Agilent Signal Studio 1xEV-DO...

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Agilent Signal Studio 1xEV-DO オプション404 ESG-D/DPシリーズ信号発生器用 Product Note 1xEV-DOフォワード・リンクおよ びリバース・リンクのテスト信号を 簡単に生成できるSignal Studio Signal Studio-1xEVソフトウェアは、Agilent ESG ディジタル・シリーズRF信号発生器 と組み合わせて使用する1xEV-DOベース バンドI/Q波形を生成するための強力なツ ールです。 主な特長: 直感的なユーザ・インタフェース 1xEV-DOフレームの迅速な生成 各タイムスロットのチャネルの構成 フォワード・リンク・チャネル パイロット、MAC、トラヒック リバース・リンク・チャネル パイロット、MAC、ACK、データ 選択可能なベースバンド・フィルタリ ング I/Q信号、スペクトラムおよびCCDF曲線 のプロット ESG設定のリモート構成

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Agilent Signal Studio 1xEV-DO オプション404

ESG-D/DPシリーズ信号発生器用Product Note

1xEV-DOフォワード・リンクおよびリバース・リンクのテスト信号を簡単に生成できるSignal Studio

Signal Studio-1xEVソフトウェアは、AgilentESG ディジタル・シリーズRF信号発生器と組み合わせて使用する1xEV-DOベースバンドI/Q波形を生成するための強力なツールです。

主な特長: • 直感的なユーザ・インタフェース• 1xEV-DOフレームの迅速な生成• 各タイムスロットのチャネルの構成• フォワード・リンク・チャネル

• パイロット、MAC、トラヒック• リバース・リンク・チャネル

• パイロット、MAC、ACK、データ• 選択可能なベースバンド・フィルタリング

• I/Q信号、スペクトラムおよびCCDF曲線のプロット

• ESG設定のリモート構成

kani

目次

ソフトウェアの概要 3

利点 3

コンポーネントのテスト 3

受信機のテスト 3

信号の構造 4

1xEV-DOフレームの構造 4

ESGとの接続 4

信号の生成 4

フォワード・リンク・チャネルの構造 5

フォワード・リンク・フレームの構造 6

ステップ1 - フォワード・チャネルの構成 6

ステップ2 - 信号生成パラメータの設定 8

ステップ3 - ESGの構成 9

ステップ4 - 計算およびダウロード 10

リバース・リンク・チャネルの構造 12

リバース・リンク・フレームの構造 13

ステップ1 - リバース・チャネルの構成 13

基本測定の例 15

チャネル・パワー 15

隣接チャネル漏洩電力(ACP) 17

Signal Studio-1xEVデータ・シート 18

フォワード・リンク 18

リバース・リンク 18

略語一覧 18

その他マニュアル 19

参考文献 19

オーダ情報 19

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このProduct Noteは自習用チュートリアルで、Signal Studio-1xEVソフトウェアを使用して生成できるテスト信号を説明しています。本書は、1xEVテクノロジーのチュートリアルではありません。フォワード・リンク・チャネルとリバース・リンク・チャネルの構造についての基本的な知識が必要です。1xEVテクノロジーの詳細については、本書巻末の「参考文献」を参照してください。

ソフトウェアの概要

Signal Studio-1xEVソフトウェアは、フォワード・リンクおよびリバース・リンク1xEV-DOフレーム構造を構成するための、Windowsベースのツールです。各タイムスロットで一意の物理チャネルを構成できます。ユーザにより設定された1xEV-DOフレーム構成パラメータに基づいて、このソフトウェアがカスタム・ベースバンドI/Q波形ファイルを計算します。ほとんどの波形がわずか数秒で構築され、再生のためにESGデュアル信号発生器に迅速にダウンロードされます。

周波数、振幅、マーカ極性などの基本的な信号発生器設定用の構成メニューもあります。測定器設定および波形ファイルは、GPIBまたはRS-232インタフェースを使用してESGディジタル・シリーズ信号発生器に渡されます。

波形ファイルと測定器設定を信号発生器にダウンロードすると、1xEV-DO RF信号が自動的に生成されます。信号発生器のローカル制御が再度オンにされ、周波数、振幅などの測定器設定の変更が可能になります。波形ファイル自体は、信号発生器にダウンロードされてしまうと変更はできません。

波形ファイルは、ESGデュアル信号発生器の不揮発性メモリに保存して、いつでも再生のために呼び出すことができます。

利点

Signal Studio-1xEVにより、ESGディジタル・シリーズRF信号発生器で使用する1xEV-DOフォワードおよびリバース・リンク・テスト信号を生成する際のユーザの負荷が軽減されます。貴重な時間をコードを書いて独自のテスト信号を生成するために費やすのではなく、Signal Studio-1xEVのグラフィカル・ユーザ・インタフェースを使用して、標準ベースのテスト信号を迅速に構成することができます。さらに、Signal Studio-1xEVのフレーム構成はコードを書き直さなくても、容易に変更して、必要なテスト信号を生成することができます。

コンポーネントのテストプリアンプ、コンバイナ、フィルタ、増幅器などの1xEVコンポーネントの性能特性は、適切なスティミュラスを使用して決める必要があります。Signal Studio-1xEVソフトウェアは、フォワード・リンクおよびリバース・リンクの両方向の統計的に正しい信号を提供することで、このニーズを満たします。アクティブ・チャネル数や変調タイプなどの信号パラメータは、被試験コンポーネントに適切に印加するために変更することができます。

受信機テスト受信機の復調機能を完全にテストするには、完全にコード化された信号が必要です。完全にコード化された信号により、受信機の個々の機能ステージが正しく動作していることを確認できます。リバース・リンク方向では、Signal Studio-1xEVソフトウェアは完全にコード化された信号を提供しています。このレベルのチャネル・コード化により、アクセス・ネットワークにより受信された信号のFERテストとBERテストを行って性能を検証することができます。図2に示すように、フォワード・リンク方向では、完全にコード化は行われません。

