The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 ·...

21
THE CANON STORY 2019/2020

Transcript of The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 ·...

Page 1: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

THECANONSTORY2019/2020

Page 2: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

この冊子ではQRコードを使って、各トピックの関連ウェブサイトへご案内します。QRコードを読み取って、ご覧ください。

目 次

1

2

4

6

18

26

36

企 業 理 念「共 生 」

ごあいさつ

グローバル優 良企 業グループ 構 想 PhaseⅤファイブ

成長へのビジョン

製 品とサービス

活動のご 紹介

グループデータ

共 生キヤノンの企業理念は、『共生』です。

私たちは、この理念のもと、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず

すべての人類が末永く共に生き、共に働き

幸せに暮らしていける社会をめざします。

しかし、経済、資源、環境など…

現在、地球上には共生を阻むさまざまな問題があります。

キヤノンは、共生に根ざした企業活動を通じて

これらを解消するため、積極的に取り組んでいきます。

真のグローバル企業には、顧客、地域社会に対してはもちろん

国や地域、地球や自然に対してもよい関係をつくり

社会的な責任を全うすることが求められます。

キヤノンは

「世界の繁栄と人類の幸福のために貢献していくこと」をめざし

共生の実現に向けて努力を続けます。

キヤノンの行動指針の原点。それが、創業期から受け継がれる「自発・自治・自覚」の

「三自の精神」です。企業DNAを伝承しながら、真のグローバルエクセレントカン

パニーをめざすキヤノンにとって、いまも最も重要な指針となっています。

[自発] 何事にも自ら進んで積極的に行う

[自治] 自分自身を管理する

[自覚] 自分が置かれている立場・役割・状況をよく認識する

歴史を刻み、発展できた背景には、脈 と々受け継がれるキヤノンの企業DNA「人間

尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取

の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

新しい提案をしてきました。それを支えてきたのが実力主義や健康第一主義などの

人間尊重の姿勢です。今後100年、200年と発展し続けるために、キヤノンはこの

企業DNAを次の世代にしっかりと継承していきます。

三自の精神

キヤノンの企業 DNA人 間尊 重

進 取の気 性

技 術優 先

自 発

自 治 自 覚

1THE CANON STORY 2019/2020

Page 3: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

「変化は進歩、変身は前進」。新たなる成長に向けて、戦略的大転換を加速します。

テクノロジーの進化によって、あらゆる分野でさまざまなイノベーションが生まれ、

私たちの暮らしやビジネス、社会構造や価値観にいたるまで大きな変化がもたらされ

ています。そして、進化は日々スピードを増し、企業はこの変化につねにスピーディに

対応していかなければならない時代へと移り変わっています。

 キヤノンの歴史は、挑戦の歴史です。「進取の気性」と「三自の精神」によって、

自らを変革し続けることで、時代の変化と要請にしっかりと応える事業を育て、成長

を果たしてきました。

 2016 年から取り組む5 年間の中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想

フェーズⅤ」においても、新たな成長をめざし、事業の主体をこれまでのBtoCから

BtoBへと変換する「戦略的大転換」に挑んでいます。商業印刷、ネットワークカメラ、

メディカル、産業機器の4つの新規事業をM&Aなどの手法も用いながら、2018年

には事業ポートフォリオの転換を完成させることができました。

 今後、4つの新規事業においては将来の成長の牽引車として、生産性の向上、事業

の拡大に取り組むとともに、既存の事業においてはクラウド、AI、IoTといった最新

のテクノロジーを活用して再強化を行い、さらなるシェア拡大を図ります。

 キヤノンはこれからも「共生」の理念のもと、世界中で親しまれ尊敬される真の

グローバルエクセレントカンパニーをめざして、グループ一丸となって挑戦し、変身を

続けてまいります。今後ともみなさまのご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し

あげます。

キヤノン株式会社 代表取締役会長 CEO

32 THE CANON STORY 2019/2020ごあいさつ

Page 4: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

PhaseV2 016 - 2 0 2 0年

グ ロ ー バ ル 優 良 企 業 グ ル ープ 構 想

Phase Phase Phase Phase

I II III IV

世界で親しまれ 、尊敬される、真のエクセレントカンパニーをめざして。

1996 年から推進する中長期経営計画「グローバル 優良企業グループ構想」は

Phase Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと着実に成果をあげてきました。Phase Ⅴでは

「戦略的大転換を果たし、新たなる成長に挑戦する」という基本方針を掲げ

7 つの主要戦略を実行しています。

1996-2000年「全体最適」と「利益優先」への意識改革を図り、キャッシュフロー経営を徹底。事業の選択と集中、生産革新や開発革新など、数々の経営革新を始めました。

2001-2005年「全主力事業世界No. 1」を掲げて、時代の潮流となった製品のデジタル化を一気に推進し、競争力強化に努めながら、全世界のグループ会社の体質改善を進めました。

2006-2010年現行事業の強化、新規事業拡大など、新たな成長への戦 略を進める一方で、サプライチェーンマネジメントの徹 底やIT 革新を実行しました。

2011-2015年規模の拡 大を追求する経営方針の転換を図り、財務 体質を強化するとともに、積極的にM&Aも実施しながら、将来の飛躍に向けた新たな成長エンジンとなる事業基盤の再構築を進めました。

