻害活性を in vitro試験で測定し、IC50=62 µMという値が得られたが、LRAの強力な血圧降下作用を説明するのに十分なものでは無かった。

【新規降圧ペプチドLRAの降圧メカニズムの検討】 そこで、次に我々はLRAの血管弛緩作用に注目した。SHR/Izmの腸管膜動脈を螺旋状に切開した血管標本の弛緩をマグヌス法により評価した。その結果、LRAに血管弛緩作用があることが示され、EC50濃度は

事務局 生産管理部

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参 考 文 献

1) 下田吉人 玄米食の科学 . 家事と衛生 1943, 19 (4), 2-13.2) Yoshida, A., �e origin of food nutriology. 化学と生物 1984, 22, 583-590.3) 矢原宮吉 et al., γオリザノールの安全性に関する研究 . 基礎と臨床 1973, 7, 57-61.

4) Yoshikawa, M., Bioactive peptides derived from natural proteins with respect to diversity of their receptors and physiological e�ects. Peptides 2015, 72, 208-225.

5) Oshima, G., Shimabukuro, H., Nagasawa, K., Peptide inhibitors of

angiotensin i-converting enzyme in digests of gelatin by bacterial collagenase. 1979, 566, 128-137.

6) Nakamura, Y., et al., Antihypertensive e�ect of sour milk and peptides isolated from it that are inhibitors to angiotensin I-convert-ing enzyme. Journal of Dairy Science 1995, 78 (6), 1253-1257.

7) Yamada, A., et al., Novel angiotensin I-converting enzyme inhibitory peptide derived from bovine casein. Food Chem. 2013, 141 (4), 3781-3789.