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信号の構造

1xEV-DOフレームの構造1xEV-DOシステムでは、図1に示すように情報がフレームで伝送されます。全フレーム長は26.67msで、個々のフレームが等しい16個の1.666msのタイムスロット(1.2288Mcps×1.666ms = 2048チップ/タイムスロット)に分割されています。フレームの構造は、フォワード・リンクとリバース・リンクで同一です。ただし、タイムスロット内の基本的なチャネル構造は、リンクの方向に依存します。

ESGとの接続

1xEV-DOテスト信号を生成する前に、Signal Studioソフトウェアをホスト・コンピュータにインストールしておく必要があります。波形を信号発生器にダウンロードする前に、ホストPCがESGディジタル・シリーズRF信号発生器と通信していることを確認してください。信号発生器との接続の詳細については、『Sign a lStudioインストール・ガイド』[1]に記載されています。

信号の生成

Signal Studioソフトウェアのグラフィカル・ユーザ・インタフェースは、3つの構成メニューに分かれています。

• チャネル構成• 信号生成のセットアップ• ESG構成

メニュー構成のしくみは、プルダウン・メニューからの選択とテキスト・フィールドの編集です。このプロセスは基本的にポイント・アンド・クリックの単純かつ直感的なもので、詳細については説明しません。マウス・ポインタを目的の項目に合わせると、ヘルプ画面が表示されます。

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図1. 1xEV-DOフレームの構造

1xEV-DOフレーム

1スロット

フォワード・リンク・チャネルの構造Signal Studioに実装されている1xEV-DOフォワード・チャネルの構造を図2に示します。緑のブロックはユーザが変更できるフレーム構成パラメータを示し、青のブロックは自動的に実装され変更のできない固定パラメータを示します。グレーのブロックは、Signal Studioソフトウェアには実装されていません。例えば、コンボリューショナル・エンコード、スクランブリングおよびインタリービングは、フォワード・トラヒック・チャネルには実装されていません。その代わりに、フォワード・トラヒック・チャネルのビットストリームが直接復調器ブロックに送られます。

5

フォワード・�

トラヒック・�

チャネルの�

ビットストリーム�

エンコーダ�

R=1/3�

または�

1/5

スクランブラ�

チャネル・�

インタリーバ�

QPSK/8-QPSK�

/16-QAM�

変調器�

シーケンスの�

繰り返し/�

シンボル・�

パンクチャリング�

シンボル・�

デマルチ�

プレクサ�

1~16

16値�

Walsh�

カバー�

Walsh�

チャネル�

利得=1/4

Walsh�

チップ・�

レベル・�

スキャナ�

MACインデックスi用�

64値Walshカバー�

MACインデックスi用�

MACチャネルRPCビット�

1ビット/スロット�

(600bps)�

信号ポイントの�

マッピング�

RPC Walsh�

チャネル利得�

[Gi]

偶数MACチャネルの場合Iチャネル、�

奇数MACチャネルの場合Qチャネル�

MACチャネルRAビット�

1ビット/RAB長スロット�

(600/RAB長bps)�

ビット繰り返し�

(係数 = RAB長)�

信号ポイントの�

マッピング� RA�

チャネル利得�

WalshカバーW644

Walsh�

チップ・レベル・�

サマー�

シーケンス�

繰り返し�

(係数 = 4)�

256PNチップ/�

MACのスロット�

プリアンブル�

(すべて0)�

パイロット・�

チャネル�

(すべて0)�

信号ポイント・�

マッピング�

信号ポイント・�

マッピング�

Walshカバー0

MACインデックスiによる�

32シンボル双直交カバー�

シーケンス�

繰り返し�

パイロットに対して�

192チップ/スロット�

Q�

Walsh�

チャネル�

I�

Walsh�

チャネル�

図2. Signal Studioに実装されている1xEV-DOフォワード・チャネルの構造

凡例�ユーザ定義パラメータ�

固定パラメータ�

非実装�

I �Walsh�チャネル�

Q �Walsh�チャネル�

� 直交拡散�

(複素乗算)�

ベースバンド・�フィルタ�

ベースバンド・�フィルタ�

I波形�

Q波形�

I/Q�変調器へ�

Iチャネル�PNシーケンス�

Qチャネル�PNシーケンス�

フォワード・リンクフレームの構成簡単なステップにしたがうだけで、1xEV-DOフォワード・リンク波形を構成して、ダウンロードすることができます。

ステップ1 - フォワード・チャネルの構成

ステップ2 - 信号生成パラメータの設定

ステップ3 - ESGの構成

ステップ4 - 計算およびダウンロード

ステップ1 - フォワード・チャネルの構成図3の枠で囲んだ[Channel Configuration]メニューは、1xEV-DOフレーム構築用のグラフィカル・インタフェースです。SignalStudio-1xEVソフトウェアには、2つの基本動作モード(Normalと連続パイロット)があります。

Normal動作モードNormal動作モードでは、カスタム・チャネル構成を使用して、フレームの16個のタイムスロットのそれぞれで1xEV-DOフレームを構成することができます。パイロット・チャネル、MACチャネルおよびトラヒック・チャネルのフォワード・リンクが、Normal動作モードでサポートされます。

パイロット・チャネルパイロット・チャネルは、すべてのフレームのデフォルトのアクティブ・チャネルで、フレームの各タイム・スロット内で2つの区別可能なバーストとして現れます。このチャネルは、非アクティブにすることはできません。パイロット・チャネルのPNオフセット・インデックス(0~511)を[Channel Configuration]メニューで設定することができます。パイロット・チャネルのPNオフセットは、送信側のアクセス・ネットワークのセルまたはセクタを示します。

MACチャネルおよびトラヒック・チャネルMACチャネルとトラヒック・チャネルは、それぞれフレーム全体でアクティブまたは非アクティブにすることができます。[Channel Configuration]メニューの[MACChannel]および[Traffic Channel]の横にあるボックスにチェック・マークを付けるだけで、フレーム構成で使用するためにチャネルをアクティブにすることができます。MACチャネルまたはトラヒック・チャネルをフレーム内でアクティブにすると、さらに物理チャネル構成を各タイムスロットで実装することができます。上記のように、チャネルがフレーム全体で使用できるようにアクティブになっていなければ、タイムスロット・レベルで行ったチャネル構成は実装されないことに注意してください。