1 6

7

5

4

3

2

原価率 45%を実現する新生産システムの確立

地球儀を俯瞰して職務を遂行するグローバル人材の育成

新たなる成長の原点となるキヤノンスピリットの再強化

世界のダイナミズムを取り込む世界三極体制の完成

新時代のソフトウエア技術者を育成する研修施設を開設

オープンイノベーションによる研究開発力の強化

市場の変化をとらえた全世界販売網の再構築

新規事業の強化拡大と将来事業の創出

設計、調達 、生 産技術、製 造が一 体となった日本のマザー

工場機能の強化を図るとともに、ロボット化・自動化など生産

技術の高度化を進め、トータルコストダウンを追求します。

世界規模で人材活用の最適化を図るとともに、世界中から

経営幹部候補を選 抜し、国境を超えたキャリアローテー

ションを通じて人材育成を図ります。

創業以来、成長の根底にあったキヤノンのDNAである「進取

の気性 」「三自の精神」の行動指針を再活性化し、戦略 的

大転換を果たします。

積極的にM&Aを実 施して将来有望な事業の獲得を推し

進め、日米欧三極がそれぞれの地域特性を生かして包括的

かつ効率的に経営を行う体制を完成させます。

AI、IoTの時代を迎え、AIの活用による製品の差別

化、製造現場でのIoT対応など、ソフトウエア開発の

需要が拡大しています。2018 年、キヤノンはソフト

ウエア技術者を育成する研修施設「CIST (Canon

Institute of Software Technology )」を新 設。

新入社員や職種転換者向けの講座をはじめ、スキル

アップ研修、事業を牽引するトップレベルのエンジ

ニア育成まで、充実したカリキュラムを用意しています。

さらに今後は、データサイエンティスト、AI、セキュリ

ティなど多様な講座を開設し、技術者のレベルアップ

と製品開発力の強化を図っていきます。

自前主義を脱却し、国内外の大学・研究機関との共同・委

託研究を推進するなど、外部の技術や知識を積極的に活用

する研究開発体制を構築します。

既存の販売組織を見直し、リアルとネットを融合させたオム

ニチャネル 化 、お客さま基 点のソリューションビジネスの

強化・拡大、新興国の市場開拓に注力します。

現行事業の横展開を図る関連多角化により、新事業を創出・

拡大する一方で、有望な分野にはM&Aも含めて経営資源

を重点的に配分し、事業の早期拡大を図ります。取手工場で研修を受けるキヤノンプラチンブリタイランドの社員

大田区下丸子に新設された「CIST」(上) 画像処理の研修(下左) 電気・メカ・ソフトの複合研修(下右)