アクティブ・スロット対アイドル・スロットフォワード・リンクでは、物理チャネルは、フレームの16個のタイムスロットのそれぞれで時分割多重化されます。パイロット・チャネル、MACチャネルおよびトラヒック・チャネルがすべてタイムスロット内でアクティブにされた場合、これはアクティブ・スロットと呼ばれます。パイロット・チャネルとMACチャネルだけがタイムスロットでアクティブの場合は、アイドル・スロットと呼ばれます。両方のスロット・タイプの構造を図4に示します。

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図3. Signal Studio 1xEVのフォワード・リンク・チャネルの構成メニュー

アクティブ・スロット�

アイドル・�スロット�

データ�400チップ�

データ�400チップ�

データ�400チップ�

データ�400チップ�

パイロット�96�チップ�

パイロット�96�チップ�

パイロット�96�チップ�

パイロット�96�チップ�

プリアンブル�64~1024チップ�

1024チップ=ハーフ・スロット� 1024チップ=ハーフ・スロット�

図4. フォワード・リンク・スロットの構造:アクティブ・スロットおよびアイドル・スロット

アイドル・スロット利得アイドル・スロットの送信中は、オン/オフ・パワー比が大きいため、アクセス・ネットワークのパワーアンプが非常に広いダイナミック・レンジを持っている必要があります。しかし、通常はそのようなアンプを持っていません。この問題に対処するため、このソフトウェアでは、[Channel Configuraton]メニューにアイドル・スロット利得機能があります。このパラメータを使用すれば、アイドル・スロットがオフの間のノイズ・レベルをパイロット・チャネルに対して相対的に変化させることができます。アイドル・スロット利得を変化させることで、システムの送信エンベロープ・マスク要件を満たす必要に応じてオン/オフ・パワー比を設定することができます。任意にアイドル・スロット利得パラメータをオフにすることもできます。オフにすると、RFブランキングが自動的にオンになります。この結果、アイドル・スロット送信中に非常に大きなオン/オフ・パワー比が得られます。

タイム・スロットの設定[Channel Configuration]メニューにある[Time Slot Setup]ボタンを選択すると、構成テーブルが表示されます(図5)。

タイム・スロット・セットアップ構成テーブルは、スプレッドシートに似た構造になっています。テーブルの各行が16個の1xEV-DOフレームのタイム・スロットの1つを表します。テーブルの列は、それがどのようなパラメータを表わしているか、どの物理チャネルが構成されているかにしたがってラベルが付けられ、グループ化されます。

チャネル構成を簡素化するため、プルダウン・メニューの一番下の行(黄色で強調表示されています)には高速編集機能があります。高速編集フィールドで選択したチャネル・パラメータが、16個のタイムスロットのすべて(列全体)に設定されます。この方法で、迅速にジェネリック・フォワード・チャネル・フレームを構成することもできます。柔軟性を最大限にするため、各タイムスロット・チャネルのパラメータは個々に構成することもできます。

トラヒック・チャネルトラヒック・チャネルは、16個のタイムスロットのそれぞれでアクティブまたは非アクティブにすることができます。各タイムスロットに固有のトラヒック・チャネルの変調タイプ(QPSK、8-PSKまたは16-QAM)を構成するためのプルダウン・

メニューもあります。トラヒック・チャネルの変調タイプは、必要なデータ送信レートに基づいて選択されます。タイム・スロット構成テーブルで構成しない唯一のトラヒック・チャネル・パラメータは、トラヒック・チャネル・ビットストリームです。このビットストリームは、すべて0、すべて1、0と1が交互、1と0が交互、PN9またはPN15に設定することができ、[Payload Setup]メニュー(図3)のプルダウン・メニューで構成することができます。トラヒック・チャネル・ビットストリームは、フレーム全体でアクティブ・トラヒック・チャネルとともに各スロットに分割されます。PNシーケンスの場合は、連続PNシーケンスが、アクティブ・トラヒック・チャネルが含まれているタイムスロットに分割されます。トラヒック・チャネルがアクティブな最後のタイムスロットがデータで満たされると、PNシーケンスは切り捨てられます。

MACリバース・アクティビティ・チャネル各タイムスロットのMACチャネルは、リバース・アクティビティ(RA)チャネルと最大59個のリバース・パワー制御(RPC)チャネルから構成されています。RAチャネルと各RPCチャネルには、一意の64値Walshカバーが割り当てられます。送信される情報ビットを表すRAチャネルおよびRPCチャネルの64値Walshカバーは、Walsh和がとられます。

Signal Studioソフトウェアでは、16個のタイムスロットのそれぞれでRAチャネルをアクティブまたは非アクティブにすることができます。また、16個のタイムスロットのそれぞれでRAチャネル情報ビットを0または1に設定できます。さらに、チャネル利得(パイロット・チャネルに対する相対値)も、プルダウン・メニューにより16個のタイムスロットのそれぞれで指定できます。

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図5. Signal Studio-1xEVのフォワード・リンクのタイム・スロット・セットアップ・テーブル

図6. スロット#1用のSignal Studio-1xEVのフォワード・リンクのリバース・パワー制御セットアップ・テーブル

MACリバース・パワー制御(RPC)チャネルMAC RPCチャネルは、各タイム・スロットで任意にアクティブにすることもできます。あるタイムスロットでRPCチャネルがアクティブの場合、[MAC RPC ChannelSetup]列にあるスロット番号ボタンを選択すると、RPCセットアップ・テーブルが表示されます(図6)。RPCセットアップ・テーブルの構造は、1つのタイムスロットに59個の入力が可能なことを除けば、先に説明したスロット・セットアップ・テーブルとよく似ています。

これら59個のRPCチャネルは、選択したタイムスロットに対して個々に構成することができます。アクティブにされた各チャネルは、最終的に(アクティブであれば)同じタイムスロットのRAチャネルとWalsh加算されて、MACチャネルを構成します。各RPCチャネルがタイムスロットあたり1つのパワー制御データ・ビットを一意のアクセス端末へ運びます。このアクセス端末が、データ・ビット‘0’または‘1’のどちらが送られたかにより、それぞれパワーを上げるまたは下げます。RPCセットアップ・テーブルでは、アクティブな各RPCチャネルのデータ・ビットを個々に定義することができます。さらに、チャネル利得(パイロット・チャネルに対する相対値)も、プルダウン・メニューによりアクティブな各RPCチャネルに対して定義できます。

連続パイロット動作モード連続パイロット動作モードでは、パイロット・チャネルが1xEV-DOフレーム全体で連続してアクティブになります。各タイムスロットで2つのパイロット・チャネル・バーストが発生するのではなく、パイロット・チャネルが連続してアクティブになります。この動作モードでは、パイロット・チャネルが唯一使用可能なチャネルです。連続パイロット動作モードでは、被試験デバイスの基本的な動作を検証するトラブルシューティング・ツールとして使用される基本テスト信号が提供されます。

ステップ2 - 信号生成パラメータのセットアップ図7に示す[Signal Generation Setup]メニューは、オーバサンプリング比、ベースバンド・フィルタの構成、Qチャネルの反転を定義するためのシンプルなインタフェースです。

オーバサンプリング比オーバサンプリング比は、I/Qシンボル毎に計算されるサンプル数を定義します。構成した信号のオーバサンプリング比を増加させると、サンプリング・イメージと必要な信号の間隔も増加します。これにより、ベースバンド復元フィルタによるイメージ除去性能が向上します。ただし、イメージ除去を改善するにはコストがかかります。オーバサンプリング比を増加させると、波形の計算時間とファイル・サイズが増加します。[Signal Information]セクションのprojected file length(見積もられたファイル長)が、オーバサンプリング比設定を増加させるにつれて更新されることに注意してください。

復元フィルタとオーバサンプリング比の詳細については、[4]または『ESGファミリ信号発生器オプションUNDデュアル信号発生器ユーザーズおよびプログラミング・ガイド』を参照してください。

ベースバンド・フィルタリング[Filter Type]プルダウン・メニューには、ベースバンド・フィルタ用の選択項目が3つ(なし、IS-95標準およびIS-95修正版)あ

ります。IS-95修正版フィルタは、IS-95標準フィルタに比べて隣接チャネル漏洩性能が改善されています。

位相イコライゼーション・フィルタも、フォワード・リンクで任意にアクティブにすることができます。位相イコライゼーション・フィルタは、対象の周波数帯域に渡って遅延歪みを補正するプレディストーション・フィルタの役割を果たします。

ミラー・スペクトラムミラー・スペクトラム機能をオンにするとQチャネルが反転され、反転されたスペクトラムが得られます。信号が例えばミキサ・ブロックなどの様々な機能ブロックを正常に伝搬していくとき、信号スペクトラムが反転される場合があります。この機能を使用することにより、通常反転されたスペクトラム信号で表される受信機ブロックの現実的なテストが容易になります。信号を250MHz未満のIF周波数で生成する場合、ESGによりIとQが入れ替えられ、その結果反転されたスペクトラムが得られることにも注意してください。これは、ESGの250kHz~250MHz帯域のキャリアは、合成された高い周波数からミキシング・ダウンすることにより生成されるためです。この影響を補償するには、ESGの背面パネルにあるIおよびQコネクタを、それぞれフロント・パネルにあるQおよびIコネクタに接続します。別の方法として、Signal Studio-1xEVのミラー・スペクトラム機能を適宜オンにしてもかまいません。

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図7. Signal Studio-1xEVのフォワード・リンク信号生成セットアップ・メニュー

ステップ3 - ESGの構成Signal Studioソフトウェアは、構成した1xEV-DO波形とともに測定器設定をESGディジタル・シリーズRF信号発生器に渡します。これらの設定には、周波数、振幅、サンプリング・レート、復元フィルタ、RFブランキング、内部/外部基準周波数、マーカの極性などがあります。各設定は、図8の[ESG Configuration]メニューで定義します。

周波数ESGが信号を生成する周波数を定義します。

振幅ESGが信号を生成するパワーを定義します。

サンプリング・レート再生中に波形I/Qサンプルがデュアル信号発生器のメモリから読み取られるレートを設定します。これは、[Signal GenerationSetup]メニューでオーバサンプリング比が定義されると自動的に設定されます。

復元フィルタESGには3つの復元フィルタ(250kHz、2.5MHz、8MHz)と、フィルタなしオプション(スルー)があります。ベースバンド信号の帯域幅(RF帯域幅の1/2)により、使用される最小の復元フィルタの帯域幅(1xEV-DOの場合は614.4 kHz)が決まります。オーバサンプリング比と、どこにイメージ周波数が現れるかにより、さらに広い帯域幅の復元フィルタを選択する場合があります。デフォルト値(2.5MHz)は、特定の理由がない限り変更しないでください。復元フィルタの詳細については、[4]を参照してください。

RFブランキングRFブランキングは、MACチャネルまたはトラヒック・チャネルがタイムスロットで非アクティブになっている場合に、信号品質を改善します。これは、フォワード・リンクRFバーストのオン/オフ比を増加させることで行われます(MACチャネルとトラヒック・チャネルは各フォワード・リンク・フレームのタイムスロットに時分割多重化されていることを思い出してください)。ESG Event 2マーカが内部でルーティングされてRFブランキング信号となります。

注記: RFブランキングがオンの場合、マーカの極性を正に設定する必要があります。そうしないと、必要な信号がオフになり、ESGからのRFが出力されません。

内部/外部基準周波数ESGデュアル任意ベースバンド発生器の基準周波数を内部または外部に設定します。外部基準を使用する場合は、波形と測定器設定をダウンロードする前にESGに接続する必要があります。

マ-カの極性ESG Event 1およびEvent 2マーカの極性を設定します。フォワード・リンク構成ウィンドウの[Signal Information]セクションで示されているように、Event 1マーカの立ち上がりエッジは、ハーフ・スロットの境界ごとに発生します。RFブランキングがアクティブの場合は、Event 2マーカが内部でルーティングされてRFブランキング信号にアクセスすることができます。これらの信号には、ESGのリア・パネルにあるEvent 1ポートおよびEvent 2ポートでアクセスできます。

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図8. Signal Studio-1xEVのフォワード・リンクのESG構成メニュー