54 THE CANON STORY 2019/2020グローバル優良企業グループ構想 PhaseⅤ

Page 5: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

観光客にも市民にも安心・快適な地下鉄になりました

THE CANON STORY 2019/2020 7成長へのビジョン ネットワークカメラ

Page 6: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

福岡市地下鉄は、ネットワークカメラで安心・安全をアップグレード

キヤノンとアクシスによる共同開発

年間1億6千万人以上の利用者を誇る福岡市地下鉄。2千万人を超え

る観光客の移動も含め、福岡市の交通の大動脈となっています。福岡

市交通局は2021年の地下鉄開業40周年を前に、さらに安全で快適

な輸送サービスとするために、アナログ監視カメラの一新に着手。

空港線、箱崎線の2路線で、改札口やホーム、階段・エスカレーター、

券売機周辺、駅への出入り口にキヤノンのネットワークカメラシステム

を導入しました。

 これまで各駅で個別に録画・管理していた映像を、中央指令室で

一元管理。460 台以上のカメラ映像が、必要なときにいつでも確認

できるようになりました。フルHDの画質、15フレーム/秒の録画はそれ

までと比べ画素数で24倍、フレーム/秒で10倍という高画質。なめら

かな映像により、走っている人が次のフレームではいなくなったりする

こともなく、券売機で使われたお札の種類まで判別可能なほどクリア

です。映像を見直したいとき、従来のように各駅ごとの録画装置を確認

するといった手間と時間のムダもありません。

 刻 と々変わるホームや階段の混雑に応じて、各駅の駅員の最適配置

も実現し、安心・安全だけでなく、業務効率の改善にも貢献しています。

これからの社会の安心・安全を守るインフラとして

欠かせないネットワークカメラ。ネットワークを介して、

遠隔地からの操作、映像の共有、ソフトウエアによる

異常検知などが行えることから、ネットワークカメラ

システムは監視や防犯ニーズばかりでなく、マーケティ

ングや工場の生産性向上に利用されるなど、市場は

飛躍的な成長と変化をみせています。

 キヤノンは 光学技術を生かし、暗闇でも高精細に

カラー撮影できるカメラを発売するなど、ハードウエア

を強化するとともに、今後の成長の鍵となるAIを使っ

た映像解析技術の開発にも注力。人数カウントのほか、

性別や年齢層などの人物属性推定、リアルタイムに

動体をシルエット表示して人物のプライバシーに配慮

するソフトウエアなどを次々と商品化しています。ハー

ドウエアとソフトウエア双方を進化させることで、市場

の期待を先取りする新しいサービスを提案し、ネット

ワーク映像ソリューションの事業拡大に取り組んでい

きます。

キヤノンは、世界中に約 9 万社のパートナーを持つ

ネットワークカメラシステムのグローバルリーダーで

あるアクシス、映像管理ソフトウエア大手のマイル

ストーンシステムズ(以下、マイルストーン)をグルー

プに加え、ネットワーク映像ソリューションを提供で

きる体制を整備しました。

 2018年には、映像解析ソフトウエアのリーディング

企業であるブリーフカム(本拠イスラエル)が 新たに

グループ入り。キヤノンは ネットワークカメラ、映 像

管理、映像解析それぞれにおいて最先端技術を有す

るグループとなり、各社の力を結集して、さらに高度な

ソリューションを提供していきます。

ハード・ソフト両面の進化 キヤノングループの力を結集

IoT時代のネットワークカメラシステムは映像解析ソリューションへと進化しています

映像を一括管理するマイルストーンのソフトウエア「XProtect」

「Bブリーフカム

riefCam」は、ブリーフカムが開発した映像解析ソフトウエアです。独自の映像要約技術により数時間の録画映像を数分に短縮。また、赤い車だけを表示するなど、映像確認作業を大幅に効率化します。警備にはもちろん、人の動線や交通量の可視化など、さまざまな分野での活用が始まっています。

映像の確認を劇的に効率化する映像解析ソフトウエア

THE CANON STORY 2019/2020 9成長へのビジョン ネットワークカメラ

Page 7: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

「小さな異変も見逃さない」医療現場の情熱に超音波が応えます

THE CANON STORY 2019/2020 11成長へのビジョン メディカル

Page 8: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

超音波でしかとらえられないわずかな変化きれいな画像がさらに発見を早めます

キヤノンメディカルは、ディープラーニングを用いて画像のノイズを低減する画像再構成技術「AiCE(Advanced intelligent Clear-IQ Engine)」を開発し、世界初の高精細CT「Aquilion Precision」、エリアディテクター CT「Aquilion ONE/GENESIS Edition」に搭載しました。 「AiCE」の実用化により、健康診断の胸部レントゲン撮影と同程度のX線量で、より精密な検査を可能にしました。今後、ほかの医療機器にも随時搭載予定です。

日本のがん診療のリーディングホスピタル、国立がん研究センター中央

病院。最先端のがん医療の普及、医療従事者の育成、そして企業や大学

とともに次世代の医療開発に向けた臨床研究・治験を行っています。

 国立がん研究センター中央病院には、全国から病気の診断が難しい

患者さんも多く訪れます。病院は患者さんの利益を最優先に、「最短

の時間で最良の検査結果を得る」ことをめざし、一人ひとりに応じた

診断法を選択します。非侵襲的で被ばくがない超音波診断システム

は副作用を心配することなく患者さんに使用することができ、精密な

診断から治療後のフォローアップまでカバーできる必要不可欠なモダ

リティ(装置)です。

 検査で主に使われている超音波診断システムが、キヤノンメディカル

システムズ(以下、キヤノンメディカル)の「Aplio iシリーズ」です。医

師や技師は撮像する部位や臓器によって最適なプローブとパラメータ

を選択し、正しい診断につながる「美しい」画像の撮像をつねに追求し

ています。キヤノンメディカルは装置の開発にあたり、多くの医療機関

との共同研究を通じ、画像評価・アドバイスを得て画質を向上。しば

しばCT やMRIでは検出されにくく、早期発見や診断が難しいとされる

初期のすい臓がんの検出にも力を発揮できるまでに画像は進化し、

早期発見とがん治療の精度向上に貢献しています。

キヤノンのメディカル事業の中核となるのは、2016 年

からグループに加わったキヤノンメディカル。CTや

MRI、超音波、X線診断装置などの分野で、数々の世

界初・日本初を生み出してきた医療画像診断システム

のパイオニアです。

 キヤノンメディカルは、「尊い命に貢献したい」と

いう想いを込めた経営スローガン「Made for Life」

のもと、人々の健康に貢献するため、技術開発と製品

化のスピードをさらに加速。キヤノンの得意とする

イメージング技術やものづくり技術と融合することで、

これまでにないイノベーションが生まれています。

 キヤノンはデジタルX線撮影や眼科検査の機器など、

キヤノンメディカルのグループ入り前から、医療現場

の一端を担ってきました。今後、キヤノンはキヤノン

メディカルとともに医療機関をはじめ、企業や大学と

グローバルに連携しながら、新たな領域に向けた先端

技術の開発に挑み続けます。

キヤノンのメディカル事業はいま、「画像診断」「医療

IT」「体外診断」の3つの領域において、より効率的な

医療と、患者さんの満足を両立するソリューションの

提供をめざしています。

 「画像診断」では、世界中の先進医療機関や大学と

のオープンイノベーションにより、確実な診断を支援す

る高精細画像の提供と、被ばく低減・検査時間の短縮

など患者さんの負担軽減を両立する技術開発に注力

しています。

 「医療 IT」では、AIの活用をはじめ、医療現場の

さまざまな情報を収集・統合・解析・加工して医療情報

の有用性を高め、最適な医療に貢献していきます。

 そして「体外診断」では、病気のさらなる早期発見、

感染拡大の予防のために、血液や遺伝子などの検査

ソリューションの開発やDNAチップ、迅速遺伝子検査

など、高度化する医療への適応を進めています。

ディープラーニングを用いた画像再構成技術を搭載

キヤノンメディカルとともに 医療 IT、体外診断にも注力

「人生 100 年時代」を健康に。メディカル事業を強化・拡大しています

キヤノンメディカルシステムズ本社

オープンイノベーションで進む画像診断の研究開発※写真内の医用画像は米国NCI Foundation for the NIHが一般公開したLIDC/IDRIデータベース内のものです