ステップ4 - 計算およびダウンロード波形設定およびESG設定を構成したら、最後は波形の計算と信号発生器へのダウンロードです(図9)。

波形のタイトル最初に、[Waveform Title]フィールドで波形に名前を付けます。これは、波形が測定器にダウンロードされた後にESGユーザ・インタフェースに表示される名前です。ESGは、次の英数字を使用して名前が付けられた波形のみを認識します

• A~Z• 0~9• $ & _ # + - [ ]

サポートされていない英数字が使用された場合は、波形がESGにダウンロードされるとFile Name Not Found Error(Error:‐256)が表示されます。波形の名前の最大長は20文字です。 波形の計算

波形の計算を開始するには、[Calculate]ボタンを押します。ソフトウェアにより、現在のチャネル構成と信号生成設定にしたがってI/Q波形ファイルが生成されます。通常、波形計算はわずか数秒です。

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図9. Signal Studio-1xEVのフォワード・リンクの[Calculate]および[Douwnload]メニュー

I/Q信号、スペクトラムおよびCCDF曲線のプロットI/Q波形が計算されると、Signal Studioソフトウェアによりベースバンド・スペクトラムとI/Q波形のプロットを生成することができます。スペクトラムをプロットするには、ウィンドウの上にあるメニュー・キーから[Plot]→[Spectrum]を選択します(図10)。プロットは、プロットの上にある[Tools]プルダウン・メニューのズーム機能を使用して拡大できます。単にズーム機能を選択して、マウス・ポインタを使用して拡大するプロットの部分を選択するだけです。I/Q波形およびCCDFのプロットも同様に生成することができます。

ESGへのダウンロード[Download]ボタン(図9)を選択してフォワード・リンク・フレームの計算されたI/Q波形ファイルと信号発生器設定を信号発生器に送信します。信号発生器は1xEV-DO RF信号の生成を自動的に開始します。信号発生器のローカル制御が再度オンになり、信号発生器の設定をそのフロント・パネルから変更できるようになります。Signal Studioからの波形のダウンロード前に信号発生器が初期スタートアップ状態または他のパーソナリティの状態にある場合は、ESGをDual Arbモードに設定すると便利です(ただし、必ずしもその必要はありません)。これにより、波形が信号発生器へダウンロードされた後、図17のように波形名と信号発生器の状態が明確にDual Arbユーザ・インタフェースに表示されるため、混乱しなくなります。測定器設定だけが信号発生器のフロント・パネルから変更できます。波形ファイル自体は、信号発生器にダウンロードしてしまうと変更はできません

ソフトウェア構成の保存Signal Studio-1xEVソフトウェアの構成は、ホスト・コンピュータのローカル・ハードディスクに保存することができます。これで、構成をいつでも呼び出して再計算し、信号発生器へ波形をダウンロードすることができます。これは、ソフトウェア内で複雑なフレーム構成を作成した場合に特に便利です。図9のウィンドウの上にあるメニュー・キーから[File]→[SaveAs]を選択し、ファイルに名前を付けて、ESG-B/OneXFwdディレクトリに保存します。このソフトウェアの構成は、メニュー・オプション[File]→[Open]を選択し、次にファイル名を選択することでいつでも呼び出すことができます。

波形のESGへの保存計算されたI/Q波形が再生のために信号発生器にダウンロードされた後で、これをESGの不揮発性メモリに保存して、いつでも再生のために呼び出すことができます。波形の信号発生器への保存の詳細については、『ESGファミリ信号発生器オプションUNDデュアル信号発生器ユーザーズおよびプログラミング・ガイド』を参照してください。Signal Studioソフトウェアにより作成されたI/Q波形ファイルは信号発生器でのみ保存できます。

波形のシーケンス化ESGデュアル信号発生器には、いくつかの波形セグメントのシーケンス機能があります。複数の1xEV-DO波形ファイルを構成し、信号発生器にダウンロードした場合、カスタム・フレーム・シーケンスを作成することができます。波形シーケンスの設定は、Signal StudioソフトウェアではなくESGデュアル信号発生器のユーザ・インタフェースから行います。波形のシーケンス化の詳細については、『ESGファミリ信号発生器オプションUNDデュアル信号発生器ユーザーズおよびプログラミング・ガイド』を参照してください。

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図10. 1xEV-DOフォワード・リンクのI/Q波形のスペクトラム・プロット

リバース・リンク・チャネルの構造1xEV-DOリバース・リンクでは、物理チャネルは各タイムスロット内で時分割多重化されていません。その代わり、各フレームのタイムスロットに物理チャネルの複素和が含まれています。Signal Studioソフトウェアに実装されている1xEV-DO

リバース・チャネルの構造を図11に示します。緑で強調されたブロックはユーザが変更できるフレーム構成パラメータを示し、青で強調されたブロックは自動的に実装され変更できない固定パラメータを示します。SignalStudio-1xEVソフトウェ