THE CANON STORY 2019/2020 13成長へのビジョン メディカル

Page 9: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

デジタル化の拡大で商業印刷の未来は色鮮やかに

車に直接塗装せずに、好きなデザインに装飾できるカーラッピング。オセのUV硬化型大判プリンターでの印刷によって、耐光性の高い色鮮やかなラッピングが実現しました。 キヤノンの事業所間の移動バスは、「ラグビーワールドカップ 2019™日本大会」のデザインでラッピング。日本での初開催の機運を盛りあげています。

色鮮やかなバスラッピングをオセのUVプリンターが実現

製品マニュアルや書籍、カタログ、ダイレクトメール、

帳票などをプリントする商業印刷。版をつくって大量

印刷するオフセット印刷がいまも主流ですが、版が

不要で多品種少部数の印刷にも短納期で対応できる

デジタル印刷の需要が年々高まっています。

 必要なときに必要なだけプリントできるデジタル

印刷は、一部ごとに内容を変えるバリアブル印刷も

可能で、個別マーケティングなど新たなお客さまの

ニーズに柔軟に対応します。

2010年、連帳プリンターや大判プリンターなど、欧米

の商業印刷分野で高い実績を誇るオセがキヤノング

ループに加わりました。オセとの連携により、高画質・

高生産性・高信頼性のハードウエアとソフトウエアを

提供し、商業印刷の事業拡大に努めています。  

 オセのソフトウエア「PRISMAシリーズ」は、入稿から

後加工までの印刷のワークフローを一元的に管理し、

印刷会社の業務効率や生産性向上に貢献しています。

 2017 年には、オフセット印刷で用いるコート紙に

高精細な印刷を可能にしたグラフィックアーツ市場

向け連帳プリンターを発売。商業印刷のなかでも、

高品位なカタログやダイレクトメールなど、高画質の

みならず、さまざまなメディアへの印刷が求められる

グラフィックアーツ市場での高い要求に応えています。

 さらに、キヤノンは次の発展に向け、世界的に成長

が著しい産業印刷の領域も視野に入れ、オセとともに

研究開発に挑んでいます。

印刷もアナログからデジタルへ オセとともに拓く新しい可能性

必要なときに必要なだけ印刷できるデジタル印刷

商業印刷のデジタル化が新時代の新しい価値を生み出しています

グラフィックアーツ市場向け連帳プリンター「Océ ProStream 1000」

THE CANON STORY 2019/2020 15成長へのビジョン 商業印刷

Page 10: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

シリコンウエハー上に微細な回路パターンを光で焼き付ける半導体露光装置は、微細化を実現するために大型化し、巨額な設備投資が必要になってきています。 キヤノンは回路パターンを刻み込んだマスク(型)を、ウエハー上に塗布された樹脂に押し当てるというシンプルな原理でパターンを形成する、ナノインプリントリソグラフィ技術を開発。コンパクトかつ半導体製造コストを大幅に低減できる装置として注目されています。

究極の微細加工技術ナノインプリントリソグラフィ

ものづくりの進化なしにIT社会の進化はありえません

黒の表現に優れ、高画質・省電力が特徴の有機ELディ

スプレイ。スマートフォン(以下、スマホ)やテレビなど

に採用され、薄型化や折り曲げもできることから、今後

も着実に需要の拡大が期待されています。

 キヤノントッキの有機ELディスプレイ製造装置は、

高い生産性と高品質を誇り、業界のスタンダードとい

える圧倒的な地位を確立。キヤノントッキは、キヤノン

アネルバやキヤノンマシナリーなどのグループ各社と

連携を取りながら、生産・設置・保守サービス活動を

行うとともに、さらなる高精細化や高生産性を追求した

装置の開発を加速しています。

半導体チップを基板に接合するダイボンダーで高い

シェアを持つキヤノンマシナリーは、FA分野でもリチ

ウムイオン二次電池組立設備など、カスタムメイドの

自動化装置を生産。キヤノンアネルバは、真空薄膜形

成技術を使った半導体デバイスや通信デバイスの配線

形成のほか、ハードディスクやLEDの生産に不可欠の

スパッタリング装置などを生産しています。

 キヤノントッキと合わせ、グループ 3 社が展開する

産業機器は、半導体製造や電子機器製造をはじめ、

まさに次世代のものづくりの現場を支えています。3社

は一丸となって生産技術・調達・ロジスティクス面で

も連携を強めながら、新しい製品やサービスの開発・

拡大に貢献していきます。

有機ELの生産を支えるキヤノン グループ 3 社が緊密に連携

有機ELディスプレイ製造装置の搬送部

半導体デバイス生産で活躍するキヤノンアネルバのスパッタリング装置

キヤノンの産業機器がIoT時代のものづくりを担っています

THE CANON STORY 2019/2020 17成長へのビジョン 産業機器

Page 11: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

社会を支える産業機器の新しい地平を切り拓くために

キヤノングループの力を結集し、事業領域を拡大しています。

安心・安全な防犯・監視システムを実現するネットワーク

カメラ。AIを活用した映像解析技術と組み合わせて映像

ソリューションビジネスを拡大しています。

オセとの連携により高画質で高信頼性のハードウエアと

ワークフローソフトウエアを提供。デジタル印刷の成長が

続く商業印刷分野で、お客さまの高い要求に応えています。

IoT時代の到来により多様化が進む半導体チップ。自動車

や通信機器向けなど、市場の拡大によってますます高まる

半導体チップの需要に、高い生産性で貢献しています。

有機ELディスプレイの量産において世界をリードしてきた

キヤノントッキの真空蒸着技術。さらに技術力と生産能力に

磨きをかけ、製造装置の開発を加速しています。

ネットワークカメラ

グラフィックアーツ市場向け大判プリンター 高速カラーカットシートプリンター 業務用フォトプリンター FPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置 産業用カメラ CMOSセンサー コンポーネント / 計測機器

商業印刷用プリンター 半導体露光装置 有機ELディスプレイ製造装置

INDUSTRY

1918 THE CANON STORY 2019/2020製品とサービス

Page 12: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

クラウド時代に合わせたネットワーク機能を充実させ

多様な働き方と生産性向上を実現するソリューションを提案します。

高いセキュリティ機能を備え、クラウドをはじめとしたネッ

トワークと連携して生産性向上と柔軟なワークスタイルの

実現に貢献。快適なドキュメント環境をサポートします。

高生産性と高画質プリントの両立を高い次元で実現。顔料

インク「LUCIA TD」によりCAD図面からポスターまで、多様

化するニーズに応えた幅広い大判プリントに対応します。

オフィスのみならず、学校や店舗など幅広いシーンで活

躍。画質や操作性はもちろん、環境性能やリサイクルへの

取り組みでもトップランナーとして快走しています。

大容量インクタンクなどにより、コストパフォーマンスを

追求。2018 年には、オフィスに適した省スペース・省メン

テナンス設計の高速プリントA3 複合機も発売しました。

かんたんに高品位なポスターがつくれる大判インクジェッ

トプリンター用ソフトウエアや、複合機と連携してドキュメ

ントワークを一元管理するソフトウエアを提供しています。

文書や帳票、写真やフィルムをデータ化しファイリングや

共有化をサポート。パーソナル向けからオフィス向けまで

充実したラインアップが多彩なシーンで活躍しています。

名刺やハガキ、封筒などの紙はもちろん、プラスチック・

ICカードなどへのプリントにも対応。カードのセルフ印刷

によるコスト削減や業務の効率化に貢献しています。

1964年、世界で初めて10キー式電卓を発売したキヤノン。

プリンター内蔵、ワンタッチ粗利計算などユニークな機能

を備えたバリエーションであらゆるニーズに応えています。

オフィス向け複合機

大判インクジェットプリンター

レーザープリンター・複合機

ビジネスインクジェットプリンター・複合機

ソフトウエア

スキャナー

カードプリンター

電卓

OFFICE

2120 THE CANON STORY 2019/2020製品とサービス

Page 13: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

最高品質が要求されるプロフェッショナルの世界で確固たる信頼を

築くために、キヤノンの技術革新は終わりません。

一瞬を狙うプロたちの信頼に応え続けてきた「EOS」。誕生

から30 年を超えたいまも「快速・快適」、そして「高画質」

をより高いレベルへ導き、映像表現の幅を広げています。

TV局や映像制作の現場で圧倒的な地位を誇るキヤノンの

放送用レンズ。放送が開始された超高精細 4K・8Kにも

いち早く対応し、臨場感あふれる映像をお届けしています。

プロジェクションマッピングや大空間での映像展示から、

持ち運べるポータブルモデルまで。高画質・小型化を実現

する独自の光学システムでクリアな映像を投写します。

世界初の機能を次々と形にしてきたキヤノンメディカルの

X線CT診断装置。医療現場の意見を取り入れながら、患者

さんの負担軽減と高画質の両立をめざし進化しています。

レンズ交換式デジタルカメラ

デジタルシネマカメラ 交換レンズ 業務用ディスプレイ業務用デジタルビデオカメラ プロ用インクジェットプリンター デジタルラジオグラフィ MRI装置 超音波診断装置