アを使用して生成されたリバース・リンク信号は完全にコード化されていて、リバース・チャネル構造のすべての機能ステージが実装されています。

12

WalshカバーW160

WalshカバーW84

WalshカバーW168

WalshカバーW424

Walshカバー�

Q�

Walsh�

チャネル�

I�

Walsh�

チャネル�

パイロット・�

チャネル�

(すべて0)�

1つの�

3ビット・シンボル/�

16スロット�

物理層パケット�

シンプレックス�

エンコーダ�

コードワード�

繰り返し�

(係数 = 37)�

コードワード�

繰り返し�

(係数 = 2)�

最後の�

3シンボルを�

パンクチャ�

信号ポイントの�

マッピング�

信号ポイントの�

マッピング�

信号ポイントの�

マッピング�

信号ポイントの�

マッピング�

��ACKチャネル�1ビット/スロット�

ビット�

繰り返し�

(係数 = 128)�

DRCシンボル�

1つの�

4ビット・シンボル/�

アクティブ・スロット�

DRCカバー・シンボル�

1つの3ビット・シンボル/�

アクティブ・スロット�

双直交�

エンコーダ�

リバース・データ・�

チャネル・�

ビットストリーム�

エンコーダ�

または�

ACK�

チャネル�

相対利得�

DRC�

チャネル�

相対利得�

データ・�

チャネル�

相対利得�

7バイナリ・�シンボル/�物理層パケット�

259バイナリ・�シンボル/�

物理層パケット�

256バイナリ・�シンボル/�物理層パケット�

128バイナリ・�シンボル/�スロット�

128バイナリ・�シンボル/スロット�

(1/2スロットで送信)�16バイナリ・�シンボル/�

アクティブ・スロット�

8バイナリ・�シンボル/�

アクティブ・スロット�

チャネル・�

インタリーバ�

インタリーブ�

された�

データ繰り返し�

凡例�ユーザ定義パラメータ�

固定パラメータ�

I �Walsh�チャネル�

Q �Walsh�チャネル�

直交拡散�

(複素乗算)�

ベースバンド・�フィルタ�

ベースバンド・�フィルタ�

I波形�

Q波形�

I/Q�変調器へ�

Iチャネル�ショートPNシーケンス�

Qチャネル�ショートPNシーケンス�

Qチャネル・ユーザ�ロング・コードPN�シーケンス�

Iチャネル・ユーザ�ロング・コードPN�シーケンス�

1/2で�デシメート�

Walshカバー�

図11. Signal Studioに実装されている1xEV-DOリバース・チャネルの構造

リバース・リンク・フレームの構成フォワード・リンクと同様に、ESGシリーズ信号発生器を使用したリバース・リンク・フレームの構成と1xEV-DO信号を生成には、4つの基本ステップがあります。

ステップ1 -リバース・リンク・チャネルの構成

ステップ2 -信号生成パラメータの設定

ステップ3 - ESGの構成

ステップ4 -計算およびダウンロード

フォワード・リンク・フレームの構成に必要な4つのステップと大きく異なるのはステップ1だけです。したがって、ステップ2~4は説明しません。その代わりに、本書の「フォワード・リンク・フレームの構成」を参照してください。

ステップ1 - リバース・リンク・チャネルの構成図12の枠で囲んだ[Channel Configuration]メニューは、カスタム・チャネル構成を使用して、フレームの16個のタイムスロットのそれぞれで1xEV-DOフレームを構成できる、使いやすいグラフィカル・インタフェースです。パイロット・チャネル、リバース・レート通知(RRI)チャネル、データ・レート制御(DRC)チャネル、確認応答(ACK)チャネル、データ・チャネルのリバース・リンク・チャネルがサポートされています。

パイロット・チャネルおよびロング・コード・マスクパイロット・チャネルはすべてのフレームのデフォルトのアクティブ・チャネルで、各タイムスロットに現れます。その構成は変更できません。個別のリバース・トラヒック・チャネルを識別するユーザ・ロングコード・マスクも、[ChannelConfiguration]メニューで設定します。

リバース・レート通知(RRI)チャネルRRIチャネルは、[Channel Configuration]メニューにあるボックスにチェック・マークを付けることで任意にアクティブにすることができます。アクティブの場合、パイロット・チャネルを使用して時分割多重化されます。データ・チャネルの送信レートを表すRRI 3ビット・シンボルは、[RRI Bits]フィールドで定義します。有効な入力は0~7です。

データ・チャネルデータ・チャネルは、[Channel Configuration]メニューにあるボックスにチェック・マークを付けることで任意にフレーム全体でアクティブにすることができます。データ・チャネルがアクティブになると、そのパイロット・チャネルに対する相対利得を指定できます。[Channel Configuration]メニューで[Data Channel Bitstream]が選択されています。ターボ・エンコードも任意にオンにできます。エンコードがオンの場合は、プルダウン・メニューから[Data Channel Data Rate Turbo]を構成することができます。エンコード・レート(1/2または1/4)とシンボル繰り返し係数が、選択されたデータ・レートによって自動的に構成されます。さらに、データ・レートを選択すると、[Configuration Menu]の[RRI Channel bits]フィールドは、選択したデータ・レートを反映して自動的に更新されます。アクティブの場合、データ・チャネルがフレームのタイムスロットのそれぞれに存在します。

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図12. Signal Studio-1xEVのリバース・リンク・チャネルの構成メニュー

データ・レート制御(DRC)チャネルおよび確認応答(ACK)チャネルDRCまたはACKチャネルは、[ChannelConfiguration]メニューにあるボックスにチェックマークを付けることで、それぞれフレーム全体で任意にアクティブにすることができます。アクティブの場合、[Channel Configuration]メニューでパイロット・チャネルを基準として相対利得を指定します。[Time Slot Setup]ボタンを選択することで、他の構成を行うこともできます。このボタンを選択すると構成テーブルが表示されます。1xEV-DOフレームの16のタイムスロットの1つを各行が表しています。表の列には、それがどのようなパラメータを表わしてしているか、どの物理チャネルが構成されているかにしたがってラベルが付けられ、グループ化されます(図13)。プルダウン・メニューの一番下の行(黄色で強調表示されています)には、フレーム構成を簡素化する高速編集機能があります。[Fast Edit]フィールドで選択したチャネル・パラメータが、16個のタイムスロットのすべて(列全体)に設定されます。

ACKチャネルは、各タイムスロットでアクティブ(または非アクティブ)にすることができます。1xEV-DOシステムでは、フォワード・トラヒック・チャネルの物理層パケットがアクセス・ネットワークから正常に受信されると‘0’ビット(確認)がACKチャネル上に送信されます。物理層パケットがアクセス・ネットワークから正常に受信されなかった場合は、‘1’ビット(確認なし)が送信されます。これをシミュレートするために、送信される情報ビットを各タイムスロットでアクティブなACKチャネルを使用して個々に構成することができます。

DRCチャネルも各タイムスロットで任意にアクティブにできます。選択されたサービング・セクタとフォワード・トラヒック・チャネル上で要求されたデータを示す4ビットDRC値を、16個のタイムスロットのそれぞれで一意に構成できます。さらに、8値Walshカバーも各タイムスロットで個々に構成できます。

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図13. Signal studio-1xEVのリバース・リンク・タイム・スロット・セットアップ・テーブル