放送機器 マルチメディアプロジェクター X線CT診断装置

PROFESSIONAL

2322 THE CANON STORY 2019/2020製品とサービス

Page 14: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

一瞬のチャンスを逃がさないプロに鍛えられた一眼レフ

カメラ。豊富な交換レンズ群とともに、写真を愛する人の

情熱に応えます。撮影画像はすぐにスマホでも楽しめます。

レンズ、イメージセンサー、映像エンジンが実現する高画質

と優れた機能を小型・軽 量ボディのなかに惜しみなく詰め

込みました。撮影する楽しさを手軽に体感できます。

初心者からハイアマチュア向けまで、手軽ながらも高画質な

ミラーレスカメラを幅広く用意。最新の「EOS Rシステム」

では、さらなる高画質と使いやすさを追求しています。

高い倍率でも驚くほど鮮明に見えるキヤノンの双眼鏡。

独自の光学式手ブレ補正機能が、安定した視界で自然

観察やライブ、スポーツ観戦の楽しみを倍増させます。

スマホやタブレットからかんたん・便利にプリント。カード

やネイルシール、A3サイズ印刷のほか、大容量インクタン

クによる低ランニングコストのモデルも用意しています。

楽しい思い出や大切な記録をより深く長く楽しむために、

キヤノンはさまざまなフォトブックサービスを用意。アプリ

まかせで誰にでもかんたんにフォトブックがつくれます。

手のひらサイズで気軽に持ち歩いて、いつでもどこでも

写真をプリント。メッセージや絵文字・スタンプで遊べる

アプリも充実したスマホ専用ミニフォトプリンターです。

コンパクトデジタルカメラ

ミラーレスカメラ

双眼鏡

インクジェットプリンター

フォトブックサービス

コンパクトフォトプリンター

ミニフォトプリンター

HOME

おでかけ先でもカメラやスマホで撮った写真をかんたんに

高画質プリント。多彩な用紙に印刷したり、シールプリン

トを手帳や日記に貼って、写真を思う存分楽しめます。

デジタル一眼レフカメラ

体験や感動を美しく残すために。毎日に豊かさと彩りを加えるために

キヤノンはイメージング技術を限りなく進化させていきます。

2524 THE CANON STORY 2019/2020製品とサービス

Page 15: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

ネットワークカメラの映像から新たな価値を生み出す映像解析ソフトウエア

決定的瞬間を間近で見ているような体験新たなスポーツ観戦ソリューション

さらなる進化で多彩な分野に広がるCMOSセンサー

高い寸法精度と複雑な形状を実現する3Dプリンターによるセラミックス部品作製

オープンイノベーションによる最先端診断・治療技術の研究開発

人数をリアルタイムでカウントするソフトウエアな

ど、ネットワークカメラをさらに進化させる映像解

析ソフトウエアの開発を加速しています。交通機

関や商業施設の待ち時間まで推定し、防犯・監視

を超えた新たなソリューションを提供します。

自由なアングルで好きな位置から映像を見られる

「自由視点映像生成システム」、超高精細 8K映像

をリアルタイムで補正し曲面スクリーンに投影する

「臨場感ライブ映像ソリューション」の実証実験を

実施。新しい映像の楽しみ方を提案します。

いまやイメージセンサーの主流となり、産業分野

などへ活躍の場が広がるCMOSセンサー。自社で

開発・生産を行う技術力を強みに、多画素化・高

感度化、高速な動きも正確に撮像するグローバル

シャッターなど、つねに最先端を切り拓きます。

3Dプリンター用セラミックス材料には焼成工程で

の収縮という課題がありました。キヤノンは焼成

時の収縮を抑えるために、樹脂を用いない材料を

独自に開発。高精度で複雑な形状の部品作製によ

り、幅広い分野での多品種少量ニーズに応えます。

キヤノンUSAヘルスケアオプティクスリサーチラボ

ラトリーは、医療の最先端を走るハーバード大学

関連医療機関と連携。光学イメージング技術と

ロボティクス技術を駆使し、超小型ファイバー内視

鏡や穿刺補助システムなどを開発しています。

技術優先のDNAを持ち、撮影・印刷の分野をリードし続け、

多くのコアコンピタンス技術を積みあげてきたキヤノン。

いま、研究開発の領域は医療や産業分野へと広がっています。

技術優先のDNA「世界一のカメラをつくりたい」という開拓者精神からスタートしたキヤノンの

研究開発の歴史。以来、独自性にこだわる「技術優先」の姿勢を継承しています。

オープンイノベーション新しいイノベーションをスピード感を持って創出するためにオープンイノベーション

を推進。世界中の大学・研究機関とともに最先端の技術を開発しています。

イメージングのコアコンピタンス技術キヤノンの競争力の源は、光学・センサー・画像処理技術です。

AI、IoTなどの最新テクノロジーと組み合わせ、新しい価値を提案し続けます。

研究開発

新たなセラミックス材料により複雑な形状の部品を作製

研究開発・技術についてご覧いただけます

テクノロジーサイトへ

2726 THE CANON STORY 2019/2020活動のご紹介

Page 16: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

生産・品質

「ものづくり」に徹底したこだわりを持つキヤノンは、組立の自動化を

推し進める一方、卓越した技能や技術を持つ人材を育成。多角的な視点で

ものづくり力を進化させています。品質に関しても高い安全性基準を設け、

ブランドへの信頼を守るべく取り組みを強化しています。

マザー工場の確立設計、調達、生産技術、製造が一体となって、自動化や内製化に

取り組む「マザー工場」を各事業が展開し、ものづくりを追求しています。

知恵テク現場の知恵を使って徹底的にムダ取りされた設備を自前でつくるキヤノンの

現場力の象徴。治具・工具のほか、高価な設備の代替設備も手づくりしています。

ノークレーム・ノートラブルキヤノンの品質の基本理念。ISO9001の要求事項に独自のしくみを加えた

品質マネジメントシステムを構築し、製品ライフサイクル全体で運用しています。

国・地域ごとの特徴を生かす世界最適地生産

製品の設計段階から考える完全自動化を推進

さらなる生産性の向上をめざし内製化を拡大

卓越したものづくりを支える名匠・マイスター制度

キヤノンクオリティを実現する妥協のない品質試験

キヤノンは社会・経済情勢の変化に合わせて、国や

地域ごとの税制、物流手段、部品調達のしやすさ、

労働力などを総合的に判断。最も合理的な拠点で

生産する「世界最適地生産」を確立し、俊敏でフレ

キシブルな体制で製品をつくり出しています。

高品質な製品を低コストで安定してつくるため、

全社を挙げて組立の自動化・ロボット化を進めて

います。マイスターと開発部門が密に連携。製品

開発段階から自動機による組立を想定し、人手を

介さない完全自動化に挑戦しています。

製品のキーデバイスやキーコンポーネントから

成形部品、組立、さらに設備の保守へ 、キヤノンは

内製化を進めてきました。製品・サービスのソフト

ウエア需要が増すなかで、製品の組み込みソフト

ウエアやその検証にも領域を広げています。

卓越したものづくりの技能を持つ個人を「名匠」、

幅広い技能と知識を生かして組立や部品加工な

どの進化に貢献した個人を「マイスター」に認定。

次の世代に「技」を伝える伝承役として、ものづくり

を支えています。

お客さまに安全で安心、満足いただける「キヤノン

クオリティ」を備えた製品を提供するため、公的規

格や関連法規に対応した試験設備を完備。公的

試験を社内で実施できる認定を取得して、厳しい

品質試験を実践しています。

キヤノンハイテクタイランド ラチャシマ工場

2928 THE CANON STORY 2019/2020活動のご紹介

Page 17: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

環境・社会貢献製品ライフサイクル全体で取り組むCO2 排出量の削減

高度な資源循環を追求するキヤノンエコテクノパーク

文化財の保存と高精細複製品の活用により日本文化を未来に継承する「綴

つづり

プロジェクト」

若者の想像力を育て成長の機会をもたらす教育支援活動

子どもたちの学習環境を整備「Friendship School Chain Project」

開発・設計から生産、輸送、使用、リサイクルにいた

るまで、製品ライフサイクル全体を通してCO2 排出

量を削減。製品の省エネルギー化のほか、物流の

効率化や生産拠点でのエネルギーの効率利用な

ど、さまざまな活動に積極的に取り組んでいます。

最新鋭の自動リサイクルシステムを用いたトナー・

インクカートリッジのリサイクル、回収した複合機

を新品同様に蘇らせるリマニュファクチュアリング

を行っています。また、ショールームを併設し、

キヤノングループの環境活動を発信しています。

特定非営利活動法人京都文化協会とともに、キヤ

ノンの最先端デジタル技術と京都の伝統工芸の技

を融合し、貴重な文化財の高精細複製品を制作。

高精細複製品の公開・活用により、オリジナル文化

財を守り、未来への継承を行っています。

人々の豊かな感性を育み、感動をもたらすイメー

ジングのリーディングカンパニーとして、世界各地で

写真や映像撮影をテーマにした若者向けのワー

クショップを開催しています。また、アフリカでは

印刷技能の習得支援も行っています。

ベトナムの貧困地域に住む子どもたちの学習環境

向上のために、校舎の建設のほか、机やいすなどの

学用品を寄贈する活動を行っています。ベトナム

地区の多くの従業員がボランティアとして活動に

参加し、地域社会との交流を深めています。

キヤノンは企業理 念「共生」のもと、持続可能な社会の構築に向けた

取り組みを実践。低炭素社会や資源循環型社会の実現 、

有害物質の廃除に向けた活動とともに生物多様性の保全、

社会福祉や教育・文化支援といったCSR 活動を推進しています。

キヤノングループ環境憲章キヤノンの環境保証活動の基礎となるのは 、1993年制定の「環境憲章」です。

「資源生産性の最大化」をテーマに、製品のライフサイクル全体を通して、

環境問題を意識した環境保証活動を推進することを明記しています。

CSR 活動方針国際社会と地域社会のなかで、キヤノンの持つ

「高度な技術力」「グローバルな事業展開」「専門性のある多様な人材」を

有効活用し、CSR 活動を行うことを方針としています。

本社敷地内で観察された東京都区部絶滅危惧Ⅱ類の「モズ」

綴プロジェクトやそのほかの活動についてご覧いただけます

環境サイトへ

CSRサイトへ

環境への取り組みについてご覧いただけます

3130 THE CANON STORY 2019/2020活動のご紹介

Page 18: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

マーケティング

メキシコでのプロダクションプリンター戦略製品発表会 BtoB、BtoC製品の両方が体験できるパリのカスタマーエクスペリエンスセンター

トップディーラーとの関係を強化する全米ディーラーサミット 商業印刷をはじめ、幅広いBtoB 製品の展示を行うチューリッヒ近郊のカスタマーエクスペリエンスセンター

キヤノンUSAが北米および中南米地域を統括。近年は、お客さま

志向のマーケティング活動に注力し、使いやすいECサイトの

設計やアフターマーケティングの効率化など、マーケティングの

デジタル化を強化しています。

 オフィス機器事業では、全米を4地域に分けて活動するリージョ

ンマネジメント制度を推進。全米ディーラーサミットを開催し、

トップディーラーとのさらなる強固な関係構築を図っています。  

 また、新たなイノベーションを創出するための組織体制を整備

し、研究開発を強化しながら新規事業の育成を進めています。

ヨーロッパ・中東・アフリカ地域の総称であるEMEA。キヤノンヨー

ロッパは約120の国・地域でビジネスを展開し、お客さまに合わせた

製品・ソリューションの提案や販売網の強化に取り組んでいます。

 2018年は、フランスとスイスにカスタマーエクスペリエンスセ

ンターを開設し、お客さまに製品やサービスを体験していただく