基本測定の例

Signal Studio-1xEVソフトウェア、ESGディジタル・シリーズ信号発生器およびE4406Aベクトル・シグナル・アナライザ(VSA)を組み合わせると、図14に示すような1xEV製品の開発および製造用の強力なテスト・ソリューションとなります。VSAには1xEVテスト・パーソナリティはありませんが、チャネル・パワー、隣接チャネル漏洩電力(ACP)、相補累積分布関数(CCDF)、パワー対時間などの、基本動作モードでの多数の基本的なRFテストを行うことができます。これらのテストの実行方法を示すために、2つの例(チャネル・パワーとACP)を示します。基本的な測定を行う際の測定器の操作手順を表1-4に示します。[ ]で囲んだキーストロークは、信号発生器のフロント・パネルにあるハード・キーです。{}で囲んだキーストロークは、ディスプレイの右側にあるソフト・キーです。

チャネル・パワーチャネル・パワー測定は、信号の周波数帯域幅おける平均パワーで、通常は周波数帯域で積分したパワーとして定義されています。表1は、信号発生器をプリセットするキーストロークを示しています。

1. 図15に示すようにアクティブ・スロット送信のためのSignal Studio-1xEVフォワード・リンクを設定します。

a. チャネル構成メニューを設定します。• MACチャネルをアクティブにします。

• トラヒック・チャネルをアクティブにします。

• フォワード・トラヒック・ビットストリームに対してPN9を選択します。

b. ESG構成メニューを設定します。• 周波数を1GHzに設定します。• 振幅を–10dBmに設定します。• [Waveform Title]フィールドに

“FWD-Active”を入力します。

設定を簡単にするために、デフォルトのタイムスロット・セットアップ・テーブルとRPCチャネル構成テーブルの設定を使用しています。

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背面パネル�10 MHz IN

Event 1背面パネル�

10 MHz

EXT�トリガ�

RF

GPIBまたはRS-232

ESG w/Option UND

E4406AVSA

SignalStudio

図14. Signal Studioの波形をESGディジタル・シリーズRF信号発生器にダウンロードし、Agilent E4406Aベクトル・シグナル・アナライザを使用して測定を実行するための接続図

図15. ジェネリック・アクティブ・スロット送信のためのSignal Studio設定

表1. 測定器プリセット

手順: ESG-Dシリーズ信号発生器 キーストローク: ESG-Dシリーズ信号発生器

測定器をプリセットします。 [Preset]

2. 1xEV-DOフォワード・リンクのI/Q波形を計算して、ESGディジタル・シリーズ信号発生器へダウンロードします。図16に示すウィンドウは、ダウンロードが成功した後に表示されます。

3. ベクトル・シグナル・アナライザを使用してチャネル・パワー測定を行います。

このとき信号発生器は1xEV-DO変調RF信号を生成しています。

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図17. ESGデュアル信号発生器のユーザ・インタフェース

図16. 波形ダウンロード成功のインジケータ

図18. E4406A VSAによるチャネル・パワー測定

表2. 波形のダウンロードの確認

手順: ESG-Dシリーズ信号発生器 キーストローク: ESG-Dシリーズ信号発生器

アクティブ・スロット波形が [Mode] {Arb Waveform Generator}

生成されているか確認します(図17)。 {Dual Arb}

表3. 測定器のプリセット、チャネル・パワーおよびアベレージング回数

手順: E4406A VSA キーストローク: E4406A VSA

測定器をプリセットします。 [Preset]

チャネル・パワーを測定します。 [Measure] {Channel Power}

アベレージング回数を100に設定します(図18)。 [Meas Setup] {Avg Number}

[100] [Enter] {Avg Mode Exp/Repeat}

隣接チャネル漏洩電力(ACP)チャネル・パワー測定のために構成した同じSignal Studio波形を使用して、アクティブ・スロット送信のACPを測定できます。

通常、ACP測定は隣接周波数チャネルの平均パワーと送信された周波数チャネルの平均パワーの比として定義されます。ACPは、通常、複数のオフセットで測定します(隣接チャネルおよび交互チャネル)。

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表4. 測定器のプリセットおよびACPの測定

手順: E4406A VSA キーストローク: E4406A VSA

測定器をプリセットします。 [Preset]

ACPを測定します(図19)。 [Measure] {ACP}

図19. 1xEV-DOアクティブ・スロット送信のACPバー・グラフ

Signal Studio-1xEVデータ・シート

フォワード・リンクパイロット・チャネル PNオフセット・インデックス: 0~511

選択可能なモード: 連続またはバースト

MACチャネル

リバース・アクティビティ データ: 0または1

パイロットに対する相対利得: –30dB~+30dB

リバース・パワー制御 データ: 0または1

(最大59個の RPCチャネル) パイロットに対する相対利得: –30dB~+30dB

トラヒック・チャネル データ・ビットストリーム: 0、1、01、10、PN9、PN15

変調タイプ: QPSK、8-PSK、16-QAM

アイドル・スロット利得 パイロットに対する相対ノイズ・レベル: 0dB~–80dB

フィルタ・タイプ レクタンギュラ、IS-95標準、

IS-95修正版(改善されたACP)、位相コライゼーション

オーバサンプリング比 有効範囲: 2~30

リバース・リンクパイロット・チャネル

リバース・レート通知チャネル データ: 0~7(8進)

データ・レート制御チャネル データ: 0~F(16進)

Walshカバーの指数: 0~7

パイロットに対する相対利得: –30dB~+30dB

ACKチャネル データ: 0または1

パイロットに対する相対利得: –30dB~+30dB

トラヒック・チャネル データ・ビットストリーム: 0、1、01、10、PN9、PN15

データ・レート(kbps): 9.6、19.2、38.4、76.8、153.6

エンコード・レート: 1/4レート@ 9.6、19.2、38.4、76.8kbps

1/2レート@ 153.6 kbps

変調タイプ: BPSK

IおよびQマスク(42ビット) 有効範囲: 00000000000~3FFFFFFFFFF

フィルタ・タイプ レクタンギュラ、IS-95標準、

IS-95修正版(改善されたACP)

オーバサンプリング比 有効範囲: 2~30

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略語一覧1xEV - cdma2000 1x Evolution1xEV-DO - cdma2000 1x Evolution for Data Only8-PSK - 8-ary Phase-Shift Keying(8値位相変調)16-QAM - 16-Level Quadrature Amplitude Modulation(16値直交振幅変調)ACK - Acknowledgement(肯定応答)ACP - Adjacent Channel Power(隣接チャネル漏洩電力)BER - Bit-Error-Rate(ビット誤り率)CCDF - Complementary Cumulative Distribution Function(相補累積分布関数)dBm - Decibels relative to 1 milliwatt(1mWを基準としたデシベル)DRC - Data Rate Control(データ・レート制御)FER - Frame-Error-Rate(フレーム・エラー・レート)GHz - Gigahertz(ギガヘルツ)GPIB - General Purpose Interface BoardIF - Intermediate Frequency(中間周波数)MAC - Medium Access Control(メディア・アクセス制御)NAK - No Acknowledgement(否定応答)PN - Pseudorandom Noise(疑似ランダム・ノイズ)PN9 - Pseudorandom Noise of period 29 – 1(周期29–1の擬似ランダム・ノイズ)PN15 - Pseudorandom Noise of period 215 – 1(周期215–1の擬似ランダム・ノイズ)QPSK - Quadrature Phase-Shift Keying(直交位相シフト・キーイング)RA - Reverse Activity(リバース・アクティビティ)RF - Radio Frequency(無線周波数)RPC - Reverse Power Control(リバース・パワー制御)RRI - Reverse Rate Indicator(リバース・レート通知)VSA - Vector Signal Analyzer(ベクトル・シグナル・アナライザ)

その他のカタログ

[1] Signal Studio Installation Guide

以下から入手可能。www.agilent.com/find/signalstudio

[2] Agilent ESG Family of RF

Signal Generators - Data Sheet

カタログ番号 5965-3096E

[3] Agilent ESG Family/RF Signal

Generators - Configuration

Guide

カタログ番号 5965-4973E

[4] Generating Digital Modulation

with the Agilent ESG-D Series

Dual Arbitrary Waveform

Generator

カタログ番号 5966-4097E

参考文献

TIA/EIA/IS-856 Standards

Recommended Minimum PerformanceStandards for cdma2000 High Rate PacketData Access Network (Initial Revision)

Recommended Minimum PerformanceStandards for cdma2000 High Rate PacketData Access Terminal (Initial Revision)

オーダ情報

Signal Studio-1xEVは、Agilent ESG ディジタル・シリーズ信号発生器用のオプション404です。

ESG-D: 標準モデルE4430B - ESG-Dシリーズ

RF信号発生器、1GHzE4431B - ESG-Dシリーズ

RF信号発生器、2GHzE4432B - ESG-Dシリーズ

RF信号発生器、3GHzE4433B - ESG-Dシリーズ

RF信号発生器、4GHz

ESG-DP: 高信号純度モデルE4434B - ESG-DPシリーズ

RF信号発生器、1GHzE4435B - ESG-DPシリーズ

RF信号発生器、2GHzE4436B - ESG-DPシリーズ

RF信号発生器、3GHzE4437B - ESG-DPシリーズ

RF信号発生器、4GHz

Signal Studioソフトウェアでは、ESGがオプションのデュアル信号発生器(オプションUND)を備えていることが必要です。ESG信号発生器でラインセス・キーを起動するためにはファームウェア・リビジョンB.03.75以上が必要です。

購入の前にお試しを!Signal Studioは、評価のためにwww.agi-lent.com/find/signalstudioから無料でダウンロードすることができます。本ソフトウェアにより生成された波形をESGディジタル・シリーズRF信号発生器にロードするにはライセンス・キーが必要です。

アップグレード・キット現在オプションUND(デュアル信号発生器)を装備したESGをお持ちで、アップグレード・キットのみをご希望の場合は、E4430BK ESGディジタル・シリーズRF信号発生器用のオプション404をご注文ください。

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サポート、サービス、およびアシスタンス

アジレント・テクノロジーが、サービスおよびサポートにおいてお約束できることは明確です。リスクを最小限に抑え、さまざまな問題の解決を図りながら、お客様の利益を最大限に高めることにあります。アジレント・テクノロジーは、お客様が納得できる計測機能の提供、お客様のニーズに応じたサポート体制の確立に努めています。アジレント・テクノロジーの多種多様なサポート・リソースとサービスを利用すれば、用途に合ったアジレント・テクノロジーの製品を選択し、製品を十分に活用することができます。アジレント・テクノロジーのすべての測定器およびシステムには、グローバル保証が付いています。製品の製造終了後、最低5年間はサポートを提供します。アジレント・テクノロジーのサポート政策全体を貫く2つの理念が、「アジレント・テクノロジーのプロミス」と「お客様のアドバンテージ」です。

アジレント・テクノロジーのプロミス

お客様が新たに製品の購入をお考えの時、アジレント・テクノロジーの経験豊富なテスト・エンジニアが現実的な性能や実用的な製品の推奨を含む製品情報をお届けします。お客様がアジレント・テクノロジーの製品をお使いになる時、アジレント・テクノロジーは製品が約束どおりの性能を発揮することを保証します。それらは以下のようなことです。● 機器が正しく動作するか動作確認を行います。● 機器操作のサポートを行います。● データシートに載っている基本的な測定に係わるアシストを提供します。● セルフヘルプ・ツールの提供。● 世界中のアジレント・テクノロジー・サービス・センタでサービスが受けられるグローバル保証。

お客様のアドバンテージ

お客様は、アジレント・テクノロジーが提供する多様な専門的テストおよび測定サービスを利用することができます。こうしたサービスは、お客様それぞれの技術的ニーズおよびビジネス・ニーズに応じて購入することが可能です。お客様は、設計、システム統合、プロジェクト管理、その他の専門的なサービスのほか、校正、追加料金によるアップグレード、保証期間終了後の修理、オンサイトの教育およびトレーニングなどのサービスを購入することにより、問題を効率良く解決して、市場のきびしい競争に勝ち抜くことができます。世界各地の経験豊富なアジレント・テクノロジーのエンジニアが、お客様の生産性の向上、設備投資の回収率の最大化、製品の測定確度の維持をお手伝いします。

May 29, 20025988-3636JA

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電子計測UPDATE

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