機会を創出。伝統ある世界的な映像関連の見本市「Photokina」

では、新イメージングシステム「EOS Rシステム」をはじめ、幅広い

製品群の魅力をアピールしました。

 経済成長が期待されるサウジアラビアに現地法人を設立する

など、中東やアフリカにおいてもビジネスを拡大しています。

AMERICAS EMEA北米最大規模の映像関連の展示会「PhotoPlus 2018」 「Photokina 2018」のキヤノンブース

開発 、生産、販売 、アフターサービスまで緊密に連携した

サプライチェーンマネジメントを展開。世界中のお客さまに製品やサービス、

ソリューションをタイムリーにお届けしています。

3332 THE CANON STORY 2019/2020活動のご紹介

Page 19: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

インドではBtoB製品に直接触れられるブランドショップ「Canon Business Imaging Solutions Lounge」を開設

「SECURITY SHOW 2019」のキヤノンブース

アジア全域で開催するフォトイベント「キヤノンフォトマラソン」 撮影会などを通して写真の楽しみ方を提案

キヤノンアジアマーケティンググループが中国や韓国、南アジアや

東南アジアまで統括。BtoBビジネスでは、複合機や商業印刷用

プリンターの販売とブランド強化に注力し、特に複合機では地域

専用の戦略製品を投入して、成長著しいインドを筆頭にアジア

全体のビジネス拡大を推進しています。2018 年に初めて開催

された「中国国際輸入博覧会」では、キヤノングループの総力を

結集し、ビジネスから医療向けまで幅広い製品やソリューション

を出展しました。

 BtoCビジネスでは、独自のECサイトを新設し、シェアを広げて

います。さらに、オセアニア地域でも積極的なM&Aにより、BtoB

ビジネスを強化しています。

第 1 回「中国国際輸入博覧会」

日本国内を中心にマーケティング活動を行うキヤノンマーケティ

ングジャパングループ。グループの総合力を生かし、キヤノンの強み

であるイメージング技術とITを組み合わせたビジネスを展開して

います。

 創立50周年を迎えた2018年には、よりきめ細かなニーズに応

えられるよう、お客さまを起点とするフレームワークにするために

組織を再構築しました。2019年は「第二の創業」のスタートの年

として、カメラやオフィス機器などのキヤノンブランドの事業に

加えて、ITソリューションやBPOサービス、産業機器などの成長

領域にビジネスをシフト。お客さまの課題解決を実現する企業

グループをめざしています。

ASIA & OCEANIA印刷工程全体のコーディネートからサポートまで幅広いソリューションを提供

JAPAN

3534 THE CANON STORY 2019/2020活動のご紹介

Page 20: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

キヤノンヨーロッパ

キヤノン中国

キヤノンシンガポール

キヤノンオーストラリア

キヤノンUSA

キヤノン本社

キヤノンマーケティングジャパン

EUROPE* JAPAN AMERICAS

主要拠点研究開発・ソフトウエア開発製造  販売その他

25,281人1兆154億円売上高

従業員数 77,954人9,905億円売上高

従業員数 73,460人8,696億円売上高

従業員数 18,361人1兆764億円売上高

従業員数

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

9,100

5,850

3,056

2,735

2,474

2,465

2,353

2,300

2,160

2,123

順 位 権 利 者 件 数

IBM

SAMSUNG ELECTRONICS

キヤノンINTEL

LG ELECTRONICS

TSMC

MICROSOFT TECHNOLOGY LICENSING

QUALCOMM

APPLE

FORD GLOBAL TECHNOLOGIES3兆9,519億円

GROUP DATA売上高(2018年)

195,056人従業員数(2018年) 米国特許登録件数(2018年)

2,528億円 379社

*キヤノンの公表データではEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ地域)を欧州としています。※従業員数・連結子会社数は2018年12月31日時点 ※米国特許登録件数は、米国の特許専門調査会社IFI CLAIMSパテントサービスの速報値による。 ※IBMは、International Business Machines Corporationの略称です。 ※TSMCは、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limitedの略称です。 ※各ビジネスユニットの連結売上高には、ユニット間消去-2.7%があるため、総計100%になっていません。

産業機器・その他20.4%

メディカルシステム11.1%

イメージングシステム25.5%

オフィス45.7%

ビジネスユニット別売上高の構成(2018年)

純利益(2018年) 連結子会社数(2018年)

ASIA & OCEANIA

欧州25.7%

米州27.2%

日本22.0%

アジア・オセアニア

25.1%

米州9.4%

日本37.7%

欧州12.9%

アジア・オセアニア

40.0%

3736 THE CANON STORY 2019/2020グループデータ

Page 21: The Canon Story 2019/2020 · 2019-04-22 · 尊重」「技術優先」「進取の気性」があります。ベンチャー企業として始まった進取 の気性と、技術による差別化をめざす姿勢は、深く浸透し、つねにキヤノンは社会に

〒146-8501 東京都大田区下丸子3-30-2 global.canon ©Canon Inc. 2019 PUB.AJP043 0419